雑談掲示板

【完結】〜V計画〜【夢をありがとう】
日時: 2019/03/25 17:31
名前: 名無しのアキラ◆gAG34vIFP2 (ID: PtJBEP/Y)

皆さま初めまして。今はこの名前で失礼いたします。


こちらは某スレ閉鎖につき、臨時で建てた避難所スレになります。

主に某合作の創作物の保管庫として使う予定ですが、私以外の関係者の方のリクエストや、全く関係のない新参の方からのご質問や問い合わせ等も受け付けておりますので、よろしくお願い申し上げます。

荒らしスレではございませんので、皆さまのご理解を頂ければなと思います。


※2019/03/24 完結しました。また同日を持ってこちらのスレは閉鎖となります。短い間でしたがお世話になりました。


〜書いてる小説リスト〜

●「合作!!三千世界のヴァルキュリア!!」(完結)(リク依頼板・複雑ファジー板)


~創作イラスト紹介~

●「オリキャラ“ヴァルキュリア部隊”設定画」(>>2)

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Re: 【暫定】〜ヴァルキュリア開発計画〜 ( No.80 )
日時: 2019/01/10 19:01
名前: 名無しのアキラ (ID: EDQfsp0.)

フレスヴェルグの口が雷の如く発光すると、無数のレーザーが分岐しながら、雨のようにソル達へ迫ってきた。

「“散れっ!”“走れ!”」

ソルは一同へ叫び、自身も回避行動に移る。しかしソルが命令する前から、みんなは先に既に各々動き出していた。
ソルはまるで風に舞う木の葉のように、アクロバットな軽業でレーザーの嵐を擦り抜け、そしてその軽々とした動きの勢いを殺すことなく反撃にも利用していた。身体を駒のように回転させ、四肢とその長い銀髪を使って、レーザーの弾幕を弾き返す。彼女の髪の毛はまるで鋼のように敵の攻撃を弾き返し、そして絹のように滑らかな光沢を放ちながら美しく曲線を描いていく。
その彼女の後ろでは、不動仁王が怒りに燃えた灼熱の拳で、敵の攻撃を撃ち返していた。彼の拳によってレーザーは物理法則を無視して屈折され、代わりに周辺の建物をチーズのように切断していく。

そしてソルがタイミングよくレーザーの包囲網を擦り抜け、傍の水路へひょいと入って身を隠すと、それに不動も続いた。



まるで世界樹の如くレーザーの枝を広げていくフレスヴェルグの攻撃に、各々は散りながら各自自衛していくことを余儀なくされた。
旧市街の下層を駆けるグラエキアの頭上からは、絶え間なく地上で破壊された建物の瓦礫が落ちてくる。
彼女はそれらを、自身の能力の産物である闇の鎖を振り回し、弾き飛ばしながら退路を確保していた。
そしてその上空から風を切って彼女に近づく影ーー背中から純白の翼を生やしたエリアスが、グラエキアを助けようと更に高度を下げる。

「エリアス!」

「グラエキア様、こちらへ!」

接近に気づいたグラエキアは手を伸ばし、エリアスはそれをしっかりと握りしめた。エリアスは力強くグラエキアの手を引き上げると、そのまま抱きかかえるように手前の安全な建物の上に降りる。
見事なコンビネーション、しかし安心したのも束の間、今度はフレスヴェルグが放ったレーザーの束が2人を追いかけてきた。
再びグラエキアを抱えて飛び立とうとするエリアス、しかし人1人持ち上げながらに飛行では、やはり動きが鈍る。

そしてレーザーがエリアスに当たりそうになった瞬間、その間に入った何者かの陰によってそれは遮られた。
その箱のような頭部パーツを被り、大楯で攻撃を跳ね返すその姿は、グラエキアがこの異世界に来て最初に出会った人物のものだった。

「ギリギリ間に合ったで」

「ファランクス!」

グラエキアが最初に出会ったヴァルキュリアの少女、ファランクスは盾を構えながら首だけ振り返り「久しぶりやな」と返事を返す。
攻撃を凌ぎ切ったファランクス、しかし表情は曇っていた。見ると、フレスヴェルグの放ったレーザーの束の1つが、彼女の脚に絡みつき、傷つけて行ったようだ。盾ではカバーが難しい脚をやられた。
ポタポタと左脚から出血するファランクス。

「ファランクスさん!」

「大丈夫やで」

エリアスが心配して声をかけるも、すぐに次のレーザーの嵐が襲ってきた。エリアスはグラエキアを抱えて飛び立つが......
なんとファランクスも片脚の脚力のみで、素早く上手く動き回りながらレーザーを回避していた。しかも周囲からはわらわらと彼女の子分、はぐれファランクス達が湧き出てはレーザーを相殺していく。

上手く避けながら、身近にあった塔の後ろに隠れた3人。
するとファランクスはすぐに腰のポーチからガーゼと包帯を取り出し、自身の脚に巻きつけていく。流石はヴァルキュリアとても慣れた手つきだ。

「ウチらも、アンタらと戦ってる最中に随分と難儀をさせてもらたからな、片脚でも動き回れるよう訓練は詰んどる」

包帯を巻きながら語るファランクス、相変わらず表情には乏しいが、その声と喋り方はなんとなく交換が持てた。

「ふん、流石ですわね。褒めて差し上げますわ」

「それにしても、昔とは動きといいその姿といい、全く別の次元に到達してる様に見えますね。やはり復活した時の影響なのでしょうか」

応急処置を済ませたファランクスは立ち上がりながらーー

「せやな、確かに女神様とかいう人に復活させてもらた時に、オマケでアップグレードしてもらたんや。でもそれだけじゃないんやでーー」

そしてファランクスは右手に2連装レーザーライフルを構える。

「ウチらは復活するちいと前に“訓練”してきたんや」

「訓練?そんな短時間で?」

ファランクスは「せやで、けどなーー」と返す。


『ウチらは“アイツ”の能力を使ってなぁ。この世界では一瞬とも言える時間の間に、“5年”......いやもう【10年】ぐらい分やろか......気が狂うほど訓練してから、この世界に蘇ったんや』


「!?」


ファランクスの意味不明な言葉は、グラエキアとエリアスにとっては衝撃的だった。

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