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神よ、私は美しい……【ポケモン対戦小説】
日時: 2015/08/22 21:30
名前: 高坂 桜 ◆hjAE94JkIU (ID: dUayo3W.)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=view&no=28504

どうも、Orfevreこと高坂 桜です。

このたびは、合作スレの新板移転を行うことになりました。

部外者は立ち入り禁止なので、添付URLに避難してください。

目次
登場人物一覧>>1
ストーリー>>2
閑話集>>3

Page:1 2 3 4 5 6 7 8



Re: 神よ。私は美しい……【ポケモン対戦小説】 ( No.27 )
日時: 2015/08/20 02:47
名前: 高坂 桜 ◆hjAE94JkIU (ID: dUayo3W.)

『闘神』。それは、この地域でトップクラスの実力を持つプレイヤーだった。大会では彼が相手になるだろう、と雫は情報を集める。
しかし、彼の構築は度々大きく変えられており、一番パーティに入っている確立の高いゴウカザルでさえ、技構成は大きく違った。ここまでメタの張りにくい相手は初めてだと頭を抱える雫であった-----------

ある日のショッピングセンター。3人で買い物に来た夏奈と華音、そして未歌は突然、知らない少女に話しかけられる。
彼女曰く、自分は『闘神』のチームの一員である、とのこと。そして、その『闘神』が未歌と華音に興味を持っているとのこと。
角南 天祢(スナミ・アマネ)。
華音曰く異常気象パーティの使い手で、それらを使わせて彼女の右に出るものはいないと言われている。第六世代で『闘神』に並んで有名になったプレイヤーの1人だ。
しかし、「ですが、心配ですわ」と天祢は告げた。初心者である夏奈のことだ。彼女がいる所為で自分達まで辿りつけるか甚だ疑問だという。
それに反論する夏奈。完全にこの挑発に乗ってしまったのである。
「なんなら、いまここで勝負してください!」と天祢に勝負を挑む。
夏奈を止めようとする華音と未歌だが、時既に遅し、だった。彼女は負けず嫌いなのだ。

天祢の使ってきたパーティは、天候スイッチ。エースであるバンギラスと雨要員のニョロトノの2体を軸に互いの弱点を補完しあう動きをするパーティだ。さらに、オムスターの特性:すいすいによって先手を打たれてエースのバシャーモがいきなり倒される始末。さらにガブリアスもオムスターの冷凍ビームで撃破される。
そして、砂パに強い敵は雨パに強く、雨パに強い敵は砂パに弱い。つまり、最後に出てきた特防の高いヌメルゴンもお世辞にも物理耐久が高いとはいえないため、バンギラスのどくどくとストーンエッジで倒されてしまう。
勝ち上がってきたいなら、夏奈をはずすように、と忠告する天祢。
「遊び半分で対戦をするような方に私達は負けないですわ」、と付け加えて。
夏奈に屈辱的な敗北感を残したまま、彼女は去っていった-------------

翌日の部室。話し合うは雫と翼である。
まだ彼女達が来ていなかったので彼らだけなのだ。
『闘神』は構築、立ち回り、運の要素を兼ねそろえた非常に実力の高いプレイヤーである----------と雫は語る。
そして、相手を罵ることこそないが、その実力だけで相手の精神をも削いでしまう。構築・立ち回り、そして運。この3つの要素を完璧に揃えたトレーナーと呼び声高い。
もし地区予選で当たる場合は激戦を避けられないとのことだった。
さらに、彼は自分の情報が漏れることを嫌うため、何者かも不明。
結局、メタを張ることもピンポな対策もままならなかったらしい。
あらゆる状況に対応できるようにしておかないとですね、と翼の提案で今一度パーティの相性補完を確かめることに。
さらに翼は、自分のパーティならば「特殊エースのゲッコウガが鍵になる」という。相手が手数で攻めてくるならば、こちらも多い手数で攻めるまで、ということだ。

そんな中、珍しく沈んだ顔で夏奈、そして続いて未歌と華音がやってきた。
訳を聞いた翼は『闘神』の仲間に会ったことに驚くと同時に、そろそろパーティの面子を変えていくべきといった。
まずはフェアリーの弱点持ちのポケモンが2体もいるのは危険、さらに相手がマリルリの場合は3体に増える。
あのときは手軽に育てられるものからチョイスしていったから起こった事態なのだが。
というわけで、パーティ構築について本格的に彼女に教えることに----------------

今や起点構築の翼、サイクル構築の未歌、地雷構築の雫、スタン構築の華音、そして雫は構築にチームでばらつきを与えるために夏菜には耐久バトン構築を提案。新たに加えたミミロップのコスモパワーからのバトンタッチで後続につなげると言う戦法。これにより、身代わりが壊れなくなるのである。そして、その相棒に選んだのはメガギャラドスだった。耐久と言う言葉だけだと防御的に聞こえるが、実際は積みまくった状態から暴走する鬼のような攻撃的な構築だという。
……しかし、彼らは知る由もなかった。このミミロップが後々彼女のエースになるということを……。

放課後。珍しく不安げな表情で夏奈は未歌に話しかけた。自分が足手纏いになっていないか、心配だと言う。だが、それは未歌も同じだったのだ。互いの考えていることは一致する。それは、勝負で互いに何が足りないかを確かめることだった。

未歌の編成はいつものサザンクチート。一方の夏奈もミミロップで序盤から積んでいく----------しかし、結果的にサザンドラとクチートが暴れまわったので場は崩壊、夏奈の敗北だった。

こんなので大丈夫なのか、と嘆く夏奈。今のままで、あの闘神のチームに通用するのだろうか。だが、未歌はいう。今はがむしゃらにやればいい、と。正直自分もまだ不安は隠せないが、それでもやれることだけやれば、結果はついてくる、と。その言葉を聞いて少し安心した様子の夏奈。しかし、本当に不安を抱えていたのは未歌だった-------------

Re: 神よ。私は美しい……【ポケモン対戦小説】 ( No.28 )
日時: 2015/08/20 02:49
名前: 高坂 桜 ◆hjAE94JkIU (ID: dUayo3W.)

