二次なりきり掲示板

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【長文/開幕】さよなら世界【募集中】
日時: 2015/09/25 23:10
名前: 緋織 ◆S2QRgg5fs2 (ID: mXDJajPZ)
参照: http://www.kakiko.info/bbs3/index.cgi?mode=view&no=16046



【↑は過去スレです。新規様も大歓迎です!】




「全て悪い夢だったら良かったのに」と言った人が居た。


舞台は非魔法世界、19世紀西洋にある国シチーリア。
銃の普及や警察組織の力によって治安が安定してきたと思われたその時、複数の犯罪組織が表舞台に立った。
恐喝や暴力により勢力を拡大したその組織を当然のように誰もが皆恐れた。

そして最も恐れていた事が起こった。

犯罪組織はそれぞれ『共存』を求めず、勢力を持った邪魔な組織を潰そうと国全体を巻き込み争いを始めた。
裏社会では毎日のように抗争が繰り広げられていたが、徐々に表社会にもその影響が出るようになってしまった。
争いを恐れる国民達を守る為にと警察組織も立ち上がり、それは歴史に残る争いとなった。


——美しさ、優しさ、優雅さ、完璧さ、そして名誉ある男、勇気ある人、大胆な人——
人々は媚びるようにその意味を込めた言葉で彼らを【マフィア】と呼んだ。




【このスレは長文となっております】


こんにちは、緋織と申します。
元はライと名乗っていたものです。
今回は長文、返信期間なし、というルールを加え前スレをリメイクさせていただきました。
さよなら世界を閉鎖し忘れていたばかりに、あちら側で反応できずに大変申し訳ありませんでした。
しかし、出入りしてくださった方々をみて、リメイクを決断しました。



※このスレは旧なりの「さよなら世界」というスレを再建したもので、前スレから約三年の歳月が流れています。ドールファミリーの壊滅、新勢力や新たな役職の登場等、勝手な変更点も多々ありますが、前スレで楽しんで下さっていた方には是非引き続き楽しんでいただければと思います。

また、このスレは2スレ目という事もあり、お友達の寝退さまと二人で管理させていただきます。キャラの承認やスレの編集等も私が不在の際にはお願いする事になると思いますが、ご了承下さい。





【ルール】

Ⅰ 荒らし、本体同士の喧嘩は禁止です。最低限のマナーは守って下さい。
Ⅱ 今回は長文スレとさせていただきます。最低650文字以上でお願いします。
Ⅲ 魔法や超能力、不死身等の設定は禁止です。一般的に入手不可能な武器の使用も禁止します。
Ⅳ 最強、超美少女・美少年設定はご遠慮下さい。直接的な描写でなければ問題ありません。
Ⅴ 恋愛は相手を不快にさせない程度。ギリギリの性的描写は構いませんがそれ以降は飛ばして下さい。
Ⅵ 相手が不在(落ち)状態の時に勝手に攻撃をけしかけたり、話を進めないで下さい。進行に狂いが生じる恐れがありますので一切禁止です。
Ⅶ ドッペル禁止です。長文なので何日以内に返信を〜というルールは設けませんが、完全に返信が止まり呼び掛けても本体からの応答も無い場合は新しく始めても構いません。
Ⅷ キャラの作成は一人三体までとさせていただきます。キャラを作り直す際は、消したいキャラを申告して下さい。
Ⅸ 記号の乱用や、あまりにも世界観を壊してしまうようなキャラの言動、暴走は禁止です。
Ⅹ 死ネタは理由とキャラ名をスレ主に申告して許可を得て下さい。許可なく勝手に死なせたりしないで下さい。また絡んでいる相手の了承も取って下さい。





【登場する語句の説明・各組織の名前や説明】 >>1
【役割と参加者様一覧】 >>2
【参加用紙】      >>3





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Re: 【長文/開幕】さよなら世界【募集中】 ( No.52 )
日時: 2015/10/01 07:15
名前: 佐鳥 (ID: LuHX0g2z)
参照: http://警察A隊からB隊にしました。

【参加用紙】

名前【Romeo=Garriet/ロミオ=ギャリエット】
年齢【23】
性別【男性】

容姿【身長162㎝の貧弱チビ。おまけに頭が大きいので肩幅が狭く見える。明るい赤毛のくせ毛で前髪は目にかかるくらいに長く後ろ髪や横も撫でつけたり固めたりせずにそのまま放置したような下に向かって伸びる癖毛。もっさり感が半端ない。前髪が長いせいで目元に陰気そうな影を作る。目の色は青い林檎のような緑できょろきょろと逃げ回るようによく動く。前髪上げると釣眉でおどおどしなければ快活そうな印象を与える大きい釣り目。眼光は鋭い。肌の色も少し赤みのある赤色。制服はちっとも着崩さないが、上げパンすぎて白い靴下見えてる。】

