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【質問・ご意見】専用スレッド・9コ目
日時: 2014/04/12 11:52
名前: 副管理人 ◆qMxJS2Fu4U (ID: QYM4d7FG)

いつも当サイトをご利用くださり本当にありがとうございます。

こちらでは、みなさまからのご意見やご質問を受け付けます。
※↓をよく読んでから、ご質問などをしてくださいね。よろしくおねがいします。
  

【管理人からのおねがい】

(1)めんどくさくても、できるだけ過去レスにざっと目をとおしてみてくださいね。
同じ質問&回答があるかもしれません。

(2)できるだけ、小説掲示板や雑談掲示板などでふだんからつかっているニックネームで質問をしてください。

(3)申し訳ありませんが、回答は不定期です。1週間は気長に待ってみてくださいね。


ご利用ルールに関しては「掲示板利用について」「小説☆カキコのルール」をご参照下さい。

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Re: 【質問・ご意見】専用スレッド・9コ目 ( No.680 )
日時: 2015/02/18 18:46
名前: 副管理人 ◆qMxJS2Fu4U (ID: QYM4d7FG)

(つづき)

************************

●アル・ダンディリオン

【所属・役職】不明
【年齢】不明
【身長】不明
【体重】不明
【その他】不明


●色葉 くりいろ (いろは くりいろ)

【所属・役職】不明
【年齢】不明
【身長】不明
【体重】不明
【その他】不明


●藍寄 青紫 (あいよろ あおし)

【所属・役職】不明
【年齢】不明
【身長】不明
【体重】不明
【その他】不明


●桃山 宮火 (ももやま みやび)

【所属・役職】不明
【年齢】不明
【身長】不明
【体重】不明
【その他】不明


(イースト・クルーザー・フルート・カルテット)(登場しないかも。。。)

●古糸 奏(ふるいと そう)

【所属・役職】不明
【年齢】不明
【身長】不明
【体重】不明
【その他】不明


●山吹 深音(やまぶき みね)

【所属・役職】不明
【年齢】不明
【身長】不明
【体重】不明
【その他】不明


●富士谷 奏(ふじや かなで)

【所属・役職】不明
【年齢】不明
【身長】不明
【体重】不明
【その他】不明

●棚妙 水希 (ぁ。。。)





〜2014/11/12 追記〜
またまたリンク先変更。。。これもお気に入りのゲームミュージック
『クロノクロス』より『神の庭』

(この動画は自分であげたやつじゃないので悪しからず。。。)

〜2014/11/18〜
メクチの本名のノーラントというのは、ノーラント県知事の娘という意味になるので、実際の家名"シルナリウス(Sernarious)"での呼び名を追加しました。


〜2015/02/12〜
黒衣をどんな感じで持ってくか何となくイメージが出来上がってきたので、設定を更新。。。。かなり長身キャラです。。。
ついでに、イメージもアップ。。。。(汗汗汗汗汗汗汗)



これからだ。

これからが、書き述べるの、僕の本気だ! (from新堂)



*************************

■書き述べる さん分2


新堂がわずかに首肯すると、右手に収まっている電気ショック付手錠のスイッチをいつでも押せるよう握り直す。素早く稲森に左手を伸ばすと、宅配車でへたり込んでいる大男の様子を確認した。特に異状は無い。呆然として俯いたままだ。

 稲森が左手首に装着している腕時計の形状をした時空間転送システムのスイッチを外し、左手で持った。一歩進むと、残り一歩を残して右腕を伸ばした。一番近いのは兵士の膝のあたりか。兵士の肉体の動きの僅かな変化も見逃さず慎重に右手を近づけていく。

 稲森が呼吸のペースを落とし、耳を澄ませる。すると、他の感覚も鋭敏さを増した。頭上では雲が流れているのに、壁と宅配車に囲まれた狭小の空間は、冷気が底にこずんでいる。3人が発する物音は一切聞こえず、宅配車の向こうの町の雑音ばかりが聞こえていた。

 少しでも妙な動きを見せたら、MP5を至近距離でぶっ放してやる。覚悟の文句を胸の奥で唱えると、静かに大男の膝頭に触れた。大男は身じろぎ一つしない。急いで稲森が時空間転送システムのスイッチを押した。稲森の右脇に移動した新堂が、稲森の左手を凝視していた。

