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放課後オカルティカ
日時: 2018/09/29 22:26
名前: 宝治 (ID: iihmFlhR)

終業のチャイムは放課後が始まる隠世かくりよからの知らせ。
がらんどうの校舎は生徒達の迷宮に変わる。
トワイライトに照らされる校庭、伸びる影が蠢く。
…… ねえ、知らない方が良かったなんて、今更だよ?
■ ■ ■ ■ ■ ■

【概要】
シリアスあり、ホラーあり、もしかしたら戦闘もあり。
シナリオゴール、イベントなどは用意しております。 参加者様は高校生として非日常的な現象を調査して頂きます。 各回ごとに参加メンバーを募り、予め定めた条件を満たせばシナリオEND(エンディング)に至ります。
【期間】(参加者の書き込み頻度にもよるが)2,3ヶ月以内の終了を目標とする。短期集中型です。

【注意事項】>>2
【投稿ルール】>>3
【設定】 >>4 <制服>>>10
【キャラクターシート】 >>5
【募集要項】>>6
【NPC一覧】 >>7
【生徒】  
1-B 白銀しろがねれい>>12(銀色の気まぐれ者さん)
1-B 古沢ふるさわ友宏ともひろ>>21(初心さん)
1-D 如月きさらぎ有栖ありす>>46(ももももさん)
2-C 葉山はやま梨乃りの>>42(詩音さん)
2-E 古版こはん伊悠いゆう>>16(荏原さん)
2-E 垣戸がいど了子りょうこ >>8(宝治)
3-A 鞍内くらうち令太れいた>>9(宝治)

◆Very thanks!!◆!
2018/06/08 詩音さんより、応援イラストを頂きました!
オリジナルイラスト掲示板に掲載中ですので、ぜひご鑑賞下さい。

シーン別流れ
伊悠・了子   :>>14,>>17,>>26,>>29,>>31,>>33,>>36,>>39,>>51,>>53,>>60,(伊悠・有栖・了子シーンへ)
有栖      :(>>45,>>47,>>52,>>57,伊悠・有栖・了子シーンへ)
伊悠・有栖・了子:>>61,>>64,>>65,>>67

礼・友宏   :>>13,>>15,>>18,>>19,>>20,>>22,>>23,>>24,>>25,>>27(礼・令太シーンへ)
礼・令太   :>>28,>>30,>>32,>>34,>>35,>>37,>>38,>>40, (礼・梨乃・令太シーンへ)
礼・梨乃・令太:>>44,>>48,>>49,>>50,>>54,>>55,>>56,>>58,>>59,>>62,>>63,>>66,>>68


「あらすじ」
今年5月、夜津花学園に転校生・白銀礼がやってきた。
オカルト同好会、占術愛好会、宗教研究会はそれぞれの目的から彼を自身の部活へと引き入れようと画策したが、内気な礼は彼らの強引な態度に激怒し勧誘を断った。
その様子を陰から監視していた探偵倶楽部所属・鞍内令太。彼は探偵業の一環として、3つの部活の悪事を暴こうとしているそうだ。二人は彼らの陰謀を暴くために行動を共することになる。白銀が剣道部へ入部届を出す道中、了子の親友・葉山梨乃と遭遇し、成り行きで剣道部部長の交渉に協力してもらうが、希望は拒絶される。……どうやら裏で宗教研究会の働きかけがあったようで……?

図書室では、探偵部部長・垣戸了子と図書委員・古版伊悠が、怪文書の謎に挑んでいた。その文書の内容は「新しく来た学生と仲良くしてほしい」というもので、真意は不明。
分かることは、送り主の名が「ヨルガホ」であること。どうやらこの学園に伝わる噂「ヨルガオ様」と関係しているようだ。このヨルガオ様をよく知る者・図書委員長の神田栞子が現れ、「禁忌」「おまじない」「出没スポット、目撃証言」に関する情報を提供した。ヨルガオ様を目撃した者はオカルト同好会の影井実らしい。

