雑談掲示板

【完結】〜V計画〜【夢をありがとう】
日時: 2019/03/25 17:31
名前: 名無しのアキラ◆gAG34vIFP2 (ID: PtJBEP/Y)

皆さま初めまして。今はこの名前で失礼いたします。


こちらは某スレ閉鎖につき、臨時で建てた避難所スレになります。

主に某合作の創作物の保管庫として使う予定ですが、私以外の関係者の方のリクエストや、全く関係のない新参の方からのご質問や問い合わせ等も受け付けておりますので、よろしくお願い申し上げます。

荒らしスレではございませんので、皆さまのご理解を頂ければなと思います。


※2019/03/24 完結しました。また同日を持ってこちらのスレは閉鎖となります。短い間でしたがお世話になりました。


〜書いてる小説リスト〜

●「合作!!三千世界のヴァルキュリア!!」(完結)(リク依頼板・複雑ファジー板)


~創作イラスト紹介~

●「オリキャラ“ヴァルキュリア部隊”設定画」(>>2)

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Re: 【暫定】〜ヴァルキュリア開発計画〜 ( No.99 )
日時: 2019/02/02 22:04
名前: 名無しのアキラ (ID: aB0qg6Yc)

輝くフレスヴェルグの口内、そして丁度その目の前で硬直してしまった美琴。レーザをまともに照射されれば、如何なる能力者でも消し炭と化してしまうだろうが、その攻撃が放たれる事は無かった。
上空から降り注ぐ大量のミサイルが、フレスヴェルグを押し戻す。
美琴が空を見上げると、そこには空間が歪んでる箇所が一つあった。
すぐさま周辺の自律兵器がそこへ一斉にレーザーによる迎撃射撃を開始する。
しかしそのレーザーの雨はそこまで届かない。届く前に屈折してあらぬ方向へ行ってしまうのだ。

地上からその様子を見上げていた魔導師の少年リクセスは、その能力に見覚えがあった。

「あー、あの厄介な能力は......」

リクセスが呟くと、迎撃のせいで丁度透明化の機能が切れたのだろう。
空間が歪んでる場所から、大きな船首のようなものが現れる。そしてゴテゴテの武装が施された飛空艦のような兵器が現れる。

「相変わらずだねえ、“あの娘”は」

リクセスは呆れたような、けれども何処か安心したような表情で呟いた。



空中に浮かぶ飛空艦のような兵器は、大きいと言えどフレスヴェルグと比べたら大人と子供程の差がある。
その内部にある広間程の空間のある巨大なドーム状のコックピットには、送られてくる様々な情報が流れていき、更にドーム面360度全体に周囲の風景まで全て映し出されていた。
正に電脳空間どころか異世界レベルのコックピットの中央に座席に、その「少女」は居た。肩までの銀髪を頭の左右でまとめ、お馴染みのバイザー一体型の猫耳型レーダー付きの頭部アーマーを被る。小柄な体格と重装甲のアーマーにギャップがある少女、“ヴァルキュリア・アイギス”は、掛け声と共に操縦桿を傾けた。

「“アイギス号”火力支援を開始するであります!」

飛空艦型の兵器、アイギス号のミサイルカバーが一斉に開き、一気に弾幕を張る。それはまるで一個大隊による一斉射撃にも匹敵する規模だ。フレスヴェルグの全身へミサイルが襲いかかる。
しかもその一発一発の精度の尋常じゃない、全てフレスヴェルグ上の味方位置と移動ルートをを検知し、自動的に避けていた。これもアイギスとアイギス号による高い演算能力だからこそなせる技だ。
アイギス号の登場に、ソルが指示を出す。

「アイギス!“特殊弾(ブルー・バレット)”投下!」

『了解!』

アイギスは「ご武運を」とまるで祈るように呟きながら、操縦桿の発射ボタンを押す。そして機体下部のハッチが開き、これまでのミサイルとは全く違う形状のものを1発射するーー

ーー刹那、一線の光がアイギス号を貫いた。それはフレスヴェルグが咄嗟に放った、口から発射されるハイレーザーだった。火花を上げ、そして爆散していくアイギス号。
分厚いバリアーと装甲を持つアイギスの兵器ですら一撃で沈む。その威力を間近で目の当たりにした、デスタムーアも思わず声を漏らす。

「一撃......か」

その光景にソルの表情も真っ青になった。

「ばっ、な、なにやってんだこのドジが! アイギス!アイギスー!」

『ガガッ......ガッ......』

ソルが叫ぶも応答がない。デスタムーアはアイギスが最後に放った特殊弾がヴァルキュリアの切り札だとすぐに察知し、それを追いかけるように援護に移る。両手の剣による斬撃技「闇斬」で自律兵器どもを押しのけ、更に両手からは遠距離技「波動弾」を周辺の敵に投げつけながら吹き飛ばしていく。高速で飛行しながらも多彩な技で敵の群れを捌いていくデスタムーアはかなりの実力者だ。

と、その時、爆散して落ちていくアイギス号の残骸に中から、一線の光が飛び出して来た。


「まだまだあ!」


その小さくて空も自在に飛べるヴァルキュリアは、あのアイギスに他ならなかった。撃ち落とされる寸前にうまく脱出していたようだ。
そしてアイギスは不思議な呪文を唱え、両手をかざす。


「出てくるであります!自分の“ドラグーン”!」


かざした両手の前の空間で大爆発が起こり、その中から鋼鉄の巨人“ドラグーン”が現れる。白い装甲に赤いラインの模様が入ったデザインはアイギスとお揃いだ。しかし重装甲のアイギスに反して、出てきたドラグーンはやや細身、しかも武装も右手のライフルと左手のシールドぐらいしか無さそうだ。
更に彼女の起こす奇跡は止まらない。


