オリジナルなりきり掲示板

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

【戦闘・日常系】只、月明かりに灯されていたくて。〔募集中〕
日時: 2021/01/04 07:26
名前: 黒狐 (ID: 2fSLq59j)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

「ねぇ、おばあちゃん。お月様ってどんなお星さま?」
「そうだねぇ、おばあちゃんも30年前位に見たのが最後だねぇ」
「そっかぁ、ねぇ、香のせいでしょ?」
「おや、まぁ。さっちゃんは物知りだねぇ。でも、大丈夫だよ、脊さんが戦ってくれてるからねぇ」
「ふーん、じゃあ、いっぱい応援しないとね!」
『えー、新たな情報が入りました。香の月消失の原因は人々の様々な醒による能力、“神隠し”です。神隠しと言うのは___________________________』
「おや、また物騒なニュースだねぇ。おばあちゃんの醒はもう使えなくなってしまったのにねぇ」
「私に醒って使える?」
「一杯訓練したらねぇ。使えると思うよ。さっちゃん、翠って言うのもあるんだよ」
「へーえ」
「まだまだ、合わせて5つだったかね。あら、もうさっちゃんは飽きちゃったのかい?しょうがないねぇ。すいか、食べるかい?」
「食べ…、え?おばあ…ちゃん?」
「ふふ、ごめんな、小娘。妖が必要だからな」
______________________________________________
こんばんは、黒狐です。
今回も何卒よろしくお願い申し上げます!
_____________________________________________
、。ルール、。

◇荒らし厳禁
◇カキコのルール厳守
◇確定ロルはOKですが節度を考えて、もし駄目な際はキャラシでお伝え下さい

、。目次、。

用語説明・世界観・設定      >>1
募集役割             >>2
キャラクターシート        >>3

、。参加者様、。
香:咲苗さなえ〔神隠し・血濡れた人形を操る〕/シャード・ナイト☪︎*。꙳ 様>>4
香:望月もちづきかな〔闇の具現化〕/ジャスミンティー様>>5
香:尾城川おじろがわ駆蒔かるま〔霧・霞を操る〕/黒狐>>10
燠:雪入ゆきいりかがり〔暴風を操る〕/雪林檎様>>15
燠:玉姫たまき〔変質変化〕/無花果様>>38
茗:蠱毒こどく〔毒針〕/鈴乃リン様>>7
茗:清螺せいら〔毒針〕/鈴乃リン様>>7
茗:むすび〔光を操る〕/雪林檎様>>15
茗:機影きえい雅人まさと〔鏡〕/一真様>>79
脊:暮花くればな燈詩ともし発火能力パイロキネシス〕/じぇーぴーどっと様>>11
脊:漉灰こすはい風凪ふうな〔風船〕/黒狐>>10
脊:望月もちづきけい〔光の具現化〕/ジャスミンティー様>>5
脊:けい〔肉体固定・操作〕/無花果様>>38
翠:セキラ〔超音波〕/ゼラッタ様>>19

、。場面、。

>>23-30〕〔>>31-40〕〔>>41-50〕〔>>51-60〕〔>>61-70〕〔>>71-80〕〔>>81-90〕〔>>91-100〕〔>>101-110〕〔>>111-120〕〔>>121-130〕〔>>131-140〕〔>>141-150〕〔>>151-160〕〔>>161-170〕〔>>171-180〕〔>>181-190〕〔>>191-200〕〔>>201-210〕〔>>211-220〕〔>>221-230〕〔>>231-240〕〔>>241-250





Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22



Re: 【戦闘・日常系】只、月明かりに灯されていたくて。〔募集中〕 ( No.173 )
日時: 2021/01/02 09:02
名前: 鈴乃リン ◆U9PZuyjpOk (ID: L6rZBPa0)
参照: http:www.kakiko.info/profiles/index.cgi

「さっすが結。結は縁結びの神だからな、すげぇ奴に教えて貰えるなんて、お前は幸せだな。」
「………お兄様が貴方のことを必ず決まってる、なんて決めつけないで下さい。」

