ポリオ ( No.18 )
日時: 2025/09/08 18:28
名前: フルペデ委員会◆RzWJJvnJTo (ID: xwCD.5ek)

急性灰白髄炎(ポリオ)とは、ポリオウイルスの感染(>>31)による神経感染症(>>5)。軽症(>>146)で自然治癒(>>143)する場合も多いが、麻痺(>>191)の後遺症(>>187)が残る場合もある。

[概要]
ポリオウイルスに感染しても多くの場合は発病(>>192)しないと言われている。感染者(>>144)の5%ほどが発病し1-2%が髄膜炎(>>193)に至り、その一部が麻痺を起こし後遺症が残ると言われている。ポリオに罹った時は風邪(>>194)のような症状があり発熱(>>130)・頭痛(>>170)・のどの痛み(>>147)などになる。

ポリオに対してはワクチン(>>141)が存在しており、日本ではワクチンが定期接種となっているためポリオウイルス感染者はほとんど存在しない。

診断のためには、便や血液中にポリオウイルスが存在するかを調べる検査を行う。有効な治療方法は存在しないため、予防接種(>>180)などで感染を予防することが非常に大切である。ポリオを疑った場合は感染症(>>1)内科に罹ることを推奨する。

[メカニズム]
病原体(>>8)はポリオウイルス。ポリオウイルスがヒトの口の中に入り、喉や腸の中で増殖する。ポリオウイルスに感染しても、90-95%は症状が出ないと考えられている。体内に侵入したウイルスはリンパ管や血液を介して脊髄・脳に感染する。ポリオウイルスは感染者の便を介して他人に感染する。感染しても多くの場合は発症しない。感染者の5%で風邪のような症状が現れる。感染者の1-2%では上記の症状に引き続き、無菌性髄膜炎(>>125)を発症する。感染者の0.1-2%で弛緩性の麻痺が現れ、麻痺は後遺症として残る場合がある。日本をはじめ多くの国ではワクチンの接種が普及していて感染率は低い。海外の流行地で感染した人から、国内にウイルスが持ち込まれることがある。乳幼児は免疫(>>154)力が低いため、特に注意が必要。弛緩性の麻痺(筋に力が入らなくなる)などの症状が現れ、後遺症として麻痺が残ることがある。

[症状]
感染してから数日から1か月後に、だるさ、くびの後ろや背中の痛みなどの症状が現れる。かぜ様症状(発熱、頭痛、のどの痛み、吐き気(>>160)、嘔吐(>>172))のみで自然治癒することもある。ウイルスが脊髄に感染して重症(>>135)になると、手足に弛緩性麻痺が現れる。弛緩性麻痺は一生残ることもあり、また呼吸困難で亡くなることもある。

[検査・診断]
検査・診断は以下の通りである。

・ウイルス分離(糞便の中にウイルスがあるか調べる)
・血液検査(血液中にウイルスがいるかを調べる)

[治療・予防]
治療法は確立されておず、対症療法(>>174)が行われる。呼吸障害に対して気管内挿管を行って人工呼吸器を用いて呼吸をサポートする。気管内挿管が長期的になる場合は、気管切開を行う。弛緩性麻痺に対してリハビリテーションによる、残存機能を活かした身体機能訓練や生活設計など。

予防接種(ワクチン)。特に流行国へ渡航するときには追加の予防接種、手洗いの励行。