二次なりきり掲示板

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

・All the world's a stage『 長文 』
日時: 2015/12/26 15:47
名前: 寝退 ◆HyWhrnhVWU (ID: VbOSBaFR)

——————





朦朧とする意識の中、錬金術師は自分をその腕に抱いて微笑む母親の姿を思い出した。

彼が造り上げた目の前の彼女は創造主である彼を見下ろして残酷な笑みを浮かべている。しかし追憶の中に在るその顔はとても優しく、彼を包み込んだ。


  (嗚呼、私は何て愚かな事をしてしまったんだ)


彼がそう思ったのは彼女への罪悪感からでは無く、自分の孤独を埋めてくれた三人の子供達の顔が浮かんだからだ。
血の繋がりは無くとも、確かに彼等を愛していた。

何故自分だけが周りの人間達と違うのか、その運命を恨んだこともあった。
しかしその運命故に彼等に生きる術を与える事が出来たのだろう。


「お前は私の子供達に破壊されるのだろうが、彼等に伝えてはくれないだろうか」


彼は最期に嬉しそうに笑った。



  (お前達を愛していた、と)





——————



・両サイドの拠点である屋敷と廃墟に関する詳細を追記しました。廃墟の設定は人形側のリーダー枠のお二人で作って下さいました!ありがとうございます。



——————





>>1 【 世界観 】

>>2 【 挨拶と規約 】

>>3 【 役柄と説明 】

>>4 【 参加者一覧 】

>>5 【 登録書 】





——————

Page:1 2 3 4



Re: ・All the world's a stage『 長文 』 ( No.29 )
日時: 2015/11/15 11:49
名前: 寝退 ◆HyWhrnhVWU (ID: WSDTsxV5)

>>28

【確認遅くなってしまって申し訳ありません!二人目の投下ありがとうございます。アーヴィングさん絶対かっこいい……っと、設定確認させていただきましたが問題ありませんので早速登録させていただきます!彼が動いて設定が掘り下げられていくのが今から楽しみです!宜しくお願いします。】

Re: ・All the world's a stage『 長文 』 ( No.30 )
日時: 2015/11/15 20:07
名前: リヴ (ID: qToThS8B)

——————



【 登録書 】



——————



・Scream

『錬金術?んなのあるわけないじゃん。なーんて、思ってたんだよねぇ。』


性別【女】
年齢【不明】


性格【現実主義者で、自分が見たものしか認めない。ただし、どんな非現実なものでも見たのならちゃんと信じるタイプ。自分のためにしか働かないが、対価を払えば助けてやらないこともない。男勝り、というか男。】

容姿【黒に近い灰色の胸元までの下目の一つ結びに鶯色の吊り目で目付きの悪い瞳。女子にしては長身でスレンダー。胸は断崖絶壁。中性的な顔立ちゆえ男に間違えられることしばしば。本人は気にしていない。中性的な顔立ちだが、非常に整っている。】
服装【黒の長袖パーカーにダメージ加工のジーンズ。ラフな格好。いつもマスクを着用しているが別に外してもどうってことはない。】

備考【リアル暗殺者。お偉いさんのボディーガード等も務める。かなり有名な暗殺者。戦闘力があるというより、相手に警戒心を抱かせない、隠密行動力。
捨て子であり、とある暗殺者に弟子として拾われた。その暗殺者のもとで育ち、独り立ちした。
その暗殺者のことを心から尊敬している。
名前は自分で付けた。】


「俺はScream。意味?悲鳴。別に、何となく。リムとか呼んで。」
「信じるよ。俺が見たんならそれは事実、受け止める。ま、前まで全然信じてなかったけど。」
「え、気づいてなかったの?俺女だよ?何気に酷くね?」


募集【尊敬している暗殺者】



——————

こんにちは、リヴです。

参加と、アリスさんの気に入ったものは人間の子を乗っかりたいのですが…。

とりあえず参加希望です。

Re: ・All the world's a stage『 長文 』 ( No.31 )
日時: 2015/11/15 21:19
名前: 寝退 ◆HyWhrnhVWU (ID: WSDTsxV5)