突然、凛とした声が林に響き渡った。清螺だった。でも、いつもの清螺じゃなかった。
冷静沈着で、感情を表に出さない彼女が、顔を紅潮させて淡々と話し始めた。

「私の話になりますが、私には兄、妹、弟が一人ずついて、父と母と6人で家族内の姉として、また妹として、娘として幸せに生きてきました。ですが、3年前に私以外の家族を何者かの手により殺されました。その時私は両親と喧嘩をしており、謝れなかったのです。
謝れなかったこと、兄弟皆を犠牲にして生きてる私が本当に憎かった。自分の毒で殺そうとしても、やっぱりダメだった。自分なんて生きてる価値がない。でも、そう思っていた時に、従兄妹である蠱毒様が現れたのです。」
「…………!」
「蠱毒様はその時10歳で、一人で毒の研究をなさっていました。そこで私は彼の実験体となり、彼の側にい始めました。」
「………清螺……………」

彼女は全部、知っていたんだ。
家族のことも、自らのことも。

「蠱毒様は私に、また幸せをくれた。毎日が、凄く楽しい。でも、あの日両親に謝れなかったことが、今でも心残りです。

貴方はまだ、お兄様が生きていらっしゃいます。今のうちに謝れば、きっと許して下さいます。」
「……清螺。知ってたのか………?」
「はい。召使いが蠱毒様の日記を清掃中に見つけまして、私に渡して来たもので、つい読んでしまったのです。そこに私のことも家族のことも書かれていたので。でも謝らないで下さい。私は今の生活が幸せですよ。」

清螺は俺に、朗らかな笑顔を見せた。一緒に暮らしてきて、初めての笑顔。

Re: 【戦闘・日常系】只、月明かりに灯されていたくて。〔募集中〕 ( No.174 )
日時: 2021/01/02 10:57
名前: 無花果 (ID: Sqek5WrB)

>>171[桂/街中]

当然ではあるが、まだ警戒はされている。天狗面だった青年は特に、だ。
しかし悲しいかなその警戒もそりゃ妥当だと言うしかない。桂が今の自分と同じことを相手にされたら「罠かな?」としか思えない。なんで敵を酒に誘った自分。数分前の自分の言動の真意は分からないし腹芸などと無縁の桂にこのあとの会話の転がし方が分かるはずもない。任せた数分後の自分。
そんな馬鹿みたいなことを考えながら、まあ向坂いるしなんとかなるかと楽観的な着地点に収めた。

「この辺の居酒屋……少し先のところに個室がある場所が確か……」

顎に指を当てて首をひねっていると黒翼をしまい込んだ青年から名前を聞かれ、完全に不意を打たれた気分で顔を上げた。

「そういえば名乗ってなかったなぁ。すまんすまん、不躾だったかね」

がりがりと頭をかきながら改めて天狗面の彼だけでなく、十字の耳飾りの青年に向き直る。
そうして右手を差出して、はたと慌てて引っ込めて着物で手を拭いて、もう一度差し出してから「握手大丈夫だったかな……」と半端に彷徨わせる間抜けな状態で苦笑いしながら答えた。

「おれはけいつーもんだ。月桂樹とかの……いや、あてつけとかじゃなくて親から貰った名前なんだけど。木へんに土がふたつ。“かつら”って書いて“けい”と読むんよ」

脊にはもうひとり“けい”がいるんだけどなどといういらぬ情報を口走りかけたのを飲み込む。どうもおっさんはおしゃべりでいかん。
親しげにというよりも無警戒が過ぎていっそ胡散臭いくらいにいつものようにのんびりと名乗った。

「短い間かもしれんが宜しく。……それで、あんたらは?なんて呼べばいい?」

>>169,>>171,>>172[玉姫/林]