 静の転送処理を見る限りでは、完了するまで長くても20秒。この20秒を乗り切れば任務は成功裏で完了だ。

 呼吸が無意識のうちに1秒ずつになっていた。右の袖を見ていると、向こうの地面が透けて見えてきた。もう少しだ。ふと稲森の視野の右下隅で兵士の左手がピクリと動いたように見えた気がした。
 
 残り10秒を切っていたはずだった。瞳が捉えた光景がすぐに錯覚ではないことに気がつき、同時に手遅れになったことを悟った。

 稲森の顔面を覆いそうな巨大な拳が膝頭にある手首を掴んで一気に引っ張ると、拳が稲森の頸を鷲づかみにした。胸下げたアサルトライフルに手を伸ばす暇など全く無かった。

「稲森!」新堂が電気ショック付手錠のスイッチを押し込もうと右手に力を篭める。

 だが、新堂はスイッチを押せなかった。他の人間の感電防止のために名仮平の手に被せた絶縁素材の手袋の指先が破れ、生身の男の指が稲森の頸に食い込んでいた。

——くそっ!いつの間に!妙に手を握り締めたままだったのはこのためだったのか。

「新堂さん、手錠のスイッチを!」

 新堂の瞼が真円に見開かれた。できない。スイッチを押せない。最強の警備隊員の刹那の逡巡が、陸軍二等兵の更なる行動を許してしまった。

 恐らく残り5,6秒——。3人の姿が殆ど透明になった時、名仮平が左手で稲森を掴んだまま、宅配車の縁からダイビングをした。

 新堂の周囲に深い影が落とされた。頭上から2メートル50cm、重量300kg近い人の塊が新堂の空を覆い尽くしていた。絶叫はすぐに巨躯に止められ、意識の混濁した新堂に、稲森をゴミくずのように投げつけた。

 そして名仮平が鬨の声をあげ、脇に飛び退いた。積み重なった2名の警察代行の姿が殆ど風景と判別がつかなくなっていた。


——逃げ切った。

 二人が白光に包まれる。

——このようなところで終わるわけにはいかんのだ。

 白光が徐々に輝きを失っていく。

——軍にはいられない。俺に、帰る場所は無い。

 光が完全に消えた。逃げ切った。だが、どうする。
 これからどうするのだ。




(つづく)

Re: 【質問・ご意見】専用スレッド・9コ目 ( No.681 )
日時: 2015/02/18 18:47
名前: 副管理人 ◆qMxJS2Fu4U (ID: QYM4d7FG)

(つづき)

***************************


 両肩をしきりに上下させ、重たい手つきで宅配車の助手席のドアノブを掴んだ。

 ベンチシートになっている運転台の座席を体を滑らせてハンドルの前にくると、キーを差し、STARTまで捻った。甲高い音が暫し連続したのち、ガソリンエンジンが内部にため込んでいた体臭を、地を震わす低音と共にケツから一気に放出した。数分の間に冷え切っていたエンジンを通して、冷たい風がエアコンの送風口から流れてくる。
 ここに着いた時よりも明らかに静寂がかっている界隈の空気にのって、時々聞こえてくる人々の話し声と視線の中に、己の方を向いているものはどれほどあるのだろうか。まだこの時代の警察の捜査の手を免れたわけではないが、一難去ってふと気になっていた。周囲の視線や反応を気にするのは、軍人の職業癖故ではない。もっと前から、この男が巨躯と朴訥な己が性格に引け目を感じ始めた頃から、幾年もの歳月を経て体と心に染み着いた性癖だった。
 1.5人分のスペースを占める上体を猫背にして、名仮平は身じろぎ一つせず、険しい表情で暫しハンドルを見つめていた。車の外の喧噪が徐々に意識から遠のいていき、仕舞いに名仮平は静寂しじまの中に身を堕としていた。

