雑談掲示板

【完結】〜V計画〜【夢をありがとう】
日時: 2019/03/25 17:31
名前: 名無しのアキラ◆gAG34vIFP2 (ID: PtJBEP/Y)

皆さま初めまして。今はこの名前で失礼いたします。


こちらは某スレ閉鎖につき、臨時で建てた避難所スレになります。

主に某合作の創作物の保管庫として使う予定ですが、私以外の関係者の方のリクエストや、全く関係のない新参の方からのご質問や問い合わせ等も受け付けておりますので、よろしくお願い申し上げます。

荒らしスレではございませんので、皆さまのご理解を頂ければなと思います。


※2019/03/24 完結しました。また同日を持ってこちらのスレは閉鎖となります。短い間でしたがお世話になりました。


〜書いてる小説リスト〜

●「合作!!三千世界のヴァルキュリア!!」(完結)(リク依頼板・複雑ファジー板)


~創作イラスト紹介~

●「オリキャラ“ヴァルキュリア部隊”設定画」(>>2)

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Re: 【暫定】〜V計画〜 ( No.184 )
日時: 2019/03/19 23:25
名前: 名無しのアキラ (ID: DkwJA1fE)

夜の旧市街ーー地面に降りて動かなくなったフレスヴェルグの上には、辺りを真昼の如く照らす白い球体が現れていた。その周辺にはレジスタンスや連合軍、そしてヴァルキュリア達が集まって、その光景を見守っている。
ソル達5人が消えて、およそ2時間が経過しようとしている時だ。
地上ではレジスタンスのリーダー格であるラヴォンとアミラが人間側の軍の指揮をとり、ヴァルキュリア側は居なくなってしまった指揮官のソルに変わり、副隊長のイクリプスが味方へ指示を出す。
フレスヴェルグを包囲し、その頭上に現れた太陽の様に輝く球体の解析に追われる。あの5人はどこへ消えたのか、フレスヴェルグは本当に死んだのか、そもそもこの世界の成り立ちと奴ら、“上位者”の正体とは一体なんなのか......

そしてある時、突然白い球体が輝きながら大きく弾け、そして辺りに白い光の粒子を撒き散らしながら消滅する。衝撃波が街を吹き抜け、それはまさに星の爆発の様な、けれどもどこか美しい光景だった。
その様子を下で見ていた異界人のヴェルゼと、ヴァルキュリアのユキカゼは、フレスヴェルグの異変に真っ先に気づいた。

「ユキカゼ見ろ! フレスヴェルグが!」

ヴェルゼが指差す先。そこには完全に機能が停止したのか、崩れ落ちて行くフレスヴェルグの巨体があった。ボロボロと土塊の様に崩壊し、そして、地面に倒れていった。山の様に大きな巨体だ、それ相応の振動と衝撃波が再び街を駆け巡る。
勝鬨上げる余裕もない、ただただ呆気にとられる人々。

だがしかし、そのフレスヴェルグの手前に現れた“4人”の人影を見るや、人々の表情に一気に明るさが戻る。
白い礼装の青年、黒いドレスの少女、巌の様な肉体の大男、そして白と黒の対比が美しい小さなメイド......


『おおおおおおおおお!』


一斉に上がる勝鬨、そして駆け寄ってくる人の群れーー
そこには多くの人間、異界人、そしてヴァルキュリア達の姿があった。
真っ先に駆け寄った大きな影、金髪碧眼紳士のスターは、不動仁王の肩に手を回しながら叫ぶ。更に他のスター流のヒーロー達の姿もあった。

「無事だったか不動くん! 見たまえ、“我々の”勝利だよ! 君が、いや、君達がこれをやったんだ!」

スターが広げた腕の先では、種族や世界の壁を超え、互いに1つの目的の為に沢山の人々が集まり、皆同じ歓声を上げていたのだ。

「あ、ああ......」

「ーーあれ? 不動さん、どうしたんですか?」

同じくスター流のヒーローの1人、忍者装束の少女、美琴は不動の顔を覗き込むように尋ねる。
しかし今の熱狂の中心にいる不動達は皆、どこか浮かれない様な表情をしていた。
レジスタンスのリーダーのラヴォン達もまた、付き合いの長かったエリアスとグラエキアの元へ駆け寄った。

