雑談掲示板

第十一回SS大会 お題「無」 結果発表
日時: 2014/02/27 20:57
名前: 死(元猫 ◆GaDW7qeIec
参照: http://www.kakiko.info/bbs/index.cgi?mode=view&no=16247

第十一回SS大会 お題「無」
>>523に第十一回大会結果紹介

始めましての方は、初めまして! お久し振りの方達はお久しぶり♪
何番煎じだよとか主が一番分っているので言わないで(汗
余りに批判が強ければ、削除依頼しますので!

題名の通りSSを掲載しあう感じです。
一大会毎にお題を主(猫)が決めますので皆様は御題にそったSSを投稿して下さい♪
基本的に文字数制限などはなしで小説の投稿の期間は、お題発表から大体一ヶ月とさせて貰います♪
そして、それからニ週間位投票期間を設けたいと思います。
なお、SSには夫々、題名を付けて下さい。題名は、他の人のと被らないように注意ください。
 

投票について変更させて貰います。
気に入った作品を三つ選んで題名でも作者名でも良いので書いて下さい♪
それだけでOKです^^

では、沢山の作品待ってます!
宜しくお願いします。

意味がわからないという方は、私にお聞き願います♪
尚、主も時々、投稿すると思います。
最後に、他者の評価に、波を立てたりしないように!



~今迄の質問に対する答え~

・文字数は特に決まっていません。 
三百文字とかの短い文章でも物語の体をなしていればOKです。 
また、二万とか三万位とかの長さの文章でもOKですよ^^
・評価のときは、自分の小説には原則投票しないで下さい。
・一大会で一人がエントリーできるのは一作品だけです。書き直しとか物語を完全に書き直すとかはOKですよ?

――――連絡欄――――

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_____報告
第四回大会より投票の仕方を変えました。改めて宜しくお願いします。

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Re: 第三回SS大会小説投票期間! 2/5~2/19まで! ( No.155 )
日時: 2012/02/18 01:43
名前: ランスキー◆RtaaCjFysY


【後書き】

二回目の参加となります。ランスキーです。この場でいうのは失礼だと承知しておりますが、レシラム様のご批評に対して感謝を。参考になりました。
そして今回の物語ですが……実はとある方に非常に有用な感想をいただきました。それを見て、自分の未熟さをまざまざと痛感させられたことは内緒です。ともかく、まだまだ精進、でしょうか。

あまり出来の良いものではありませんが、参加させていただいてありがとうございました。

Re: 第三回SS大会小説投票期間! 2/5~2/19まで! ( No.156 )
日時: 2012/02/24 21:36
名前: アビス

を切り裂く者~part1




ここは雲の国『クラウディ』。この空高く聳える国にも人は住んでいる。
ただ一つ、地上に住む人間と違うところがある。それは

「鷹輝(ようき)。水平飛行速度・250㎞」

「すっご~~~い!!鷹輝君!!」

ここに住む人間には皆、翼を持っているということ。
群島のように雲が連なるこの国では、空を飛べないとまともに移動も出来ないのである。

「250㎞だと!?くそ~~~~~!!さすがだな、鷹輝」

「そんなことないよ、鳶瑠(とびる)」

そしてここはクラウディにある学校の一つ『フライスカイ』。地上で言う高校に当たる部分。
そこで今、水平飛行速度の測定を行っていた。
今測定したのは鷹輝。この国の平均飛行速度は約150㎞。つまり鷹輝の出した記録は
この学校はおろか、国の中でも飛びぬけて速い飛行能力なのだ。
その上容姿端麗で気立てが良いため、女子は勿論、男子からも好かれている人物だ。

「昔に現れたって言う350㎞には適わないさ」

「350㎞ってあれか?伝説の『を切り裂く者(ジン)』か。
ばっかだな~~~~お前。そんな人間いるわけないだろ?今じゃ300㎞超えもいないんだぞ。
350なんて本当に唯の伝説だよ」

鷹輝の言葉に一人の鳶瑠と言われた生徒が言葉を投げかける。
そう、この国にはある伝説が伝わっていた。それは何時の時代かに現れたって言う伝説の人間・ジン。
この国を350㎞の速度で飛び回り、を裂くように翔けたと言う伝説だ。