毒蠍はそういうものだ、と当たり前のように言いながらもほんの少し嬉しそうにする蠱毒にくすり、と微笑みを溢した。

「素直じゃない御方だこと。そう産まれたからと言ってそう生きねばならぬことなどないでしょうに」

上機嫌な様子で気軽に言うのはしがらみなどとは無縁な獣だからだ。
人の世がそうままならないことは知っているが、蠱毒と清螺を見ていればそうも言いたくなるというもの。
そういうところも愛らしいですが、と小さく呟きながら息を吐く。
矮小で卑劣な妖狐と白蛇である結びの神、互いにこぼれそうな本音を飲み込んで、ゆるりと穏やかな笑みを以て向き合った。
そして、するりと手を揺らそうとし、はたと視線を結からそらした。
恵を洗脳しようとしていた筈の叶がぼろぼろと涙を流している。
声が、と言う叶に向けられるのは、結と清螺の諭すような言葉で、玉姫は「ふぅ」と息を吐くと叶の前に立ち、

「ひとを想う心の在り方に、間違いも正しいもありませんよ」

そう言って、行く先を見失い、涙を流し頭を抱える幼子を、玉姫は着物が汚れることも構わず抱き寄せた。
どうしたらいいのか分からないと迷子になった子供。愚かで無力な、可愛い可哀い子。

「約束したのでしょう、ずっと一緒だと。信じたのでしょう、大好きなお兄さまとの約束を。……守れなかったことが、哀しいのでしょう、苦しいのでしょう。こんなにも苦しんで傷付いた叶さまが、これ以上苛まれる必要が何処にありましょうや?」

玉姫は別に恵と叶の間にある確執のすべてを知っているわけではない。叶がどんな半生を送ったかも分からない。
だが、香になった彼は知っている。月無き夜を叶がどうやって歩いたのか知っている。
それを見れば、どんな傷を背負ったのか、大体の想像は付くものだ。

「あなたが慮るべきはあなたの御心です。向き合うべきは、あなたの傷です。傷付いてるのはあなたもでしょう、叶さま。あなたは、あなたの願いを叶えなさい」

結や清螺の言葉は正しいものだ。だが、正しいものにすくわれなかった者に、正しさだけを説いてやることなど玉姫はしてやらない。
玉姫は妖狐だ。ときに男を堕落させ王に牙剥き喉を噛み潰し国を傾けた、わるい妖怪だ。
だから玉姫に倫理などなく、故に世界のすべてが否定しても

「どんな答えでも、玉姫はそれを肯定しましょう」

そのために。玉姫は此処に居る。
柔らかく抱きしめたまま、ゆっくりと髪を梳くように頭を撫でた。

Re: 【戦闘・日常系】只、月明かりに灯されていたくて。〔募集中〕 ( No.175 )
日時: 2021/01/02 11:25
名前: ジャスミンティー (ID: r306tAcU)

叶side
「……玉姫殿…。」
少し嬉しくて、そして暖かい。
温もりを感じたのはいつぶりだろう?
「…うん。僕がまだ人間の時、恵は…お兄ちゃんは優しくしてくれた。ずっと一緒って約束したよ…。でも…でも…」
この先を話そうとしても、体がいうことを聞いてくれなかった。
なんとか口を開き、ゆっくり、ゆっくり話す。
「……僕は恵を置いてった。僕が殺されなきゃ、良かったのに…。僕はずっと恵といたい。」
僕は玉姫殿の優しい言葉で、もっと涙が溢れてくる。
そして頭を撫でられ、僕はゆっくり口角を上げた。
玉姫殿が、お兄ちゃんに見えて。

恵side
頭が痛い……内側から叩かれる様な痛み…。
「か……な…。」
これをしたのは叶だ。今すぐ斬りかかれ。
と親父なら言っただろう。
俺は叶に悪いことをしたんだ。
あの時、引き留めれば、こんな事にはならなかった。
「…ごめん……な。」

Re: 【戦闘・日常系】只、月明かりに灯されていたくて。〔募集中〕 ( No.176 )
日時: 2021/01/02 11:55
名前: 黒狐 (ID: 2fSLq59j)