「おう! 生きてたのかエリアス、グラエキア! 後で一杯やろうぜ!」

「ラヴォン......貴方も、ご無事で何よりですね......よかった」

そしてラヴォンもすぐにエリアスの少し暗い表情に気づく。
そこへ、ヴァルキュリアの一団もやってくる。真っ先に飛んで来たのは、桃色の髪を両サイドで纏めたヴァルキュリアの少女、フェイルノートだ。

「エリアスくん、グラ子ちゃん!ーーあれ、“センパイ”は?」

「......」

手を上げて喜んだフェイルノートだったが、すぐに彼女のセンパイーー“ヴァルキュリア・ソル”をキョロキョロと探し始める......しかし見当たらない......
エリアスの表情から、一部の面子は何かを察し始めるが......
その時、フェイルノートのすぐ後ろにいたヴァルキュリア部隊の副隊長、イクリプスは、何かを感じ取ってふと顔を上げた。
それに吊られて他の面子も同じ方向を見るーー

ーー落ちたフレスヴェルグの残骸の丁度天辺、そこにはーー銀色の髪を風になびかせ、白い竿状の物を手にした少女の姿があった。
誰かが声を上げるよりも真っ先に早く、イクリプスは駆け出し、あっという間に高い残骸を駆け上って少女の前に立つ。
ーー長い銀髪を後頭部で束ねた、赤い瞳の少女。白を基調としピンクのラインが入った戦闘服を着た少女の手には、イクリプスが見慣れた聖槍が握られていた。
「グングニル」。その槍のオリジナルは神界に存在するとされ、この世界ではそのコ ピーしか存在しないとされるが......彼女の手にするそれは......

「ーーソルちゃん? ソルちゃんなの?」

虚ろな瞳の少女は形こそ無二の盟友であるソル・ヴァルキュリアだが、只ならぬ雰囲気に言葉をかける。
少女ーーソル(?)は顔を上げた、イクリプスを目に捉えるとーー

「ーーあれ......イクリプス? わたし、どうして......」

ソルは、片手を額に当てながら、槍を杖にする様に前のめりになる。それをそっとイクリプスが受け止めようとした、その時だった。


『質問に回答する』


ーーと、その声はソルの足元、そこに転がっている、まん丸い、3つの穴が空いた“石ころ”からした。否、声と言うよりはテレパシーの様に、一同の脳に直接メッセージを送る様なものだった。
そして、その白いまん丸い石ころを見つけたソル、エリアス、グラエキア、不動仁王、そして佐治嘉元の5人は、表情が一瞬強張るとーー


『ぎゃあああああああああ!?』


全員が一斉に発狂しそうな悲鳴を上げる。ソルは飛びのいて、イクリプスの方へ逃げた。

「何故お前がここに!?」

『ーー“質問に回答する前に”質問に回答する。
最初に言った通り、“最初の古工房”が破壊されれば、当然そこに居た者は外の世界へ弾き出される。私も君達と同じ原理でここへ来た』

指差すエリアスの質問にあっさりと返事をする石ころ。
熱狂は一部収まり、周辺に居た人々は皆ソルと石ころ達へ注目していた。

『ヴァルキュリア・ソル、君の質問へ回答する』

あっちの世界では角ばっていた石ころは、今は完全な球体型になっており、3つ空いた穴から流れ出ていた黒い液体の流出は止まっており、代わりにLEDの様に七色の光をピコピコと光らせていた。

『ーーヴァルキュリア・ソルは元はと言えば最初の古工房の産物であり、そこが破壊されれば彼女自身もこの世から消滅する筈だったーー』

石ころは語る度に自身に空いた穴からもれる光を点滅させる。

『しかし君はこのループ世界で多くの異界人達と戦い、傷つき、そして「この現実に存在する物質」を取り込んで肉体と精神を再生し続けた。
結果、工房による生命維持の必要性が徐々に減っていき、遂には“完全なヴァルキュリア”として独立するまでに至ったのだ』

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