ラッサ熱は、アレナウイルス科に属するラッサウイルスによって引き起こされるウイルス性出血熱(>>5)で、主に西アフリカで流行している。
[概要]
アレナウイルスは主に西アフリカに生息するマストミス(野ネズミ)の体内に存在する。
感染(>>31)はウイルスを保有するマストミスとの接触や、その糞尿に汚染された食品を摂取することによって起こる。また感染者(>>144)の血液や体液に触れることでも人から人への感染が発生する。
[症状]
潜伏期間(>>175)は7-18日である。主症状は以下の通りである。
・発熱(>>130)
・全身倦怠感(>>131)
・関節痛(>>188)
・頭痛(>>170)
・嘔吐(>>172)
・下痢(>>133)
重症(>>135)化すると消化器出血・脳症・ショックなどの深刻な症状が現れ、死亡することもある。回復後に聴覚障害(後遺症(>>187))が残ることもある。
[診断・治療]
血清学的検査(>>188)やPCR検査(>>189)によってウイルスの存在を確認する。
抗ウイルス薬(リバビリン(>>181)など)による治療が行われるが、ワクチン(>>141)は存在しないため感染予防が重要である。
[予防]
流行地域ではマストミスとの接触を避け、糞尿による汚染を防ぐことが重要である。また、医療現場では個人防護具を使用することが推奨される。
ラッサ熱は重篤な病気であるため早期の診断と治療が重要である。流行地域に行く際は十分な注意が必要であるとされている。
[カテゴリ]
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