 幼少の頃から何をやっても人より劣り、周りから馬鹿にされてきた。男子なら羨望の目で見られることもあるはずの長身も、誹謗中傷の種にされた。それでも両親は出来損ないの彼を見捨てず、我が子を慈しみ、時には叱咤し、ひたすらに愛をもって接してくれた。一人っ子の彼には、両親だけが信じられる人間であった。
 そして、何とかして両親の目の黒い内にこの大きな恩を返そうと、唯一の取り柄である馬鹿力を頼りに、陸軍を志願し、入隊することができた。だが、結局ここでも要領の悪さは直らず、学生の頃と同じ道を辿ろうとしていた。人格を否定され、器物のように扱われる日々がまた蘇ろうとしていた。いや、ただ生理的な嫌悪感からコケにされていた子供の頃よりも、幾重もの奸計の上に成り立つ大人のいじめの方が遙かに陰惨、陰湿であるのは言うまでもなかった。そんな中、機を見計らったかのように己が身に届いた強化装甲兵テスト運用参加の指令。世界でも前例のない、生体を装甲とする技術のモルモットに、己が選ばれた理由はすぐにわかった。あまりにも露骨な仕打ち故に、上官がブリーフィングでこの指示が出された経緯を回りくどい言葉で説明していたのが、馬鹿らしくさえ思えた。


 俺は役立たずの烙印を押され、軍のモルモットとして、肉体や精神はおろか、命までも百円の玩具のように弄られ、壊され、使い捨てにされようとしている——。

 己が身に降りかかる災厄がどんなに克明に見えていても、日本海溝よりも深い軍のヒエラルキーの底辺にいる一兵卒に選択の余地は無かった。失敗する可能性の方が高い、頭蓋骨全部の改造手術と頸強化手術を乗り越え、幾つかの後遺症という爆弾を抱えつつも世界初、人類有史以来初の肉体が装甲化された生身の人間の兵士が誕生したのである。
 そして、思わぬおまけも付いてきていた。今日任務の現場に出向き、実戦を経て初めて気づいたのだが、全身の筋力も大幅に強化されていたのである。攻撃系を強化するとなると、海外の目が厳しくなるために公にしなかったのだろう。駅前戦闘で、図太いボルトでコンクリートの地面に固定されているコインロッカーを引き抜けたのも、あの巨漢覆面の運び屋を片腕で吊せられたのもそれがためであった。恐らく1兵士の能力で比べるとしたら、地球上で最強の部類であることは間違いなかった。
 誰もが無謀と考えた、だからこそ名仮平の最後のミッションにされた、世界最凶の闇組織の構成員の身柄拘束。人類の叡智を結集したこの力を以てすれば、決して不可能ではないことが、己が五感を通して思い知らされた。先ほども、名の知れた警察代行の隊員ともう一人をしてきたばかりだ。

 名仮平の意識がうつつの音を感じ始める。居眠りから醒めたかのように、頸をバネのようにのばした。フロントガラスを通して見える風景は、最後に見たときと何かが変わったかようには見えなかった。どのくらい沈潜していたのだろうか。知らぬ間にハンドルを握っていた。左右の手にジワリと力を籠める。今まで感じたことのない感覚だ。
 両親の労苦に報いるために、己を足蹴にしてきた人間どもを見返してやるために、陸軍に入隊したのに、そこで感じることの無かったこの感覚、名状しがたき希望の炎の熱さ。何かできるはずだ。

——何かしてやる。この力で・・・。

「何かしてやる!」

 一瞬、右のこめかみに針で刺したような痛みが走った。急に興奮して頭に血が上ったか。即座にその考えを振り払った。

——違う。

 今度は同じ側のこめかみから、一条の冷や汗がごつごつした大男の肌をゆっくりと舐めていった。そしてまた頭部に疼痛が走る。今度はもっと額に寄っている。

「まさか、まだ——」

 また痛みだ。今度は拳大の石を頭蓋骨の内側にずりずりと押さえつけられたような激痛だ。しかも一瞬ではない、まだ続いている。名仮平がハンドルから両手を放し、二つの拳で力の限り額を叩いた。叩いて呻いて、そしてまた叩いた。
 宅配車が音を立てて右に左に、前後左右に揺れ、車を中心に、少し距離を置いて人の輪が作られていく。

 そして死ぬまで続くかのような痛みが急にひいた。全身が蒼白になり、恐怖で指先から足の指からあまねく肉体を震わせて、身につけていたジャケットの内ポケットをまさぐった。右、じゃない。左だ。確か左に錠剤を入れたはずだ。
 大きな力を手に入れた代償。装甲化手術の副作用を沈静化する小さな錠剤を、巨躯をばたつかせ、必死に探していた。副作用がいつもよりも早く発症していた。激しい戦闘の影響なのか。恐慌に陥っている名仮平の脳裏に、異常事態の原因として思い当たる事象が洪水のように流れ込んでくる。希望の炎は恐怖で氷と化していた。

——あった!