「でも僕はいたと信じたいな」

「本当、もの好きだよなお前・・・・」

呆れ気味でため息を吐く鳶瑠。すると

「次!隼人(はやと)!!」

教師が次に計る生徒の名を呼ぶと、鳶瑠がお!と言った感じの顔をした。

「出た出た・・・・・・頑張れよーー!隼人!!」

「ぅるっせーーーー!!」

次に現れたのは男子生徒に応援をかける鳶瑠に、隼人は少々キレ気味に言い返す。
そして深呼吸をして皆より若干小さめの翼を羽ばたかせ始めた。だが、

「はい。隼人、測定不可能」

「うおおおいい!!諦めんの早すぎだろ教師!!」

羽ばたかせ始めて数秒で教師はそう言い、紙にペンを走らせた。
それに隼人が切れて即効で掴みかかる。

「こらぁ!教師の襟を掴むな!!」

「もう少し頑張らせてくれよぉ!」

「そう言って何時もお前飛べんだろ!『翼止病』のかかったその翼で
どうやって飛ぶって言うんだ!?」

翼止病とは心身の問題で、体の成長と共に大きくなるはずの翼の成長が止まってしまう病気だ。
隼人は子どもの時にその病気にかかってしまい、飛べなくなってしまったのだ。

「だったら、測定の時に俺の名を呼ぶんじゃねぇよ!!」

「呼ばんとお前、「俺の名を飛ばしてんじゃねぇ!!」って切れるだろう!!
それに・・・・あれだ。ノリってやつも大切だろ?」

「ノリで人の傷口抉ってんじゃねぇぇぇぇぇ!!!!」

――――――――――――――――――――

「ったく、たの糞教師・・・・・。人が傷付かねぇと思って、言いたい放題言いやがって!」

学校が終わり放課後。鷹輝、鳶瑠、隼人は並んで学校を後にしていた。

「大丈夫だ隼人!!お前のその誰に何を言われても折れない精神の方が、俺は尊敬するぞ」

「褒め言葉使って貶してじゃねぇよ!!」

「ばれた?」

「ばればれだ!ドアホ!」

「止めなよ二人とも」

二人が何時ものように言い合うのを、鷹輝は微笑ましい顔を浮かべながらそれを止める。

「はいはい。それじゃあそろそろ行こうぜ。またな隼人」

「またね」

「おう!またな!」

二人は隼人に挨拶すると翼を広げ、空へと飛んで行った。それを見送ってっから隼人は一人歩き出した。
着いたのは土地雲同士を繋ぐリフト。主に隼人のような理由で飛べない人間のために置かれている移動手段だ。
移動スピードが遅い上、目的の場所に辿りつくのに幾つもリフトに乗り替えなくてはならないと面倒だが、
隼人はもう慣れっこのようで当たり前にリフトに脚を運ぶ。すると、

Re: 第三回SS大会小説投票期間! 2/5~2/19まで! ( No.157 )
日時: 2012/02/24 21:37
名前: アビス

を切り裂く者~part2




「お~~~い!!隼人~~~~」

「燕(つばめ)」

リフトの移動中、空から名を呼ばれ顔を向けると一人の女子生徒がこちらに手を振っていた。
その女子生徒は隼人の傍まで滑降すると、一緒のリフトに降り立った。

「今日も絶好調だったね」

「何の話してんだてめ~~~~」

彼女は燕。隼人の幼馴染にあたる人物で、運動も勉強もそこそこだが、
人懐っこく愛嬌ある性格で皆に親しまれる人気者。

「あっはは。そんなに怒らないでよ、隼人~~~~」

「あぶねぇ!!狭ぇんだからベタベタくっつくな!」

屈託ない笑顔で隼人の腕にしがみ付く燕。
それにもう隼人は慣れっこの様子で軽くあしらって離れさせる。
それに燕が膨れっ面になって言った。

「ぶ~~~~。いーじゃんかよ、ちょっとぐらい。それと、何時も言ってるでしょ~~~!
私といる時ぐらい『声を張り上げなくても良い』って」

「・・・・・・うるせぇ。俺の勝手だろ」

燕の意味あり気な言葉に隼人は頭を掻き、答えずらそうにそう言った。
それに燕が仕様がないな、と言った感じでため息を吐く。
それから暫くすると、リフトが到着した。

「よっと。それじゃあ、はいこれ!何時ものだよ」

リフトに降りた燕は振り返ると隼人にある物を差し出した。それは『活翼剤』。
隼人が子どもの時にかかった翼止病。
その病気を治すには翼の細胞を無理にでも活性させる必要がある。それを可能にするのが活翼剤だ。
本来なら週に一回投与を一年も続ければ治るのだが、隼人は一向に治らないのだ。