>>30

【初めまして、参加希望との事でキャラシートの投下ありがとうございます!しかしながら、現在の状態では承認する事は出来ません。不備が多数見受けられますので、もう一度全ルールや注意事項、設定等を読み返し、キャラシートの項目を確認した上で必要な情報を記入していただければと思います。修正宜しくお願い致します。また注意事項等に記載されていない部分として年齢に関してですが、年齢をキャラが自分自身知り得ていないという事であれば自分の年齢を何故知らずにどう育ったのかという年齢に関する説明をもっと細かく記載していただきたいです。設定上は年齢が作られているのであれば年齢を書いた上で、備考欄に周囲の人間に実年齢は隠している、等の説明を書いていただければと思います。また、暗殺者という役職は現時点では存在しておらず、一般人枠としてはかなり特殊な立ち位置になると思いますのでもう少し細かく設定を作っていただけると嬉しいです。政府は存在している世界なので一般世界で有名な暗殺者という設定は難しいかと思います。どの範囲でどう有名で、どう偉い立場の人間のボディーガードを務めているのか(その人間は取り締まりを逃れる事が出来る対象であるかの確認が可能な説明)、を明記していただけないと世界観の崩壊に繋がりますので承認する事は出来ません。その他のルール等を読み返して確認出来ると思われる修正点に関してはこちらからお教えする事は出来ませんので宜しくお願い致します。】

・All the world's a stage『 長文 』 ( No.32 )
日時: 2015/12/06 13:23
名前: 佐鳥 (ID: zflF3NFd)
参照: 二人目

【 登録書 】


——————


・Christina (クリスティーナ)


『このあたしがあんたみたいなうじ虫如きに話す事なんて、一言も無いに決まってるでしょ』


性別【女性】
年齢【17】

性格【自分大好き? 勝気で高慢で高飛車。嫋やかさや繊細さに欠けるわがまま娘のじゃじゃ馬娘更に生意気娘である。簡単には人の言う事は聞かず我が道を行くタイプでいつでも自分が正しいと思ってよく考えずに行動することもしばしば。そのせいでよく自滅する。変に勢いがよく大胆不敵で女らしいわけではないけれど男勝りとかサバサバしているというわけではなく執念深く根に持つタイプで厭味ったらしく女らしい意地の悪さがあるためむしろ女々しい。根はシンプルかつストレートに造られており、細かく工作することはなくありのままの姿で相手にぶつかっていく裏表のない人物とも言える。気に入っている相手はやたら楽しそうに自慢話しまくったり。嫌いな相手にはあからさまに不細工な顔でわざわざ喧嘩を吹っかける。どうでも良い人間には適当な態度なんて言う風にまるで扇風機のスイッチの様に態度を変える。相手に媚を売ることが無い分、敵を作ることも多く、ある意味不器用だが器用に生きるつもりもない。頑固であり一度こうと決めたら梃子でも動かないと口では言うものの、綺麗なものや可愛いものに弱く美しい造り物を与えると操りやすいかもしれない。もう一度言うがシンプルな人間である。自尊心が高く遥か高くから相手を見下すような態度を取ることもあるけれど、そのどれも低レベルな物言いである。やはり相手を配慮することを知らないので地雷を踏んで吹っ飛ばされることもまあしばしば。見栄っ張りで周りからどう見られるかも気にするし相手の本質についても外見や態度で判断しがちである。ナルシスト。しかし一応の恥じらいを持っていたり他者が手を貸してくれた時には礼を言おうとしたり筋を通そうとする潔さくらいはあるらしい。素直に『ありがとう』『ごめんなさい』『お願いします』が言えないという致命傷を負ってはいるけれど】
容姿【肌の色は黒くも白くも無く明るい肌色で鼻のあたりにそばかすが集中している。身長167㎝の良い体格の持ち主。(ただし胸は絶壁)とはいっても女性ながらにむき出しの野性味を発散しているというような意味とは違い、腕や脚はすらっとしていて年相応の子供のように細いけれどそこには筋肉がついていて、学校では運動部に属していそうな女の子、といった感じである。身体と釣りあいのとれた大きくも小さくも無い丸い頭には時間が経った血のような暗い朱色の太くしっかりした巻き髪が生えて胸の下まで降りている。普段はそれをポニーテールにしている。容貌は十人並みだが正に彼女の性格がそのまま反映したように口の締まったきつく、いかにも度胸の良さそうな印象である。釣った眉毛は書かれた様に細く濃く整えられていて、その下の目は大きくつり気味で上睫毛がばちばちと長く存在を主張している。その目は二白眼で柳緑色と呼べそうな明るい緑色をしている。ぎゅっと結んだへの字の唇はザクロの果実の様な艶やかな赤。元々そう言う唇の色で造り出されただけで化粧ではない。本人的にはもっとしっとりとしなやかでか弱く王子様に守られているお姫様みたいな人形に産まれたかったらしい】
服装【白い大きな丸襟のブラウスの上からは茶色いアーガイルのベストを着ていて濃緑のカーディガンを羽織っている。カーディガンのボタンは大きく金属で細かくテディベアの装飾が施されている。出掛ける時には薄茶色のダッフルコートの上からチャックの青いマフラーとお揃いの手袋。下はデニムのショートパンツに黒いタイツを履いて靴は茶色いローファー。きっちりしていて中性的な服装が多いが見た目にも正確にも似合わず乙女が好むようなかわいらしい洋服や小物が大好きであり、そう言う服装の時もあるが見られると恥ずかしがる上に口では認めない】