図書委員・如月有栖は神田栞子と図書整理をしていたが、神田は仕事の途中で消えてしまう。
独り取り残された有栖は奇妙な体験をした。見つけた栞には黒い押し花の装飾と句が添えられていたが……。

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Re: 放課後オカルティカ ( No.32 )
日時: 2018/06/03 22:11
名前: 宝治  ◆wpAuSLRmwo (ID: iihmFlhR)

>>29

伊悠の送ったメールにはすぐ返信が来た。
直接会って話したいとのことで、その内容を確認した十数分後には分厚い本を小脇に抱えた女子生徒の姿が図書室の扉に見える。

「遅れてしまってごめんなさい、古版さん。旧書庫の方から急いで来たもんだから汗だくになっちゃった」

受付カウンターにそっと本を降ろした後、スカートのポケットからハンカチを取り出し、たおやかな所作で首筋の汗を拭う彼女こそ、
図書委員長、神田かんだ栞子しおりこその人である。
背丈は160cmほど。女性らしい体型をしていて、皺ひとつないスカートと、洗濯ノリの効いたシャツは、着る者の育ちの良さを示している。
神田は、初等部一年から高等部三年に至る現在までを夜津花学園で過ごした生徒…いわゆる"はえぬきさん"だ。
女子高生には思えぬほどの落ち着きと相手に安心感を与える微笑みが、彼女を母や姉のような存在に錯覚させる。
また、委員会活動が始まったその学年からずっと図書委員を貫き通している筋金入りの図書室好きでもあり、
校内の蔵書に関して言えば、電子上の蔵書検索エンジンで目当ての本を探すよりも、栞子を頼った方が数段早く数倍確実に目的のものを見つけられるともっぱらの評判である。

「神田センパイ、お邪魔してまっす」

了子はニコニコと笑顔で栞子に近づいたが、その挨拶には軽いため息と手刀が返される。

「垣戸さん、またあなたなの?うちの優秀な図書委員を良いように使うのはやめて欲しいのだけど」

探偵部としての「野暮用」で図書室に入り浸るうちに、了子の顔はすっかり委員長に覚えられてしまったらしくずいぶんと扱い慣れた様子を見せる。

「あいたっ……えへへ。だってイユちゃんなんでも知ってるから」
「古版さんも…この子になにか唆されたの?図書室を部活に使いたいだなんて。
でもまぁ、古版さんが言うなら、仕方ないわ。今日は人が居ないし、私の当直だから特別に許可します。
騒いだりお菓子食べたりしちゃだめだからね。垣戸さん、これは君に言ってるんですけど」

了子をにらみつけて黙らせた後、――神田は少しだけ雰囲気を変えた。

「それはさておき。……お二方はヨルガオさんについて知りたいんだっけ」

受付カウンターの前に広がる共用スペースにはソファが数台設置されてある。その内の一つを勧めつつ、自らも二人に向き合うようにして腰を下ろす。

「私、わりと知ってるわよ」
「ええっ?!意外な人が食いついた」
「ヨルガオ様って今は知る人ぞ知る存在だけど、私が初等部1年か2年くらいは大流行していたの。職員会議で問題になったくらいにはね」
「そ、そうなの?私は初等2年からいるけど、転校した時はヨルガオのヨの字も無かったけど…」

栞子は伊悠にいたずらっぽく微笑みかけた。

「古版さんはヨルガオ様の何が知りたい?」


【古版伊悠⇒知識:6】
以下の項目から3つを聞き出すことが出来る。なお、情報の重要度には差がある。

<ヨルガオ様関連の情報>
・オリジナルの存在
・出没スポット、目撃証言
・実際に起きた事件
・禁忌
・好きな食べ物
・容姿
・おまじない

Re: 放課後オカルティカ ( No.33 )
日時: 2018/06/06 21:57
名前: 荏原 ◆vAdZgoO6.Y (ID: 2rTFGput)

【白銀んくんの苦しさがやばそうなので早く保護したいところです……とはいえこちらも情報を集めないと詰みそうですが。
 一体ヨルガオさんは何を企んでいるのでしょうか】
>>32