それでも燕は実家が薬局ということもあり、週に一回はこうやって隼人に薬を渡している。

「・・・・・いらねぇって言ってんだろ。もう俺の翼は飛べねぇんだ」

「そんなんじゃ、治るものも治らないよ。病は気からって言うじゃん。じゃね」

隼人の手に無理矢理薬を押しつけて、燕はその場を飛び去った。
一人残された隼人は薬を見つめ、強く拳を握ると呟いた。

「・・・・・病気で飛べねぇんじゃねぇよ。そんなもん、とっくの昔に治ってるよ」

どこか悲しげにそう呟くと、隼人は少し重い足取りで家へと帰って行った。
それに合せるように空もどんよりとしていった。

――――――――――次の日――――――――――

―ビュオオォォォォォオ!!!!―

空は荒れ模様。年に数回起きる自然現象『暴(ストーム)』。
この時は国全土で飛行禁止令が出る。
が吹き荒むこの状態でもし空を飛んだら、忽ち体の自由は奪われに身を任せるほか無くなるからだ。

「ま、隼人には関係ねぇことだよなぁ」

「はったおすぞ、鳶瑠!」

こんな時でも普段通りおちゃらける隼人と鳶瑠。

「ほらほら、そろそろチャイムが鳴るよ」

―キーーンコーーンカーーンコーーン!―

「おーう!席に着けおめぇら」

チャイムと同時に教室に入ってくる先生。教卓の前に立つと、ざっと全体を見渡した。

「・・・・・いねぇのは燕か。隼人、何か聞いてるか?」

「何も聞いてねぇよ」

「そうか・・・・・・。少し待ってろおめぇら。今確認とってくる」

こんな時に欠席がいるのはやはり心に不安がよぎる。
先生は少し急ぎ足気味で教室を出て行った。すると

『緊急速報!緊急速報!!現在R14地点で暴の被害に遭う女性を発見!!』

「「「!!!」」」

国中に響く緊急警報。それにクラスの皆がざわめき出した。

『制服を着用。フライスカイの生徒と判明。救急隊はすぐさま出動し、
スカイフライの関係者は至急・・・・・』

「あんの馬鹿・・・・・」

「おい、隼人!!」

警報を聞いて、一人呟くと突然教室を飛び出していく隼人。鳶瑠が声を掛けるが、
それも耳に入らないと言った感じで走り去る。

「僕たちも行くよ、鳶瑠!」

「しゃぁねぇな!」

その後を追って走る鷹輝と鳶瑠。校舎を出ると凄まじい突が三人を襲った。

Re: 第三回SS大会小説投票期間! 2/5~2/19まで! ( No.158 )
日時: 2012/02/19 00:21
名前: アビス

を切り裂く者~part3




「くっ!!今年の暴は例年に無い強さだね」

「そんなことはどうでもいいだろうが!行くぞ!!」

そこからさらに走り続けること五分。場所はF41地点。ここは土地雲の端の方。
そこにはR14地点付近へと行けるリフトがあるのだが、そこで鳶瑠が叫んだ。

「おい!!あれ!!」

鳶瑠が斜め下の方を指差す。そこにはに煽られて成す術なく飛来する燕の姿があった。
遠くて豆粒くらいの大きさだが、ぐったりしているのが見られた。

「あんなじゃあ、もう長くは持たないぜ」

「まだ救急隊の姿も見えない。このままじゃ燕ちゃんが・・・・・。
こうなったら、僕が・・・・・」

「馬鹿!このだぞ!?いくら速く飛べようが関係ねぇよ。・・・・っておい!隼人!!」

二人がどうしようがと言いあっている内に、隼人は土地雲から飛び出していってしまった。
二人が心配そうに覗き込む中、隼人は冷静に今の状況を把握していた。

(ったく、馬鹿だな俺は。飛べねぇのに『また』こんなに出しゃばっちまった。
これじゃあ『あの時』と同じじゃねぇか・・・・・)

隼人は体を強に蝕まれながらも目を閉じ、昔の事を思い出した。
それは隼人が翼止病に掛った時の事。

――――――――――――――――――――

「どう燕ちゃん?凄いでしょ!?」

「うん!凄い凄い!!」

隼人がまだ幼稚園の時は他の子たちよりも優れた飛行能力を持ちえていて、
それをよく先生たちや同じ生徒たちからも沢山褒めてもらっていた。
だから隼人は自分は凄い人なんだと自負していた。

だが、それを改めたのは今日のような暴の日。
隼人は燕を驚かせようと思って外へ出た。出てはいけないと言われてはいたが、
自分は大丈夫!という気持ちを疑わず、暴の中翼を広げ飛ぼうとした。だが・・・・