備考【双子人形に従って生きることに嫌気がさして逃げ出した脱走人形。自分至上主義な性格ゆえか自分よりも見るからに年下の少年と少女に身を委ね、従事することがどうしても許せなかったらしく1年前に組織を脱退。今は人間に紛れて生きている。コーヒー店で働くようになったもののCursed dollsと呼ばれる組織だった頃もこの難ある性格のお陰で周りと仲良くやれていたとは言い難いようなところもあり今の職場でも割と厄介者。というか仕事は人並みに出来るしするが只管に愛想が無い。
一人称は「あたし」二人称は大体「あんた」だが激怒していると「おめー」になったりする。三人称は大抵「あいつ」など。錬金術師に命を狙われることも無く平和な日が続いていると、自分がもともと人間であるかのような錯覚に陥るようになった。しかしふとした瞬間や錬金術師や人形に遭遇すると思い出して恐怖する。人間のことは感情任せに馬鹿な行為を繰り返し続ける阿呆な生き物だと思っている様だが、人の命を奪う事は悍ましいとか人間みたいなことを考えたり、上記のように多々錯覚したり、どうも人間として生きたがっているようである。そして学は無く、時々一般レベルの単語でもわからずにきょとんとして首をかしげる阿呆な一面も時々垣間見える。ぼうっと物思いにふけっていると無意識にどこで聞いたのかも思い出せない子守歌を歌う。しかしそれを他人に聞かれたくはない。お決まりの台詞は「ハゲ」顔のそばかすを気にしている。それから心の底から認めていない限りには名前を名乗らないと相手を「チビ」「アホ毛」などおよそ尊敬の心など欠片も無いような渾名で呼んだりもする。すこぶる無礼


「別にあいつらが恐ろしくなったから逃げ出したわけじゃねーわよ。許せないのよ! このあたしが? あの小憎たらしい双子のいいなりになるだけで? 損ばっかりの生活に納得しているなんて……あたしは絶対二度とあいつらの飼い犬に成り下がったりしねぇわハゲ!」
「あーあー、なぁんであたしの顔にはぽつぽつがあるんだろう。チビのリンジーや大根足のエノーラやウルトラ激ダサ眼鏡のジョハンナだってしっとりして柔らかそうな綺麗な肌だったのに……は? なに笑ってる訳? 人の独り言聞いてるんじゃねーわよこのハゲ」
「勘定? ……う、うるさいわねわかってるわよ! 勘定って、あれだ! あれのことでしょ? そっその程度の言葉くらいわかるわよ! バカにしてんなら殴るわよ!?」


募集【彼女が廃墟で暮らしていた頃に、よく低レベルな口げんかをしていた相手を人形限定で1名。女性で歳が近いと嬉しいです。】






【アーヴィングの登録ありがとうございます!そろそろ文章を投下したい次第ではありますが、中々思いつけず申し訳ない次第です; 
そして3キャラ目が完成いたしましたので不備などないか確認していただければと思います。なんというか最初から最後まで高圧的な小憎たらしい小娘になってしまいましたが……問題でしたら訂正いたします。確認よろしくお願いします!】

Re: ・All the world's a stage『 長文 』 ( No.33 )
日時: 2015/12/26 04:51
名前: 寝退 ◆HyWhrnhVWU (ID: VbOSBaFR)