 遂に全国大会の予選前日となった。この日は対戦組み合わせが発表される日で、つまり初戦の相手はこの日から分かる。
 予選通過を目指すのであれば、決勝戦含め四回勝たなくてはならない。日程は初日に1〜3回戦を行い、次の日に決勝戦を行う。つまり、予め全参加者の10パートナーズは発表されているため事前に対策は行えるものの、次の対戦相手を見据えた対策となると、初戦と決勝戦以外はやや厳しいものがある。一応、対戦ごとに休憩時間が確保されているため、その間に下調べをある程度行うことはできるが、ポケモンの育成、自由枠の用意などは少々きつい。
 それに関しては雫がある程度は言いつけてあるので、あとは本人たちと相手次第。不安や緊張を覚えつつも、初戦の相手を確認する。と、そのチームのメンバーの一人、その名前には見覚えがあった。
『虻村 英一』
 かつて翼たちを(以下略)。その名前に驚いていると、本人が翼たちの前に現れる。当然、チームメイトも引き連れて。虻村の一件は警察沙汰になったのだが、流石に中学生ということもあり、身柄を拘束されるなどといったことはなかったらしい。そして翼たちがこの予選に参加すると知って、以前の仕返しをするべく多大な報酬と引き換えに強豪トレーナーを引っ張って来たらしい。その中でも一際目を引くのは、先鋒にオーダーされている九州の鬼(以下略)。
 初っ端から因縁ある相手と当たってしまい、しかも各地の強豪を連れて来たとのことで多少の戦慄を覚えるも、華音の「心配ありません。いつものように、特訓の成果を生かして戦うだけ」、雫の「有名人なだけあってデータは十分にある。対策は万全だよ」という言葉もあり、翼たちは気を取り直し、引き締める。
 この日は遅くまで部室に残り、ミーティングとなった。

 翌日。
 遂に、遂に始まった、全国大会予選。翼たちの相手は言うまでもなく、虻村を大将に据えた、各地の強豪集まるチーム。
 正直な話、虻村よりもその前にいる四人の方が強い人物で、試合前からダークホースだと囁かれていたが……
 先鋒戦、コスモパワーをバトンしたメガギャラドスが竜舞を積んで三タテ。
 次鋒戦、二つの壁を盾にしたメガルカリオが悪巧みを積んで三タテ。
 中堅戦、ゲンガーの道連れ、メガガルーラとカメックスのロマン砲による一人一殺で試合終了。
 虻村など見る影もなく、ストレートで翼たちは二回戦に進出したのであった。



 色々省略されているのは仕様です。とにかく虻村をぞんざいに扱った結果ですね。まあ一番の被害者は持ち上げられているのに出番もなにもなかった副将の人っぽいですけど。

Re: 神よ。私は美しい……【ポケモン対戦小説】 ( No.29 )
日時: 2015/08/20 02:49
名前: 高坂 桜 ◆hjAE94JkIU (ID: dUayo3W.)

 一回戦を快調に勝ち抜いた翼たちは、控室に移動していた。二回戦からはチームごとに控室が用意されており、そこに設置されたテレビから試合の様子を見ることができる。また、部外者が入ることはできないため、直前の調整やミーティーングも気にせず行えるという配慮がなされている。
 その移動の途中で、どういうつもりなのか中学の制服を着た灯と遭遇。応援に来たらしいが、なにゆえ中学の制服を着ているのかは不明。
 自由すぎる先輩に頭を抑える雫。さらにそこに、奇妙な仮面をつけ、「ヤホホホホ」とおかしな笑い声を上げる、不審者染みた男がやって来た。ますます頭が痛くなる。
 その男は刈谷 伝といい、次の対戦相手である翼たちに挨拶に来たらしい。
 恰好と口調がおかしくなければ礼儀正しいのに……などと思っていた矢先、彼は翼に言い放つ。
「あなたのボーマンダはAS振りの竜舞マンダですかな? そのようなマンダはゴミですぞ」
 その言葉に当然ながら憤慨する翼だが、相手も訂正する気はない。口調から薄々分かっていたが、この男は役割論理を崇拝レベルで信じる論者のようだ。
 それからしばしいざこざがあったが、このままだと平行線。そして幸か不幸か、刈谷も翼も大将にオーダーされている。なので、この決着は直接対決で、ということになった。