「うわああああああ!!」

で体の自由は効かない。どんどん体力が奪われていく。
結局自分はまだ子どもで、先生たちもただ自分を喜ばせる為に褒めているだけだと思い知らされた。
その後の事は覚えていない。気付いた時は病院のベットの上。
羽がぼろぼろになり翼止病にかかってしまったのだ。

だが、それだけじゃない。隼人の中で飛ぶことがトラウマになってしまい、
それが翼に影響して翼止病が治っても、翼は縮こまって飛べないままになってしまった。
そんな情けない自分を隠そうと、今まで声を張り強がってきた。
見兼ねた燕に注意されても直すこともせず、飛べないことも翼止病のせいにし、
今までずっとそうやって生きてきた。

――――――――――――――――――――

「・・・・・・・・・」

ゆっくりと目を開ける隼人。そして自分の翼を見つめる。
縮こまった小さな翼。羽ばたこうにも自分一人支えられない頼りない翼。
それを見て隼人は苛立ちに歯を食いしばる。

「ふっざけんなよ・・・・・。態度ばっかりでかくなりやがって。
心の方は小せぇままじゃねぇか・・・・・・」

自分にぶつくさと文句を垂れる隼人。だが、そんなことは今までもしてきたこと。
今しなきゃならないことはそんなことではない。

「こんな時ぐらい!!しゃきっとしやがれぇ!!!!」

―バサッ!!!―

「!!隼人の翼が・・・・・」

「・・・・・でかくなりやがった」

今まで人よりも小さかった隼人の翼が人の倍近くまで大きく広がった。
けどこの突の中、翼を広げるのは自殺行為だ。大きいと言うことはそれだけの抵抗を受けてしまう。

だが、隼人はその大きな翼を羽ばたかせると、に逆らって体が上に浮かせる。
そしてこの暴の中、驚異的なスピードで燕のいる方向へと飛行し始めた。
をものともせずに飛行する姿はまるで・・・・

を切り裂く者・・・・・・」

隼人の目に今まで豆粒くらい小さかった燕の姿がどんどんでかくなり、
遂にその体を受け止めることが出来た隼人。

「う・・・・・隼人?」

燕はかなり弱っていたが、意識はあるようで小さく呟いた。

「迷惑かけんじゃねぇよ。アホ・・・・」

笑みを浮かべながらそう言い放つ隼人に、燕も軽く笑みを返すと気を失ってしまった。
その後、隼人はそのまま直ぐに燕を病院へと運び込んだ。
幸い、燕はに体力を奪われていただけで、後に後遺症が残るようなことは無いだそうだった。

Re: 第三回SS大会小説投票期間! 2/5~2/19まで! ( No.159 )
日時: 2012/02/19 00:22
名前: アビス

を切り裂く者~part4




数日後。目を覚まし順調に回復に向かう燕。そこに三人が見舞いにやってきた。

「もう大丈夫そうだな。燕」

「うん。もうばっちり!!明後日には退院出来るって、お医者さんが言ってたよ」

「それは良かったね、燕ちゃん」

元気に言葉を交わせると言うことは本当に回復をしているのだろう。
隼人もそれに安堵の息を吐く。

「それにしてもよ」

と、そこで話を変えてきたのは鳶瑠だった。

「何でお前、あの日に飛んだんだ?飛行禁止令ぐらい分かってんだろう?」

「あ・・・ははぁ・・・・。大事なもの手放しちゃって、つい・・・・・」

鳶瑠の質問に苦笑いを浮かべる燕。その手には小さな羽が握られていた。

「それがそう?羽・・・・・みたいだけど誰のなの?」

「これは・・・・・」

燕はそこで言葉を切ると、少し照れ臭そうに隼人の方を見た。

「は?俺の?」

「そうだよ。覚えてないの?」

そう言われ、考え出した隼人。少ししてあっ、と思いだした顔をした。
確かに隼人は昔、燕に自分の翼の羽を渡した。それを思い出して、隼人は少し困った表情をした。
当時渡した時、隼人は知らなかったのだが、その行為はある特別な意味があったのだ。

「え!?じゃあ、おめぇら結婚する仲なのか!?」

「わ~お」

鳶瑠が目を丸くして言った。それに鷹輝がにやけた表情で答えた。
つまりはそう言うことなのだ。昔から男性が女性に自分の翼の羽を渡すということは
プロポーズと一緒の意味があり、女性はそれを受け取ると言うことはそれを承諾したということなのだ。

