雑談掲示板

【合作】アンドロイド大戦2020【完結】
日時: 2024/02/04 20:37
名前: アロンダイト (ID: 6nKXkMq.)

●挨拶:こんにちは、皆さま初めまして。過去に“とある合作(完結済)”のスレ主をさせて頂いた者です。
今回は某氏からのリクエストを受け、前作よりも短編で簡単な合作をやってみたいと思いスレ建てさせて頂きました。
※メインストーリー完結しました(2019/3/30〜2019/6/14)

●ストーリー:2020年の東京ーーロボットとAIの技術発展は遂に一般家庭への人型アンドロイドの普及にも繋がり、徐々に人とロボットの共存世界は現実性を帯びて来た。そんな中、突如日本各地にて未確認超高性能アンドロイド群「パルヴァライザー」が出現するようになり、様々な難事件を引き起こし始める。主人公達はパルヴァライザーへ対抗し、けれども時には味方として協力し合いながら、事件の真相と彼らの正体を追い求める......

●用語集
・アンドロイド:人型ロボットに高性能AIを搭載する事によって完成する。2020年のこの世界ではアンドロイドは大分一般家庭へも普及して来ており、本物の人間のように会話をしたり、自立して複雑な命令を遂行できる機体も入手できるレベルになった(ちなみに一体100万円程)。しかしアンドロイドを用いた犯罪等も増えて来ており、闇ルートにも結構な数の機体が流れているんだとか。
・パルヴァライザー:“粉砕者”の名前を冠する未確認アンドロイド群。略して「ライザー」と呼ばれることもある。全身が「超構造体」と呼ばれる“絶対に壊れない金属”で構成されており、通常兵器では破壊できない(核兵器を使用して、ようやく“気絶”する程度)。現代の科学では製造方法や動力源等は全て未解明であり、また各々が自身の理想を持ち、好き勝ってに動き回っている......
各自複数の能力を持つが、それらを全てアンロックするには人間(※あるいは別のアンドロイド)の“オーナー”を指定して契約する必要があるーーぶっちゃけ、そこら辺の国家の軍隊よりも強い為、国連でも大騒ぎになっている厄介者。
・オーナー:アンドロイドの持ち主ーーぶっちゃけ唯それだけなのだが、パルヴァライザーにとってオーナーの有無は自身の行動範囲を決める重要な要素である為、各自何らかの方法でそれらを解消してる事が多い。
・電気街:都内のとある電気街。パルヴァライザーは自身に必要なアンドロイドや武器のパーツを求め、こういった場所へよく現れるらしい......つい最近は物騒な為、重装備の警官隊や装甲車による非常線も日常茶飯事になってしまった。

●メインストーリー
・1話(>>1-6)「新たなる仲間 編」
・2話(>>7-10)「ナゾの転校生? 編」
・3話(>>11-17)「頼れる博士 編」
・最終話(>>18)「出撃!アンドロイド部!」

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Re: 【合作】アンドロイド大戦2020【完結】  ( No.8 )
日時: 2024/02/04 20:48
名前: アロンダイト (ID: 6nKXkMq.)

更に翌日、ペコ達は教室で朝のホームルームが始まるのを待っていると、勢いよく扉が開いていつもの体育教師が入ってきた。特にこの学校はゲームは漫画は全て自己責任で自由に持ち込めるものの、流石に絡まれるとめんどくさいので、皆各々の私物をゴソゴソと机の中にしまい始める。

「おーし、お前ら聞いてくれ。今日は転校生の来る日だから、紹介すっぞ」

「おおー、もしかして可愛い子!?」

「いやどーせ“ビックマム”だろ!がっはっは!」

「男子サイテー!」

相変わらずペコのクラスはいつもテンションが高い。まあ特に問題児が居る訳でもなく、至って平和でいいのだが。
そして教室の扉が開き、金髪を肩までで切り揃えた碧眼の少女が入ってきた。意外なルックスの転校生に、一瞬教室は静まる。そしてクラスの面子と正対する彼女の視線は真っ直ぐで、中々眼力があった。可愛らしい容姿だが、結構気も強そうだ。

「初めまして。私はリシェル。リシェル=ブラッケンハイムよ。よろしく」

そして彼女が澄んだ声で自己紹介をすると、どっとクラスから声が溢れる。

「うわー留学生!? よろしくー!」

「リシェルちゃんメアド教えて〜」

「男子臭すぎー!」

あわわ......こりゃジャパニーズ動物園だと思われても仕方のない光景......ペコが苦笑いしながらその光景を見ていると、その横を涼しい表情のままリシェルが通り過ぎていく。そして彼女が指定された自身の席に着くと、いつも通りのホームルームが始まった。



その昼、ペコはホライゾンと同じ席で昼食の準備をしていた。ペコはカップ麺、ホライゾンは自宅から持ってきたお弁当だ。彼女の弁当箱は女の子らしからぬ、保温効果のある金属製のゴツいものだった。黒光りする弁当箱は、まるで秋葉原で売ってる、おっさん達が好みそうなガジェットみたいだ。あまり見た目は気にせず、性能だけをとことん追求していく、ホライゾンらしい選択だ。
そしていざ食べようと2人が箸を付けようとした矢先、いつもの体育教師が入ってきて、ペコ達の元へやって来た。
ペコが本当によく動き回るなこの教師は......と思っていると、彼は手に教科書一式を持っていた。

「ようペコ元気か? ちょっと悪いんだけど、リシェルさんが見当たらないから、後でこの教科書を渡してくれないか?」

「ああ、いいですよ!」

ペコが素直に教科書を受け取ると、教師は「よろしく!」と言い残して教室を出て行った。
そして丁度それと入れ替わるように、今度はリシェルが教室へ入ってくる。
彼女がペコの机に近寄ってきた辺りで、彼は声をかける。

「あのー、リシェルさん。これ、君の教科書......」

「え? ああ、ありがとう」

ちょっと驚いたように立ち止まり、ペコから教科書を受け取るとリシェル。
だがそこで、ペコは彼女の“異常”に気がついたのだ。

「ーーあれ? 君“アンドロイド”じゃないか?」

「なっ!? 何言ってるの?」

きょどるリシェル。

「いや、だって君の瞳、それカメラだよね? レンズが見えるけど......」

「オーナー、リシェルでしたら、先程校舎の裏口に居ましたよ。恐らく今もそこに居ると思われます」

「ええー? じゃあ、この人は一体......誰なの?」

リシェル(?)とホライゾンの顔を交互に見るペコ。

「さあ? 私は知りません。とりあえずこれ以上オーナーの手を煩わせないよう、私がこの教科書をリシェル本人にお届けしましょう」

そう言い残し、大胆にもホライゾンは教科書を持って窓から校庭へダイブして、そのまま駆けていく。

「ちょ! ちょっと待ってください!」

その後を、同じく3階の窓から飛び降りて追いかけていくリシェル(?)。この時点で彼女が人間じゃないのは明らかだ。

「うわー!? なんだなんだ!?」

ペコもカップ麺が伸びると困るので、速攻で食べ終えてあとを追う。

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