雑談掲示板

一心不乱の大戦争を!!!
日時: 2022/03/28 07:24
名前: 白鳥博美 (ID: yBiGMdCg)

早いね、もう三代目だよ?
さあ朧月、引き続きクリークだ!!!

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Re: 一心不乱の大戦争を!!! ( No.158 )
日時: 2022/03/29 21:42
名前: 白鳥博美 (ID: iityWtoQ)

 あの人が吸っているタバコは、Tender eyes
早く気づけ、心なしかそう言っているように見える
酒瓶は、全て空いている。
俺はその人を横抱きにして、部屋へ連れ込む
この人は、Tender eyesの箱を握ったまま。
あの日から、このタバコを吸うのは、この人のメンタルがやられている合図。
俺達は、どちらからという事なく抱き合い、キスをする。
--------------------
あの日の事をまだ割と鮮明に思い出せる。
次の日の学校や仕事に備え家の中のほとんどの人が眠っていたから、早くても11時、遅ければ日付を跨いでいたかもしれない。
その翌日に仕事も学校もなかった俺は遅くまで起きていた。
リビングに行ったのは眠れずに酒でも呑もうかと思ったからだった。
リビングには既に何本もの酒瓶が転がっていた。
日本酒、梅酒、ウイスキー・・・
この状況を作り出した人間は、ジョッキで、しかもストレートで、それを呑んでいた。
急性アル中で死ぬよ?なんて事は言わない。
笑い上戸のこいつがこんだけの量を呑んでも一切笑ってないのだから。
そういや今日ってマークが出張かなんかで居なかったな。
何らかの原因に加えてマークが居ないから、完璧にストレスフルになっちまったのだろう
この状態のこの人に何を言っても無意味だ。そもそも俺がここに居ることに気付いているのかすら怪しい。
まあだがしかし、ホントにアル中になって死んじまったら後味悪いしマークから殺られるだろうし、何より俺が耐えられない。
というわけで、この人の横で、ゆっくりと酒を呑むことにした。自慢じゃ無いが酒には弱い。俺がこの人より先に俺が寝ちまったら何の意味もないのだ。
それから二時間程、二人とも黙って呑み続ける
俺が呑み始めた頃には全く変わっていなかったこの人の顔色も、火照っていた。
何本目になるか分からない酒瓶が空になる。
参考までに言うなら、俺が開けた酒瓶はこの二時間で一本だけだ。
この人は酔ってしまって立つ気力が無いのだろうか、酒瓶を取りに行かない
その代わり、ずっと握りしめていたらしいタバコの箱からタバコを取り出した。
そのまま横目でこちらを睨む
覇気は無い
吸うけど、あんたはどかなくて良いの?
その目はそう告げていた。
驚いた。
俺に気づき、俺がタバコを吸わない事にまでちゃんと頭が回っている事に、驚いた。
後々聞いた話ではそのタバコはかなり強いものだったのだそうだが、その時の俺はそれを知らない。
まあ、知っていて変わる事は何も無い事もまた事実だが。
無言でグラスに残っていた酒を呷る。
これで酒は打ち止めだ。
それでも俺は、動かない。
それを肯定と受け取ったのだろう
ライターでタバコに火を点けられる
紫煙が彼女の口から出てくる。
5分程、そんな時間が続く。
それだけの時間があれば、元々鈍い上に酒であまり回らない頭でも、一つ気付く事があった
「タバコ、変えたの?」
少しかすれた声が自分の口から出た。
沈黙が数秒あって、返答があった
「ひいねえにもらった。餞別の品だって」
ひいねえさん
この人の、姉貴分と言うべき人。
その人からの、餞別
回らない頭で、必死に理解しようとする。
一ヶ月に二、三度は会う仲だったひいねえさん(本名は俺が覚える気がないのだ)とこの人。
しかし、ひいねえさんが遠い地域に引っ越してしまうらしい
