雑談掲示板

永遠なる夢路の旅人【物置き・日記】
日時: 2017/12/22 05:42
名前: 坊の付き人 (ID: KNG84HAM)


 多分、ここは部屋です。
 天井と壁一面が金銀の歯車に囲われていて、それらはぎしぎしと軋みながら、せわしなく動いています。床はつるつるとした、木目の綺麗なものです。埃一つ落ちていません。扉のような、外界とこの部屋とを繋ぐようなものは一切ありません。
 その不思議な空間のちょうど真ん中。ぽつんと一つ、机が置いてあります。椅子も、美しい飴色です。机上の古びた羊皮紙の上で羽ペンが踊っています。羊皮紙は黒く繊細な文字で埋まっていきますが、永遠に埋まり終わることはありません。蝋燭もあります。これもまた、こうこうと火は灯っていますが、永遠に蝋が熔けきる事はありません。橙色の光に照らされ、羽ペンは文字を綴り続けます。何度も何度も、同じ文章を。

『ここは何処?』


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はじめまして、壱之紡です。
何時もは小説書いたりしてます。書き始めたばかりですが。

独り言だったり、自創作の色々な設定だったり、近況報告だったり、ちょっとした文章だったりとか。ほぼ誰得情報です。

色々書きますが、のんびり付き合って下さると幸いです。


↓お暇な時にどうぞ
『隘路を往く者』
www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode=view&no=19413

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Re: Shall we the Cambrian period? ( No.8 )
日時: 2017/12/20 17:42
名前: 壱之紡 (ID: KNG84HAM)




「私にとって、クリスマスはハッピーでもアンハッピーでもないの」
「ああ、そうだろうね」

 僕は答えた。彼女はつづく言葉の代わりに、長く艶やかな髪を耳にかける。寒そうだな、と何となく思った。しかしだからといって、彼女の手をとったり、肩を抱いたりなんて僕には出来ない。凛々しい彼女の瞳は、華やかな商店街のイルミネーションを見つめている。
 でも僕は分かっていた。どうせ感動なんてしてないんだろう。
 きらきら光る木の下で自撮りする、若いカップル。僕らがああいう関係になるには、きっと百年あっても足りない。羨ましくはない。けれどとても眩しかった。僕らが永遠に辿り着けない場所に、彼らはいる。カラフルな街から、一人はみ出したように。そして自分自身を護るように、彼女は真っ黒のコートを羽織った。

「キリストの誕生日より、ワルプルギスの夜の方が好きそうでしょ? 私」
「違いないよ」

 くるりと回ると、髪が空中で波打つ。シャンプーのCMにもそのまま使えそうな構図だ。桜色の唇がゆるく弧を描いた。昔、初めて会った時と同じような笑顔だった。何よりも愛おしく、何よりも神聖な僕の宗教。あの頃と何も、一つも変わっていなくて、僕は思わず笑った。彼女には程遠いけれど、それでも、昔よりはずっとましな笑顔だろう。

「聖夜もメーデーも、どっちでもいいよ。その代わり、ずっと一緒だ」

 彼女も笑った。
 サンタクロースからのプレゼントより、彼女は春の方が待ち遠しいみたいだ。



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 リハビリです。国語の時間、140字詰の原稿用紙の余ったやつに書きました。クリスマスのウザくない方のリア充(?)にしたつもりです。キリストの誕生日ですよね? クリスマスって。命日でしたか? 

 あと、物凄く関係無いですけどニーチェの訳集読み始めました。かぶれてます。はい。
 結論から言うと、めっちゃくちゃためになりますよ、ニーチェ。面白いし、「ああ、なるほどな」ってなります。哲学難しいそうだから、って食わず嫌いはよくありませんね。またひとつ学びました。

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