性格【内気で気が弱くウブな赤面症。お人好しで頼みごとをされるとYesしか言えずにずるずると面倒事に引きずり込まれ、後々に自分の気弱さに嫌気がさしてすぐに涙をこぼすし、何でもかんでも立候補したがったりはしないのだが自分の信念を貫き通そうと努力するお前なんだかんだ行動力はあんじゃねーかというタイプ。しかしロマンチストで若干の妄想癖がありよく妄想の世界に逃げ込んでいる((ヘタレなタイプだが一般的な常識や感覚はあり突っ込みに回ることが多いし思ったことや言いたいことは言える様子だが小心者故か脅されたりキレられると何も言い返せない。】

所属【警察組織】
役職【警察B隊】
備考【一人称は「僕」で二人称は年上相手には敬称やさん付けなど。同格から下は「君」で三人称は時と場合により異なる。一般階級の家で生まれ育った大したオプションの無い凡人の男だが町を荒らすマフィアの抗争に巻き込まれたところを警察に救ってもらった過去がある。名前を聞かなかったし顔だって覚えていないけれどシチーリアの警察だった。そんなぼんやりとした印象しか残っていないけれどそれでも彼はずっとロミオのヒーローなのである。そんな風になりたくてロミオは警察を志したのであった。武器は拳銃1丁。】

サンプルボイス「すすすびばせんっ! その、僕、大勢に注目されると緊張して変なこと言っちゃうんですホントすいまぜんっ!!「ちょちょちょちょっと皆さん落ち着きましょうよ! 何があったんですくぁあぁあすみません黙りますごめんなさ」「警察以外の職に就いたら僕はずっと後悔し続けることになると思ったんです。だから僕は今此処に居るんです。……なかなか思うようにはいかないけど」

Re: 【長文/開幕】さよなら世界【募集中】 ( No.53 )
日時: 2015/09/30 18:23
名前: フレア (ID: nLPrrFyW)


____毎日が平凡に流れればいいのに____

綺麗な丸い形をした月の下、青年はそう吐き出して頭を掻く。
サラサラとした青髪は夜風に靡き、左右異なる色をした瞳に映るのは疲れかはたまた絶望か。青年はポケットの中から四角い形をしたチョコレートを取り出し、袋を開ければ口の中へと放り込む。ほろ苦い味、それが重い体をほぐしていくような気がした。綺麗に包みをたためば反対側のポケットにしまい、歩みを止めることなく水面に映っていた満月を一瞥する。

(資料作り...は、俺がしたら絶対ダメだよな、あいつらに任せておこう。後は部下たちの稽古か。飛び道具以外なら教えられるし、俺はそっちに加わるとするかね)

頭の中はこれからの行動のことで埋め尽くされており、自分がしたら確実に足手まといなことは除外していく。そうなれば家事と訓練以外にできることがない...そんな考えはすぐにやめた、やるだけ無駄だしいつかできるようになるのだからくよくよしていても仕方がない。

たまにすれ違う人に頭を下げられ、この仕事について結構長いはずの青年____リコルドは少々戸惑ってしまう。やはり敬われたりするのは何年たっても慣れないものだ、鳥肌が立ちそうで大変困る。なるべく不快にさせないように微かな笑みを浮かべて頭を下げ返せば、人の目から逃げるようにその場を早足で立ち去ることにした。自分が今担当している区域の前警察副隊長であり、第二の親と言っても過言でない男は平気だったのがなんだか悔しくてたまらない。胡散臭い笑みを浮かべて住人と世間話に花を咲かせる、そんな様子を隣で見てきていつかこうなれるほどには性格を直そう、そう遠い昔に心に決めたはずだが遠い未来の話になるらしい。

(あぁ...甘いものが食べたい)

糖分を欲する頭が痛み始める。先ほどチョコを食べたばかりだが、どうやらそれだけでは足りないらしい。大の甘党であり糖分中毒者、三人いる警察副隊長の一人であるリコルドは痛む頭に苛立ちながらも歩みを速めた。

