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Re: あわいをうつろう小舟に揺られ [いちいち・指名制][〆] ( No.51 )
日時: 2021/02/06 08:49
名前: ヨモツカミ (ID: oUAIGTv4)

>>49 心ちゃん
(了です。リアル生活大事にしてね)

「我慢、してるのか」

 彼女の言葉に、心臓が跳ねた。
 上手な返事ができなくて固まっていると

「悪い、変な事聞いた。……そう、友達ね。すごい明るくて、真っ直ぐで───わたしとは全然違うヤツだったよ」

 そう言って微笑みかけた音羽の表情が崩れる。そうして、苦しげに視線を彷徨わせたあと、彼女は川の流れの中に視線を投じた。

「ッあ……ごめん。ごめん……わたしはこういうヤツなんだよ。めんどくさいヤツだろ。自分のこと盾にして逃げようとするみたいな、そういうのがわたしなんだ。こうやって自分を貶しておけば、誰かが勝手に肯定してくれると思って、そんなの卑怯でめんどくさいヤツなだけなのに」

 音羽が、そのまま壊れてバラバラになってしまいそうな気がした。その断片を逃したら、彼女は消えてしまいそうで。それを慌てて捕まえるようなつもりで、彼女を抱きしめた。

「謝んなくていい」

 拒まれるだろうか、とも思ったけれど、ここで放したら、音羽がいなくなってしまいそうだから。一人になるのは嫌だったし、彼女を助けたい。そう思った。

「卑怯で何が悪いの。逃げることの何が悪いの。強く真っ直ぐであろうとする必要なんかないよ……多分、音羽もウチも、とことん弱いんだ。ウチらは、とっても弱くて、誰かが助けてくれないと、粉々になって、消えちゃうんだ。だから自分を守るための武器と防具が必要で……」

 そぷらはふ、と笑った。

「音羽は面倒くさいやつだよ。弱いくせに大丈夫なんて言葉で自分を隠して、それで大丈夫な気になってる。卑怯で、面倒で、馬鹿だ。……ウチじゃ務まらないのかもしれない。でも、ウチは、音羽が思っているよりもずっと、音羽の味方だから」