「(思いのほか早い、あとそっちの本はなんだろう?)」

 栞子と新たなる本の登場に少々気が高ぶっている伊悠。それは……メールの返信でも分かっていたが、図書室が使えることになったので彼女にできる仕事はほぼほぼなくなったと思ったことも起因している。
 何せ、彼女にできて栞子に出来ないことはない取っていい。本についての知識は勿論、この学園について、学園の立場だって全て彼女が上回っているだろう。つまり、面倒くさい仕事を全て彼女に押し付けてしまえば後は出てくる真相を受け取るだけでいい。なんという誤算か、これも日ごろの行いがいいせいか……その日頃とやらは本しか読んでいない彼女はそう思った。

 了子が栞子に少々睨まれている姿を横目にしながら、再度彼女から受け取った手紙を見る。相変わらず古びた紙だということ、また特に仕掛けが隠されはなさそうだということしかわからない。だがしかし、最後の「ヨルガホ」という文字こそがやはり重要なのだと伊悠は気が付いていた。

>「ヨルガオ様って今は知る人ぞ知る存在だけど、私が初等部1年か2年くらいは大流行していたの。職員会議で問題になったくらいにはね」
>「そ、そうなの?私は初等2年からいるけど、転校した時はヨルガオのヨの字も無かったけど…」

「(了子が初等部2年の時は栞子先輩は3年)」

 了子はポジティブに言うとすれば、探求心豊かな友人。そんな彼女が下火になっていたとしても噂話を逃すとは思えない。
 ならばヨルガオ様の話は、栞子が2年の時の辺りを境目にパタリと消えてなくなったということだ。その後知るには伊悠の様に自分から知っている人に聞かねばならなかった訳だが……。
 それを考えた時、今回の犯人は高等部3年、もしくは教職といったかなり上の層に絞られるのではないだろうか。そう彼女は目星をつけた。

「(それかよっぽどのオカルトとか都市伝説好き……にしたって意味は分かんないけど。流行してたって事なら、情報もあやふやじゃなさそう? 名前を使っただけじゃないといいな)」

 だがやはり、相変わらず手紙の意味を解することはできない。新しい学友については勿論、何故仲良くしてあげようなんてことを書いたのか。それを突き止めるためにも彼女は知識を求めていたのだ。
 彼女が思案していたところ、ふと了子と話すのを一旦止めて、栞子が二人に対しソファに座るよう勧めてきた。特に断る理由もなく座る。
 恐らくその少し後には了子も勢いよく座ってくることだろう……いや、それとも話を聞くのに夢中になって座らないかもしれない。
 それはさておき。腰を下ろした時、栞子から問いが投げかけられた。

>「古版さんはヨルガオ様の何が知りたい?」
「(何、か)……」

 伊悠は、微笑みかけてきていた栞子の目をじっと見る。
 まるで全ては話してくれそうな口ぶり。そう感じ取っただけだが、何となく間違っていない気がする。
 普段ならもう少し悩む所だったが、今回は大方決まっていた。なので彼女は淡々と答えた。

 ヨルガオ様自体の情報は伊悠自身がある程度知っている。重要なのは栞子先輩が持っていてかつ、伊悠が持たないものだ。

「……どこで見たのか、とか」
→出没スポット、目撃証言

 ヨルガオ様が旧制服を着た女学生である、という情報があるのならば見たという人間がいるはずだ。これを渡した人もそのスポットを認識している可能性がある。

「……嫌いなこと、ダメなこと……」
→禁忌

 曰く、ヨルガオ様は呪いや祟りを起こせる存在。まさしく禁忌ともいえる行動をすれば逆説的に犯人をおびき出せるのではないか。
 この二つが聞こうと思っていたものだ。

「……あと、対象法? おまじない……のような」
→おまじない

 得てして、こういった噂話には対象法と言うものがある。口裂け女のポマード、そう言ったものの話があれば。
 ……最後のは、禁忌を聞いた了子が試すのを恐れた故に思いついた質問であった。
 これで3つ、これ以上は聞きすぎだろうと口が止まる。元よりそれほど動いていないが。