なんでもその後は海外に行く可能性もあるんだとか。
LINEは繋がっているがそれでも寂しいものは寂しい、らしい
加えてマークの出張にスランプとメンタルが限界を迎え、今に至る・・・
ぽつぽつと、この人が語った内容は大体こんな感じだった。
語り終わった後、この人の目にうっすら涙が浮かぶのを見た
あんたが起きてこなかったら、タバコと酒を呷り、死んだように眠る予定だった。
この人は、そう付け加えた。
・・・さて、じゃあ俺は何をすれば良い?
思い付いた方法は一つ。
この人を、俺かこの人かのどちらかに限界が来るまで、愛で続けること。
「・・・久しぶりに、する?」
この人は何も言わない
俺らの中で、沈黙は、肯定。
立てなさそうなこの人を横抱きにして、少しふらつきながら部屋まで行く。
自分のベッドに、この人を寝かせる
この人は、タバコの箱は、持ったままだ。
「・・・もっかい聞くけど、良いんだね?」
「・・・勝手にしろ」
珍しく反応があった
俺は目の前の人間の、唇をふさぐ
何度も何度も舌を絡め合う
少しずつ、服を脱がせていく。
いつも、少し不安になる。
これが、最後になるんじゃないか、と。
もう二度と、この人とこんなことは出来ないんじゃないか、と。
そんなこと思うくらいなら、今自分が進めている行為を止めろよ
そういう自分の声も、頭のどこかに響いている。
目の前の人間の首を、舐める
反応が、見ていて可愛い
止められる訳無い。
俺がこの人に出来る事など、これしかない。
俺は、これ以外にこの人を愛でる方法を、知らない。
醜い自己満足だということなど、百も承知だ。
俺のモノが、眼前の人間のナカに、入っていく
少し苦しそうな声を上げ、それは受け入れられる。
何度も、何度も、何度も、交わる
そしてそれと同じだけ、俺達は絶頂する。
何度目かの絶頂に達したとき、俺は、その声を聞いた。
「・・・大人に、なりたくない・・・」
えらく回りが良くなった頭が、その声と、めったに泣かないその人が泣いている姿を捉えた。
どういう意味か考えるがその思考は空転し、終息しない。
結局、俺の頭の中には、眼前の人間が言った言葉だけが残る。
それが今日の、ひいねえさんとの事だと気付いた時、不快感が頭をもたげた。
姉貴分が大切なのは分かる。別れが悲しいのも分かる
でも。
今、俺とこうしている時位は。
俺の事だけを見てほしい。
それを訴えるだけの余裕は、俺の中には無かった。
再び唇をふさぐ。
そしてまた俺達は、交わり合う
結局その日は、眼前の人間の意識が飛んだとき、終了した
俺も、吹っ飛びそうになる意識をなんとか繋ぎ止めながら眠っているこの人に抱きつく
今好きだと伝えても、伝わらないのが、悔しかった。
好き
そう口に出して伝えられたかは、いまいち自信がない。
目が覚めた時、反射的に時計を確認するとまだ5時頃だった
隣の人がまだ寝ているのを確認し、ベッドから抜け出す
少しだけ体が痛い
リビングに残っている惨状を片付けなくては面倒だ。
最初に起きてきたのがかなちぇんやアラなら色々察してくれるだろうが、雪やソラだったら面倒だ。
脱ぎ捨てた服を着ながら色々考える。
冷静に考えると、あの言葉・・・「大人になりたくない」・・・はどういう意味なのだろうか、と。
いくつか考えは浮かんだものの、それはどれも正解だとは思えなかった
多分本当の意味を知れる日は来ない
それよりも、自分のあの取り乱しぶりに呆れた
Tender eyes
やさしい目、か。
いつか写真で見せてもらったひいねえさんは、とても優しそうな人に見えた
酒瓶を捨てながら「あーあ、なっさけねえ」と、あの人と知り合ってから何度も自分にかけ続けてきた自嘲の言葉を、自分にかけた。

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