雑談掲示板
- 徒然なるままに――。
- 日時: 2020/10/02 00:38
- 名前: 黒崎加奈(黒雪)◆KANA.Iz1Fk
*人生色々ありすぎて嫌になるね。
1年振りにサイトを開いてもスレはきちんと残っているし、自分の思考回路が歳を重ねる毎に変わっているのが気恥ずかしくなりますね。
*徒然なるままに、広がるわたしの世界観。
独り言がメインです。話しかけられたら気分で返します。怖い人じゃないよ。
Twitterでやるような短文レスの応酬は、ここでは苦手なので高確率でさよならバイバイ。Twitterでやろうな。
荒らしは参照数が増えて喜ぶだけなので意味無いですよっと。
*気まぐれに、詩やSSなども投稿してる感じです。
もはや自分の思考整理というか日記みたいな使い方の割合が強いですが。
初めまして。あるいは、こんにちは。
黒崎加奈(くろさきかな)と申します。
加奈とでもお呼びくださいな。名前でトリップ変わってますが、黒雪とは同一人物です。
ファジーに生息して、1年に1回ぐらい更新しています。
*宣伝コメントとかは全力で無視します。ので、そのおつもりで。
間違っても自薦の小説とか読みませんから。
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Re: 徒然なるままに――。 *Maybe そうね。* ( No.98 )
- 日時: 2013/11/11 23:59
- 名前: 黒崎加奈◆KANA.Iz1Fk (ID: LJJGCSSs)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode=view&no=15231
*アンソロジー企画で書かせていただいたSSです。
たろす@様作『コワレモノショウコウグン』より。
作品はURLにて。
芽生えたそれは、風に吹かれてどこへ行く?
【Anthologie】 ―*この種を孕んで*―
――美しすぎるモノは、箱の中に『永遠に』しまっておきたいの。
誰かに、盗まれたくないでしょう。
誰にも、見られたくないでしょう。
見つけたのはね、本当に偶然。
長い旅路の途中で、たまたま出合った。ただ、それだけ。
いつだったかしら……あぁ、嵐に巻き込まれて、ミャンマーの方へ流れ着いた時だわ。船も難破しちゃって、持っていたものは、着ている洋服と空っぽの箱と銀色のナイフ。
行くあてどころか、その日を生きる希望まで、すべて失って。途方に暮れながら、膝ぐらいまで育った草をかき分けて、ひたすら歩いていた。
足場も、すごく悪かったの。
石が大きいのから小さいのまで、たくさん落ちていて、おまけに、泥だらけで足元はぬかるんでいた。
一歩踏み出すたびに、靴が半分ぐらい埋まって、次の一歩を歩こうとすると、誰かに足を掴まれたみたいに動けないの。
もし、この世にカミサマなんて存在がいるとしたら、私のことを、どうしたかったのだろう。
気が付いたら、細長い草が、綺麗に刈り取られているところに着いていた。今思えばその場所は、不自然だったのかもしれない。でも、そんなことを考えてる余裕なんてなかった。
真っ赤なルビーが、いくつも落ちてたの。
その近くで綺麗な女の人が、血を流して死んでいた。腰につけた袋からは、大粒のルビーが零れ落ちていて、どれも月明かりに照らされている。
血で作られた川に沿うように、落ちていて、たっぷりとそれを吸い込んだ石は、暗くて重たい輝きを放っていた。
その中でも一番大きなのは、白くて柔らかなものに包まれて、大切に、大切に仕舞ってあったわ。
普通だったら気づかないけれど、何かの拍子に現れてしまったのね。
散らばっていたルビーを拾い集めていた私の目は、真紅の色をしたそれに釘付けになった。
――この世に、こんな美しいものがあったなんて。
心を奪われる。
そんな表現があるけれど、そう言い表すことでしか伝えられない。他の言葉になんて出来ない。
同時に思ったの。
これだけは、誰にも渡さないって。
小さなルビーは売ってお金にしないと、私が生きていけないけれど、これだけは、何があっても離さない。これのためなら、命だって差し出すわ。
それだけ、私にとっては愛しくて、価値があるものだから。
その後、あの場所からは港町へと無事に行くことが出来たの。それまで迷っていたのが嘘みたいに。
見つけたルビーをいくつか売って、必要なものを買い揃えた。もちろん、新しい船も買ったわよ。だって、船が無かったら、旅ができないじゃない。
一番大きなのは、口の広いビンの中に大切に入れて、持っていた箱の中に仕舞って、片時もそばから離さなかったわ。
直接持ち歩いたら、人目に触れてしまうし、騒がれるのも嫌なの。だからと言って宿に置いておいたら、誰かに盗まれてしまうかもしれない。古ぼけた箱に入れているから、捨てられてしまったらどうしよう。
そんな考えばかりが、頭をぐるぐると巡って離れない。そんな気がしたから。
そうこうしているうちに、出発の準備は整った。前の船よりも、ちょっとだけ大きくなった船に乗り込んで、旅を続けたわ。
片手で舵を操って、もう片方の手で、箱に触れながら。
今となっては、あそこでの出来事は遠い過去のこと。でも、そこで見つけたのは、今でも大切に、私の隣にあるの。
他の旅先でも、肌身離さず、常に持ち歩いたわ。
箱は何度も取り換えたけれど、中身は、私以外の人が見れないように、ずっと仕舞ったまま。箱からそれを取り出すのは、ビンの中の液体を取り換えるときだけ。
あとは、そっと眺めるの。
気まぐれな船旅が終わったように、私の人生も、もうすぐ終わる。
だから最近、思う。
私たちの人生って、船旅みたいなものじゃないかって。
船が、帆に風を孕んで海原を進むように、私たちは、真紅の色をした命の種に、いろいろな感情を孕んで人生を進んでく。
あの時見つけた、真紅の色をした種だって、ルビーの持ち主が生きていた証でしょう?
その人の、生きた時間の分だけ感情を孕んでいるから、美しくて、愛おしいと感じたの。
よく『生きている全てのものに愛を』なんて言うけれど、生きてなくても、愛は注げるでしょう?
だから、よろしくね。
私もちょうど、あの時の女の人と同じぐらいの年なの。だから私が死んだら、この胸から真紅の色をした種を取って。
そうして、私がしていたように、口の広いビンの中に、ホルマリンと一緒に入れて、ふたを閉める。
そして、私が持っている種を、大切に箱の中に仕舞って、肌身離さず持ち歩いてほしいの。
私が死んでも、この種があなたの感情を孕めるように。
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