「どうなんだよ、隼人?」

鳶瑠が肘で隼人を突っつく。それに隼人は顔を少し赤らめて言った。

「ちょっと待てぇ!当時まだ子どもで俺はそんな意味があるなんて知らなかったんだ!!」

「私は知ってたよ」

「な・・・・・・」

燕の予想外の発言に言葉を詰まらせる。知ってて受け取ったってことはつまり・・・・・。

「隼人。女性にここまで言わせといて、今更お茶を濁すような事は言わないよね?」

「よ・・・鷹輝てめぇ!!」

鷹輝の言葉に隼人が噛み付く。

「そうだぞそうだぞ。折角だからここで答え出しちゃえよ」

「私も聞きたいな」

「~~~~~~~~~!!」

鷹輝に加え、鳶瑠も燕さえも話に乗ってきて、もう完全にこの流れが断ち切れない状態になってしまった。
それに隼人はこうなれば!、と覚悟を決めた。

「わぷっ!!」

「何時までも病院で騒いでるわけにもいかないしな。俺は帰るぜ、じゃぁな」

それったらしい言い訳をつけ、燕をに布団を被せると窓から飛び去って行ってしまった。

「逃げたね」

「ああ、逃げたな。あれはもう男じゃないな」

二人がうんうん、と頷きながら隼人の駄目っぷりを噛み締める。それに燕が布団から出てくると二人に言った。

「呑気なこと言ってないで追いかけてよ!!」

「無理だよ。今の隼人の水平飛行速度・355㎞だよ?いくら僕でも追いつけないよ」

仕様がない、と鷹輝はため息を吐くと。鳶瑠と一緒に二人も病室から出て行った。
一人取り残された燕は頬を膨らませていた。

「も~~~~~!隼人の馬鹿・・・・・・・ん?」

と、そこで布団の中に何かあるのを感じた。それを手探りで取ると、目の前に持っていった。
それは羽だった。通常よりも大きな羽が開いている窓から来るにユラユラ揺れている。
それを見て燕が幸せそうに微笑んで言った。

「・・・・・相変わらず素直じゃないなぁ、隼人は」

そう言ってその羽根を大事そうに握りしめた。
その瞳はすでに見えない彼方にいる隼人へと向けられていた。




~fin~

Re: 第三回SS大会小説投票期間! 2/5~2/19まで! ( No.160 )
日時: 2012/02/19 00:27
名前: アビス

~~あとがき~~


面白そうな企画やってる!って思ったらsだったんですねw

第二回にはちょっと間に合わなかったんで、この第三回目で投稿させてもらいました。
中々テーマに沿ってって言うのが難しかったですけど、楽しく作れました。

Re: 第三回SS大会小説投票期間! 2/9~2/23まで! ( No.161 )
日時: 2012/02/19 11:12
名前: 白波 ◆cOg4HY4At.

┃ブルーマンと雨と二十の扉┃

 五月二八日天気は梅雨が近いこの季節には似合わず久々の快晴。この日に僕は友達とブルーマンというパフォーマーを飛行機に乗り、福岡に行って見に行った。
 そして、その三日後の三一日に僕は神奈川にある、その友達の家に二人でいた。

「やっぱりブルーマン凄かったよなー。あ、そうだ。お前、二十の扉ってゲーム知ってる? 昔NHKラジオでやってたクイズ番組なんだけど……」
 三日前のことについて語っていると、友人がいきなり話題を変えてきた。
「いや、知らないな。説明してくれ」
「ん。了解」

 そう言って友人は僕に二十の扉というゲームの説明を簡潔に話し始める。
「二十の扉っていうのは、まずは適当にお題を決めてそれを解答者が当てるゲームな。で、ヒントは質問出来る最高二十個の項目。まあ、最後には答えを言わなきゃだから実質十九個になるんだけどな」
「へぇ、面白そうじゃん。で、それを僕とやろうってわけ?」
「まあ、そういうわけ。雨も降って辛気くさいし」
「乗った」

 窓に当たる雨が少しうるさい。質問を考えたり、答えを考えたりするのに支障をきたさければいいのだけど……。
「じゃあ、質問開始するよ。それの色は?」
「基本は青。まあ、いつも青ってわけじゃないけど。実際に今は違うし」
 青ねぇ……。三日前のせいかな? あれしか浮かばないんだけど……今はちがうってのも満たしてるし。

