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小説コンテスト《結果発表!!!レスNo.22参照》
日時: 2016/05/16 13:52
名前: 詩勉強家 (ID: pZjy9NNY)

皆様、こんにちは。
このスレッドでは、「小説コンテスト 参加募集スレッド」に応募してくださった方々による、短編小説コンテストになります。

なお、投票期間になりましたため、皆様のご投票をお願いします。

《投票方法》
・参加者による投票は、自分以外のどなたか1作品に投票ができます。
・参加者以外の方は3作品に投票ができます。
・氏名と、投票したいレス番号を記載の上、投票ください。
・投票の際には、必ずしも全作品に目を通した上でお願いします。
・投票期間は2016.05.15までとします。なお、投票数が少ない場合には期間を延長いたします。



応募者の皆様へ

このスレッドには小説のみを投稿してください。
質問等ございましたら、「小説コンテスト 参加募集スレッド」の方にお願いいたします。

小説投稿の期限は2016.05.05までとさせていただきます。
遅れることのないよう、お願いいたします。

投稿の際には、題名と作者名を明記してください。

作品の種類は基本問いませんが、二次創作はご遠慮ください。
また、小説カキコに載せていい内容でお願いします。

下記のルールにのっとってお書きください。

投稿期間が終了後、投票期間といたします。
その際にはまた詳しい説明をいたします。


小説ルール
・1レス以内に収めるてください
・文字数は自由です
・題名は自由です
・「恋」、「時計」、「てのひら」、「りんご」という単語が必ず本文中のどこかに含ませるようにしてください
・投稿期間中は修整は何度しても良いです

以上のことを守って、ご投稿ください。
よろしくお願いします。

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Re: 小説コンテスト ( No.1 )
日時: 2016/04/17 23:38
名前: K(*^▽^*) (ID: Uj9lR0Ik)

『近くて一番遠い恋』作者:K

あの日、あの時に、君と出会わなければ良かった。
魔法の時計があれば良いのにな。
なーんて、バカみたいなこと考えてしまうんだ。

『好きな人っている?』って何度聞かれたかな。

その度に『いるわけないじゃん』って何度言い返したっけ?

『でもいつも仲良いじゃん。アイツと』その言葉に何度心がチクリとした?

『だって、ただの友達だし』友達で嫌な訳じゃない。

だって、そのアイツには好きな人がいるから。

誰にも言わない、言いたくない、『恋』って言葉でまとめてほしくなんかないんだ。

『良いじゃん、好きになっちゃえば』
好きになるって、なると決めて好きになるの?

『何で両想いの奴なんか好きになるのさ』
そんなの『無駄な恋』に決まってる。 

リンゴみたいな、甘酸っぱい女の子の恋を私は羨ましく思う。

ずっと見てたよ。
気がつけばいつも君を目で追っていた自分がいた。
アイツの事を誰よりも知っているつもりだった。
いつも君を一番に見つけたよ。
心の中で君を好きだと思うのが何か悔しくて。
「好き」
ポツリと声に出してみる。
バカみたい。
アイツじゃなくても良いじゃないか。

嘘。

ずっと近くで笑ってた、特別だと思ってた。
「ばぁ、、か」
何で掠れた声が出るんだろ。
「私じゃだめなの?」
ずっと前から私は君を好きだった。
「好きになってよ」

一番近いと思ってたのに、一番遠いんだ。

頬に伝って手のひらに落ちた何かは見ないようにして。

今なら君に言える。

「好きだ、バーカ!」

拳を握って思いきり叫ぶと涙が次から次へと溢れてきた。

最後、君に伝えたかったよ。

いつもみたく笑ってカッコつけて。

『ずっと、好きだった』って。

Re: 小説コンテスト ( No.2 )
日時: 2016/04/24 01:16
名前: hinn (ID: IpxDtp3C)

『また明日』作者: hinn


(もう嫌だ。学校なんて行きたくない。お家にも帰りたくない。どこかへ行って消えてなくなりたい)