〔駆蒔/街→移動〕

 「ふーん、桂……さん?で良いんかね」
 一応年上そうな人を呼び捨てと言う物は気が引ける物で。さん、と最後に付ける。かつらさんと呼んでしまおうかと言う悪戯心は無かったことにする。
 この理論で行くと篝はどうなんだとなるが。
 警戒も彼…いや桂さんからはすっかり抜けたようで、遂には此方まで名乗りを求めて来た。
 「名乗って貰ったのは嬉しいけど、一応個人情報は……ほら、こっちは悪者だしね、適当に呼んでよ。こちらこそよろしくねー」
 警察や他の脊、翠に名前が渡ってしまったのなら日本には居られなくなってしまう、そう考え僕はその答えを出す。いっそ偽名で通してしまおうかとは思ったけれど、やはりそれもなにか相手に悪いなと思い。
 篝にはちょっと悪いけど、自分の名前を隠し通そうと。
 「所で、だけど、酒って美味しいの?」
 まさか初めての酒がこんな時に来るとは思わず、少々馬鹿げた質問をしてみて

〔風凪/林〕

 「そうです、叶さん。約束は例え善と悪の関係性であっても、守らなくては」
 彼と狐が話している内容には少し同情してしまう部分もあり、自分なりの考えを述べる。
 「後悔してからじゃ遅いですよ?どうしますか、叶さん」

Re: 【戦闘・日常系】只、月明かりに灯されていたくて。〔募集中〕 ( No.177 )
日時: 2021/01/02 12:15
名前: ジャスミンティー (ID: r306tAcU)

叶side
「……僕は。」
何をすればいいか、分かってる。
恵をチラ、と見て目を閉じる。
すると、恵は術が解けたように楽そうになった。
「……叶、ごめんな?お兄ちゃんなのに…。」
倒れていながらも僕に謝罪してくる。
「…悪いのは僕だ。」
震える声で、答える。
「…じゃぁ、お互い様だ。」
恵が微笑んだ……僕に…何年ぶりだろう。
「…弟が世話になったな。」



Re: 【戦闘・日常系】只、月明かりに灯されていたくて。〔募集中〕 ( No.178 )
日時: 2021/01/02 15:40
名前: 雪林檎 ◆iPZ3/IklKM (ID: w1UoqX1L)

>>174>>176 〔篝/街中〕
 
 さん付けで呼ぶ駆蒔を一瞥して桂と書いてけいと言う名前の男を見つめた。
「名乗って貰ったのは嬉しいけど、一応個人情報は……ほら、こっちは悪者だしね、適当に呼んでよ。こちらこそよろしくねー」
嗚呼、話を持ち出したのは俺になるから俺も世の常識に沿って名乗らないといけないのか。
そうなると面倒臭いことになるな、と苦笑しそうになり顔バレもしてるしなーっと考え渋々口を開いた。

 「雪、って呼んでくれ。本名は言えないけど燠ではそう活動している」
自然と口からはそう出ていた。後から普通に篝、と名乗ればよかったものでは? と後悔するも突き通すような強い表情を浮かべてそう桂を見つめ。

 ―――――『雪や、雪や……こっちだぞ』
いや、あの子がそう呼んでいたからか。
口から自然と出た理由をふと見つけ両手を絡めて。


>>174-177〔結/林〕

 「あなたが慮るべきはあなたの御心です。向き合うべきは、あなたの傷です。傷付いてるのはあなたもでしょう、叶さま。あなたは、あなたの願いを叶えなさい」


 それが、正しい答えだとすれば誰よりも救われるのは弟ではなく諭そうとしたわらわなのだろう。


悲しくてやりきれない気持ちが込み上がる喉を押さえ曖昧に微笑んだ。
こやつは人を、神をも唆すことが出来る狐。昔から成長した、悪狐。
「は……同情何てしないと……決めたのに」
神であること、何もかも苦しくて堪らないのに、あやつには会えぬまま。
落胆から息を吐き「解決かのぉ」と腹の底から絞り出した声が普段と同じでホッと安堵する。
 甘ったれた考えを持ち、自分が裕福になりたいと幸せになりたいと縁を結ぶわらわを奉った愚かな人間達。堪らなく愛おしくて手を差し伸べたくて、だけどその願いはどれも欲深いもの。
初めて綺麗で信じられた者は間違った道へ。