【イリアと迷った挙句にリコルドの絡み分を投下したいと思いっ...!
誰か絡んで頂けると幸いでございます】

Re: 【長文/開幕】さよなら世界【募集中】 ( No.54 )
日時: 2015/10/01 19:59
名前: 佐鳥 (ID: LuHX0g2z)
参照: ホームにて、フラヴィ=ポワンカレ



ディアファミリーはマフィアでありながらその実態を隠し会社を経営し、この情報社会的にも柔軟に順応している。その会社の経営はクイーン・レディたる立場の者に常に任され、他の会社とも常々取引を行うことになっている。しかし残念なことにフラヴィ・ポワンカレは口には出さずともこういった大変頭を使う仕事が凄く苦手だった。

(これさえ無ければもっと楽しいんだけどなァ。そうもいかねーのが残念よ)

今日も自身の仕事部屋で取引先に渡された書類と言う名の訳の分からない文字の羅列を隅から隅まで眺めては頭を捻らせ、その頭の中でその内容をもっと簡単に端的に整理していくが、それはこちらにさせないで事前に簡単に直してきてほしいものである。色々と面倒臭い。

凝り固まった首の回りや肩をグルグルと動かし、骨が盛大にバキボキ鳴るのもまるで気にせず、フラヴィは一度思い切り伸びをした。本当に今日は良く働いている気がするので自分を褒め称えたい。部屋の時計の秒針が17時を指しているのを見て、見たくもない現実があと十枚程度机の上に乗っかっているのを見た結果、フラヴィは取りあえず休憩をとることにして机に突っ伏すした。

3秒後、彼女はすやすやと寝息を立てて夢の世界へと旅立った。


【なぜこうなった。取り敢えずどなたかがチョッカイだしてくれることを願って!】

Re: 【長文/開幕】さよなら世界【募集中】 ( No.55 )
日時: 2015/10/01 20:47
名前: ナタノ (ID: YaZPRLpe)


>>54

そろそろかな、とラブラドールはまとめていた決算書から視線をあげて壁に掛けられたシンプルな時計に目をやる。フラヴィと分かれてデスクワークを始めてすでに一時間。公には口にしないもののフラヴィがデスクワークを得意としない事をラブラドールはよく知っている。義理堅い彼女の事だからボスへの顔を立てて暫くは書類に向き合うだろうけれど、そのうち耐えきれなくなるだろうとラブラドールは予想していた。時計の針は17時を少し回ったところだ。

ラブラドールは決算書をまとめて腕に抱えると部屋を軽快に部屋を出る。軽い足取りで給湯室に顔を出すと、棚からマグカップを取り出してそこにお湯を少し注ぐ。紅茶を蒸らす間に冷やしておいたケーキを取り出して皿に盛り付けると盆に乗せてフォークを添える。マグカップのお湯を捨てて、温めたカップに紅茶を注ぐとそれも一緒に盆に乗せてからラブラドールは給湯室を出ようとして思い出したように後戻りする。砂糖とミルクを入れた小さな瓶を盆に乗せてラブラドールは今度こそ給湯室を後にした。

廊下をまっすぐに進んでラブラドールはフラヴィの自室の前に立つ。盆を片手に持ち帰るとラブラドールは上機嫌でその扉を優しく叩いた。扉の向こうの彼女が起きるように、でも不愉快にならないくらいの絶妙な大きさで。

「レーイディ、あーけーて」

(絡ませていただきました)

Re: 【長文/開幕】さよなら世界【募集中】 ( No.56 )
日時: 2015/10/02 00:19
名前: 時谷 空 ◆AdKeSZp7eg (ID: 0ZzzaL.w)

>>50

友達を探していた、という青年は面白くなさそうに聞こえる声音でクレオパトラと白猫を呼ぶ。そして呼ばれた白猫は青年の登場に嬉しそうに鳴けば自身の手をするりと抜けると飼い主であろう彼のもとへ優雅に歩いていく。撫でる対象をなくし宙ぶらりんになっていた手をすり抜けていった尻尾の先を名残惜しそうに一撫でするとロベルトはその場に立ち上がる。

先ほどロベルトを見て一瞬だけ開いた唇に不審感を持つ。普通の人なら見逃すのであろう一瞬の行動を見逃せるほどロベルトは甘くなかった。
相手にそう思われないように聞かれたことに対し答えつつ彼を姿をその目に焼き付ける。