〜2015/02/08〜

名仮平、なんと逃げ切っちゃいましたねぇ。。。。
名仮平に終了フラグ立てて読まれてた人に対しては。。。。僕の勝ちだ(ぉぃ)


でも、まだこの回続きますので、「保留」です。。。。(長ぇょ!)


久しぶりに入賞作品リスト、昔から溯ってみてたら、原作(原作予定)の2作品がでてきて、少々溜息。。。。
ECとウェルリア、また更新再開しないかなぁ。。。。とか。。ね。。


〜2015/02/12〜
ちょっとキャラ設定を更新しました。。。。ほんのちょっとです。。。 >>206
ただし、3DCGの女の子の絵とか苦手な人や、美少女げーに嫌悪感を感じる人は、絶対見ない方がいいです。。。(何?!)

(つづく)

Re: 【質問・ご意見】専用スレッド・9コ目 ( No.682 )
日時: 2015/02/18 18:49
名前: 副管理人 ◆qMxJS2Fu4U (ID: QYM4d7FG)

(つづき)

***************************

■書き述べる さん分3


 ベンチシートになっている運転台の座席を体を滑らせてハンドルの前にくると、キーを差し、STARTまで捻った。甲高い音が暫し連続したのち、ガソリンエンジンが内部にため込んでいた体臭を、地を震わす低音と共にケツから一気に放出した。数分の間に冷え切っていたエンジンを通して、冷たい風がエアコンの送風口から流れてくる。

 ここに着いた時よりも明らかに静寂がかっている界隈の空気にのって、時々聞こえてくる人々の話し声と視線の中に、己の方を向いているものはどれほどあるのだろうか。まだこの時代の警察の捜査の手を免れたわけではないが、一難去ってふと気になっていた。周囲の視線や反応を気にするのは、軍人の職業癖故ではない。もっと前から、この男が巨躯と朴訥な己が性格に引け目を感じ始めた頃から、幾年もの歳月を経て体と心に染み着いた性癖だった。

 1.5人分のスペースを占める上体を猫背にして、名仮平は身じろぎ一つせず、険しい表情で暫しハンドルを見つめていた。車の外の喧噪が徐々に意識から遠のいていき、仕舞いに名仮平は静寂しじまの中に身を堕としていた。

 幼少の頃から何をやっても人より劣り、周りから馬鹿にされてきた。男子なら羨望の目で見られることもあるはずの長身も、誹謗中傷の種にされた。それでも両親は出来損ないの彼を見捨てず、我が子を慈しみ、時には叱咤し、ひたすらに愛をもって接してくれた。一人っ子の彼には、両親だけが信じられる人間であった。

 そして、何とかして両親の目の黒い内にこの大きな恩を返そうと、唯一の取り柄である馬鹿力を頼りに、陸軍を志願し、入隊することができた。だが、結局ここでも要領の悪さは直らず、学生の頃と同じ道を辿ろうとしていた。人格を否定され、器物のように扱われる日々がまた蘇ろうとしていた。いや、ただ生理的な嫌悪感からコケにされていた子供の頃よりも、幾重もの奸計の上に成り立つ大人のいじめの方が遙かに陰惨、陰湿であるのは言うまでもなかった。そんな中、機を見計らったかのように己が身に届いた強化装甲兵テスト運用参加の指令。世界でも前例のない、生体を装甲とする技術のモルモットに、己が選ばれた理由はすぐにわかった。あまりにも露骨な仕打ち故に、上官がブリーフィングでこの指示が出された経緯を回りくどい言葉で説明していたのが、馬鹿らしくさえ思えた。

 俺は役立たずの烙印を押され、軍のモルモットとして、肉体や精神はおろか、命までも百円の玩具のように弄られ、壊され、使い捨てにされようとしている——。

 己が身に降りかかる災厄がどんなに克明に見えていても、日本海溝よりも深い軍のヒエラルキーの底辺にいる一兵卒に選択の余地は無かった。失敗する可能性の方が高い、頭蓋骨全部の改造手術と頸強化手術を乗り越え、幾つかの後遺症という爆弾を抱えつつも世界初、人類有史以来初の肉体が装甲化された生身の人間の兵士が誕生したのである。

