雑談掲示板

【完結】〜V計画〜【夢をありがとう】
日時: 2019/03/25 17:31
名前: 名無しのアキラ◆gAG34vIFP2 (ID: PtJBEP/Y)

皆さま初めまして。今はこの名前で失礼いたします。


こちらは某スレ閉鎖につき、臨時で建てた避難所スレになります。

主に某合作の創作物の保管庫として使う予定ですが、私以外の関係者の方のリクエストや、全く関係のない新参の方からのご質問や問い合わせ等も受け付けておりますので、よろしくお願い申し上げます。

荒らしスレではございませんので、皆さまのご理解を頂ければなと思います。


※2019/03/24 完結しました。また同日を持ってこちらのスレは閉鎖となります。短い間でしたがお世話になりました。


〜書いてる小説リスト〜

●「合作!!三千世界のヴァルキュリア!!」(完結)(リク依頼板・複雑ファジー板)


~創作イラスト紹介~

●「オリキャラ“ヴァルキュリア部隊”設定画」(>>2)

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Re: 【暫定】〜ヴァルキュリア開発計画〜 ( No.42 )
日時: 2018/10/12 03:50
名前: 名無しのアキラ (ID: XhO.nwFk)

運命の日の早朝ーー

淡い光が照らし出した山道を、複数の車団が突っ切っていく。ノングレアの塗装を施した車体は朝日を浴びても光を反射せず、冷たさと重みのある色をまとっていた。



車団の中央は列の中でも守りが硬くなっており、そこを走る大型トレーラーの中では、アミラ達によって作戦会議が開かれていた。重要人物達が、ディスプレイが組み込まれたテーブルを囲んでいる。
狭い車内には逐次情報が入って来ており、他のレジスタンス団員達はそれらを裁くのに追われていた。
アミラがディスプレイの一区画を指差す。

「今回の作戦目標は旧市街に残されたラヴォン達の救出......ヴァルキュリアの相手はその次とするわよ。
旧市街を他のレジスタンス達と包囲するように展開、徐々に中心部まで向かう」

「了解、っと......それにしても、なにも君達まで来なくても良かったんじゃないの?」

アミラと相対するように会議へ参加してた緑衣の魔法使い、リクセスは、トレーラーの後部のベンチへ振り返りながら呟いた。
そこに居るのは、手負いの包帯姿にも関わらず出てきた、名門スター流のヒーロー、美琴とヨハネスだ。

「これぐらいの傷、私達なら少し休めば大丈夫です!ぜひ私たちにもお手伝いをさせて下さい!」

「まあ、君達をほっとく訳にはいかないしね。それにスターさんも一緒に来てくれてるんだ、僕も後方から援護するよ。
ヴァルキュリアと戦うには、奴らとの実戦経験のある人が多い方がいい」

立ち上がって熱い思いをぶちまける美琴と、脚を組んでクールに話すヨハネスは、どこか対照的でいいコンビにも見えなくもない。
2人は一度はイクリプスに蹴散らされたが、その闘志はまだ残っているどころか、ますます激しく燃え盛っているかのようだ。彼らなら、もしかしたらリベンジが叶うかもしれない。
そして、その隣に座っていた黒衣の少女、グラエキアも、その様子にくすりと笑みを浮かべた。

「ご心配なさらなくて結構ですわよ。ご覧の通り、わたくしは無傷。しかも幾度もヴァルキュリアをこの鎖で捕まえた実績もありますの。
足手まといにはなりませんし......なんなら、わたくしがあのイクリプスを捕まえて差し上げてもよろしくてよ」

ジャラリ......と掌に集めた闇の淀みから、漆黒の鎖をちらつかせて見せた。この鎖は闇を集めて物質化した様なものであり、ヴァルキュリアでも切断するには至難の技だ。彼女のような人がいてくれるのは頼もしい限りだ。

そして、その奥から更に人影が。小柄な体格で短い金髪の少年だ。金色の魔術師のローブをまとっているものの、派手さはなく、全体的にまるで霞がかかったような少年だった。

「僕も手伝うよ、せっかくこの世界にお邪魔したんだしね。
それに、僕の“幻影”を用いれば、みんなの盾になることも出来るさ」

彼はエクセリオ。元は祖国の奪還を目的とする組織の副長兼策士だった少年だ。彼も同じくレジスタンスや他の異界人と合流したものの、その能力の特徴から、完全に無傷のままで日々を過ごして来たのだ。実質この世界で初の「遠征」であり、久々の正規の作戦に参加出来て彼も生き生きしていた。どことなく、いつもよりも彼の金色の魔導師服が輝いて見える。

「みんな......」

アミラは思う。これは、本当に奇跡のような出会いだったとーー遠い、しかも全く違う世界の人々でも、どうやら皆考えることは同じのようだ。

トレーラーの屋根の上に軽い衝撃が走り、下の皆は彼が戻って来たことを察知した。上部の天井を一部開くと、そこには大きく広げた翼を畳みながら屋根に着地したエリアスの姿があった。本物の天使であり、王女の護衛隊長も務めた事のある彼ならば、移動物の上にすら簡単に着地できるようだ。
しゃがみこみ、アミラとの距離を縮めるエリアス。

「周辺をくまなく偵察しましたが、この先に敵の姿は一切見当たりません」

「こちらも同じです!先行している斥候部隊から、敵影なしとの事です!」

エリアスに続き、他のレジスタンスの団員からも情報が入ってくる。

「...! 本当に、もうヴァルキュリアは全滅してるんだ......」


従来ならば、ここまで大規模な遠征を行えば、必ず周辺のヴァルキュリア達が集まって来てたちまち交戦する事になっていたはずだ。しかし通常戦力のみならず、主力のヴァルキュリア部隊も失った今、もはや残った連中もまともに動けていないのだろう。
正に「王手」。しかし、アミラは、なぜか胸騒ぎが収まらなかった。

このまま無事に終わるはずがない......と......

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