 灯を連れて控室に移動する翼たち……なぜ本来は部外者である灯もいるのかというと、補欠であると偽って係員の目を潜り抜けたからだ。中学の制服を着ていたのはこのためらしい。勿論、選手登録されていないので補欠として出るなんてことは不可能なのだが。しかし警備がザルなのではないだろうか。
 それはともかくとして、雫は先ほどの刈谷について評価していた。いきなり相手のポケモン、それもエースをゴミ扱いする品性は疑われるものだが、翼のDSに付けてあるメタルチャームから翼のエースがボーマンダであると悟り、さらに翼の10パートナーズから竜舞マンダが軸になっていると見抜いたその観察眼は認めざるを得ない。
 事実、彼の実力はかなり高い。この予選で優勝候補と呼ばれているチームの大将と匹敵するほどの力を備えているかもしれないと、雫は考えていた。対策はしてきたが、果たして翼が彼に敵うかどうか……正直なところ、副将までに決着をつけたいところであった。
 しかしそう上手いこと試合が運ぶわけもなく、あいては全員論者だったようだが、今の環境はサイクル戦が主流、その流れに乗る役割論理が弱いはずもなく、二勝二敗とギリギリのまま翼へと繋ぐことになってしまった。
 大将戦。翼と刈谷の因縁の対決が始まった。刈谷の対戦は一回戦の動画を見てリサーチ済みとはいえ、交代際に撃たれる高火力の技、こちらの攻撃を読んだ精度の高い後出しと、純粋なサイクル戦ではやはり不利。
 しかしここぞというところで必然力の足りなかったヤケモンの一撃が外れ、その隙に積むことができたボーマンダ。有利なヤケモンに後出しされようとその超火力の前では耐えきることはできず、そのまま全抜きして、なんとか勝利を収めたのであった。

Re: 神よ。私は美しい……【ポケモン対戦小説】 ( No.30 )
日時: 2015/08/20 02:50
名前: 高坂 桜 ◆hjAE94JkIU (ID: dUayo3W.)

 なんとか二戦目を抜けた翼たち。次はもう準決勝だ。その対戦相手は——
「やっぱ勝ち上がって来たな。待ってたぜ」
「ひさしぶりだね、みんな」
 対戦表を眺める翼たちに声をかけてきたのは、まさかの御剣鋏弥、御剣琥子の御剣姉弟であった。どうしてここに? と尋ねると、大会に参加しているからだ、と当然の返し。ただ、ココの強い希望と、こういう場で翼たちと対戦したかった、という思いもあったらしい。
 ココが本格的な対戦などに復帰して、大会にも参加するようになっていたとは聞いていたが、まさかこの全国大会の予選にも参加しているとは思わなかった。意外な相手に驚きを禁じ得ない翼たち。
 自分たちの出場を見せつけてとりあえず驚かせたかったらしい御剣姉弟は、次の試合の作戦会議があると言って、そこで立ち去った。翼たちも同様に、控室に戻る。

 御剣姉弟のチームは、他の三人が例の不良グループから抜擢されたメンバーで構成されているらしい。ただ、その三人は単なる数合わせではなく、これまでの対戦を見るからに相手をガンメタしていて普通に強いらしい。
 事前公開されていた10パートナーズとにらめっこしていたために実は対戦相手を知っていた雫が言うには、それでも特に要注意なのは御剣姉弟。どちらも起点構築を軸としているようだが、弟の方は二戦目でトンボルチェンのギミックを搭載したサイクル戦をも見せており、姉の方は長いこと大会などに出ていないためにデータが少ない。一応、二回戦では大将戦までもつれ込み、プテラのステロ撒きからメガルカリオで無双していたらしいが。
 ともかく、これは準決勝。相手があの御剣だからと言って油断はできない試合となった。

 前の三人が普通に強い、という認識は間違っていなかった。事実、夏奈と華音の二人は相手にメタられて惜しくも敗北。雫はそのメタを逆利用して勝利したが、しかし既に二敗しているため、相手にリーチがかかっている状態だ。
 そんな緊張の中始まった副将戦、相手は弟の方、御剣鋏弥。なんだかんだで未歌は彼と対戦するのは初めてだった。というより、翼へのリベンジマッチを考えて大将かと思っていたのだが、翼が副将にオーダーされると思っていたのだろうか。
 それは置いておくとして、今回の鋏弥はいつもの起点構築。エースにメガハッサムを据え、半ば強引に積んでからの全抜きを狙いに来ている。
 傍から見ていると噛ませ犬っぽかった鋏弥だが、実際に対戦してみると思いのほか強敵であった。しかし、メガハッサムは全抜きをするには微妙に火力が足りない……その隙を突いた反撃で、未歌が勝利を収めた。

 なんとか二勝二敗とギリギリのところまで持って行けた翼たち。最後の対戦は、翼とココ。実際に対戦するのは初めてで、データも少ない。というより、どのくらい強いのかもよく分からない。弱くはない、というのは分かるのだが。
 対戦前に「つばさくんと対戦してみたかった」「わたしのエースとつばさくんのエースは似てるから」と意味深な言葉を残して、対戦開始。
 ココも弟と同じ起点構築のようだが、先発はプテラではなかった。二回戦で既に見せているので今回はいないのだろうか、とそこで半ば選出を切る。今回は他の先発要員で場を整えていくココ。しばし場が動いていき、そろそろエース登場か、というところで出てきたのは、プテラ。
 今更ステロを撒きに来たのか? と疑問符を浮かべる翼だが、同時にどこか違和感を感じる。そして次の瞬間には、相手のメガリングが反応していた。
 そう、メガプテラだ。流石のこの時には悟った、ココの本当のエースはルカリオではなく、このメガプテラであると。
 壁を盾に爪とぎで積んでいくメガプテラ。そして次に見せた技は、翼もボーマンダでよく使用している、空を飛ぶ。後出しで受けられない以上、甘んじて場のポケモンを差し出さなくてはならない。
 確かに、積んで高火力の空を飛ぶを放ち、後出しで受けることを許さないこのメガプテラは、翼のエースであるボーマンダと似ている。とはいえ当然、相違点もある。ボーマンダは特性が威嚇のため、繰り出し性能が高いのだ。相手の攻撃力を下げながら、翼もエースをぶつけて徹底抗戦。そして、運にも味方され、なんとか勝利することができた。

