雑談掲示板

ヨモクルデス勝手に合作消すな2045
日時: 2024/02/04 22:02
名前: オッチンちんライザー (ID: yk2437xs)

突如突っ込んできたアリアンロッドによる車輪の一撃は、間に割って入ってきたホライゾンによってガードされた。そして、更にホライゾンはその車輪ごとアリアンロッドを後ろへ押し戻し、吹っ飛ばした。

「ーーアリアンロッドは私と同じサポートタイプのアンドロイド、そこまでパワーはありません」

「うわー!? いきなり何だよ!? エリカさん、“非常停止”コマンドを!」

周りの生徒が悲鳴をあげて散っていく中、ペコがエリカに指示を出した。

「え、ええ! アリア、非常停止!」

『ガアアアアアア!』

エリカが叫ぶも、アリアンロッドはそれを無視し、獣のような咆哮を上げると再びペコとホライゾンへ向かっていく。

「ああ!? あのアンドロイド、何でオーナーの指示に従わないんだ!?」

「うーむ、流石にこのままでは私のオーナーにも危害が及びそうだ。ここは私の“腹部大砲”であのアンドロイドを破壊するしかないと判断した」

驚愕する松崎の隣で、彼のアンドロイドのグロウは勝手に腹部の装甲をパカっと開放するとーーウィーンと折りたたみ式の砲身が中から伸びてきた。何ともレトロでコミカルなデザインの武器だ......そして松崎は一瞬指示に遅れる。

「食らえ! 俺の大砲!」

「バーカ! 何勝手にーー」

松崎が指示を出す間も無く、グロウはすぐに大砲から爆音とともに大きな実弾を発射する......グロウもちょっとアレなアンドロイド臭がする。ここまで来ると正に「戦場」、子供同士のアンドロイドの喧嘩どころじゃない。
ーーが、しかし、飛んできた実弾を、何とアリアは手にした巨大な車輪を盾に弾き返す。爆発する砲弾の破片と炎の中から現れたアリアンロッドは、そのメイド服こそ汚れてはいるが、大してダメージを負っていないように見える......

「ーーマジ卍だな。流石に俺の必殺大砲で無傷なのは、ちょっとショックだぞ」

「何だありゃ......まさかあのアンドロイド、今ニュースで話題になってる......グロウ逃げるぞ!あれにゃ勝てっこねー!」

校内最強の不良である松崎も、流石に戦闘兵器であるパルヴァライザーが相手ではどうしようもないと察したようだ。そこへペコ達も回り込んできて合流し、アリアンロッドと対峙する。

「オーナー、アリアンロッドの車輪は彼女本体と同じく“超構造体”で構成されているようです」

「何だって!? 自分のボディ以外も超構造体で出来ているのか?」

「はいーーこれも彼女の能力の1つと思われます。恐らく彼女の能力は“超構造体で物体を作成”する能力。しかも、その能力であらゆる物を作成できるとするなら、かなり厄介です」

「お前ら何の話してるんだ!? って、来たー!」

ペコとホライゾンの話に松崎が割り込んだ途端、再びアリアンロッドが地面を蹴って此方へ突撃してくる。今度はホライゾンとグロウの2人掛かりでアリアンロッドの車輪を受け止める......が、先程よりもパワーが上がってるのか、2人ともジリジリと押されて交代していく......

『ガアアアアアア!』

「くっ、まさかアリアンロッド型にここまでパワーがあるとは......想定外です」

「ーーぐっ、これが“女の怒り”のパワーか!」

「お馬鹿! アンドロイドが怒りでパワーアップするかよ!?」

予想外のパワーに厳しい表情をするホライゾンと、グロウの頓珍漢な台詞に空かさず突っ込みを入れる松崎。
そして一歩引いた間合いからその様子を伺っていたペコの脳裏に、1つの作戦が思いつく。
背後を振り向くとーーそこには通学路の並木道に設置された噴水が。怒り、パワー......

「ーー! ホライゾン! アリアンロッドを噴水へ放り込め!」

『!』

ペコの咄嗟の指示を受け、ホライゾンは体勢を変え、アリアンロッドを彼女自身の勢いも乗っけて、上手くそのまま噴水の方へ押し出した。
闘牛のようにダッシュしてきたアリアンロッドはそのまま噴水へダイブするーー水飛沫が上がり、周辺へ一時の雨を降らせる。そして水蒸気を上げながら、アリアンロッドは停止した。

「ふう、“なんちゃって液冷システム”だよ。オーバーヒートして暴走したアンドロイドにも効果あるかなって思って」

「す、すげえ......オタクの発想だな......」

ペコと松崎が停止したアリアンロッドの様子を伺っていると、彼女のオーナーであるエリカが駆け寄って来た。

「2人とも御免なさい! 何と謝れば......」

「なーに問題ない、マジ卍だ。普段、十司がやってる恥ずかしい事の数々に比べれば、これぐらい可愛いものだ」

「オイ......」

ずいと出てきて胸を張るグロウに、松崎は最早ツッコミする気力も残ってなく、萎え落ちしそうなレベルだった。
ーーと、そこへ竹刀片手に地響きを立てながら向かってくる人影が......

「コラー貴様ら! 朝っぱらから校内でアンドロイド・バトルとはいい度胸だな!」

「やべっ!センコーに見つかった!」

松崎が悲鳴をあげる。最強の不良にも恐ろしいものがあるのだ。
そして逃げる間も無く間合いを詰められる。
熱血漢として有名な体育の教師......鍛え上げられた肉体にタンクトップが似合う。
そして問題児の面子を見た途端、教師も驚きの表情をした。

「何だと!? 松崎は兎も角、ペコ、それに優等生のエリカまで......ぬうううう! だが私の教え子には全員差別なく“愛情”を注がねばならぬ! お前ら全員ーー」

ぐっと握り拳を固めた教師は言い放った。

「“補習”だー!」

『ひいー!?』

3人は悲鳴を上げ、その後1日、教師から“アツイ”特訓を受けることとなった。

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