>>32

【確認が大変遅れてしまいまして申し訳ありません!キャラシの投下ありがとうございます。クリスティーナさんもこれまた素敵なキャラで全私が歓喜しております!ええと不備という程の事ではありませんし、お時間がある時にでも付け足して頂けたら嬉しいというレベルの話なのですが、本来はマザーが人形達の絶対的存在なのでマザーについての記載も少し付け加えて頂けるとありがたいです。では、登録させていただきますのでよろしくお願い致します!】

Re: ・All the world's a stage『 長文 』 ( No.34 )
日時: 2015/12/26 05:48
名前: 寝退 ◆HyWhrnhVWU (ID: VbOSBaFR)
参照: 屋敷の間取り図こっちにも貼るべきだよなと思いつつ文章がry


【 屋敷 / 2F自室→1F食堂へ / Felix=Silver 】


 窓から差し込む橙色の光が徐々に薄れ、世界が闇に呑み込まれていく。勿論この世界にはそれに合わせて灯される人工的な光も存在するのだが、奥まった場所にひっそりと佇むこの洋館にその光が差すことはない。ならば自分で部屋の明かりを付ければ良いというだけの話なのだが、もう何時間もこうして立ち尽くしているその男は一度も視線を逸らすことさえせずにただ一点を見つめていた。窓から流れ込む夜風は長い金色の髪をふわりと掬い上げ、揺れる細い髪はまた男の背中へと舞い降りる。大きな釜の中で蠢く銀色の液体を見詰めたまま、もうどれ程の時間が経過したのだろうか。始めた頃にはまだ窓から吹き込む風も暖かく、明るい日差しが差し込んでいた筈だ。
 額に滲む汗に服の袖を押し当てるようにして一瞬、ほんの一瞬顔を上げて時計の針を確認したその瞬間。室内に広がる眩い光に、彼は遥か昔の記憶を思い出した。

 あれはもう十年以上も前になるのか。自分が師と仰いだその人が何度もこの光によって希望を打ち砕かれ、しかし彼は諦める事無く自分の夢に挑み続けて、遂には奇跡そのものである一つの結晶を手にした。それが全ての始まりでもあり、終わらせる為の鍵でもある。そう、もう一度あの結晶を手にする事が出来れば全てが簡単に片付く筈なのだ。

「…………っ!くそ、っあー……」

 その場に座り込み盛大に落ち込んだ様子で項垂れると、心の中で誰に向ける訳でもない愚痴を一人延々と呟きながら改めて時計を見上げた。

ーーああ、そういえば明日はあの人の誕生日だった。

 不意に思い出したフェリクスはそのまま時計をぼんやりと眺め、日付が変わった事を確認すると小さく笑みをたたえて立ち上がる。


「……先生、おめでとう」

 窓のその向こう……何処か遠くへと視線を向けながら自分の養父でもあり師匠でもあったその人へ向けて簡単な祝辞を述べると、自分が昼食以降何も口にしていなかった思い出し、顔を洗ってニットのカーディガンを羽織り、長い髪を整えながら部屋を出て食堂へと向かった。



【お久し振りです、参加メンバーが神々過ぎて既に逃げ出したい衝動に駆られている寝退です。とりあえずリハビリから入りますのでまったりお相手して下さる方が居らっしゃれば!どうぞお手柔らかに宜しくお願い致します……!(通過点での遭遇でも大丈夫です!】

Re: ・All the world's a stage『 長文 』 ( No.35 )
日時: 2015/12/27 18:18
名前: 時谷 空 ◆AdKeSZp7eg (ID: w0.JbTZT)
参照: http://ついに開幕わーい

>>34

【屋敷/1Fロビー /レオンハルト=ブライス】



昼には騒々しいこの屋敷も深い闇に包まれればその騒々しさはなくなり静かな洋館はどこかこの世界に自分一人しかいないのではないか。そう思わせるようだった。

食堂から晩の残り物と、簡単につまめるものを作り缶ビールを片手に二本抱えてロビーのテーブルに下ろしレオンハルト自身もソファに腰を下ろす。
一息ついたところでレオンハルトはジャケットの内ポケットから手帳を取り出し、ページを捲り始めるととあるページで手を止める。間に挟まっていた写真を一枚取り上げれば「先生、」と静かに呟く。
写真の中で優しい笑みを浮かべる師を見つめながら缶ビールをもう片方で持ち上げ、乾杯とでもいうように少し揺らす。そのまま空を仰げば月だけがこの室内を照らしていた。

