雑談掲示板

【完結】〜V計画〜【夢をありがとう】
日時: 2019/03/25 17:31
名前: 名無しのアキラ◆gAG34vIFP2 (ID: PtJBEP/Y)

皆さま初めまして。今はこの名前で失礼いたします。


こちらは某スレ閉鎖につき、臨時で建てた避難所スレになります。

主に某合作の創作物の保管庫として使う予定ですが、私以外の関係者の方のリクエストや、全く関係のない新参の方からのご質問や問い合わせ等も受け付けておりますので、よろしくお願い申し上げます。

荒らしスレではございませんので、皆さまのご理解を頂ければなと思います。


※2019/03/24 完結しました。また同日を持ってこちらのスレは閉鎖となります。短い間でしたがお世話になりました。


〜書いてる小説リスト〜

●「合作!!三千世界のヴァルキュリア!!」(完結)(リク依頼板・複雑ファジー板)


~創作イラスト紹介~

●「オリキャラ“ヴァルキュリア部隊”設定画」(>>2)

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Re: 【暫定】〜V計画〜【X章開始】 ( No.153 )
日時: 2019/02/26 14:28
名前: 名無しのアキラ (ID: gGD5WQGQ)

ーー深い微睡み。エンジェリカの天使、エリアスもまた、「夢」を見ていた。
目の前によぎるフラッシュバックにような光景、それを傍で見つめるーー
白い暖かな光の中から声が聞こえるーー


『この世に生まれし“戦乙女(ヴァルキュリア)”よ、この【聖槍】をもって人々を導くのですーー』


「ーーはい、“女神様”」


女神、ヴァルキュリア......聞き慣れた単語、これは一体......
2人の女性の声ーーそしてエリアスを包み込んでいた白い靄が吹き飛び、目の前には巨大な城塞が現れる。
そこでは大勢に兵士達が剣を振るい、殴り合い、吠え、そして血を流しながら戦っていた。
城塞を巡って殺し合う兵士達、しかしその城壁に掲げられた国旗を見上げて、エリアスは驚愕した。

「これは!“ウィンチェバル”!?」

そう、彼が見ているのは、仲間の少女グラエキアの故郷であり、そしてこの後亡国と化してしまう、ウィンチェバル王国と隣国ローヴァンディア帝国の戦いだった。

「殺 せ!皆殺しだ!」

「奴らを入れるな!火矢をあびせろ!」

「そ、そんな......」

エリアスは話では聞いていたグラエキアの故郷を、今この瞬間目の前での殺し合いとなって現れた事により、絶望してしまう。
折り重なるように積み上がっていく骸、血で染まる大地、目を覆いたくなる光景ーー
そんな中、再びあの女性の声が聞こえてくるーー


『ーーこれからは人ではなく“神”を中心とした世界が必要なのです』


「誰だ!?」


思わず振り返りながらその声に叫ぶエリアスーー
しかし気づけば、そこはまた違う世界ーー見渡す限りの砂丘には、複数の黒い忍者装束の男達が横たわっている。その中心にぽつんと立つのは、岩山のような上半身の筋肉むき出しにした大男の姿があった。
彼もエリアスが見慣れた男だった。

「......不動仁王さん?」

エリアスがグラエキアの故郷の風景を見た後は、不動の過去が現れた。
返り血と自身の傷で赤く染まった両拳に不動は俯き、何かの想いに浸っているようだった。


『ーー俺達が幾ら傷つき戦い続けても、常に悪は存在し続ける。真の平和は何処にもないのかーー』


それは紛れも無い、不動自身の心の声だった。
更に世界は暗転しーーエリアスは、見慣れた城内へ移動させられていた。しかし城の広間には瓦礫が散らばり、城壁も崩れてきている。この光景は......そう、そこはエリアスが王女の護衛任務に就いていた「エンジェリカ王城」のものだった。
そして瓦礫の中心に、見慣れたうずくまった少女の姿があった。艶のある金髪に、真紅の瞳ーー

「アンナ王女!」

彼は普段は口にしない、彼女の名前を思わず叫んでしまったエリアス。久々に見た主人の元へ、鳥のように羽ばたいて向かう。
うずくまったまま、ゆっくり顔を上げるアンナ。その瞳は虚ろであり、その下には割れた宝石のネックレスがあった。
そしてエリアスが彼女に触れようとした途端ーーアンナ王女の姿とその周りの風景がガラスのように割れて消え去り、真っ白な空間が現れる。
全ては過去であり幻ーーけれども1つ、“幻じゃ無い奴”がいた。
エリアスの瞳に何かが宿るーー


「“何者”なんだ、“お前”は......!」


エリアスの殺意が籠もった声に、目の前に“光”が現れる。それが何なのかは分からないし、本当の姿なのかも知らない。けれども“彼女”は確かにそこに居た。


『わたしは宇宙の刻が始まる前、即ち“混沌”より出しものーーさあ見せるのです、貴方たちの【答え】をーー』


そこで視界が全て白い光に覆い尽くされ、エリアスの夢は途切れていたーー

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