涙を堪えて向かった先は近くの大きな病院の原っぱだった。ここなら学校の友達に会うこともないし、知ってる人に会うこともない。

地面に腰をおろして膝を抱える。
頭を膝にピッタリくっつければ僕だけの空間が出来上がる。この誰にも邪魔されない空間が大好きだった。

ここでなら思い切り泣ける。泣いてる顔を見られなくて済む。

今日学校で言われた嫌なことを思い出して悔しい、という思いを涙と一緒に外に出した。


暫くそうしていたら誰かに肩をポンポンと叩かれた。

「ねえねえ、どうしたの?」

女の子の声だ。怖くなってさらに縮こまる。僕のクラスには、僕に酷いことをしてくる女の子しかいない。男の子だけじゃなくって女の子もみんな怖い子ばっかりだ。

何も答えないでいると、頭に手が乗せられた。その手はゆっくり左右に行ったり来たりするとスッと離れた。

そんなことが何度も何度も繰り返されるものだから僕は不思議になってゆっくり顔を上げた。

「何してるの…?」
「あのね!痛いの痛いの飛んでけーってしてるの!」

りんごのように真っ赤なほっぺたをした女の子は太陽みたいに笑った。


それが愛ちゃんとの出会いだった。



愛ちゃんはこの病院に入院していて、よくここでお花遊びをしているそうだ。

今日もお花で冠をつくるために原っぱに来てみたら僕を見つけて面白そうだったから話しかけたらしい。

「ねえねえ!名前何ていうの?」
「竜だよ」
「竜かあ!かっこいいね!」

愛ちゃんは色んなことにころころと表情を変える。

「僕のこと変だって思わないの?」
「どうして?」
「だって学校のみんながそう言うんだ。僕は変だから遊ぶの嫌だって」
「竜は全然変じゃないよ!」

顔を上げて愛ちゃんをみる。愛ちゃんは大きな目をさらに丸くして僕を見つめていたが、不意に何か閃いたのか近くの花をむしり始めた。

「ねえ、何してるの?」
「竜にお花の冠の作り方教えてあげる!」
「やだよ。僕お花で遊ぶの好きじゃないもん」
「いいから!」

半ば無理やりお花遊びに参加させられる。嫌々ながら花をむしって愛ちゃんの言うとおりに手を動かしていくとかなり不格好な冠が完成した。

「すごい!竜作るの初めてなのによく出来たね! 」
「でも下手くそだよ」
「初めてだからしょうがないよ!」

愛ちゃんは嬉しそうに僕が作った冠をまじまじと見つめた。

そんなことをしている間にもう夕方だ。
愛ちゃんはそろそろ戻るね、と言って立ち上がった。


「ねえ、明日も来ていい?」

焦って愛ちゃんに尋ねると、満面の笑顔がかえってきた。

「もちろん!明日また続きやろうね!」


それからの僕は放課後原っぱに寄るのが日課になった。
初めて出来た友達だったから毎日がすごく楽しかった。学校で嫌なことがあっても愛ちゃんと会ってる間は全部忘れられた。愛ちゃんの笑顔を見ると全部吹き飛んじゃうんだ。