「先生、あれから、……俺、……いや、今は報告をやめておく。おめでとう、先生。」

そう自嘲気味に口を開けば二階で扉の開閉音、そして徐々に近づいてくる足音に顔を顰める。
急ぎ手帳に先生の写真をまた挟み込み手帳を内ポケットへと戻す。

「やれやれ、ゆっくり祝わせてはくれないらしいな…」

しかしすぐにその音を出している主に気付く。
もう十数年と一緒に暮らしている仲だ。むしろわからない方が不自然なほどに聞き慣れた足音に苦笑しながら階段を下ってくる人物を見れば、やっぱりな、とでも言いたげにレオンハルトは口角を上げた。

「こんな時間にどうした?大事なお肌が荒れるぞ〜?…なんてな。腹減ってんだろ?一緒に飲もう、フェリクス。」

夕飯に現れなかったフェリクス、こんな夜中に1階に用事があるなど、腹を空かしているのか大浴場くらいだろう。しかし自室にシャワーが備え付けられているため、おそらく前者であろう。
予め置いていたキャンドルに火を灯し、彼を誘った。








【開幕おめでとうございます!!
私もリハビリしつつですが、レオンハルトで絡ませていただきます!】

Re: ・All the world's a stage ( No.36 )
日時: 2015/12/27 21:48
名前: PP (ID: Go.89if1)

【廃墟/2F子供部屋/Kyrie】

部屋の灯りは薄暗く、ひび割れた窓には蜘蛛の巣が張っている。人間ならば住みにくい、と声を揃えて言うのだろう。夜も眠らない都会の眩しさとはまた違った異様さがある。郊外にある、とある教会で過ごした、あの厳かでやさしい明かりがちょうどいいのかもしれない、とキリエは思った。廃墟の夜は怪しく、謎に包まれていた。そしてここは、人知れず人形たちが暮らす本拠地なのであった。
キリエは、おもちゃに囲まれていた。ぬいぐるみ、車、ブロック、ラジコンまで・・・人に作られし形が、きちんと整頓されて並んでいる。

「僕は、マザーに作られた。僕を作ったマザーも、人間に作られた・・・」

おもちゃを見回しながら、そう呟き、そのうちのクマのぬいぐるみ———テディベアを手に取り、優しく抱き締める。

「作られたものには感情がない。僕は君を抱き締めるけれど、君は嬉しいとも悲しいとも言ってくれないんだ・・・」

頭を撫でて、クマに話しかける。クマのつぶらな瞳は、キリエの姿を少し湾曲させて映していた。クマの口元は、不思議そうにきょとんとして閉じられている。

「でも、マザーがそれを壊した。マザーは意思を持ち、作られた側から作る側になった。そして、産みの親を殺してしまった・・・」

でも、大丈夫だよ、僕は君を壊したりなんかしないから。そう言ってテディベアを優しく撫でた。

「ねえ、君は作られる側で、満足しているの?もしかしたら、こんなところで、ひっそりと眠るよりも、人の子に可愛がってもらいたい、なんて思ってるのかもね。それとも、作る側になりたいの?」

ゆっくり尋ねながら、テディベアの顔を見て返事を待つ。勿論返事はなかったが、少なくともキリエはテディベアの心の声を聞いているつもりだった。そんなもの、あるわけないだろうに。自分が物言わぬ人形ではなく物言う人形としてこの世に生を享けた意味を、キリエは理解しているつもりだった。自分達を生み出した人間を一人残らず殺すためだ。でも———キリエは何故そんなことをするのかが分からない。人間たちを殺したら、自分達も数を増やすことが出来ず、やがて滅びてしまうのに。キリエは生み出す側になりたかった。自分の気持ちを、自分がいなくなった後も伝えてくれる者が欲しかった。そんな思いを、伝えたいけれど、こんな気持ち、誰に伝えたら良いのだろう。

クスクス、と笑い声が聞こえた気がして顔を上げる。物言わぬ人形に話し掛けたのを、誰かに見られていたのだろうか。出口の方を向いて、焦って尋ねる。

「そこに誰かいるの・・・?」

【スレ主様、参加を許可して下さり、有難う御座います。始まったようなので居ても立っても居られず、文章を投下させていただきました。参加者の皆さま、宜しくお願いします!!】

Re: ・All the world's a stage『 長文 』 ( No.37 )
日時: 2015/12/31 23:05
名前: フレア (ID: nLPrrFyW)
参照: http://お久しぶり&初のロリおかまっ子という事でガクブルしております。開幕おめでとうございます!