 なんだかんだで準決勝も突破し、いよいよ明日は決勝戦となった翼たち。その決勝戦の相手は——以前、夏奈が対戦した角南 天祢を含む、『闘神』と呼ばれる猛者が率いる今大会の優勝候補チームであった。
 予選通過を目指すのであれば、必ずどこかでは当たる相手。強敵ではあるが、ここまで来て、いやこの大会に参加してから、負けるつもりなど毛頭ない。
 絶対にこの予選を突破すべく、各々は明日の対戦への準備をするのであった

Re: 神よ。私は美しい……【ポケモン対戦小説】 ( No.31 )
日時: 2015/08/20 02:52
名前: 高坂 桜 ◆hjAE94JkIU (ID: dUayo3W.)

『闘神』チーム戦は一戦一戦ごとにプロットを書き分けていくことにしました。対戦内容に結構触れていますが、とりあえず形にしただけなので、詳細は後で話し合って決めましょう。
 というわけで、とりあえず先鋒戦です。まだ次鋒戦までしか書けていませんが。



 初戦を突破し、ヤーロン教団、御剣姉弟たちとの対戦も勝ち抜き、遂に決勝へと駒を進めた翼たち。
 全国大会出場への切符をつかむための最後の関門は、やはり『闘神』率いるチームだった。
 前評判や事前調査から、『闘神』こと紅林迅のことは聞いていたし、顔も知っているが、こうして対面するのは初めて。空気だけで飲み込まれてしまいそうなほどの気迫だった。
 そんな折、応援席組の御剣姉弟がやって来た。翼たちを激励しに来たらしい。
 その時ココは、一昨年対戦した迅の姿を見て昔を思い出し、ふと話しかけてみるのだが、
「負けた人間のことなど覚えてはいない」
 と一蹴。さらに、これに鋏弥が憤慨し、乱闘になりかける。
 なんとか鋏弥を(翼が物理的に)なだめてその場は事なきを得るが、他にも天祢や陽介による挑発もあり、穏やかでない空気のまま、両チームともに控室へと入っていく。


「翼サイド ミーティング」

 事前調査や天祢の10パートナーズ、そして今までの対戦内容からして、角南天祢が天候スイッチの戦法をとることはほぼ確定だった。彼女の性格的にも、それは貫き通してくるだろう。
 彼女のパートナーズは天候利用を重視するあまり、パートナーズとしてのバランスはあまり良くないが、その穴を自由枠やプレイング、そしてどの天候で来るのかが分からない、という点でカバーしている。
 天候ごとに使用ポケモン、タイプ、戦術がガラリと変わるため、全ての天候に対応しようとすると強行突破されかねない。なので幅広く対応するよりは、こちらに刺さっている天候を考えて決め打ちした方が良いという結論が出た。
 夏奈のパートナーズ的に、最も出てきそうなのはメガリザードンY。なので晴れ軸メインで来ると予想し、もうひとつ、なにか他の天候を組み合わせてくるだろう。霰軸はあまり刺さっていないので、来るとすれば砂か雨。晴れと雨はかなりアンチシナジーなので、比較的組み合わせやすい砂が添えられるだろうか。
 というわけで、晴れ+砂軸で来ると予想する。なので相手のエースとなるのは、天候始動要員にして単体でも強力なメガリザードンY、そしてバンギラスだろう。
 天候始動要員が既にアタッカーレベルの火力があるため、積みバトンは不安定そうだ。なのでここは、裏選出であるバシャナットサンダー軸で行ったが良いと雫が助言するが、夏奈はこれを拒否。
 自分がこの戦法で戦うと決めた積みバトンで、今度こそ天祢に勝ちたい。そんなことを宣言する夏奈。
 全国出場を決める大事な一戦、しかもその初戦で無謀なことを言っているというのは分かっている。一試合も無駄にできないこの状況で、自分がわがままを言っていることは百も承知だ。しかしそれでも、夏奈は意地を貫き通したかった。
 そして、そんな後輩の意思を無下にする翼たちでもない。夏奈の意思を汲み取ったうえで、積みバトン中心の選出を決め、夏奈は先鋒戦に出陣する。


「『闘神』サイド ミーティング」

 閃の情報によると、東雲夏奈の10パートナーズは一見すればバシャナットサンダー軸だが、その実態は積みバトン構築だという。ミミロップのコスモパワーや、バシャーモのビルドアップなどを積み、後続のエースアタッカーにバトンを渡して無双する構築らしい。
 事実この戦法で、一回戦の強豪選手を相手に三タテしている。なので閃は、積みの起点を作らないように注意した方がいい、と助言するが……
 ぽっと出の一年の言葉を聞くような天祢ではない。彼女は閃の言葉をガン無視し、バトンなんて来ないと言い切り、自分で選出を決めて行く。
 だが彼女とて、無意味に反発したわけでも、根拠もなくバトンが来ないと言ったわけではない。自分のバトルスタイルは恐らく相手も分かっているだろう。天祢のパートナーズには高火力なポケモンが多いので、普通の積み構築よりも手間のかかるバトンなんてしている暇はないし、そんな暇を与えるつもりもない。だからこそバトンは来ないと考えたのだ。仮にバトンで来たとしても、バトンを渡される前に潰せばいいだけとタカを括っていた。
 そんなこんなで選出を決め、天祢も対戦へと向かった。



