雑談掲示板
- 【要は】ようこそ魔術堂『木菟』へ【雑談】
- 日時: 2020/05/08 19:23
- 名前: 銀竹 (ID: tQtno30s)
各国から種々様々な物品が集まる港町、ハーティア――。
その路地裏に建つ、古ぼけた一軒の魔法具店に立ち寄ると、奥から現れたのは、一人の木菟(みみずく)であった。
「いらっしゃいませ、ようこそお越しくださいました。
本日は、どういったモノをお求めでしょうか。
《魂呼びの法螺貝》、《炎竜の眼の首飾り》、《精霊婦人の指輪》、ここにはなんでも揃っております。
さあさあ、どうぞお好きなものを」
そういって木兎が見せてくれた品々は、どれも怪しげなものばかりであった。
…………………………
~在庫有りの商品一覧~
★印の付いた品には、迂闊に触れないようお願い申し上げます。
従業員の注意喚起を無視してしまったが為に生じたお客様の異変に関しましては、当店では責任を負いかねますので、ご注意ください。
《魂呼びの法螺貝》吹けば死者の魂を呼び寄せることができる法螺貝。
《★炎竜の眼の首飾り》炎竜の魔眼を使用した首飾り。
《★精霊婦人の指輪》ミューケット精霊婦人が獄死するまで手放さなかった指輪。
《ナグンの蜂蜜酒》ナグンの谷底に巣作るヤドリキバチの蜂蜜酒。
《記憶巡りの羅針盤》失せ物の元に導いてくれる羅針盤。
《古代樹の銀枝》創世の時代から存在していたとされる古代樹の枝。
《薬瓶Ⅰ――導き蝶の鱗粉》一つまみ水に溶かして服用すれば、未来を映した夢の世界へと誘われる薬。
《薬瓶Ⅱ――不死鳥の涙》一滴垂らせばどのような傷も忽ち治癒してしまう魔法薬。
《★薬瓶Ⅲ――夢魔の持つ泡沫》服用すれば望む物の幻が現れるという貴重な麻薬。
《薬瓶Ⅳ――人魚の生き血》飲むと不老不死の体を手に入れられる、人魚の血液。
《薬瓶Ⅴ――蛍石の欠片》純度の高い蛍石の欠片。加工が可能。
《星詠みの魔導書》ルジェネの星詠み達が、世界中の星の動きを記録した書物。
《翼竜の黄金の心臓》黄金に魅せられ、自らも黄金となってしまった翼竜の心臓。
《★北の魔女の幻水晶》北の魔女の遺品。覗いた者はまだ誰もいない。
《影集めの洋灯》照らした相手の影を奪うことができる洋灯。
《一角獣の角笛》一角獣の角を使用した角笛。その音は千里先まで響き渡る。
《★生命を模した小像》命の器となる小像。魂を永遠に封じておくことができる。
《★吸血公爵の杯》串刺公の杯。手にした者は血でしか渇きを癒すことができなくなる。
《★時喰らいの砂時計》消したい記憶を消滅させることができる砂時計。
《人面草の果実》千年に一度しか実らないとされる伝説の果実。妙薬になる。
《海蜘蛛の牙》海底に棲む海蜘蛛の牙。竜ですら死に至らしめる猛毒を持つ。
《焔鉱石の長杖》地獄の業火を秘めし焔鉱石が使用された長杖。
《風精の蝋燭》一度火を灯せば、風精の吐息を受けても決して消えない蝋燭。
《★時廻りの水鏡》覗けば己の過去・未来を映し出してくれる水鏡。
……………………………
はい、いきなり意味がわかりませんね!
気にしないで下さい、書きたかっただけなんです(笑)
皆様はじめまして!銀竹(ぎんちく)と申します。
最初にかっこつけて文なんて書いてみましたが、ここはただの雑談所です。
小説や絵などの創作に関するお話から、日常話まで、楽しくわいわいお話できたらなーと思います(´ω`*)
スレ主は突然返信が遅くなったり、突然語りだしたりするかもしれませんが、深いことは気にせず、気軽にお声かけ頂ければ嬉しいです(∩´∀`)∩
どうぞよろしくお願い致しますー!
…………………………
記念イラスト―(*´ω`*)
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Re: 【要は】ようこそ魔術堂『木菟』へ【雑談】 ( No.583 )
- 日時: 2020/01/19 19:17
- 名前: ルビー (ID: AuDmlyg2)
本当にあった怖い話サーフェリア2020
「丑三つの少年」
それは、僕が仕事から帰ったときのお話です。
仕事が終わったのは夜遅く、疲労も貯まっていた僕でしたがいつも通りの道を選びました。
この選択が後々の悲劇を招いてしまうのです。
その場所は、いつも見慣れている神社でした。
暗いことと不気味なこと以外は普段の神社。けれど、その奥から気味の悪い声が聞こえたような気がしました。
「………さん。姉………。」
子供の声です。
少し小心者の僕は一瞬安心しました。けれど、それには違和感も感じたのです。
こんな夜更けに子供なんてありえない。
もうとっくに寝る時間だ。怖い、恐ろしい、近づきたくない。そう思いましたが、万が一子供が迷子になっている可能性も視野に入れ、神社の奥へ進むことにしたのです……。
疲れていない普段の僕ならなりふり構わず帰るのですが――言い訳に聞こえるかもしれませんが、この不気味な声に僕は導かれてしまっていたのかもしれません。
「……さん……。姉……さん……」
声が、近づいてきました。やはり子供は其処へいるのです。
それともう1つ、おかしな点がありました。
それは、真夜中だというのに、神社の奥が進むごとに明るくなっているということ。
とっくに神主も巫女も眠りに入って明かりなんて付けない。
なのに。どうして?