今日も、だいぶ暗くなってきて立ち上がった時ふと愛ちゃんが言った。


「竜も早く帰った方がいいよ。お母さん心配するよ」
「…………」
「竜?」
「お母さんもお父さんもお仕事忙しいから僕いつも一人なんだ」

いつも愛ちゃんと別れてから電気のついていない暗い家に帰るとすごく寂しくなる。独りだってことを再認識して悲しくて不安で涙が溢れてくる。

それを聞いて愛ちゃんは笑わなかった。その代わりにまた僕の隣に座ると、そこでやっと笑顔を見せてくれた。

「じゃあ愛が一緒にいてあげる!」
「えっほんと?」

驚いて愛ちゃんを見つめる。愛ちゃんは頷くと鼻歌を歌い始めた。僕もその鼻歌に自分のを重ねて、所々綺麗にハモると二人でおぉー!と声を上げた。

結局、怒った顔をした看護師さんが愛ちゃんを連れ帰るまでその小さな合唱は続いた。



そんなある日のことだった。

いつものように学校から原っぱに向かうと愛ちゃんの姿がなかった。
次の日もその次の日も愛ちゃんはいなかった。ずっと待ってたけど愛ちゃんは来なかった。

もしかして嫌われたのかな……

嫌われる恐怖と不安は身に染みて知っている。愛ちゃんに嫌われたら僕は本当に独りぼっちになってしまう。またあの悲しい毎日を送らなきゃいけなくなる。

学校で嫌なことをされる度に愛ちゃんの笑顔を思い出した。あの笑顔はもう見れないのかな。もう愛ちゃんには会えないのかな。

僕は今までずっと愛ちゃんに救われていたことに今更気づいてしまった。




「愛ちゃん…」

今日も愛ちゃんは来なかった。夕暮れを知らせるチャイムが辺りに鳴り響く。だいぶ日が落ちた空を見上げるとたくさんの病室が視界に入った。

その一つ一つが明かりを放っていて、どれかが愛ちゃんの部屋なんだろうか、とぼんやり思う。

帰ろうと立ち上がってお尻の土を払ったその時だった。



「竜……!!」


懐かしい声が聞こえた。
思わず勢い良く声のした方へ振り返ると僕が待ち望んでいた女の子が笑顔で駆け寄ってくるのが見えた。



「どうして来なかったの?」

そう問いかけると愛ちゃんは困ったように笑った。愛ちゃんのこんな表情は初めて見た。

「愛ね、病気なの」

おもむろに愛ちゃんは口を開いた。愛ちゃんはすぐにいつもの笑顔に戻ったけどどこか違う。無理して笑っているように見えた。

「ごめんね。ずっと頭が痛くて起き上がれなかったから来れなかったんだ」
「そうだったんだ…」

嫌われたわけじゃなくてホッとした。安堵のため息をつく僕に愛ちゃんは白い歯を見せて笑った。

「愛ね、竜が羨ましいの!学校に行けて、勉強も出来て、何でもできる竜が羨ましい!」
「そうかなぁ…」
「そうだよ!」

僕からしたら学校に行く必要もなくて、嫌な友達がいなくて、勉強しなくてもいい愛ちゃんの方がよっぽど羨ましい。愛ちゃんはそんな僕の思いに気づいたのか空を見上げてへへっと笑った。


「愛の病室にね、砂時計があるんだ。その砂が全部落ちたら手術するの。でも愛の病気は絶対助からない。……だから砂時計の砂が全部落ちたらきっと愛も死んじゃうんだ」

途中で涙声に変わったことに気づく。愛ちゃんの顔を見るといつもの笑顔はどこにもなく、代わりに涙の筋がいくつも愛ちゃんの赤いほっぺにできていた。


「愛ちゃ…」

手を伸ばしかけて、やめた。下ろした手をぐっと握りしめる。呼吸を整えて、まっすぐ愛ちゃんの顔を見すえた。

僕は愛ちゃんと出会って救われた。今度は僕が愛ちゃんを救う番だ。


「そんなことないよ。愛ちゃんなら絶対助かるよ!だって僕、愛ちゃんのことすごいって思ってるから!」
「すごい…?」
「うん!愛ちゃんはすごいんだよ!何でも出来るんだよ!」


そうだ。
僕なんかより愛ちゃんの方がもっと大変なのにいつも笑顔で、僕に元気をくれて、誰よりもキラキラしている愛ちゃんを純粋にすごいと思った。

僕はそんな愛ちゃんの生き方に恋をしていた。僕も、愛ちゃんみたいに生きてみたい。


「愛ちゃん、手を出して」

涙を拭って首を傾げる愛ちゃんに、僕はポッケからある物を取り出した。愛ちゃんがずっと来なかった日に作っていたものだ。

おずおずと差し出す愛ちゃんの小さなてのひらにお花で作った小さな輪っかを置いた。初めて一人で作ってみたけれどやっぱり不格好だった。

「愛ちゃん!手術が成功したら僕とけっこんしよう!やくそく!」

恥ずかしくて心臓がドキドキする。愛ちゃんは大きな目をぱちくりさせて僕の顔を見ると、ふにゃりと笑った。それは僕に元気をくれるいつもの笑顔だった。


「うん!やくそくね!」

もうすぐ愛ちゃんは病院に帰る時間だ。愛ちゃんは僕が作った輪っかを指にはめていつまでも手を振ってくれた。





あれから20年。

あの病院はまだ残っている。変わったのは周りにコンビニや大きなビルが建ったところだ。だいぶ交通の便も良くなり、人通りも増えた。

あの日と同じように原っぱに出向いて病院を見上げる。
あの子の病室からもここが見えていたのかな。どんなことを思いながら砂が落ちる様を見ていたんだろう。

そんなことを思って自重気味に笑う。
少し伸びをしたあとで、小さく息を吐く。速まる鼓動を抑えながらポケットから小さな箱を取り出し、意を決して振り向いた。




「約束、守ったよ」


箱のフタを開けて彼女に差し出す。
キラキラと輝くそれを見て、彼女の目から途端に涙が溢れでてきた。艷やかな漆黒の髪が風でなびいていて、とても綺麗だ。



「…ちゃんと覚えててくれたんだね」


赤い頬をさらに紅くさせて目元を拭う君はきっとこの世の誰よりも美しい。




「愛、俺と結婚してください」


あの日と同じようにこの場所で、もう一度俺は君にプロポーズをする。
彼女はあの日と変わらない笑顔で力強く、確かに頷いた。




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