「じゃあ二つめー。僕はそれを見たことがある?」
 僕の質問に彼は即答する。
「ある。無いはずがない」
 即答出来るというのが、やっぱりあれっぽいな。あれを前提として話しを進めてみようか。
「それは食べれる?」
「無理。食べれるヤツは人間じゃねぇよ」
「立て続けに四つ目。それは売ってる?」
「んー……微妙なところだなー……。それ自体は買えないけど、それに関係あるものなら買える」
 まあ、そりゃああれは買えないか。多少は確信が持ててきた……。まあ、一応十九個全部使って一発で当てよう。

「なんか無機質だなー……話しながらやっか」
「話題はブルーマンか? お前めっちゃハマってたじゃん」
「ん。そうだよ。何も言わずに分かるとは、流石は親友。その意思疎通と推理力をゲームにも活かせたら良いのにな」
 流石にこの言葉に対しては僕も苦笑いを浮かべながら「いや、僕でも四個ぐらいじゃ確信は持てないって」と言う。あと、誰でも分かるから。とはあえて付け加えずに答えた。
「まあ、それもそうか。でも、ブルーマンってなんで青いんだろうな?」
「目立つから? 顔を隠すならマスクでも付ければいいんだし、顔が青ければ目立つからとかじゃない? いや、実際は知らないけど」
 あの寡黙な三人の青いキャラクターを考えた初代ブルーマンは本当に凄いと思う。あの発想はどうやって生まれたのだろう……今の僕の中では結構な謎だ。

「あ、五つ目行くよ。それは音を出すことが出来る?」
「そのもの自体は全くと言って良いほど音を出さないけど、別のモノから音を出すな。だから音はでるっちゃあ出る」
 それ自体は音を出さないけど、それが使ったり出したりするものから音が出るのか……。
 友よ。いくら三日前のことが印象に残っているからって安直過ぎやしないか?
 特に関係のないお題を出せば良いものを……。

「六つ目。それは人を……」
 ここまで言った途端に僕の声は雷によって遮られる。
 結構光ったし、そこそこ近くに落ちたのかもしれないな。
「うわっ、雷まで出て来たよ……。で、六つ目は何?」
 この雨の中自宅へ帰るのは僕の方だというのに、僕よりも友人の方が嫌そうな顔をする。
 質問を催促する口調も心なしか元気が無くなったような気がしなくもない。
「ん? あぁ。それは人を魅力する?」
 この質問に対して彼はわざとらしく溜め息を一つ吐き「なぁ、お前実際はわかってるんじゃないのか?」と、僕に問ってきた。
「まあ、大まかには。でも、どうせなら質問を出来るだけ使って確信得てから一発で当てたいじゃん?」
「そういうこと。じゃあ、答えるよ。魅力する。あれは人を少なからず魅せるものだ」
「続けて次。それをお前は好き?」
「好き」
 これもほとんど即答。
 こうなれば答えは分かったようなものだ。まあ、一応質問全てを使い切る予定だけど。

「ちょっと俺、飲み物取ってくる。お前は何飲む?」
「僕はドクターペッパーで」
「黙れそんなマイナーな飲み物は家にない。マウンテンデューで良いな?」
 僕はそれも充分マイナーな飲み物だと思うけど……。まあ、この家にマウンテンデュー以外の飲み物なんて最初から無かったと考えて諦めることにしよう。
 今は質問の内容を考えなきゃ。
 あと、取り敢えず質問を整理するか……。
色は?
基本的に青。いつもは違って今も違う。

見たことは?
絶対にある。

食べれる?
無理。食べれたら人間じゃないらしい。

売ってる?
それ自体は売ってない。しかし、それに関係あるものなら買える。

音は?
出ないけど、それに関係あるものを媒介としてなら可。

それは人を魅力する?
少なからずは。

お前は好き?
好き

 こんなところか……。あとは細かい部分を埋めてけば完全に確証が持てるな。
 僕がそんなに質問と回答をまとめている間にも、雨の強さは増していって、窓を壊れよと言わんばかりに強く叩き続けている。
 すると、友人がコップ一杯にマウンテンデューだと思われる飲み物を入れたコップを二杯持ってきて、テーブルの上に無造作に置いた。

「お待たせ」
 僕の方に置かれたコップのマウンテンデューであろう飲み物はなぜか青く、流石に僕は気になったので彼に質問する。
「これ、本当にマウンテンデュー?」
「うん。賞味期限が切れそうだったから、ブルーハワイのシロップも勝手に入れさせてもらったけど。ほら、せっかくブルーマンを見に行ったんだし、記念ってことで」
 よく見ると彼の方のコップのマウンテンデューもブルーハワイシロップによって青く染まっていて、僕に対する嫌がらせということに変わりは無いにせよ、僕だけがブルーハワイということではなかったので少し許せた。

Re: 第三回SS大会小説投票期間! 2/9~2/23まで! ( No.162 )
日時: 2012/02/19 11:18
名前: 白波 ◆cOg4HY4At.