「………私は、それが知りたい」

 手に持っていた手紙もついでだと栞子に見せ、彼女は反応をじっと待った。

Re: 放課後オカルティカ ( No.34 )
日時: 2018/06/06 22:54
名前: 宝治  ◆wpAuSLRmwo (ID: iihmFlhR)

>>31

>「ここにいるけど。――」
「…へ?!」

ことのほか至近距離にいた礼を認識するには、束の間の時が必要だったようだ。令太はあっけにとられた様子で目の前の尾行対象を見つめた。探偵倶楽部部員の名折れである。
恥ずかしさを隠すようにあたふたした後、コホンと空咳を一つしてから青年は居住まいを正した。

「あー、はは。ばれちまっちゃあしゃーねえ。仕切り直しだ。……こそこそ嗅ぎまわって悪かったな。一応これも部活動でさ。俺は3年の鞍内くらうち令太れいただ。趣味は球技とゲーム。昔はゲーセンに入り浸ってたけどここら田舎だから無くてよー。寮の俺の部屋にPS4あるから今度来いよ、な!」

緊迫した状況を解きほぐそうとしたのか、令太はおおよそ場違いな自己紹介を始めた。しかし礼は一貫してビジネスライクな冷たさで、探偵部の捜査に協力はするが信頼はしない、そう言い切った。かれの相手を品定めするような無機質な視線と態度に令太は少し面食らう。

「おう、協力してくれるんならそれでいいぜ。よろしくな、…礼。そーだな、立ち話もなんだし、カフェテリアにいかねえ?菓子パンでも食いながら話そうぜ。なんか奢るわ」

【カフェテリア】

最上階にあるカフェテリアは、昼時は学生食堂としての機能を果たし、放課後は生徒の憩いの場となる。
令太は自販機でメロンパンとソーダを買ってから話を切り出した。

「礼はさ、夜津花に来てよく分からん連中に追っかけまわされて大変なんだよな。……あいつらやべえよ、まじで。オカルトも占いも相当キてるけどよ、特に宗教研究会はエグいと思うぜ。部員にお布施要求するのは当たり前、上納金が足りなきゃ奴隷扱いさ。なんでもあれは学外の新興宗教組織の支部みてーなもんらしいのよ。けど、そいつらがなぜ礼を欲しがってるか、そこが分からねえ」

ペットボトルのキャップを捻る。炭酸がはじける。それを豪快に飲み干してゲフっと一息。

「礼の身内に大金持ちとか権力者がいりゃあ話は別だけどよ。立ち聞きした話によりゃあ、……その、ご両親、亡くなったんだろ。身よりもなくてばあちゃん家に引き取られたとか、なんとか…」

菓子パンの包装を破っていた令太の手がふと止まった。

「や、わりいな。余計なこと詮索しちまって。けどさ、もしかして礼のばあちゃんがなんか知ってたりすることって、ねえかなぁ?」

Re: 放課後オカルティカ ( No.35 )
日時: 2018/06/07 09:22
名前: 銀色の気まぐれ者 ◆MMJVxNkRYU (ID: yOB.1d3z)

「・・・・協力はするが、プライベートでの干渉はしない。それに、PS4ならこちらも持ってる。」

”誰も信じない”そんな思いが籠った冷たい瞳を男子生徒________いや、鞍内に向ける。まぁ、白銀にとっては”信じない”ではなく、”信じれない”のだろう。小さい頃、白銀は小学校へ通っていた。そこでの成績やテストは、すべて家に影響する。成績がオール5の日は、ゲームを買ってもらい、様々な素晴らしい待遇をうけた。だが、なにかがひとつでも下がれば「どうしてできないの」と暴行を加えられる。風邪にかかっても、インフルエンザにかかっても、”勉強”をしなくちゃならない。学校を休むことは許されない。周りは、そんなことは気付いていただろう。教師だって、わかっていただろう。それでも、それでも。白銀に手を差し伸べる人は居なかった。元々、”助けてもらおう”なんて考えても無駄なのだ。”所詮他人”なのだから。友達と思っていた人でも、親友だと思っていた人でも、誰も、助けてはくれない。一人ではぬけだせない、なにも支えがない状態で、白銀はたまにくる祖母とゲームだけを支えに生きてきた。祖母が来た際になにか買ってくれることが頻繁にあるのだが、そこではいつもゲームを頼んでいた。そのため、昔のものから現代のものまで、様々なゲームを白銀は持っている。白銀のことを親身になって聞いてくれる人などいないのだから。それなら、それならば。ゲームで遊んで、その時間だけ忘れればいい。

