速さが同じでも向きが異なれば異なる方向に進む。
運動の様子を知るには速さだけでなく向きも考えねばならない。速さに向きの要素を加えたもの、すなわち単位時間あたりの変位を速度という。例えば、西へ走る40㎞/hの車Aと東へ走る40㎞/hの車Bは速さは等しいが向きは反対である。このことを表すために正負の記号を利用する。つまり西を正・東を負とするとAの速度は+40㎞/h、Bの速度は-40㎞/hと表記できる。
*このように大きさと向きを持つ量をベクトルといい、その記号はu(記号の上に右矢印)と書く。
ただし、 先ほどのように直線上(1次元)においては速度の値に±が書かれている場合には矢印を省略して単にuと書いてもよい(詳しくは後述)。
逆に、速さのように大きさのみを持つ量(方向を持たない速さ)をスカラーという。
なお、平面(2次元)・空間(3次元)上の運動や高度な運動の表し方等は後程説明する。