雑談掲示板

【完結】〜V計画〜【夢をありがとう】
日時: 2019/03/25 17:31
名前: 名無しのアキラ◆gAG34vIFP2 (ID: PtJBEP/Y)

皆さま初めまして。今はこの名前で失礼いたします。


こちらは某スレ閉鎖につき、臨時で建てた避難所スレになります。

主に某合作の創作物の保管庫として使う予定ですが、私以外の関係者の方のリクエストや、全く関係のない新参の方からのご質問や問い合わせ等も受け付けておりますので、よろしくお願い申し上げます。

荒らしスレではございませんので、皆さまのご理解を頂ければなと思います。


※2019/03/24 完結しました。また同日を持ってこちらのスレは閉鎖となります。短い間でしたがお世話になりました。


〜書いてる小説リスト〜

●「合作!!三千世界のヴァルキュリア!!」(完結)(リク依頼板・複雑ファジー板)


~創作イラスト紹介~

●「オリキャラ“ヴァルキュリア部隊”設定画」(>>2)

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Re: 【暫定】〜V計画〜【カキコの完結率】 ( No.208 )
日時: 2019/03/24 21:50
名前: 名無しのアキラ (ID: IEq/W9BY)

旧市街の教会の屋上ではヴァルキュリアのユキカゼと、アンダルシアからやって来た異界人のヴェルゼが別れを惜しんでいた。
夜明けを背景に立つ2人はほぼ最初期に遭遇した者同士であり、そして最後まで共に戦って生き残ったのだった。
既にヴェルゼの身体も半透明になっており、この世界にも後少ししか残れない状態だった......

「ここまで来てくれたのに、何も報酬を渡せなくて、すまなかったな......ヴェルゼ君」

「まあ、仕方ない。もしも“次”会う時があったら、その時にでも頼む」

いつもは辛口だが、今回のヴェルゼはとても紳士的だった。ひょっとしたら彼は報酬よりも大切な何かをもう見つけたのかもしれない......どんどん薄くなっていくヴェルゼの影、そして、ユキカゼはーー

「ーーヴェルゼくん、代わりに......これを受け取ってくれ」

「ユキカゼ、これは......」

なんと、帯刀していた自分の刀を鞘ごとヴェルゼへ、両手で丁寧に差し出した。

「もう私には、いや“この世界には”必要がない。この刀は私が今まで使って来た中でも最高の武器だ、君ならきっと扱える。だからーー」

ユキカゼはヴェルゼに刀を受け渡しーー

「“生き残って”くれ」

「......わかった」

ヴェルゼも両手でしっかりと刀を受け取る。
そして、彼はそっと右手を差し出した。

「それじゃあ、元気でな。ユキカゼ」

「ああ、君も達者でな」

そして握手を交わした、刹那ーー
ヴェルゼの身体は消え、この世から消滅していた。ユキカゼの刀もしっかりと持ってーー
その後ユキカゼは日が昇る地平線に向かって敬礼する。





旧市街の中心部の広場では、ラヴォンとソルの前に4人の異界人が並んでいたーー
1人はエリアス、白い制服に身を包んだエンジェリカ王国の天使の青年だ。優れた槍術と頑丈な天使の身体でみんなを護衛してくれていた。
そしてその隣に居るのは、黒いドレスを着こなした艶のある黒髪の持ち主の少女、グラエキアだ。
2人は最初期にこの世界に召喚されて出会い、その後行動を共にして来た。ヴァルキュリアと戦いながらもこの街まで辿り着き、ついに人間軍を勝利まで導いた。

「ーーお別れ、ですね......短い間でしたが、お世話になりました。ありがとう」

「あらエリアス、お世話していたのは、わたくし達の方ではなくて?」

グラエキアの言葉にエリアスは「それはお互い様ですよ」とニコリと笑みを返した。

その横には巌の如し鍛え上げられた上半身の大男のヒーロー、不動仁王と、背丈が小さくメイド服を着ている黒髪の少女、嘉元がいた。
不動仁王も最初期にこの世界に召喚されてからは様々な激戦を繰り広げた。嘉元はその後に召喚されて、色々あって只の人間からヴァルキュリア化まで果たし、共に最後まで戦ってくれたのだ。

「......頼もしい“戦士”だったぞ、お前達はーーだが......可能ならば、もっと“別の形”で出逢いたかった......」

「あーあ、元の世界に戻ったら、またつまんない学校に通う日々だよ」

とても意外な事に、不動からは賛美と別れを惜しむ言葉が漏れた。
そして嘉元も悲しみを紛らわすように言葉をかける......
その手前に立つソルとラヴォン。

「皆さん......すみません、なにもお礼を渡せなくて......」

「ーー俺に関しては気にする必要はない。ヒーローには、報酬よりも大切なものがある」

「確かに、このままじゃ働き損だねえ。今度アンタに“コーヒー”でもおごってもらおうじゃないか」

申し訳なさそうなソルに、不動も嘉元も笑みを返す。
グラエキアとエリアスも同じく最高に上々だった。

「この借りは高くつきましてよ? ま、それを私に返すまで、精々頑張って生き残りなさいな。ふふっ」

「私も気にして居ませんよ。“皆さんに出会えて良かったです”ーー」

そしてーーエリアスが右手を差し伸べるーー
消えかかる4人の影......もう最後に出来る事はこれぐらいしか無かった。もはや「言葉」もいらなかった。5人は円になり、互いに自身の右手を重ねていった。


ーーまた会おう


最早、その別れの言葉までは聞き取れなかった。けれども、その意思はしっかりと伝わった。それはーー世界と種族を超えた「結束」が叶った瞬間だったーー
そして風が吹き、朝日が昇るとーー4人の戦士の姿は消えて居た。
旧市街、否、世界の中心にぽつんと取り残されたソルは、ふと空を仰ぎ、何かに思い耽る......

そして手にした聖槍を掲げ、それに願ったーー





ーーさようなら“伝説の戦士”、ありがとう、みんなーー






ーー終わったよ。




合作!!三千世界のヴァルキュリア!!(完結)

執筆期間:2017/08/26〜2019/03/24

執筆者:13名
●名無し(スレ主)
●四季さん
●ハガ音さん
●流沢藍蓮さん
●モンブラン博士さん
●ゼラチンさん
●amtさん
●彩都さん
●金平灯さん
●ryuuuさん
●水滝契さん
●ルイージさん
●MRKさん

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