>>36

【廃墟外→廃墟/1F→2F廊下/Alice】



静まり返った街、聞こえてくるのは木々のざわめきだけ。地面に死んだように倒れていた少女は、何かに引っ張られたようにビクッと動いて顔を動かした。

「あぁ...そういえば私、物を取りに戻ってきたのよねぇ。」

むくりと、そんな擬音がピッタリな体の起こし方をすれば、視線を動かして辺りを確認する。積み上がった木箱の隣には開けっ放しのゴミ箱、なんとなく香った腐臭は多分これのせいだろう。目の前には大きな廃墟、なんだか怖い印象もあるが見慣れて仕舞えばそうでもない。
とりあえず辺りに誰もいないことを確認すれば、ゆっくりと立ち上がって服についた土を払った。汚れた服をクリーニングしなければならない、髪に匂いがついたからお風呂も入りたいな。そんな場違いな事を呑気に考えているけど、状況としてはあまりよろしくないのだ。

チョコレート色の髪にほんわりと赤い瞳、モノクロのロリータ服と呼ばれる系統のものを着ているこの少女...否、少年の名前はアリス。人間の手によって作られ、命を持った「人形」である。
アリスは昔、目の前にそびえ立つ廃墟で生活をしていたのだが、仲間との意見の違いで逃亡し今なお路地裏なんかで人間に混じって生活している。そして、そんな逃亡者がここに戻ってきたのには深い訳があるのだ。大切にしていた時計を置いてきたのを思い出し、それを取りに来たというきちんとした訳が。もちろん見つかれば命はない、だからこそこんな夜遅くにだったのだけれど。

「まぁまぁ、無用心なこと。」

廃墟の裏に回り込み、修復されていない割れた窓から中に潜入する。相変わらず、中は蜘蛛の巣が張ったり埃がたまっていたりして汚らしい。だけどその汚さが落ち着くのだから、少しの間だとしても過ごしたこの場所に愛着があるのだろう。

少し懐かしみながらもアリスは音を立てないよう忍び足で階段を上がり、昔自分が時計を隠した場所を思い出しながら歩みを進める。烏の声と自分の足音しか聞こえない、その現場に少しだけ安心していたのだけど。ひそひそと、話し声が聞こえてきて思わず息を飲む。まだ起きている人形がいたのか、いや私たちは睡眠を必要としないから寝てないのは当然だけど。頭を頑張って働かせながらも、見つからないように壁に背を貼り付けて声のする方向へと向かう。

「って...あらあら、これはまぁ。」

やっとその場所にたどり着いて部屋の中を覗き込めば、目があったキリエをみてクスクスと楽しげな笑みを漏らしたのち、他に人がいないことを確認して部屋の中へと足を踏み入れた。



【どうしよう誰で文を書こう!という興奮を冷まさないうちに、手探り状態で文を書きました。お久しぶりの中文スレ、周りの皆様文の構成とか上手くて手が震えております...。いろんなところでお世話になっておりますが、こちらでもどうぞよろしくお願いいたします】

【PP様、初めまして。今回絡ませていただきましたフレアと申します。
皆様のようなうまい文章を書くことはできませんが、興奮のあまり絡ませていただきました。ご迷惑でなければお相手していただけると嬉しいです、どうぞ宜しくお願い致します。】

『 お知らせ 』 ( No.39 )
日時: 2016/01/05 14:54
名前: 寝退 ◆HyWhrnhVWU (ID: VbOSBaFR)



【こんにちは、スレ主の寝退です。突然で申し訳ないのですが、スレ主の勝手な事情により本スレは一時閉鎖とさせていただきます。参加者の皆様には本当に申し訳なく思っております。開幕して間も無い事もあり、キャラシを投下して下さった方や新たにキャラを考えて下さっていた方も居らっしゃる中、本当にすみません。このスレは多くの方々に支えられながら作り上げてきたスレッドなので思い入れも強く削除依頼を出すという方法は選べなかったので、この書き込みを最後にロックさせていただきます。可能な方には前もって挨拶文を送らせて頂きましたが、私はカキコ自体一時引退となります。今まで本当にお世話になりました。皆様と過ごした時間はとても楽しく、掛け替えのないものでした。突然このような事になってしまい本当に申し訳ありません。ありがとうございました。】


Page:1 2 3 4