 そして、思わぬおまけも付いてきていた。今日任務の現場に出向き、実戦を経て初めて気づいたのだが、全身の筋力も大幅に強化されていたのである。攻撃系を強化するとなると、海外の目が厳しくなるために公にしなかったのだろう。駅前戦闘で、図太いボルトでコンクリートの地面に固定されているコインロッカーを引き抜けたのも、あの巨漢覆面の運び屋を片腕で吊せられたのもそれがためであった。恐らく1兵士の能力で比べるとしたら、地球上で最強の部類であることは間違いなかった。

 誰もが無謀と考えた、だからこそ名仮平の最後のミッションにされた、世界最凶の闇組織の構成員の身柄拘束。人類の叡智を結集したこの力を以てすれば、決して不可能ではないことが、己が五感を通して思い知らされた。先ほども、名の知れた警察代行の隊員ともう一人をしてきたばかりだ。

 名仮平の意識がうつつの音を感じ始める。居眠りから醒めたかのように、頸をバネのようにのばした。フロントガラスを通して見える風景は、最後に見たときと何が変わったのかわからなかった。どのくらい沈潜していたのだろうか。知らぬ間にハンドルを握っていた。左右の手にジワリと力を籠め、ステアリングの感触をじっくりと味わう。何故か、冷たく硬い樹脂製の輪から受ける反発力が、己に潜む何かの覚醒を促しているように感じられた。こんな感覚は生まれて初めてだ。

 両親の労苦に報いるために、己を足蹴にしてきた人間どもを見返してやるために、陸軍に入隊したのに、そこで感じるべきであったはずのこの感覚、名状しがたき希望の炎の熱さ。何かできるはずだ。例え己の向く先に正義が見えようと悪が見えようとも。

——何かしてやる。この力で・・・。

「何かしてやる!」

 沸き上がる意志を漏らさぬように、声を押し殺して叫ぶと一瞬、右のこめかみに針で刺したような痛みが走った。急に興奮して頭に血が上ったか。即座にその考えを振り払った。

——違う。

 今度は同じ側のこめかみから、一条の冷や汗がごつごつした大男の肌をゆっくりと舐めていった。そしてまた頭部に疼痛が走る。今度はもっと額に寄っている。

「まさか、いやまだ早過ぎる——」

 また痛みだ。今度は拳大の石を頭蓋骨の内側をガリガリと削られるような激痛だ。しかも一瞬ではない、まだ続いている。名仮平がハンドルから両手を放し、二つの拳で力の限り額を叩いた。叩いて呻いて、そしてまた叩いた。

 宅配車が音を立てて右に左に、前後左右に揺れ、車を中心に、少し距離を置いて人の輪が作られていく。何人かは先を急ぐため輪を外れ、また別の何名かはスマートホンを取り出し、警察に通報している。更に別の何名かは、滅多に見られない異常事態に、好奇の感情に流されるがままに、カメラのレンズを向けていた。

 死ぬまで続くかのような痛みが急にひいた。全身が蒼白になり、恐怖で指先から足の指からあまねく肉体を震わせて、身につけていたジャケットの内ポケットをまさぐった。右、じゃない。左だ。確か左に錠剤を入れたはずだ。

 大きな力を手に入れた代償。それも同じくらいに甚大であった。装甲化手術の副作用を沈静化する小さな錠剤を手にするために、狭い運転席で巨躯をのたうち回らせ、足掻いていた。副作用がいつもよりも早く発症していた。激しい戦闘の影響なのか。恐慌に陥っている名仮平の脳裏に心臓に、不測の事態の元凶として思い当たる事象が無数の氷のつぶてとなって突き刺さってくる。希望の炎はその形を保ったまま氷の像と化していた。

——あった!