 「……可哀想な、愚行を繰り返す……わらわ達神や妖怪が斯様に可愛いく愛おしく想う人間になるな」
一言、そう真剣な願いを込めた眼で言い。

Re: 【戦闘・日常系】只、月明かりに灯されていたくて。〔募集中〕 ( No.179 )
日時: 2021/01/02 16:01
名前: ジャスミンティー(サブ垢) (ID: r306tAcU)

恵side
「俺はもう、同じ過ちを犯さないさ。」
弟も、仲間もろくに守れない自分を嘲笑するように笑いながら言う。
「...人間だった頃は...罪意識..無かったなぁ。」
そしてゆっくりと立ち上がる。
「...その言葉、心に留めておく。」
妖怪といえど、人間みたいなものだから。

Re: 【戦闘・日常系】只、月明かりに灯されていたくて。〔募集中〕 ( No.180 )
日時: 2021/01/02 19:45
名前: 鈴乃リン ◆U9PZuyjpOk (ID: rCT1hmto)
参照: http:www.kakiko.info/profiles/index.cgi

「………清螺。笑ってる。」
「……………あっ」
自らの感情が露わになったことを自覚し、顔を赤くしてつんと俯く。そして

「……もう私は笑いませんからね、あれは偶然です。ですが、私は一生蠱毒様の側にいます。」
「…………ぷっ」
「な、何ですか………」
「清螺、笑ったこと自覚してんだな」
「なっ………」

今更かよ、と苦笑しながら清螺の頬を撫でる。つるつるで、綺麗だった。

俺も一つ。
純粋に笑ったのは久しぶりだった。

Re: 【戦闘・日常系】只、月明かりに灯されていたくて。〔募集中〕 ( No.181 )
日時: 2021/01/03 12:21
名前: 無花果 (ID: Sqek5WrB)

>>176,>>178[桂/街中→移動]

素直に名乗ったあとは「好きに呼んでくれりゃぁいいよ」と答えながらひらひらと手を振る。
100を過ぎた辺りから自分の齢も曖昧で、年に関する序列はいかんともしがたいし、敬称は相手の呼びやすさ重視なのが桂だ。
そして名乗ったものの、相手方は事情も事情で素直に名乗ることが出来る立場ではない。
耳飾りの青年は適当に呼べ、という。偽名を名乗ることすらしない辺りに「真面目だねえ」と呟く。一方、黒翼の青年は雪、と名乗った。偽名だと言っているのに、随分と真っ直ぐな目で言ってくる。わざわざ前置きせずとも、しれっと名乗ってしまえばいいのに、ふたりとも真面目なことだ。

「ん、あんたは雪……雪の旦那な。耳飾りのあんたは……好きに呼べって言われても……あぁ、うぅん、じゃあ……黒、黒の旦那って呼ぶわ。それでいいか?」

少しだけ悩んで耳飾りの青年をまじまじと見たあと思いついた様に「黒」と呼ぶ。
単純に黒髪で黒い服だからというのもあるし、雪といえば白、白のセットは黒という連想ゲームでもある。
いつまでも十字の耳飾りをしたあんた、なんて長々と呼ぶのも面倒だしと深い意味もなくそう決めた。好きに呼べと言ったのは向こうだ。
ひとり満足げにしていたが、黒(早速使い始める)からの問いかけに目を瞬いた。

「旨いぞぅ。好みはあるだろうが、今の酒は出来がいいのが多くてなぁ……、あ。もしかしてはじめてか? そりゃ光栄だ!」

はじめてであろう言葉にそれはいいとからからと目出度いことだと笑う。
こう長く生きてると、些細なことが目出度く感じてしまうものだ。
酒は良いぞぅと嘯きながら「けど、まあ」と言葉を濁す。

