雑談掲示板
- 【完結】〜V計画〜【夢をありがとう】
- 日時: 2019/03/25 17:31
- 名前: 名無しのアキラ◆gAG34vIFP2 (ID: PtJBEP/Y)
皆さま初めまして。今はこの名前で失礼いたします。
こちらは某スレ閉鎖につき、臨時で建てた避難所スレになります。
主に某合作の創作物の保管庫として使う予定ですが、私以外の関係者の方のリクエストや、全く関係のない新参の方からのご質問や問い合わせ等も受け付けておりますので、よろしくお願い申し上げます。
荒らしスレではございませんので、皆さまのご理解を頂ければなと思います。
※2019/03/24 完結しました。また同日を持ってこちらのスレは閉鎖となります。短い間でしたがお世話になりました。
〜書いてる小説リスト〜
●「合作!!三千世界のヴァルキュリア!!」(完結)(リク依頼板・複雑ファジー板)
~創作イラスト紹介~
●「オリキャラ“ヴァルキュリア部隊”設定画」(>>2)
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Re: 【暫定】〜V計画〜【X章開始】 ( No.162 )
- 日時: 2019/03/05 19:36
- 名前: 名無しのアキラ (ID: AcJJiwUc)
ソル達は庭園の中央にある小さな教会のような建物の玄関まで来た。木製で模様の掘られた両開きの扉は微かに開いており、中からロウソクの灯りがこぼれてくる。
中には机や棚などが見え、沢山の物が置かれているようだ。人気はない。
「わたしが行きます......」
まだ体力が回復しきっていないソルが、ヨロヨロと扉の前まで来る。そして右手で太もものホルスターから拳銃を抜き、左手で扉をノックしようとする。
エリアスと不動が「いや自分に任せろ」と言う前に、ソルは扉を叩いた。
コンコン......
「失礼します、どなたかいらっしゃいますか?」
返事はない。
「失礼、入りますよ」
そしてソルは扉を開き、すぐさま拳銃を構えて扉の周辺に敵がいないか確認する。その手際の良さは流石だヴァルキュリアだ。
閉所での近接戦闘や危険の察知能力は他の種族よりも高い故に、体力があるか無いかなんて関係ない。
そして開いた扉の向こうにはーー
そこは「工房」のような建物だった。中はロウソクの灯りと暖炉によって暖かく、居心地はいい。しかし曇った鏡など、かなり古びた印象もある。
並べられたチェストの上には木製のフレームに金属製のネジやバネ、歯車が組み合わさったオブジェのようなものが並んでいる。組み立て途中の物もあり、まるで昔の発明品のようーー
と、嘉元が近づいた手前の組み立て途中の発明品の部品の1つが、重力を無視してふわりと浮き上がる。
「うわっ!」
慌てて仰け反る嘉元だったが、その部品はまるで意思があるかのように、発明品のハマるべき部位の所まで飛んでいき、カリャリと合体する......
人がいないのに勝手に動く部品......各々は警戒しつつ固まる。
気づけば、周囲の組み立て中の発明品部品が、チェストの中や机の上から勝手に浮かび上がっては、工房の中をふわふわ飛び回っては合体していく。
机の引き出しやチェストの蓋も勝手に開き、設計図らしき本のページも勝手にめくれていく。
まるでそこに何かがいるように......
「何ですかこれは......気味が悪い」
「だが、害は無いようだなーー」
拳銃を握りしめるソルの横を不動が通り過ぎて、工房の奥へ進んでいく。
ロウソクで照らされた内部を進んでいくと、一番奥まで到達した。
そこには本棚がいくつか並び、真ん中には木製の祭壇のようなスペースがあった。脇のテーブルには、まるで今いれたばかりのような紅茶の入った銀にカップとポッドが置いてある......
湯気に乗って紅茶の香りが部屋に漂う中、一同は祭壇へ近づいた。
その上にはーー製本中の紙や、インク、ペン、筆、絵具などが、さっきまで誰かが作業していたかのように置いてあった。
「ーー気が引きますが......これも調べてみましょうか」
ソルが手前にあった本に触れるーーと、その瞬間、パサりと勝手に本が開き、ページがめくれていく。
そして白紙のページで止まった。
そしてーーそのページに誰も筆記用具も使っていないのに、勝手に文字や絵が浮かび上がっていく。そしてページ一杯になっては、また次のページにめくれ、そして何かが描かれていく......
“ここは天界の王国......建国記念日の前夜祭として恒例の王女の誕生日パーティは、悪魔による襲撃の被害が大きく、開催は困難......”
「ないだいこれは? おとぎ話かい?」
「こっちにもありますね......気味が悪い」
嘉元とソルは祭壇の上で自動的に書かれていく文章と絵を見て回っていた。
“この小さな王国には資源が豊富であり、幾度となく隣国の侵攻を受けながらも、その優秀な魔導士部隊の活躍によってこれを退けてきた。そして今回の侵攻に対し、初となる「天使」の召喚を試みた試みた魔導師は......”
“外宇宙からの地球へ対する猛攻は増すばかりだ。新たなる仲間を得た同志達だが、敵の襲撃が再びすぐ間近まで迫っている。こちらの戦力はたった四人、さてどうしたものか......”
ソルと嘉元が本を見つめる中、その後ろでは不動とエリアスとグラエキアが固まっていた。
その異変にソルが最初に気づき、声をかけようとした時だった。
「これは......“俺たちの世界”の話だ」
不動の言葉に嘉元とソルは声を上げる。
「ええ、確かに。しかもこの本、私が居た時よりも遥かに“未来”の事も書かれているようですね......」
「なんて事ですの......まさかこの本に書かれている事が、今の私達の世界だとでも?」
「何ですって!?」
エリアスとグラエキアの言葉に、ソルは文章を瞳の“スキャナー”の機能を用いてキャプチャーし、解析を進め出す。
更新されていく複数の謎の本、そして、すぐにソルはその本の特性に気づいた。
「ーー! 待ってください、この本......物語が途中でいくつか“分岐”してるようです。しかもそれぞれ話の結末が違ってきてます」
「何だと? おいガ......いや、ソル、それはどういうことだ?」
なにかを言い直した不動。
「恐らくーーこの本は、皆さんの世界の『世界線』、即ち【未来を予知した結果】を書いてるようです」
「“ふかし”じゃないのかい?」
ソルの予測に嘉元が尋ねるが。
「いえ、恐らく事実でしょう。心当たりがあるものも中には書いてありーー」
エリアスは言葉を途中で遮り、工房の奥の裏口へ視線を向ける。それとほぼ同時に不動も同じ場所を見た。
「ーー扉の向こうに“何か”居ます」
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