クリミア・コンゴ出血熱(CCHF)とはウイルス(>>5)によって引き起こされる重篤(>>135)な感染症(>>1)で主にダニを媒介とし、発熱(>>130)や出血を伴う。
[概要]
クリミア・コンゴ出血熱は急性熱性疾患である。
クリミア・コンゴ出血熱ウイルス(CCHFウイルス)は、主にダニ(特にHyalomma属)を媒介として感染(>>31)が起こる。また、感染者(>>144)の血液や体液に接触することでも感染が起こる。
[感染経路]
感染経路(>>167)は以下の通りである。
・ダニの咬傷(感染したダニに咬まれることによって感染する)
・動物からの感染(感染した動物の血液や組織に触れることによって感染する)
・人から人への感染(感染者の血液や体液に接触することによって感染する)
[症状]
クリミア・コンゴ出血熱の潜伏期間(>>175)は通常2-9日で、初期症状は風邪(>>176)やインフルエンザ(>>114)に似た非特異的なものである。主症状には以下が含まれる。
・突然の発熱
・頭痛(>>170)
・筋肉痛(>>171)
・リンパ節の腫れ
・出血症状(点状出血、紫斑(>>177)など)
重症化すると、全身出血や消化管出血がみられる。感染者の約30%が死亡するため、非常に危険な病気である。
[治療・予防]
今日クリミア・コンゴ出血熱に対する特別な治療法やワクチン(>>141)は存在していない。そのため症状に応じた支持療法(>>178)が行われる。
予防策としては、以下が推奨される。
・ダニが多く生息する地域への渡航を控える
・屋外では虫よけスプレーを使用する
・感染動物や、その血液に触れないようにする
[流行地域]
クリミア・コンゴ出血熱はアフリカ大陸・東ヨーロッパ・中近東・中央アジアなどに広く分布している。特に、ダニの生息地に関連して患者が発生することが多い。
この病気について理解を深め、適切な予防策を講じることが重要とされる。
[カテゴリ]
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