足音を立てず、状況を確認しようと、木の後ろに隠れました。
そして、そっと覗き込むと子供が――……、いや、少年がいました。
10代前半ぐらいの少年でしょうか。どこかで見たことがある気がするかもしれなかったりしました。
ですが次の瞬間僕は文字通り背筋が凍るような体験をするのです。
不自然に明るい世界は無数のろうそく。何よりも恐ろしいのは鬼の様な形相で少年は木に何かを打ち付けていました。
「ハインツ……!! ハインツゥ……!!」
少年は確かに僕の名前を呼んでいました。思い出した。あれは東方の小国の儀式「ウシミツ」。
深夜2時に全身白装束に、頭に火のともったろうそくを巻き、そして神社へと向かい藁人形に憎い相手の写真を張って傷つけたい部分を釘で刺す。
あまりにも恐ろしい光景に僕は思わず息をのみ、後ずさってしまいました。
「ヒッ……!!」
僕は声は確かに小さいものでした。しかし少年はこちらを見たのです。
瞬くような時間。一瞬にも満たない時間。少年は首を200度曲げて確かに僕を見ました。
僕は、少年が死を招く死神に思えたのです。
「――……みたな?」
空洞の様ながらんどうなその瞳に捕らえられた僕は死を覚悟しました。それと同時に足は真逆の方向へと走り出していました。
――殺される。
そう思うのと同時に僕の足は逆方向へと走り出していました。
命の危険があると生命体はこんなに反応できるのだと。僕はそんなバカなことを考えていました。
足が今にも崩れ落ちそうだ。頼む。夢であってくれ!!
「ミーつーけーた―……」
必死な僕の願いも悪霊と化した少年には届きません。
少年と僕の距離は狭まっていきます。少年は頭にろうそくを括りつけて、白装束なのに足が速いのです。
そして、走りながらなのか、僕をいたぶっているのか、呪詛を吐き続けるのでした。
「姉さん……。如何して姉さんの想いを真正面から受け止めない不甲斐無くてチキンな男なんか選んだんだ……。僕は別に姉さんに近寄る人間が嫌なんじゃない……。只……ハインツがうじうじしてもし、万が一にも姉さんを泣かせる事態になったら僕はきっと許せない……。姉さんを傷つけたハインツを……。そしてそれを見抜けなかった僕自身にも……!僕は間違えるわけにはいかないんだ……。父さんと母さんが死んでしまってから姉さんは我慢してきたんだ……。だから姉さんは幸せになる権利があるはずなのに……! けれどそれを知る人は少なすぎる。無知は罪だ。無知ゆえに全員姉さんを傷つける……! その塊がお前だ……ハインツゥぅ……!!」
存在を認識されてしまった。名指しされてしまった。
気のせいかさっきよりも殺意が増しているような気がしました。
走っているうちに神社を駆け降りる階段を見つけました。
ここを降りればきっと無事に家に帰れます。
「姉さん……!!」
ガッ、と服の襟をつかまれました。ここで、終わるのか。僕の人生は。
僕は階段を踏むことなく落ちていきました。
1
「……ツ。ハインツ!」
「……っ!!」
僕を呼ぶ声に驚いて飛び起きました。視界に入ってきたのは屈強な宮廷魔導師トワリスちゃんさんさん。
僕はどうやら公園のベンチで寝ていたようだ。トワリスちゃんさんさんが運んできてくれたのだろうか。
「我のロードワークの最中、貴殿がベンチで寝ていたのものでな。風邪を引くといけないものだから声を掛けさせてもらった始末」
僕が……ベンチに? でも僕は昨日……。思い出そうとして頭が痛くなる。僕は、神社に。
「理由はさておき一度家に帰るといい。我が送ろう」
促されるまま僕はトワリスちゃんさんさんに家まで投げ飛ばされ、頭から着地した。
その後、少し眠ってから再び昼食を食べるため、外へでかけました。
暫くすると僕の背後から、
「あ! ハインツ君! 奇遇ね、私達これから昼食なの。良かったら一緒にどう?」
昨日の不気味な声とは真逆のリリアナさん。
いつもはあまり彼女がいると落ち着かないのだが、今回はとても良いものに感じた。
そう――平和の象徴、のような――……。
きっと、昨日の夜のことは夢だったのでしょう。あんな恐ろしいことが現実にあるわけありません。僕はお昼をいただこうと一歩踏み出しました。
「カイル―!お茶取ってきて―!」
「もう持ってきてるよ……姉さん……」
(完)
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