 チームの勢いをつける、大事な大事な初戦。
 対戦前から天祢のとラッシュトーク染みた発言があり、いまだ剣呑な雰囲気のまま、先鋒戦が開始された。
 分かってはいたことだが、やはり天祢は強い。天候始動要員ですらエースアタッカーレベルのパワーがあり、高火力と天祢の挑発の嵐に晒され、対戦的にも精神的にも押されていく夏奈。
 しかし彼女は諦めずに勝機を探す。
 そして、天祢がバンギラスを繰り出したその時、彼女は勝ち筋を発見した。
 夏奈は天祢のエース、バンギラスに対してミミロップを繰り出す。そして、特殊ベースバンギラスの弱点である火力不足という点を突き、コスモパワーを積んでいく。そしてバンギラスを起点として、バトンを繋いだ。
 まさかバトンで来るとは思っていなかった天祢はこの対処に遅れ、バトンタッチからの無双を許してしまう。
 バトンを渡されたエースアタッカーは、高火力と罵声の嵐を乗り越え、天祢のポケモンをすべて薙ぎ払うのだった。

Re: 神よ。私は美しい……【ポケモン対戦小説】 ( No.32 )
日時: 2015/08/20 02:53
名前: 高坂 桜 ◆hjAE94JkIU (ID: dUayo3W.)

 逆転勝利を成し遂げ、初戦制した夏奈を称える翼たちだが、いつまでも浮かれてはいられない。これは団体戦、チーム戦という枠の中では、まだ始まったばかりだ。皆、すぐに気を引き締める。


「翼サイド ミーティング」

 次鋒の相手、黒堀陽介だが、その戦法は単純明快。メガヘルガーをエースとした晴れ軸だ。
 とにかく晴天時のメガヘルガーの火力が凄まじく、無双状態が整い、ひとたび暴れ出したら手が付けられなくなる。
 しかし、無双状態が整えば手が付けられなくなるのは、こちらの次鋒のエースも同じだった。
 幸い、華音のエース、メガルカリオなら、一度でも悪巧みを積めればメガヘルガーは突破できる。そして相手のパートナーズ的に、無双体制の整ったメガルカリオを止められるようなポケモンはいない。
 なので今回は、変な小細工などはせず、素直に火力でぶつかることにして、華音は次鋒戦へと向かって行く。


「『闘神』サイド ミーティング」

「今の黒堀先輩では、相沢さんには勝てません」
 と、開口一番、後輩から告げられたのはそんな言葉だった。
 実力的にもパートナーズ的にも、この時点で黒堀陽介は相沢華音に負けている、と閃は言い放った。
 事実、実力を加味しなくとも、パートナーズ単位で陽介はほぼ負けていた。特殊メガルカリオに一度でも積まれた時点でゲームオーバーである。
 しかも壁張り役だろうクレッフィは誰も先制できず、エーフィも挑発を跳ね返されるので、強引に積まれてジ・エンドの可能性が高い。
 ……しかし、それをなんとかするのが参謀の役目である。
 何度も言うが、陽介はパートナーズの並びから、既に華音に負けているのだ。なので自由枠を上手く使わなければならない。
 ここで閃が提案したのが、ギルガルド。ルカリオのメインウェポンを両方半減以下に抑え、壁張り役のエーフィにも強い。クレッフィが壁張りだと厄介だが、炎アタッカーに怯えて出て来れないと思うしかない。
 実際、ギルガルドは華音のパートナーズには結構刺さっており、ほとんどのポケモンに対して強く出れるポケモンだ。
 だが、ルカリオさえどうにかしてしまえば、あとはメガヘルガーの火力で無双できる。
 そのことを踏まえたうえで、陽介も次鋒戦へと赴いた。



 始まる次鋒戦。このまま一気に勝ち越したい翼たちと、初戦の負けを取り返したい『闘神』たち。
 華音は自由枠のギルガルドに攻めづらさを感じるが、しかしこの自由枠はまったく予想していなかったわけではない。こんなこともあろうかと、ルカリオにはラスターカノンを切って悪の波動を仕込んでいる。
 陽介のパートナーズは鋼の通りがすこぶる悪く、鋼技を搭載する意義は薄いと考え、それならば特殊受けクレセリアや、怯みによる勝ち筋を残すことも考えて、悪の波動を採用した。今回はそれがいい形で嵌ったようだ。
 序盤からスムーズに壁を張り、無双体制を整えた華音は、ギルガルドへと悪の波動を放つが——悪波持ちメガルカリオは、『闘神』側も意識していた。
 耐久調整を施されたギルガルドはその一撃を耐えきり、弱点保険を発動。さらにボディパージを積む。
 まさかのパージギルガルドに驚きつつ、無双状態を整えつつあるギルガルド。壁が残っているので、保険が発動しても一撃では落とされはしない。しかし悠長に相手するのも危険なので、早く落としてしまおうと決着を急いだその時。
【ギルガルドの道連れ!】
 ボディパージと弱点保険を迷彩にして放たれる道連れ。ギルガルドも無双体制を整えたと思わせて、本当の狙いはこれであった。
 ルカリオを道連れにされてエースを失った華音に対し、エースを最後まで温存していた陽介は、サンパワーによる超火力を叩き出すメガヘルガーで残るポケモンを焼き払い、勝利を収めたのであった。


Re: 神よ。私は美しい……【ポケモン対戦小説】 ( No.33 )
日時: 2015/08/20 02:56
名前: 高坂 桜 ◆hjAE94JkIU (ID: dUayo3W.)