「まぁ、見回り、そうだな。見回りだな。うん、まぁここは最近怪しい人間でいっぱいだからなぁ。」

見回りという言葉を何度か咀嚼し市民にはバレてしまっているその本来の目的は口に出さずに後ろ手に先ほど買ったマフィンを隠すように話題を逸らす。職業柄か、怪しい恰好の人間は第一に疑うところから始めてしまうロベルトは目の前の青年スタンリーを疑わずにはいられなかった。
ホームレスだとでも言われれば納得しそうなものだが、ロベルト自身もこの猫クレオパトラの存在さえ知らなければホームレスだと言われようがそれを疑うことはなかったのだろう。
しかしこの毛並みの良い飼い猫はご飯もしっかり食べれる環境なのだろうやせ細ってもいない。そうなるとそれなりの収入はあるはずとみる。

「まぁ、なんだ。おじさんにちょっと付き合わないかい?」

そういうとスタンリーの返事を待たず先ほど後ろ手に隠したマフィンの入った紙袋からガサゴソと二つだしチョコチップがたっぷりとついたマフィンを取り出し一つどうだ。と歩きながら手渡そうとする。

そのままずんずんと進んでいくと元の大通りにでる。人通りが多いほうがもし何かあったときに敵対象に逃げられる確率は減る。もちろんその一方で市民に被害が出る可能性もあるだろう。しかしこの青年が何かそういったことをするようには思えなかったため、ロベルトはそのような行動をとる。
そしてある程度歩を進めたところでスタンリーに振り返り言葉を投げかける。

「…さて、あんな場所で君がそんな恰好で猫を探していた、それを聞いて我々は何を思うだろうか?君は一体何者だろうか?」





(もちろんです!知って頂いてた方がスムーズでしょうし助かります!ありがとうございます!!
時谷でも空でもなんでもお好きなように呼んでください!
こちらこそお相手しただき光栄ですほんとに…!)

Re: 【長文/開幕】さよなら世界【募集中】 ( No.57 )
日時: 2015/10/02 07:09
名前: 寝退 ◆HyWhrnhVWU (ID: FGcintdM)

>>52

【対応遅れてしまいまして申し訳ありません!確認させていただきましたが、何も問題無かったので早速登録させていただきます!ロミオくんの活躍に期待しております…!】

Re: 【長文/開幕】さよなら世界【募集中】 ( No.58 )
日時: 2015/10/04 15:43
名前: 佐鳥 (ID: LuHX0g2z)
参照: ショートケーキにしてみましたんm(__)m

>>55

軽やかに扉を叩く音によりフラヴィは眠りの底より目を覚ます。机に突っ伏していた頭を勢いよくあげるとデスクを照らしていたライトにこれまた思い切りぶつかり大よそ女性らしさとはかけ離れた野太く大袈裟な声が「うはっ!?」と仕事部屋に木魂した。

前頭葉の辺りをさすりながら、ノックの音を聞いたフラヴィは扉に向かって歩く。ちらりと目線を贈った時計の針は自分が先程眠りについてからさほど時間が経過していないことを伝えているのが解った。こんな安らかな休息の時間に誰だ? と多少寝起きの不満そうな顔を称えながら扉を開けるが、そこに立っていた人物が自分を多大に慕う有能な秘書である少女であり、彼女が盆にお茶とケーキを乗せて持ってきていることを確認すると、フラヴィは途端に目及び瞳孔をカッと光らせると開口一番にこう叫んだ。

「ケーキだ!! しかもそれショートケーキじゃねーか!! アタシがチョー気に入ってるやつ!」

瞳に光を宿し指を差してそう叫ぶフラヴィは三十を過ぎた女にしてはあまりにも幼稚で頼り無く、冗談のような存在だった。するとフラヴィは紅茶やお菓子が落ちるのもまるで考慮せずむしろ構わんと言った調子でそれを運んできたラブラドールにがばっと抱き着くと機嫌よくこう捲し立てた。

「ラァァビお前マジで出来た子だよホンット解ってる! 最近ホント頭働かねーってのに色々雑務ばっかりでよっけーに疲れるしで出掛ける暇もねーしあー偶にはいちごの乗ったショートケーキ食いたいわーとか思ってたんだよもうホント気が利くゥッ! よし、入れ。一緒に食うぞ!」

Re: 【長文/開幕】さよなら世界【募集中】 ( No.59 )
日時: 2015/10/05 18:07
名前: 佐鳥 (ID: LuHX0g2z)

