雑談掲示板
- 【ご愛顧】幕引きはこの手で【ありがとうございました】
- 日時: 2014/03/28 13:10
- 名前: たろす@◆kAcZqygfUg
*阿呆空気読めw
*祝参照20000突破
これは、快挙だろー。
みんなありがとうねー
このスレに付けられているタグ
*「@さん仕事して」「安定の精神疾患者」「またあなたですか」「@を忘れないで」「そして参照数である」
*F5ぷしゅ
【表紙絵のキャララフ】
ものすげー久々にアナログで描いた。
下手すぎて全く笑えない、デジタルってすげー((
とりあえずあれかなー、全体の構図とあわせてみて、デジタルラフ出力したらもっかいアナログでトレスしようかなー。
ペン入れまでアナログでやろうかなー。
あーでもそしたらもうデジでやることなくなるか。
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Re: 【返信は】シュルレアリストの存在定義【待ってね】 ( No.1024 )
- 日時: 2014/03/13 16:39
- 名前: たろす@◆kAcZqygfUg (ID: eJEwvfLA)
【お題:シュルレアリストの存在定義】
はじめに。
シュルレアリスム(超現実主義)とは、僕を初め、曲がりなりにも字書きをしている人間なら、かならずその一端をになっているものだと思う。
学術的なシュルレアリスム活動がどうとか、的なものは実際どうでもいい。
僕ら字書きは、夢の中を垣間見ることが出来る、それを文章としてこの世に貼り付けることが出来る。
現実以外の幻想を、幻視した光景を、情景を、感覚を、そこにある現実として書き留めることが出来る。
さて、自覚無きシュルレアリスト諸君、諸君にとっての『超現実主義』の定義とは、果たしてなんだろうか?
【シュルレアリストの存在定義】
目を瞑ることが幸福な瞬間だった。
何処にいようとも、目を瞑れば暗闇が落ちる。 まぶたの裏側はいつでも私に優しい。
胎内に戻ったような、不思議な安堵感。 目を閉じると血流の音が聞こえるのは何故だろうかと思う。 それと同時に、この暗闇は人間にとって本来は必要不可欠な存在だとも思う。
だが暫く目を閉じていると、唐突にその暗黒は終わりを告げて、私のまぶたの裏には、いつか見た少女の姿が現れる。
幼い頃から知っている少女が、その幼少の頃は大嫌いだった。 私を包容していた暗黒を切り裂いて、何故わざわざ姿を現すのか。 放って置いて欲しかった、誰にも近づいて欲しくなかった。 この暗黒は、私のためだけに用意された、私が帰るべき場所だった。
それでも、少女は靴が汚れるのも構わずに駆け出す。 それは毎度の事だが、私は一度も彼女を追いかけたことは無い。 そんな事は無意味なことだった。 そこは現実ではない、私のまぶたの裏に過ぎない。
私はずっと、何年も何年も、毎日繰り返し少女の後姿を見送った。 少女がうさぎと共に、小さな穴の中へと落ちていく様を。
不思議なことに、私のまぶたはその少女以外の物は全て遮断してくれた。 口うるさい母親も、小さな家庭の暴君だった父も。 もちろん同情しか持ち合わせない教師も、日曜学校に舞う教鞭も、全てを外に弾き出した。
それは少女だけが私のまぶたの裏側に入り込めたのか、それとも私の目が少女だけを捉えたのか。 結局のところそのどちらだったとしても、少女は毎日私に背を向けて駆け出した。
私は毎日、少女に別れを告げることになった。 手向けの言葉や、祈りの言葉は知っていたが、何故だかその少女には伝えたことが無い。
もしかしたら、私は嫌だなんだと思いながら、また明日少女の背中を見送ることに希望を見出していたのかも知れない。 そう思い至ったのは初めて少女をまぶたの裏に見てから十年以上の月日が経ってからだったが、未だに少女には別れの言葉は告げていない。
私が、初めて少女の存在に暖かさ、拠り所を感じたのは44年の初夏だった。 目の前で何千人もの仲間達が撃ち殺され、残された者達は毎晩その光景に苦しめられた。
家族の写真に話しかける者、トンプソン機関銃をきつく抱く者、うなされてナイフを振り回す者。 多くの者たちは疲弊し、消耗しきって、中には自分で脚を撃ち抜いてまで本国に帰還したがるものまで居た。