「翼サイド ミーティング」

 中堅の相手、館上閃は、『闘神』チームでは唯一の一年生。実力は一般的に見てそこまで低いわけではないようだが、しかしこれまでの彼女の対戦を見てみても、プレミなどが少なくなく、戦績は芳しくなかった。
 そんな彼女の戦術は、いわゆるトンボルチェン。10パートナーズの時点で電気タイプにかなり偏っており、かなり露骨にボルトチェンジをしてきそうな面子ばかりである。
 雫のパートナーズは耐久が低めであるがその分、素早さが高い。しかし相手のパートナーズは、スカーフなども搦めて雫以上素早いポケモンが揃っており、上から叩かれてサイクルを回されることは止めがたいように見える。
 パートナーズ単位で不利が付きまとう状況だが、雫とて伊達に翼たちをここまで引っ張ってきたわけではない。ちゃんと相手への対策は用意していた。


「『闘神』サイド ミーティング」

 一勝一敗と、なんとか初っ端からのリーチを止めた『闘神』チーム。その中堅と参謀を務める閃は、困っていた。
 次の対戦相手である古浦雫は、ある意味では迅や華音を超える注目選手だ。今までの一から三試合目まで、彼は奇想天外な戦術で相手を攪乱し、勝利してきた。
 地雷的な技構成のポケモンが多く、はっきり言って何を仕掛けて来るのか全く読めない相手だ。これまでの対戦データを洗い出しても、変態型を多用する、反射技を好んで使う、カメックスの選出が比較的多い、程度のことしか分からない。
 要するに、実際に戦ってみないと相手の戦法を予見することはまずできない相手なのだ。
 そのような変態型使いには、数値でものを言わせたり、上から叩くことで、妙なことをされる前に倒すのが定石だ。幸いにも閃のパーティーはそれができる構築になっており、後者の手段で雫に対抗する算段を立てる。
 まずは相手全員に上を取れるメガライボルト、高火力で上から叩けるスカーフサザン、瞑想ヤミラミなどの対策として挑発ゲッコウガを確定。後は、メガガルーラでゴリ押されることを避けるために、物理受けのサンダー、メガガルを上から抜群で叩け、相性補完としてコバルオン。自由枠は、相手に特殊アタッカーが多く、耐久も低めなため、高火力を押し付け後受けさせない眼鏡ニンフィアを加えて、パーティーを組む。
 ファイアローも刺さってはいるが、一撃で倒せない耐久を持つポケモン(カメ、ガブ、ガル、タクンあたり)も少なくないため、パーティー入りをやめた。
 相手の戦術がまったくの未知なので不安が残るが、閃はそうして、中堅戦へと出向く。



 中堅戦が始まる。この折り返しを取れば王手がかかるため、どちらも落としたくない一戦だ。
 雫の連れて来た六体は、カメックス、ヤミラミ、マフォクシー、ドータクン、ゲンガー、ウォッシュロトム。
 電気タイプがこれだけ多いにもかかわらずカメックスがいて、逆に避雷針のライチュウがいないのは意外だった。さらにヤミラミゲンガーの並びから、閃は重力催眠を警戒する。
 重力起動要員がヤミラミとドータクン、そしてゲンガー、マフォクシー、ドータクンが催眠術を撃ち、サイクルを回させない気だろう。
 ウォッシュロトムは恐らくファイアロー対策、カメックスは鉢巻を巻いて地震でも撃って来るのかもしれないと予想。
 本当に重力催眠なら、催眠術で眠らされると相当まずいことになる。閃のパーティーも耐久が特別高いわけではないので、なにもできずに蹂躙される。向こうもも対策してはいるが、ファイアローを連れて来るべきだった。
 恐らく先発はヤミラミだろうが、幅広く相手を見れるライボルトを先発。さらにメガゲンガーでも上から叩けるサザンドラ、挑発で重力催眠を封じられるゲッコウガの三体を選出する。
 そうして、中堅戦は始まった。



