雑談掲示板
- 【完結】〜V計画〜【夢をありがとう】
- 日時: 2019/03/25 17:31
- 名前: 名無しのアキラ◆gAG34vIFP2 (ID: PtJBEP/Y)
皆さま初めまして。今はこの名前で失礼いたします。
こちらは某スレ閉鎖につき、臨時で建てた避難所スレになります。
主に某合作の創作物の保管庫として使う予定ですが、私以外の関係者の方のリクエストや、全く関係のない新参の方からのご質問や問い合わせ等も受け付けておりますので、よろしくお願い申し上げます。
荒らしスレではございませんので、皆さまのご理解を頂ければなと思います。
※2019/03/24 完結しました。また同日を持ってこちらのスレは閉鎖となります。短い間でしたがお世話になりました。
〜書いてる小説リスト〜
●「合作!!三千世界のヴァルキュリア!!」(完結)(リク依頼板・複雑ファジー板)
~創作イラスト紹介~
●「オリキャラ“ヴァルキュリア部隊”設定画」(>>2)
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Re: 【暫定】〜V計画〜 ( No.173 )
- 日時: 2019/03/12 22:00
- 名前: 名無しのアキラ (ID: z4ONdzY2)
グラエキアの手前に、再び彼女の故郷であるウィンチェバルが描かれた魔道書が飛んでくる。現実と寸分違わない光景が広がるが、これはまやかしだ。グラエキアは目を背けようとした時ーーそこに一瞬、目にとまるものが映った。
それは見慣れた王宮の中、自分とその両親が楽しげに会話しながら食事をしている光景だった。
しかしそれはあり得ない光景だ。ウィンチェバルは今は亡き王国、王族も殆どが死に絶えた。
けれどもその光景はーー有り得ないけど、正に本物のようにリアルだった。
グラエキアが目を反らせずに、まるで魔道書に意識を吸い込まれていくように見ていると、後ろからエリアスがそっと声をかける。
「グラエキア様......これは現実ではありませんーー」
『それは間違いだ。魔道書に書いてる事は全て、この“最初の古工房”の力を用いて、オリジナルと寸分違わない精度で【実現】できる。それは最早オリジナルと言える』
石ころが「“好きなように未来を変えられる”」と語ると、そんなエリアスの前にも1冊の魔道書が飛んできて開かれる。そこには自分が忠誠を誓った王女が、何の不自由もなく自分の職務を遂行し、そして自分へ笑みを浮かべてきているのだ。「エリアス!貴方と一緒なら、私も頑張れるわ!」と言ってるように......
久しい理想の王女の姿に、エリアスも一瞬心を奪われる。
更に不動仁王に前にも魔道書が......開かれたページには、散っていった筈の仲間達が、こちらに振り向いて手を差し伸べていた。「これからも共に戦おう!」と言ってるようだ。
「ーーここなら......わたくしの王国を救えるんですの?」
「グラエキア!」
グラエキアが呟いた言葉に、不動がならぬと檄を飛ばす。
『君がそう望むなら可能だ。“王国が滅びなかった”世界線で、また新しい世界を構築すればいい』
俯くグラエキア。
「ーーわたくしは、王族の血を引く者として、祖国の為に忠を尽くさなければいけません」
「アンタねえ! だからと言ってこんな石ころにお願いしてまでやる事はないだろ!」
「っ! 祖国の為なら、わたくしはこの身だって捧げる覚悟でしてよ! その為なら何だって......」
嘉元に問い詰められても、グラエキアは相変わらず反論してくる。しかしその瞳には涙が浮かんでいた。
「ーー何か、引っかかりますね」
一同が動揺する中、ヴァルキュリアのソルは真逆に冷静になっていた。ヴァルキュリアはピンチになると冷静になる習性があるのだ。
ソルは一同を掻き分けて、石ころの前まで来た。
「ーー貴方、さっき“オリジナルの世界”と言いましたよね? もしもこの工房で“私達が望む世界”を作り上げたなら“元の世界”はどうなるんですか?」
『ーー』
ソルがふと投げた質問に、石ころは、暫く答えなかった。今までどんな質問にも直ぐに答えてきたが、この質問は想定外だったのか、処理に時間がかかるのか、それとも......“相当都合が悪かった”のかーー
その光景に、相当してた一同も治り、少し我に返ったようだ。冷静なヴァルキュリアのソルは、居てくれるだけでも仲間を落ち着かせてくれる。
そして石ころが再び回答しだす......
『ーー質問に回答する。元の世界は“そのまま”時間軸が経過していく』
「やっぱり......こいつの能力では“オリジナル”の世界には干渉できないんだ......」
「ソル? それはどういう......」
グラエキアがおろおろと聞く。彼女にあるまじき姿だ。
「グラエキア、この石ころの能力はあくまで【“世界のコ ピー”を作って、それを自由に編集する】だけ......つまり、貴方が居た“本物の世界”を救う事はできません」
「なっ、そんな事って......」
崩れ落ちそうになるグラエキアを、そっとエリアスが受け止めた。
『最初の古工房で作成した世界は、オリジナルと完全に同じ世界だ。そこには最早“オリジナル”と“コ ピー”の違いは存在しない』
「それは......“彼女が救うべき故郷”ではない......!他も全部同じだ!作り物だ!」
不動の言葉と同時に、グラエキアはそっとエリアスの腕から起き上がる。その表情には、いつもの余裕のある凛とした笑みが浮かんでいた。
「ーーわたくしも、甘い夢を見たものですね」
その後直ぐにグラエキアは、石ころへ鋭い視線を向ける。
そして5人は石ころへ迫った。そして互いに顔を合わせ、全員が出した【答え】をソルが石ころへ突き出した。
『さあ“チェックメイト”です。私たちはーー
ーー【最初の古工房を破壊する】!』
猛禽類のような瞳で石ころを睨みつける不動、「腹くくりな!」と睨みつける嘉元。
ーーしかし、石ころは冷静なままだった。
『ーー最早、君達の思考は理解出来ない。しかし、その命令を遂行する事は可能だ』
石ころは続ける......
『ーーそこにある「グングニルの槍」を抜けば君達の“答え”は達成できる。この空間の力の源は全てその槍だ。供給元を失うことによって最初の古工房は破壊され、枷が無くなった君達全員が元いた世界へ送還される』
「グングニル、これがーー」
全ての元凶......
そしてソルがグングニルに手を伸ばした時、石ころが更に続けたーー
『ーーしかしヴァルキュリア・ソル、君はこの最初の古工房とも特に繋がりが強い人物だ。
ほぼ君を中心にループ世界が構築されていたと言っても過言じゃないーー
ーー故に、そのグングニルの槍を抜けばーー
ーーヴァルキュリア・ソル、君は【この世から消滅する】』
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