>>56

スタンリーはこの男の顔を、今日初めて出会う前に一度だけ見たことがあった。それは新聞の上に載せられたモノクロの写真。その精悍な眸がウルトラマリンでもはめ込んだような明るい青色をしていることは此処で初めて分かる。猫を楽しそうに撫で擦るくらいだから動物に構うのが好きなのかな、人は見た目によらないな。なんて考える。

隙だらけでヘタに立ち回る下っ端警察ならまだよかった。しかし彼はすんたりーが苦手とするヒエラルキーの一番上に属する警察総合指揮官殿。スタンリーらしく表すならば警察王国に君臨した有能な王である。その王国のお尋ね者たる闇社会の住人としては彼の部下にひっ捕らえられて打ち首になる事態だけは避けたい。というかそうやって表の道を生きていない者達は皆そうなのだろう。闇医者も、密売人も、暗殺者も、マフィアも。

(だからと言ってこれをピンチと受け取るのは、おれには少し早いんだよね)

スタンリーは他人に対して閉鎖的ながらも、それでも他者の個人情報に関しては貪欲だった。だって情報屋に休みなんてものは無い。いつでもどこでも何処かから入ってくる情報を自分の物にしてストックを溜めて行くのが普段するべき仕事だから。情報をいち早くつかむこと、更に可能ならば情報を自分の意のままに操作できるようになること。
だとしたら、この出会いは自分の働き次第では好奇と変わるはずではないか。

しゃがみ込んで足元に寄ってきた相棒の白い毛並みを手の甲でつやつやと撫でることに目線を集中させながら、スタンリーはロベルトに聞かれたことに答えた。
間近に見る彼の迫力は凄い。いつか自分が身を置いていたサーカス団のスターだった青年とはまた別の、気圧される様な雰囲気。覇気に溢れているとでもいうべきか。そう言う人間を目の前にした時、スタンリーは相手の顔を見ない。そのオーラに呑み込まれてまるで自分の存在が潰れてしまいそうな気がして何となく苦手で目を逸らしたくなるのだ。きっと自分なら彼に向けられた殺気だけで死ぬだろう。そう思う。

質問をし返しておきながら、スタンリーはその問いに「ふーん、確かにそうだね」と大して面白味のない返事をする。対して何も考えず適当な返事になってしまったがこれは本当に確かに、妙な人間は増えているなと頭の隅で考える。シチーリアという国は元々治安が良いとは言えない。

さて、此処からどうやってこの人の——何か面白いネタを引き出そうかとスタンリーは頭の中で考えたが、その思考は相手の言葉によって切れた。これはちょっとヤバいかもしれない。どういう訳かロベルトが何処から出したのかカップケーキをこちらに渡し、自分に付き合わないかと言う。

「遠慮……俺、帰りたい」

そう言うのもつかの間、この男にすっかりペースを持って行かれてしまって現在、スタンリーは大通りへと逆戻りしたのである。警察総合指揮官の大男と二人、甘味を手にして道を行く。この様な事態を人生のどの時点で想定できたことだろう。後ろには相変わらず何の苦労も無さ気なクレオパトラが軽い足取りでついてくる。

頭の中には嫌な予感ばかりが渦巻いていた。出会って間もない筈なのにどういう訳か自分は尋問されそうなのである。何故か。しばらくして嫌な予感は当たった。出来るだけ阿呆を装うことにしようか。
スタンリーは出来るだけ視線を合わすまいと前を見据えたまま、

「……バンかけされるのこれで2回目だ」

貰ったカップケーキを小さくむさぼり、ぽつりと力なくつぶやき、がっかりしたようにため息をついた。ちなみに本当のことである。

「なんか、猫が好きそうなところ行けば見つかるかと思ったからあの路地入っただけだよ。この格好は別に……地面で寝てればこうなる」


【微妙なところで返してしまいスミマセン;; そして遅れてスミマセンでしたm(__)m 
 それじゃあ空さん、改めてよろしくお願いします!!】

Re: 【長文/開幕】さよなら世界【募集中】 ( No.60 )
日時: 2015/10/07 23:11
名前: 時谷 空 ◆AdKeSZp7eg (ID: 0ZzzaL.w)

>>59


視線を合わせずにまるで関わるなとでも言いたげな態度で返答を返す青年にロベルトは苦笑し勝手に話をし始めてしまったわけなのだが。しかし、帰りたいと否定の言葉を並べながらも差し出したマフィンを受け取り尚且つ自分の後を付いて来るスタンリーは意外とお人好しなのかもしれない、そんな事を考えながらも注意は青年から外さず青年の言葉に耳を傾ける。