だが、私はその苦痛や苦悩がわからなかった。 もちろん、目の前で多くの仲間が死んでいく光景は恐ろしかったし、自分が人を撃つ瞬間は苦痛だった。
それでも、私には暗闇があって、少女が居た。 仲間達は毎日減っていったが、少女は穴に落ちても、また背を向けて走り出してくれた。
いつしか私は、少女に語りかけるようになった。 荒れ果てた葡萄畑を横切る時の事、私の機銃が顔の横で真っ赤に発熱している時の事、味方の爆撃に巻き込まれる友人の事、自分が人の命を奪う瞬間の事。 少女は相槌を打たない代わりに、決して私の話に耳を塞ぐことをしなかった。 悲惨な事も、陰鬱な事も、懺悔の声も、悪態さえも黙った聞いた。 そうして、少女は毎日駆け出した。
少女を追いかけたいと思ったのは、いつからだろうか。 恐らくは引き上げ船に乗って、故郷よりも安らいだあの荒廃した瓦礫の町を去った頃だったと思う。 歓喜に沸く故郷に舞い戻って、私は、孤独を感じた。
此処には誰も私と同じ思いの人間が居なかった。 同じように戦い、同じように血を流し、同じように罪悪感に苛まれ、同じようにその日生き残ったことを悔やむ人間は、もう居なかった。
もちろん同じ過去を共有した人間は居る。 だが、あの戦場の様な、あまりにも同一的な感覚は、もう感じられなかった。
それなのに、少女は変わらずに瞼の裏に居た。 それが幸福なことなのか不幸なことなのか、私には判別がつかなかった。 ただ私にとって、友人や両親を超えた、ただひとつ回帰すべき場所、社会に適応できなかった私が、最後に縋れる場所、それが瞼の裏側だったことは事実だ。
私は吐き出すように、当り散らすように、ただ少女に話かけた。 うさぎを追って穴へ落ちるまでずっと、毎日毎日、繰り返し。
ある時、私は少女に問いかけた。
「うさぎの穴の中には、何があるんだい?」
思えば少女にはいつも自分の事ばかり話していた。 それは私が初めて少女に問いを投げかけ、答えを求めた言葉だった。
少女は、背中を向ける前に、答えた。
「知らないわ。 キャロルが教えてくれたのは、手袋の中に愛がある事だけ。 うさぎの穴の中は、あなたが見に行かなきゃ」
そう言って、少女はいつもの様に背中を向けて、時計を眺めながら駆けるうさぎの後を追って行った。 そしていつものように、うさぎと一緒に小さな穴の中へと落ちて行った。
落ちて行ったのに、知らないと言う。 いや、落ちて行ったからこそ知らないのかも知れない。 私は毎日、違う少女を見送っていたのかも知れない。
私は、少女の後を追う決心をした。 私があの小さな穴へ入り込めるのか、私が一歩を踏み出した時、少女が驚きはしないか。 そんな不安はあったが、私は穴の中の世界へ行きたかった。
無数の少女達の亡骸があるのだろうか? 無数のうさぎ? 銀の懐中時計? どれもこれも積み重なる少女の骸に押し潰されて、もう元の姿は留めていないんじゃないか? それならきっと、私が落ちて、死んだとしても、いつか少女の骸に押し潰されて、私と言う存在は誰からも認識できなくなることだろう。 それはある意味で、とても幸福なことに思えた。
私は瞼を閉じて、少女を探した。
穴へ落ちる感覚は、ひどく開放的で、清々しくさえあった。 私は潰れて、ひしゃげて、誰にも判別できない私になった。 それは酷く孤独で、また満たされた感覚だった。
* * * *
午前のニュースです。
本日明朝、飛び降りと見られる男性の遺体が発見されました。所持品から身元が判明、握っていたと思われるメモには『不思議の国のアリス』の著者、ルイス・キャロル氏への感謝の言葉が書かれており、自殺の原因との関連があるのかどうか、警察が調べる模様です。
また死亡した男性は兵役に従事した経歴があるとの事で、最近頻発している帰還兵の自殺問題に詳しい――――。
* * * *
Fin.
さて、諸君に宿題、宣言どおりね。
この作中に、明確な定義は示されていない。
でも、僕は僕なりにシュルレアリストの定義を考えて、それを作中に埋め込んだ。
探しながら、読んでみてほしい。
見つかったら、教えてね。
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