雑談掲示板
- 【完結】〜V計画〜【夢をありがとう】
- 日時: 2019/03/25 17:31
- 名前: 名無しのアキラ◆gAG34vIFP2 (ID: PtJBEP/Y)
皆さま初めまして。今はこの名前で失礼いたします。
こちらは某スレ閉鎖につき、臨時で建てた避難所スレになります。
主に某合作の創作物の保管庫として使う予定ですが、私以外の関係者の方のリクエストや、全く関係のない新参の方からのご質問や問い合わせ等も受け付けておりますので、よろしくお願い申し上げます。
荒らしスレではございませんので、皆さまのご理解を頂ければなと思います。
※2019/03/24 完結しました。また同日を持ってこちらのスレは閉鎖となります。短い間でしたがお世話になりました。
〜書いてる小説リスト〜
●「合作!!三千世界のヴァルキュリア!!」(完結)(リク依頼板・複雑ファジー板)
~創作イラスト紹介~
●「オリキャラ“ヴァルキュリア部隊”設定画」(>>2)
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Re: 【暫定】〜ヴァルキュリア開発計画〜 ( No.58 )
- 日時: 2018/12/27 18:10
- 名前: 名無しのアキラ (ID: dV.p8lhw)
灰色のモノトーンの曇り空と、純白で大理石のように硬く冷たい床がどこまでも続く世界。
その真ん中に横たわっていたヴァルキュリアの少女ソルは、誰かの呼びかけに目を覚ました。一帯どれだけの時間が流れたのだろう。微睡の先に見た世界も、これまた夢の中のような場所である。
「ソルちゃん、ソルちゃん?」
聞き慣れた声がする、それを聞くといつも安心できた。ソルの瞳に、モノトーンの世界の中で唯一鮮やかなな色が映った。
蒼い、鮮やかな衣装を身にまとった女性。全身のふわふわのフリルや、風が吹けばはためくマントとても印象的だ。
彼女は、ソルの盟友であるヴァルキュリア、イクリプスに他ならなかった。
イクリプスに揺すられて起きたソルは身を起こす。
「ここは......」
ソルは次第に今までの事を思い出してきた。
自分がヴァルキュリアとして多くの仲間を率いて来たこと、多くのものを失った事。そして、自身が隣にいるイクリプスに看取られて最期を迎えたこと。
それは即ち、この世界が生死の狭間の存在であるという事に彼女は気づく。そして、イクリプスもまた同じ地にいるという事は、彼女もソルと同じ運命を辿ったのだと推測できた。
「ーー死んじゃったんですかね、私たち」
「うん、でも私達の“意識”が、まだヴァルキュリアの通信回路の中に残ってるのかも」
「......そう......ですか」
ソルはそっとイクリプスに身を寄せた。
するとイクリプスは、自分のマントをソルの肩にかける。
「......もう、このまま離れたくない」
ソルがイクリプスの胸元に顔を埋めると、イクリプスは優しく彼女の頭を撫でてくれた。
「大丈夫、ずっと一緒にいるよ」
イクリプスはそのままソルを抱きしめる。ソルは思う、この世でここよりも安心できる場所はないと。ここが最後でいい、このまま2人で眠るように消えてしまってもいいと。
目を瞑ると、全身に温もりが広がるのを感じた。身を寄せた2人の体温によって、お互いの身体が温まる。
ふと灰色の空を見上げたイクリプス。
「ソルちゃん、見て」
ソルも顔を上げると、空には見慣れた連中の姿が、まるでスクリーンのように映っていた。
降り注ぐ槍のようなものの雨を掻い潜りながら、必死に反撃をする天使のエリアスや、死術師のヴェルゼ。
負傷したレジスタンスのリーダー、ラヴォンを引きずって物陰に隠れ、再び戦場へ駆けていくスター流のヒーロー、美琴。
更に障害物の間を移動し、味方の撤退を援護しながら魔法を唱えるリクセス。
どいつも、今まで自分達が戦ってきた“敵”だった。
「はあ......“まだ戦ってる”んですか」
ソルは呆れたように呟いた。そして、その自身の言葉のなにかがおかしいと察する。
まだ戦う......? おかしいのだ、もはや自分達も居ない世界で、一体何と戦っているのかと......
再び空を見上げると、断片的ではあるが、彼らが戦っている“敵”の姿が見える。明らかにヴァルキュリアでも人間でもない。
それは正に“未知の敵”だった。
『“ヴァルキュリア”よ、聞いてください』
突然空から響いてきた声に、ソルは身を震わせて驚く。イクリプスはソルをマントで包んだまま、灰色の空を冷静にじっと見つめていた。
「あ、あなたは......?」
『わたしは“オーティヌス”、貴方達を生み出した者の1人です』
ソルが空へ語りかけると、声の主が名乗る。
ヴァルキュリアは何者かが生み出したとされる生き物だ。それがこの声の主だと言うのだろうか。
『ヴァルキュリア・ソル、そしてイクリプス。貴方達にお願いがあります』
声の主の言葉と共に、灰色の空に次々と様々な光景が流れる。既存の文明を吸い上げていく竜巻、全てを粉砕しながら蹂躙する津波。見渡す限り続く火の海。そして、未知の敵とそれに対抗する人々。
『今、この星は最大の窮地を迎えています。異界より召喚せし英雄達を持っても、この脅威には対抗しきれません』
異界、という言葉にソルはピンときた。それは先の大戦で自分達が敗れた、エリアスやヴェルゼ、美琴、嘉元、ミヤギ、そしてフィア達の事に違いなかった。
『お願いです。主義や理想、言葉、そして人とヴァルキュリアの違いを全て捨て、もう一度、彼らと共に、この星の為にまた戦ってくれませんか?』
突然だった。正に夢のような話だ。全てを失ったこの地で、ソルは、本当の【神】を見たーー
「ーー行こう、ソルちゃん。これはきっと、私たちがーー“ヴァルキュリア”が生まれてきた意味なんですわ」
イクリプスの言葉は、いつだって間違ったことはなかった。
ソルは彼女の言葉のバックボーンも得て、決意に迷いがなくなる。
「ーーわかりました、戦います。わたしは......【明日】を取り戻す!」
ソルが握りこぶしを固めると、モノトーンの世界を光が包み込んだーー
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