 予想通りの場所に期待するもの見つけ、強面が刹那緩む。そして錠剤の包装を破ろうとしたその時、再度激痛が襲った。さっきよりも更に痛みが酷くなっている。回数を重ねるにつれ、症状が重たくなっている。名仮平が絶叫した。錠剤を手放すことは無かったが、あまりの激痛で錠剤を手にした拳を解くことができなかった。拳だけではない。両腕が痺れていうことをきかない。



(つづく)

Re: 【質問・ご意見】専用スレッド・9コ目 ( No.683 )
日時: 2015/02/18 18:49
名前: 副管理人 ◆qMxJS2Fu4U (ID: QYM4d7FG)

(最後の部分です)

************************

 音圧を更にあげた雄叫びに身を任せ、名仮平が上体を全力で折り曲げてハンドルに顔面を叩きつけた。ハンドル中心に点々と血糊がこびりつき、クラクションがけたたたましく鳴り響く。肉体を傷つけた痛みよりも、内側から沸き上がる痛みの方がまさっていた。直ぐに巨躯を起こし、同じことを繰り返した。そのたびにクラクションが唸り、血糊の飛び散る領域が広がっていった。

 連続するクラクションと何かがぶつかる鈍い音の連続に、他人事のように様子を眺めていた人だかりが一気に霧散した。

 額からおびただしい本数の真っ赤な筋を垂らし、意識朦朧になっても、痛みはひかない。鼻も潰れ、唇が切れていた。ハンドルの中心が原型をとどめられないほどに砕かれていた。それでも名仮平が上体を投げ出そうとすると、一瞬バランスを失い、床で踏ん張っていた右足が床から浮き、横滑りした。正体せいたいを失った名仮平が、無意識に右足を踏ん張り直した瞬間、後の祭りが始まりのときを迎えた。

 運転台の斜め下前方からエンジンのすさまじい回転が響いてくると、FF方式の宅配車が左右の前輪から白煙をあげて急発進した。名仮平の体が背もたれに強かに打ち付けられた。巌のように堅い頭蓋が、宅配車のヘッドレストをへこませた。

 繁華街の100mに満たない短い道路を時速60kmで突っ切り、更に加速した緑色の宅配車が、駅前ロータリーの歩道に突っ込んでいった。尻餅をつき絶体絶命の利用客等の目と鼻の先で、車体が歩道の縁石に引っかかり跳ね上がると、斜め右に方向転換してまた一直線に猛進した。寸でのところで宅配車との接触を免れ、別の方向に逃げていた乗降客らが、宅配車のイレギュラーな動きにパニックに陥っていた。ヒールに足を取られたOLと思しき若い女性を車体のきわで接触し、脇に飛ばした。次の瞬間には、転倒していたスーツ姿の男性の右足をひいた。

 加速し続ける車輪のついた鋼鉄のの殺戮マシンは、ロータリー脇のガラス張りのベーカリーに牙をむけた。そこには逃げ場を失い大きな窓ガラスの前に立ち尽くす、丈の長い漆黒のピーコートを羽織った女子高生の姿があった。1秒も経たぬ内に車は学生をガラス諸共、4メートル向こうの厨房まで弾き飛ばしていた。宅配車はガラスと人体の衝突時の衝撃で、その場に横転してようやく止まった。




——クラクションは未だ、鳴き続けていた。

——パトカーのサイレンが低層ビルの列の向こうから接近してきていた。

——口から血を流す学生を抱える店主の声が、開け放たれた店の正面から飛び出していった。


 幾多の人為の音が複雑に絡み合った無色透明の塊が、霧の晴れた群青の空を昇っていった——。





〜2015/02/15〜

まだまだ保留です。

今メインPC、サブPCがアク禁になってしまい、最後の希望の光のPCから投稿しています。。。。。
最初URL入れたからかど思ってましたが、URL入れてないじゃん。。。。

何故。。。。。。。

で、あとついでに、キャラ絵アップしました。。。。
いつもゲームのキャラメイクで作った画像のっけてますが、今回は何を血迷ったか、ペンタブとデッサンツール(Design Doll)で描きました。。。。なのでラフ以下クオリティです。。。。(汗)

ちなみにキャラは最後に登場した(車に轢かれた)玄漆 黒衣(くろうる くろえ)です。。。。
 身長180cm超の8頭身女子です。。。

 (長身黒髪ベリーショート最高っっっ。。。。) (ぇ???)