「……バンかけされるのこれで2回目だ」

そう溜息をつきながらもマフィン
を口にするスタンリーにロベルトは興味を示し、それは災難だなと笑う。

「美味いだろう?気に入ってる店でなァ。」

もふっとした食感にかぶりつくと口に入りきらなかったカスがほろりと地面に落ちる。勿体ないと思いつつも口内に広がる心地よい甘みを幸せそうに噛み締め目を細める。

ちらりと横目に隣を歩くスタンリーを見下ろせば先程の問にもっともらしい事を述べる。

「まぁ、2回も職務質問をされれば自分が怪しいと少しは自覚したかね?…まぁ、そんな格好であんな場所にいたんじゃ疑われても仕様のない事だ。勘弁してくれ」

すまない、と両手を上げ敵意がないように装うが今まで何度も職務質問で怪しい人間を検挙してきたロベルトはこの青年の怪しさを拭えないでいた。どこかきょどきょととした視線に目が合っていないことに気づく。視線はスタンリーから外さずにゆっくりと腕を降ろしながら残りのマフィンを口に詰め込む。よく咀嚼しごくりと音を立て飲み込み再び彼に質問を投げかけた。

「ところで青年。先程から聞こう聞こうと思っていたのだが、名前はなんという?
おっと、名を聞くのであればこちらが先に名乗るのが礼儀だな。失礼した。
私はロベルト=アルジェント。見ての通り警察だ。嫌いなものはマフィア。好きなものは国民と食べ物全般。さて、君の事を教えてくれるな?」

ニヤリと笑えば青年の肩に手を置き少しだけ力を込めて先程から観察していれば一切目を合わせない青年の瞳をのぞき込み半ば無理矢理気味に目を合わせた。







(こちらこそ遅れて申し訳ないです…!はい、こちらこそよろしくおねがいしますー!)

Re: 【長文/開幕】さよなら世界【募集中】 ( No.61 )
日時: 2015/10/10 19:23
名前: 佐鳥 (ID: LuHX0g2z)
参照: http://すたんりー(とてもやばい……)

>>60
 食べた瞬間に口の中に広がる甘味は、お菓子特有のくどみが無く、軽くさっぱりとしていて確かに美味しかった。インスタントラーメンばかりで味覚が鈍っているかと自分でも思っていたけれど案外にもそうではなかったらしく、マフィンに対して賛辞を述べるロベルトの意見には共感できた。こくりと頷きそれを肯定した。
 スタンリーは手に持ったマフィンとロベルトを交互に見比べた。自分よりも高い位置にある彼の顔はマフィンを頬張ると、幸せそうな顔をする。面白い。自分よりもはるかに体格のいい男がこのような可愛い食べ物を好んでいるとは似合わなくて面白い。出会った手前、そんなことを言うつもりはないから言わないけれど、どうにも人は見た目に寄らないというのは事実らしい。

確かに土埃塗れの地面で眠って汚らしい恰好をしているのは自覚していた。しかし、それの何が問題なのだろう。服なんてしゃれっ気が無くても礼儀正しさが無くても、着られればそれで問題はないだろう。そんな風に考えるスタンリーの自分の見た目に対する無頓着ぶりはきっと大人とは呼ばれない。
相変わらずスタンリーは、ロベルトの視線から逃げるように目線だけを動かして遠くの方を見ながら答えた。

「……まあ、そうだよね。個人的には心外だけど」

はあ、と疲れた様にため息をつくスタンリーはまたマフィンを頬張った。ちまちまと食べるせいでマフィンは一向に減っていく気配を見せないままだ。しかし、隣を歩く警察は相手を避けようとするスタンリーの目を逃がしてくれなかった。唐突に視線が絡み合ったことにスタンリーは驚いてびくっと肩を跳ねさせ、また視線を右や左に動かすと、答えた。

「えっと……知ってる。貴方のことどっかで見たことある気がするから。名前もどっかで聞いたことある……様な気がする。……名前は、スタンリー」

スタンリーは仕事をする時に名前を偽らない。こうして直接的に相手に名前を名乗る時、偽名を使うことはしないのだ。それは或る意味、自分のことを偽ることで相手にこちらを詮索させるのを防ぐためでもあった。しかし、今はそれは逆効果のような気がしてならない。


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