 雫の先発は、閃の読み通りヤミラミだった。閃はとりあえず、ボルチェンでサザンに代わり、悪波でヤミラミを削る。
 スカーフサザンは火力不足と言われるが、ヤミラミではサザンの悪波は受け切れない。脱出ボタンではないため、死に際に重力を撃つのだろうが、メガゲンガーが出てきてもスカーフサザンなら上から悪波を撃てるため、さしたる問題はない。
 しかしヤミラミが死に際にはなったのは、重力ではなく雨乞い。起動役という予想は当たっていたが、起動する技を外した閃は、ヤミラミを落とすことに成功するも底知れない不安に襲われる。
 続いて出てきたのはドータクン。まさか浮遊と雨で弱点を二つとも消したアタッカー、という線だろうか。しかしドータクンはサザンに有効打がない。閃はこのまま悪波で押して行けると思い、悪波を連打。
 しかしドータクンはナモの実も合わせてサザンの攻撃を余裕で受け、トリックルームを展開。この時点で閃は、己の失策を悟った。
 ヤミラミの雨乞い、ドータクンのトリックルーム……この二つの技から導き出される雫のエースは、決まり切っている。
 ドータクンは大爆発で退場し、雫の三体目のポケモンは、カメックス。
 トリルを展開されてしまったため、閃のポケモンはカメックスを抜くことができない。上から殴られ続けるだけだ。
 しかもカメックスはメガシンカせず、眼鏡をかけた潮吹きを放つ。死に出しされたゲッコウガも、雨と眼鏡の火力でタイプ相性が意味をなさず、一撃で消し飛ぶ。
 ラスト、最初にメガシンカしたのみのメガライボルトが出て来るも、トリルターンを稼ぐことも出来ずにゲッコウガが散ったため、メガライボルトはカメックスの上を取ることができず、雨眼鏡潮吹きの前に一撃で消滅するのだった。

Re: 神よ。私は美しい……【ポケモン対戦小説】 ( No.34 )
日時: 2015/08/20 02:58
名前: 高坂 桜 ◆hjAE94JkIU (ID: dUayo3W.)

 副将の相手、米田栄一朗は、『闘神』と共に一年の頃からずっとチームにいた唯一の選手だ。三年生というだけでも経験豊富だろうが、メンバーの入れ替えが激しい彼らのチームにおいて三年間チームに居座り続けていることが彼の実力を如実に物語っている。
 彼のパートナーズは、メジャーどころから中堅どころからマイナーどころまでよりどりみどり。非常に対策が立てづらい並びだ。
 特に雫が注目したのは、ポリゴン2とローブシン。ポリゴン2は対策をしなければ突破不可能になり、ローブシンは単体でサザンガルドに強い。
 他にも、抜きエースとなるギャラドス、ガルーラには積まれないように注意。いばみがや壁張り役になれるクレッフィも厄介だ。
 かといってそれらのポケモンに囚われていると、脇から不意の一手を喰らう可能性も高い……なので、選出を決め打ちするより、幅広く対応できるようなパーティーを組む必要があると判断した。
 今回の対戦で重要になるのは、恐らくローブシンの扱い。お互いのパートナーズにローブシンは刺さっており、特に未歌側からすれば、ポリゴン2を最も確実かつ手っ取り早く処理できるため、是非とも選出したい。
 その他諸々のことも考えて未歌はパーティーを完成させ、ここで地区予選を終わらせるべく副将戦へと出向くのだった。



「『闘神』サイド ミーティング」

 見事に相手の術中にはまり、惨敗した挙句、優勝候補と謳われていた『闘神』チームが無名チームに先に二勝されてしまうという大失態を犯してしまった閃は、控室に戻るなり(天祢から)罵声を浴びせられる。
 そんな天祢を諌めて閃を慰める栄一朗。
 ともあれ、これで『闘神』チームは負けることができなくなった。そんなプレッシャーがあるが、しかし栄一朗はまったく動じない。
 副将戦に出て来る静谷未歌は、相沢華音ほどではないにしろ、この辺りの地区ではそこそこ名のある選手だ。大会出場経験も少なくない。
 そんな彼女が得意とする戦法は、サイクル戦。パートナーズの並びからしてもサザンガルド+マリルリと、しっかり相性補完のされている並び。これを崩すのは、栄一朗のパートナーズでは辛いものがある。
 なので彼は、相手のサイクルを崩すために、一つの作戦を立てた。
 それは、相手のローブシンを釣り出して返り討ちにすること。サイクル戦を主軸とする以上、一体でもポケモンが欠ければ一気に試合が傾くはず。なのでカモを釣って手早くそのサイクルを崩すのだ。
 相手のパートナーズにもいるローブシンは、栄一朗のパーティーに刺さっている。加えてこちらのパートナーズには輝石耐久のポリゴン2が見えているのだ。それを突破する駒は絶対に必要になるため、選出される可能性は極めて高い。
 そんなローブシンを倒す栄一朗の駒は、眼鏡ラティオス。ローブシンと言えばチョッキがメジャーだが、眼鏡ラティオスのサイコショックならチョッキは無意味。そしてH振りだけなら眼鏡の火力でちょうど確一にできる。
 これを軸として、あとは周りのポケモンを固め、栄一朗はここで相手の勢いを止め、大将である迅へと繋ぐべく、副将戦へと出陣した。



 ここで地区予選の決着がつくかもしれない、副将戦が始まる。ここで終わらせたい未歌と、絶対に勝って大将へと繋ぎたい栄一朗。
 未歌のパーティーはサザンガルドマリルリを軸にした並び。壁クレッフィからの積みエース無双が怖かったため、自由枠にクレッフィを焼き払えるすりぬけシャンデラを連れて来た。
 そして、当然の如くローブシンがパーティー入りをしている。
 一方、栄一朗は自由枠にフシギバナ。どうしてもサザンガルドマリルリの並びがきついため、無理やりにでも受けるつもりで連れて来たようだ。
 しかし未歌が警戒していたクレッフィはいない。となれば、壁で強引に積んで無双する、といったことはなさそうだった。
 だがポリゴン2はきっちり連れてきている。なので、全体的に見ても刺さっているローブシンを迷わず選出する未歌。
 栄一朗は確実に選出されるであろうローブシンを撃ち抜くべく、ラティオスの選出を確定。
 お互いに思索を巡らせ、自分が最善だと思う三体を選出し終え、副将戦が開始された。