┃ブルーマンと雨と二十の扉┃

「まあいいや。一気に質問二つ使う。思い付いたから」
「じゃあ、ちょうど十個になるのか」
 僕はその言葉に疑問を覚えた。
 二つ使うと九個になるはずでは? まあ、聞けば分かるかと思って「なぁ、二つ質問だったら九個じゃね?」と聞く。
「えっ? 本当にマウンテンデューって質問したじゃん」
「はっ? 普通それ含む? まあ、答えはほとんど分かってるから良いんだけど」
 我ながら寛容だなぁとか思ったが、まあ、答えはほとんど分かっているからだろう。
「じゃあ、質問をどうぞ」
「それは僕かお前の家にある?
 それと、硬かったりする?」
「一つ目は無い。断言出来る。
 二つ目は知らないとしか言いようが無いな」
 十個の質問の内全てがアレを否定する答えじゃないということはやはり……。

 コップ一杯に注がれたマウンテンデューブルーハワイ味(笑)を僕は無視して彼と適当な話しをする。
 情報を引き出そうとか、余計な選択肢を抹消しようとか企みまくりなんだけれど……。

「そう言えば、ブルーマンの楽器って独特だよな。お前もそう思わない?」
 特に話題が思い付いた訳でもないので、僕は結局ブルーマンの話題を振る。
 このゲームをやっているからだろうか、ブルーマンの話題しか思い付かない……。
「あ、それは分かる。あれってブルーマンオリジナルらしいぜ?」
「へぇ……そうなんだ」
 いつのまにそんなことを調べたんだろう。昨日かな? 僕からの質問に答えれてるんだし、多分ウィキったんだろうなー……。

「てか、質問詰まってきた。一回で当てようかと思ってたけど、ちょい遊ぶ。それはドラえもん?」
 僕はこの質問内容に自分自身で少し笑った。
 確実に間違っている答えなのに、今までの質問の回答を全て満たしているのが個人的にツボに入ったからで、ドラえもんというワードがツボな訳では全くない。
「まあ、違うんだけどさ、今までの質問全部満たしているのがすげぇな」
 どうやら彼もそのことに気付いたらしく、苦笑いに近い笑みを浮かべる。

「じゃあ、十二、三個目の質問。それは機会? それとも植物?」
「どっちでもない」
 これも予想通り。よし、確信持ててきた。

「あ、ブルーマンのチケット代渡すの忘れてた。はい、五千六百円」
 僕は彼に取ってもらったチケットの代金を渡すのを含めて彼の家に来たことを思い出し、財布から五千六百円を取り出して彼に渡した。
 ん……これで質問作れたな。さっき聴くの忘れてたし。
「あ、ついでに質問。お前はそれを買ったことある?」
 彼は金をポケットに入れながらついでのように「ある。最近も買った」と答えた。
 まあ、そりゃあそうだな。でなきゃライブ行けないし。
 僕はこいつに買ってもらったから直接は買ってないんだけど……。

「残り六個だぜ? 実質五個。大丈夫か? 当てる気あるの?」
「あるよ。えげつないぐらいに、大人気ないくらいに」
 実際に外堀を着実に埋めているのだから、当てる気は有るとわかるだろう。
 実際こいつも僕に当てる気が有ることぐらいは分かっていると思う。

「じゃあ、十五個目。それは世界に一つだけ?」
「俺の中では」
 あれって一つ以上あるのか?
 いや、人によっては違う。

「てか、ブルーマンの青って綺麗に取れるのかな?」
「わかんね。でも、多少のこるかもしれねぇな。皮膚に悪そうだ」
 あんなに青く塗って皮膚呼吸が出来るのかという議論に発展しかけたが、再び鳴った雷と窓をけたたましく打ちつける雨がその議論を止め、元の二十の扉へと僕らを戻した。

「十六個目。今までの僕の質問から答えに辿り着くことは出来る?」
「……お前次第だが、多分出来る」
 もはやここら辺は保険で、念のための確認といった部分が強い。
 僕の質問が解答に触れていなかったら後の三つと解答で答えを答えなければならなかったら正直絶望しなきゃだけど、そんなことはなかったらしい。