それでは、また〜〜〜

(もしかすると、1レス当たりのボリュームではじかれているのかもしれません。試験的に少しボリュームを減らして投稿して試してみていただくとよいかもしれません。あるいは、特殊文字等ではじかれている可能性もあるかもしれませんので、もしお使いでしたら外してみてください。何かと旧式な仕様で申し訳ないです。 副管理人1 2015.02.18)

Re: 【質問・ご意見】専用スレッド・9コ目 ( No.684 )
日時: 2015/02/18 18:55
名前: ★ (ID: hodsxr1W)

ありがとうございます!(‾∇‾*)ゞ

Re: 【質問・ご意見】専用スレッド・9コ目 ( No.685 )
日時: 2015/02/18 19:30
名前: 副管理人 ◆qMxJS2Fu4U (ID: QYM4d7FG)

>>661
>>662さんの回答フォローがあるので省略します。
662さんありがとうございます。
もしよろしければ、今後ともどうぞよろしくお願いします。


>>664
ご不快な思いをおかけし申し訳ないです。
後程ざっくり削除しておきます。
他にもお気づきの点等がございましたら何なりとご指摘ください。
もしよろしければ、今後ともどうぞよろしくお願いします。


>>668
確認してみたのですが、こちらでしょうか?
http://www.kakiko.cc/novel/novel2a/index.cgi?mode=view&no=3646
具体的には、どのレスが荒らしとお感じになっておられますか。
ご不快なレスについては削除させていただきますので、ご遠慮なくレス番号をお知らせください。
もしよろしければ、今後ともどうぞよろしくお願いします。


>>665 >>666 >>667 >>670
一方的なこちらの都合で、普通に使っておられるだけのところご不便をおかけし申し訳ないです。
解除済みですのでよろしければご確認ください。
もしよろしければ、今後ともどうぞよろしくお願いします。


>>672
大変長らくお待たせしてしまい申し訳ないです。
荒らしや業者と通常ご利用者様との窓口が一緒というのがログインなしのデメリットです。
通常のご利用者様に、その点でご負担をかけていることは承知しております。
申し訳ないです…。
もしよろしければ、今後ともどうぞよろしくお願いします。

Re: 【質問・ご意見】専用スレッド・9コ目 ( No.686 )
日時: 2015/02/18 19:36
名前: 副管理人 ◆qMxJS2Fu4U (ID: QYM4d7FG)

>>660
前後してしまい申し訳ないです。
確認してみたのですが、ひとまずご利用者様同士で折り合っておられるように見えますので、しばらく観察することにします。
こじれて深刻になりそうな気配がありましたら、良くわからないケースでもかまいませんので、何度でもご遠慮なくこちらまでお知らせください。
その場合は直接管理者がコメントを残すように致します。
もしよろしければ、今後ともどうぞよろしくお願いします。

Re: 【質問・ご意見】専用スレッド・9コ目 ( No.687 )
日時: 2015/02/18 21:34
名前: 書き述べる ◆KJOLUYwg82 (ID: NSxNy3Qq)

ありがとうございますっ(涙)

更新できるようになっているの確認しました!

安心しました。。。ホントに。。。


マイナスがゼロに戻っただけなのに、とても得した気分です(苦笑)


文字数と機種依存文字については気を付けようと思います。。


どうもご苦労様でした〜〜〜!

Re: 【質問・ご意見】専用スレッド・9コ目 ( No.688 )
日時: 2015/02/19 20:44
名前: ミルクココア (ID: /ReVjAdg)

ミルクココアという者です
新なりきりの所へ行こうと思ってクリックしても
戻ってしまいます…パソコンでやってもできませんでした。URLなどや迷惑行為をした覚えがないです…。もし、あったとしたら深く反省しますのでアクセスさせてください宜しくお願い致します。

Re: 【質問・ご意見】専用スレッド・9コ目 ( No.689 )
日時: 2015/02/20 19:27
名前: 愛叶 ◆IQdwJMoQ0I (ID: tnkG6/9W)

新しいなりきり掲示板から他の板には飛べるのですが、小説板からは飛べなかったりしますよね。
もしご暇があればリンクが欲しいです。

ネットにはあまり詳しくないのですが……

・文字数を増やすことはできないか?
・url欄を増やすことはできないか?
・意図しない単語でのブラックリスト入りをどうにかできないか。

淡々と偉そうな文ですみません、御検討おねがいします。


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