「どっちかってーと、味より酔うために呑んでるところもあるよなぁ……。ああ、ほらあそこの通りの店。あれでいいか?」

そう呟いたあと、悪い飲み方は覚えるなよ、と苦く笑い、それを誤魔化すように少し離れた通りの居酒屋を指差した。

>>175,>>176,>>178[玉姫/林]

抱きしめた叶の背中を柔らかくぽんぽんと叩いて、涙とえずきで詰まる言葉を促し、じっと耳を傾けた。
すべてを語り終えた叶の髪を再び撫で、ゆっくりと背中へ回した手を解き、叶を解放する。
玉姫の言葉に、偽りはない。
彼がどんな答えを出したとしても玉姫はそれを無条件で肯定する。そう、彼が玉姫の甘言に溺れて沈もうとも、多くの者に過ちだと後ろ指さされる愛し方を貫こうと、それを止めるとこはしないだろう。
だが、そうならない。
玉姫と向き合った、涙でぐしゃぐしゃになりながらも笑った表情でそう悟った。
風凪のどうしますか、という言葉に背中を押されて兄と向き合う叶の姿に胸中で「あーぁ」と溢す。
腕の中で泣いていたよわい子供は立ち上がった。

「あら。良いのですよ、間違えても。そうしたら何度でもこの玉姫が抱き締めて差し上げますわ。ええ、今度はお兄さまもご一緒にどうぞ?」

結に諭され、強い瞳で過ちは繰り返さないと語る恵にくすくすと笑いながら、誘うように両手を広げて首を傾げる。
嗚呼、だって、ここからだ。
犯した罪悪は消えない。月が奪われたことによる混乱は大きなものだった。それがきっかけで蠢いた魑魅魍魎もいる。そして、その波紋に呑み込まれた無辜の人々も戻って来ない。
めでたしめでたしだけで終えるには、あまりに遅い。
だから玉姫は、待てばいい。再び彼らの心に影が覆うときを待てば、それでいい。……まあ、そんな日は、恐らく来ないのだろうけど。
そんな予感に目を伏せて小さく笑みを浮かべて、安堵したような表情の結へ、顔を向けた。

「これでもやる気満々でしたのに。そんな空気ではなくなってしまいましたねぇ……ええ、ですが、結さまと正面からぶつかり合うのはぞっとしませんもの。命拾いして安心してますわ」

そう言葉とは裏腹に悪戯に喉を鳴らす。
叶が香としてどうなるのかはあの兄弟次第だが、叶から争う気が失せたというのならば、玉姫も此処に留まる理由もなし。立ち去ろうかと算段をつけながら、今一度、和解したふたりのこどもを見やる。

「いつの世も、人の心は無常ですね。無力で醜く暗愚だと思えば、ふとしたときに力強く美しく賢明になる」

嗚呼、これだから、世界はこんなにも素晴らしい。

Re: 【戦闘・日常系】只、月明かりに灯されていたくて。〔募集中〕 ( No.182 )
日時: 2021/01/03 14:34
名前: ジャスミンティー (ID: r306tAcU)

叶side
玉姫殿と離れ、涙を拭う。
「ありがとう…玉姫殿。」
暖かかった。人間の頃に感じた温もり。

そして玉姫殿の言葉に恵は、きょとん。とする。
「お、俺…も?」
ポカーン、と混乱する恵を見て、僕は息を吹いてしまう。
気を取り戻した恵は、僕に向き合った。

恵side
叶に向き合う。
「これから…どうするんだ?」
「…恵とは一緒に居たいけど、香は続けようかな。」
後ろめたそうに、うつ向いて言う叶。
そうだよな。仲間を裏切る事になるもんな。
「そこはお前の自由。ただ…たまに会いに来るから。」

苦笑して、右手をひらひらと降る。
「じゃぁ行く。手当てもしねぇと。」


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22



スレッドをトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 5000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。