「十七個目。それは汚れてる?」
「お前は会話からさらっと質問作るよな。うん。汚れてると俺は思う」
「十八個目。基本的に青って言ったけど、真っ青なの?」
「薄い青。水色って言っても良いな。後質問一つ、解答一つになるぜ? まあ、答え分かってんだろうけどさ」

 今までの質問を総合すると、僕の頭に浮かんでいる正解の可能性があるワードはこいつの性格を含めて二つしかない。
 そして、僕はそれを一つに変えるための質問を口にする。
「それは人間?」
 この質問に彼は完全に当てられるといったの表情を浮かべ「違う。人間じゃない」と答えた。





「最後。それ“空”でしょ?」





「…………ご名答」
 彼がそう言うと、コップ一杯に注がれているマウンテンデューブルーハワイ味(笑)の青が、光に照らされて綺麗に光った。
 どこから光が差し込んだのかと外を見ると先程までの雷雨は三日振りの綺麗な青空へと変わっていて、それは僕らにとても強い印象を与えた。

Re: 第三回SS大会小説投票期間! 2/9~2/23まで! ( No.163 )
日時: 2012/02/19 13:00
名前: 白波 ◆cOg4HY4At.

あとがき
 セリフ多いなー。まあ、この話しの性質上仕方ないのかもしれないけど。
 そんなことを思いながら書き上げました。
 昔見た短編に二十の扉というゲームがあり、ネタが思いつかなかったため二十の扉を思い出した僕はウィキって二十の扉というゲームをそのまま使いました。
 まあ、ただ書くだけではつまらないので、ブルーマンを答えだと錯覚させるような書き方をしましたが、テーマ『空』なのであまり引っかからなかったかもしれませんね。
 空ということが分かるポイントは最初の方に集中しています。詳しくはこの後の解説で。
 では、白波SSブルーマンと雨と二十の扉でした。

解説
解説が必要そうな質問のみをピックアップして解説していきます。

・四つ目のそれは売ってる? という質問に半分肯定のような解答を出したのは、空というものは買えなくても空の旅や、天体観測のような形で空というものは売り物になっているからです。

・五つ目の音は、雷や雨という形で音を出すからです。

・十四個目の買ったこと――の質問で、一番最初の文章並びに四つ目の質問が来ます。
 最初の文章で、福岡には飛行機で行ったという記述がなされており、四つ目の質問で彼の価値観で空の旅は売り物というようになっているので、結果最近飛行機のチケットを買ったということになります。
 また、僕に関しても、飛行機のチケットは自分で払っているという描写はなく、友人に一時立て替えてもらっていたということは充分有り得るので、十四個目の質問に矛盾がなくなっています。

・ドラえもんになぜ矛盾が生じていなかったのか。
 ドラえもんは元々黄色のため、いつもは違うという解釈をし、あのドラえもん以外は今も黄色のため、今も違うという答えを出しました。
 売ってる? に関しては、ドラえもんというロボットは売っていないけれど、それに関係する商品ならば買えるということからこういう答えでも矛盾はしません。
 音は、ドラえもんはフィクションなのでドラえもん自体は音を出さないけれど、水田わさび、大山のぶよという声優を媒介にして音を出すということです。

・ちなみに、マウンテンデューブルーハワイ味(笑)は最後まで両者口をつけませんでした。
・晴れは二十八が最後で、その前も三十一までも雨はずっと降っていました。

Re: 第三回SS大会小説投票期間! 2/9~2/23まで! ( No.164 )
日時: 2012/02/20 11:44
名前: 猫(元: ◆GaDW7qeIec
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode=view&no=10044

        ~Prologue~

  何処までも青く突き抜けるような空。
  それは、誰の物でもないはずだって僕は思っている。
  空は羽を持った鳥達の領域で羽を持たない僕ら猫は夢見る事も許されない。
  それでも僕達はあの青に希望を感じるのだ。僕達は海と言う存在を知らない。
  海もまた、僕達には許されない領域とされているから……そして海は遠く遠くて。
  あぁ、何て空は近く見えるのだろう。顔を上に向ければあの青がある。手を伸ばしても届かないけれど……
  翼があれば届くのかな? あぁ、きっとあの翼があれば海までも行ける……
  諦めるな。希望を持て! 手を伸ばして夢を叶える覚悟で歩んでいけ! そうだ……空を行く船。空を飛んでいく飛空挺。僕は、それを造って愛する人と共に飛ぼう。


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