雑談掲示板

【完結】〜V計画〜【夢をありがとう】
日時: 2019/03/25 17:31
名前: 名無しのアキラ◆gAG34vIFP2 (ID: PtJBEP/Y)

皆さま初めまして。今はこの名前で失礼いたします。


こちらは某スレ閉鎖につき、臨時で建てた避難所スレになります。

主に某合作の創作物の保管庫として使う予定ですが、私以外の関係者の方のリクエストや、全く関係のない新参の方からのご質問や問い合わせ等も受け付けておりますので、よろしくお願い申し上げます。

荒らしスレではございませんので、皆さまのご理解を頂ければなと思います。


※2019/03/24 完結しました。また同日を持ってこちらのスレは閉鎖となります。短い間でしたがお世話になりました。


〜書いてる小説リスト〜

●「合作!!三千世界のヴァルキュリア!!」(完結)(リク依頼板・複雑ファジー板)


~創作イラスト紹介~

●「オリキャラ“ヴァルキュリア部隊”設定画」(>>2)

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Re: 【暫定】〜V計画〜 ( No.194 )
日時: 2019/03/20 22:49
名前: 名無しのアキラ (ID: TDrH4qtY)

旧市街の大通りでは、大勢の人間が勝鬨と熱狂の渦を作っている。そこから少し離れた路地に彼らは集合していた。異世界からやってきたヒーローの一団、“スター流”の同志達だ。
元の世界では常に悪と対峙し続けて来た彼ら、この世界に来て未知の脅威と遭遇するも、遂に生き残り、人間軍を勝利に導いたのだ。

そのスター流の創始者である金髪碧眼の“スター”本人と、更にその師匠である黒ずくめの青年“闇野髑髏”は、円陣の中心に立ち、“最後の”スピーチをしていたーー
そう、彼らもまた、この異世界の鎖から解き放たれ、今まさに元の世界に帰るーーつまり、この世界から消滅しようとしていたーー

「時間がないから簡潔に済まそう。まず、君達、今回は本当に良く頑張ってくれた」

スター流だけでなく、別宇宙ではヒーローの頂点の座に着く闇野からの労いの言葉に、同志達にも感慨深い思いがこみ上げる。
そしてーー

「ーー君達の助けが無かったら、恐らくこの戦いには勝てなかっただろう」

「闇野様、それは......!」

スターが思わず声を漏らすも、闇野は続ける。

「ーーこの“宇宙”には私達スター流の同志がまだ知らぬ、未知なる恐ろしい【悪】がまだ居る。
奴らは必ず、また我々の前に姿を現わすだろう......」

闇野はこの世界に居た、否、【まだ居るであろう】“上位者”の事を言っていた。既存の“概念”に囚われない、正に“未知”の敵。

「我々スター流はヒーローの名に恥じることなく、元の世界に戻っても初心と鍛錬を忘れず、再び来るべき悪と対峙する事を忘れてはならない」

「ーー心得ております」

「当然です、日々の鍛錬は己を裏切らない。私もこの世界での教訓を生かします!」

闇野の言葉を頷きながら聞いていたシャドーとカイザーも誓いを立てる。

「この世界でも上位者相手に勝ったんです!次も必ず生き残れますよ!」

「相変わらず楽観的だなあ美琴さんは......ま、君のそういう所も嫌いじゃないけどね」

美琴の言葉に、ヨハネスが呆れながら相槌を打つ。
お互いに言葉を交わすスター流の同志達。そしてスターが闇野へ一歩近づいた。

「そろそろ“時間”ですな......闇野様はこの後どうなされるのです?」

「ーーしばらく“旅”をする。“ヒーロー”とはある日突然現れ、平和な世界が訪れれば消えるものだ。だが再び“巨大な悪”が君達の前に現れたのならーー」

闇野はそっと右手を一同の前に差し出してーー


「また“共に”戦おう! 我々スター流は、必ず生き残るんだ!」


『ーーはい!』


一同は円陣を組み、皆差し出された闇野の右手に、己の手を重ねて声を上げたーー


刹那ーー


ーー彼らの姿はもう路地には無かった。





旧市街の石橋の上で2人の少年が腰を下ろし、瓶に入った黒い液体を飲んでいた。
彼らは異世界からやって来た魔術師、リクセスと時雨だ。
リクセスはいつも表情に余裕がる、自信に満ち溢れたイメージの少年で、時雨は肩まである黒い髪と水干のような服を着込んだ、ちょっぴり陰があるイメージの子だ。
時雨の方は黒い液体を口に入れるとーー

「ーーそれにしても、随分変わった飲み物だね、これは。だが美味い」

「“コーラ”って言うらしいよ、本当に“変わった世界”だったね」

2人は語り合いながら瓶を傾け、そしてこの“異世界”の夜明けを見届けていたーー

「ーーでも、僕たちヴァルキュリアだけじゃない、あんな巨大な神様まがいすらも倒したんだ。セラン戻っても、きっと生き残れるよね」

「ーーうーん、ちなみにそういうのって、この世界では“死亡フラグ”って言うらしいよ」

リクセスの言葉に、時雨は思わずクスリと笑ってしまう。彼が滅多に見せない表情だ。

「おいおい、リクセス。なんだいそれは、只のこの世界の“いい伝え”みたいなものだろう?」

その問いにリクセスは自信ありげな笑みでーー

「ーー当たり前さ、次も僕たちが勝つに決まってるーーじゃ、あっちに戻っても宜しく!」

「ああ、じゃあまた“向こう”で!」


ーーそして、拳をコツンとぶつけた、2人の少年の姿が消える。
その橋の上には、空になった瓶が二本、並んで置かれてるだけだった......

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