「か・ら・の!」


更にアイギスは詠唱を積んだ。周辺の空間一面に光のホログラムによる設計図が映し出される。正に設計図の海、異世界レベルだ。その膨大な情報はアイギスの能力で全て実体化していき、召喚されたドラグーンを包み込み、2度目の光の大爆発が発生した。
一際大きな爆発の後に現れるは、さっきのアイギス号よりも一段と大きい、ドラグーンをコアユニットとする戦艦レベルの超巨大兵器だった。


『でやああ!【超(スーパー)アイギス号!】ここに爆誕でありますう!』


ドラグーン(?)「スーパーアイギス号!」の先端に立ち、高々と叫ぶアイギス。その姿にソルは「アイギス......」と安心するような、半分呆れてしまいような声を漏らし、微かに目に涙を浮かべる。
デスタムーアも思わず振り向きながら、アイギスの姿を目に捉えると「ふん」と鼻を鳴らす。

「まさか、この俺が一瞬でも“心配”してしまうとはな。我ながら足りぬ所がーー」

そして再び視線を前方に戻すと、先程自分が守っていた特殊弾に、今まさに弾幕を抜けてきた自律兵器の一機がレーザーを発射した所だった。

(なんだと!俺が見逃した!?まずい!)

デスタムーアが手を伸ばすが、そのレーザーは特殊弾先端の“ドーム状の何か”によって弾かれる。更にその特殊弾は、まるで何者かが操作してるかのように複雑な軌道を描いてフレスヴェルグへ迫った。

「“バリアー”......か? それにあの動き、まるで意思があるようだな」

そのバリアーはヴァルキュリアの物にそっくりだった。しかしヴァルキュリア以外にバリアーを持つ兵器は未だデスタムーアは見たことがない。明らかな新兵器、しかしそれならもっと導入されていてもおかしくないはずだが......そこでデスタムーアの脳裏に一つの可能が浮かぶ。
しかしそれは普通は考えられない、されどヴァルキュリアならばやりかねない策だった。

「ーー“神風”とは正にこの事か」

デスタムーアがなにかを悟るように呟いた刹那、特殊弾がフレスヴェルグに命中する寸前で先端が半分に割れ、中から“蒼いマント”をはためかせ、同じく蒼い王冠型の頭部アーマーを装備した1人のヴァルキュリアが飛び出してきたのだ。
そう、特殊弾とは名ばかりの、それは厳密には彼女をフレスヴェルグの所まで届ける使い捨ての“乗り物”のような兵器だった。
蒼いチャイナドレスに赤いヒール、美しい艶のある茶髪のツインロール、そして“その鉄壁の笑顔”は正しく、史上最強のヴァルキュリア「イクリプス」に他ならなかったのだ。


『ただの特殊弾だと思いましたか?残念♪“わたくし”ですわ......よっ!』


イクリプスは一瞬フレスヴェルグのクチバシの先端に着陸し、しばらく力を溜め込んだかと思うと、物凄い衝撃波とともにそれを拳の力に変えて放った。
最強のヴァルキュリアによる最強の正拳突き!その山のように大きな頭部を崩さんばかりの破壊力、しかし......すぐにイクリプスは理解した。フレスヴェルグの頭部には、微かにヒビが入っただけだったのだ。

たん、と軽々と宙に舞うイクリプスの右手からは微かに出血し、腕からのジンジンした反動の痺れが全身へ浸透してくる。

「わたくしの“フルスイング”でも“コレ”ですか、いいでしょう! もっと、もおっとお“わたくしの力”をお見せしましょう!!」

イクリプスは高々と宙を舞いながら詠唱する。まずは拳の強化、彼女が長い間宇宙を旅して知り得た最硬の物質構成で己の両拳を覆い尽くす。
鋼鉄にように真っ黒になった拳へ、更にイクリプスは詠唱を重ねて強化し始める。
そして、なんと彼女の両拳は光を放つ。それは太陽が如く、眩しく暖かいものだった。
それを見た美琴が叫ぶ。

「あれは! “太陽の拳”!?」

クルクルと宙を舞いながら落ちてくるイクリプスと美琴の目があった。

「すいません美琴ちゃん、違いますけど、“ちょっとパクり”ました♪」

そしてフレスヴェルグの頭の上に落ちた瞬間、凄まじい連鎖爆撃によって周囲の空間が焼き尽くされていく。
それはイクリプスの灼熱の拳による怒涛の連続パンチだった。しかも1発1発が凄まじく重い。まるで地震のような衝撃がフレスヴェルグの全身に走り、頭部のヒビは見る見る増え、深く大きく広がっていった。


『オラぁ! ソルちゃんに何してるんですのテメェはあああ! オラオラオラオラオラオラあああ!!』


自分の盟友であるソル・ヴァルキュリアを傷つけられたことにより、ここで始めてイクリプスは「キレ」ていた。リミッターが半分外れたイクリプスのパワーによって、フレスヴェルグの巨大な身体がだんだん沈んでいく。
そしてイクリプスは飛び上がりーー


「か・ら・の!」


イクリプスは呪文で素早く強化した両脚を断頭台のようにフレスヴェルグの脳天に叩き込む。


『龍・爪・脚!』


火山の噴火のように、フレスヴェルの頭部から、砕けた表面が岩のように舞い上がる。そして更にイクリプスはそこからもう一度宙に舞い、もっと詠唱を重ねまくる。


「か・ら・の!」


イクリプスは傍の空間に手を入れ、そこからーー光り輝く神々しい大槍を抜き取った。
彼女はそれを、雷の如く勢いで、最大級の力を持って振り下ろしたーー



『【神槍・グングニル】!!』

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