 今までは天変地異のように天候が目まぐるしく変わったり、保険迷彩で道連れをしたり、雨トリルで潮吹きしたりと、かなり異彩を放つ対戦ばかりだった。
 しかしこの副将戦は、非常にポケモン対戦らしい対戦。まるでレート戦でも見ているかのような、堅実なサイクル戦が繰り広げられた。
 基本は手堅く、時にはお互いの読みが決まったり決められたりと、一進一退の攻防が続く。
 未歌は最初からサイクル戦を想定して組まれたパートナーズが軸、普通のサイクル戦になれば少しずつ彼女が有利になっていくが、未歌のローブシンと栄一朗のラティオスが対面したところで、栄一朗に好機が訪れた。
 ラティの眼鏡がばれていなければ、ショックでローブシンを一撃で落とせる。そしてローブシンを倒し、未歌のサイクルを崩せれば、一気にこちらが優勢になる。
 未歌もサイコショックは警戒しているが、ラティが退く可能性、ローブシンがラティの攻撃を耐える可能性、交換読み交換を決められる可能性——その他様々な要素を考慮した結果、ローブシンで居座ることを選択。
 そこが、この対戦の決まり手だった。
 眼鏡の火力でサイコショックを撃ち込まれたローブシンは一撃で落とされ、サイクルを回しづらくなった未歌はジリ貧となり、そのまま栄一朗に押し切られてしまう。

 そして、副将戦は『闘神』側の勝利となり、最後の大将戦で、すべてが決まることとなった。

Re: 神よ。私は美しい……【ポケモン対戦小説】 ( No.35 )
日時: 2015/08/20 20:30
名前: 高坂 桜 ◆hjAE94JkIU (ID: dUayo3W.)

閑話〜キャラクターの名前の由来〜

ここではキャラクター名の由来を知ってる限りで載せていきます。(一部自己解釈による推定あり)

違う場合はご指摘お願いします。

学校関連

速山翼
翼はマンダそのもの、「速山」はマンダの龍舞を示している。この名前にわたしがOKしたのは、祖父の墓が神奈川県の葉山にあることが大きい

静谷未歌
未歌は「未だに歌ってない」という意味で歌えないでいるのか、それとも歌わずにいるのか、を問いかけるようなダブルミーニングである。「静」か物静かな様子、「谷」は翼の名字の「山」と対比させている。

東雲夏奈
かなの音は「カナの婚礼」というキリストが起こした最初の奇跡とされる出来事に由来する。夏奈の漢字表記は明るい感じを示している。「東雲」は日の出を示しており、総合的に初心者であることを押し出した名前

古浦雫
古浦は「甲羅」すなわちエースのカメックスから来ている。また、カメックスが水タイプなので「浦」や「雫」といった水に関係する字を使っている。

相沢華音
華音はkey製作ゲーム「kanon」より、相沢はその主人公である「相沢祐一」に由来。ちなみに、「kanon」を抜擢した理由はわたしの2大側室のCVが揃ってパッケージヒロインになっていたため(堀江由衣【月宮あゆ・氷麗】と國府田マリ子【水瀬名雪・シャオリン】)もっとも百合になるから側室なのだがw尚、京都出身だが京都アニメーションは関係ない。(奇しくも「kanon」(2期)のアニメを放映している)このメンバーの中にも京都弁を知ってるメンバーはいないので標準語である。

御剣挟弥
モデルとなったキャラクターの名前とエースのハッサムの特徴である「挟」をかけたトリプルミーニングである。ダブルではなく、トリプルなのはモデルとなった「きょうや」が二人いるため

御剣琥子
エースがプテラなので、秘密の琥珀からとられている。ちなみに、御剣姓の由来は「剣の舞」であり、積みパを使う兄弟となっている。

虻村英一
虻の字が虹に似ており、綺麗に見えて醜い彼の本性を示している。

「闘神」チーム関連
角南天祢
異常気象パーティーだから「天」の字を使ったのだろうか(推定)

黒堀陽介
エースのメガヘルガーから「黒」その特性であるサンパワーから「陽」の字がとられたと思われる(推定)

舘上閃
エースのライボルトをはじめに、鬣のあるポケモンが多いことから「舘上」となり、「閃」は一瞬の光という意味で高速電気タイプのメガライボルトとメイン戦術であるボルトチェンジのダブルミーニング

米田栄一朗
米田は「コメダ珈琲店」に由来、栄一朗は「栄」が愛知県の栄という地名、一朗は愛知県出身の野球選手、イチロー(鈴木一朗)に由来。要は愛知県ネタで彼自身も愛知県出身

紅林迅
紅と迅で高速炎タイプのゴウカザルを示している。また、林の字もゴウカザル自身の手数の多さを示しており、ゴウカザルへの信頼を物語る

その他
相沢祐佳
「相沢祐一」にちなんで、「祐」の字をいれようとした結果、サザンオールスターズ桑田佳祐の「佳祐」をひっくり返したものとなった。尚、現在の夫とは再婚であり、旧姓は「氷室」出生時の名字は「上杉」(共に競馬漫画の主人公の名字より)

Re: 神よ。私は美しい……【ポケモン対戦小説】 ( No.36 )
日時: 2015/08/20 13:13
名前: 高坂 桜 ◆hjAE94JkIU (ID: dUayo3W.)

待機します。


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