「いや、いい。」

そう言い放つと、鞍内と共にカフェテリアへ向かった。

【カフェテリア】

カフェテリアはどんな時でも大体5人以上は人がいることに少々うんざりしながら、自販機へすすむ手を止める。もしかしたら吐くかもしれない。食べるのはやめておこう、と思い自販機へすすむ手をひっこめ、メロンパンとソーダをもっている鞍内の話を聞く。

(ふむ、そんな情報が・・・・って頭痛と腹痛が・・・・。)

まったくそのことを顔に出さずに、話を聞く。ふと、両親の話になった時、「むしろ、あの人達が死んで寿命が延びて嬉しいくらいだ。」と横やりをいれる。冗談のようにも聞こえないが、両親の死を悲しんでいるようにも見えなかった。話を聞き終わると、また口を挟む。

「あの人達・・・・両親については、気にしなくていい。ばあちゃんは、なにか知ってるかもしれないけど。俺と違って、多少の親戚付き合い位あっただろうし。」

両親のことを、”母さん”や”父さん”と頑なに言わない。まぁ、そう認識していないのだろう。白銀にとって、恐怖の対象でもあり恨みが一番ある人、なのだから。そして、”気にしなくていい”というのは、まぁ”気遣わなくていい”という意味だろう。

Re: 放課後オカルティカ ( No.36 )
日時: 2018/06/16 21:22
名前: 宝治  ◆wpAuSLRmwo (ID: iihmFlhR)

>>33

【栞子に手紙を見せる】【古版伊悠:直感3→???】

「古い便せんねえ。どれどれ」

実物を手に取り、精査する栞子。

「……うーん、内容は普通だし、紙の劣化具合もフェイクとは思えない。貴重な歴史資料ね。もう少し時間をくれたらもっと分かることがあるかもしれないけど。預ける気はある?」

「ど、どうしよう、伊悠ちゃん。預けるべき?」

【預ける/預けない の選択をお願いします】

* * * 

「それじゃあ古版さんの質問について、答えやすいものから順に説明していくわね」

了子は伊悠の隣に座し、わくわくと身を震わせている。

「まず、おまじないについて。残念だけれど、私が知るおまじないはヨルガオ様の撃退法って訳じゃなくて、占いとか願掛けの類に近いかな。方法はとっても簡単。旧校舎に面した裏庭には野生の夜顔が群生しているから、一つ蕾を摘んで来る。願い事を唱えながらね。その日の夜のうちに蕾が開けば、願いは叶う。萎めば永遠に叶わない」

栞子が語るヨルガオ様の噂とやらは拍子抜けするほど平和な内容で、了子は早々に不満の声を上げた。

「えー、なんか乙女チックというか、オカルトっぽくないというか。一風変わった花占いみたいなもんじゃん」
「『開いた花弁が黒ければ、摘んだその子は死ぬでしょう』」

座った拍子に寄ったスカートの皺を正し、俯き加減で栞子はぼそりと呟いた。
その所作も表情も大和撫子然とした可憐さを漂わせているが、声色だけはことのほか暗く低い調子で、聞く者の背に氷を押し付けるような不安を覚えさせる。

「ヨルガオ様が子供だましのおまじないで済むはずないでしょう。もちろん、続きはあるわ。その日のうちに咲いた夜顔が黒い花弁をつけていたら、摘んだ子は死ぬ。……十年ほど前、黒い花弁を開いてしまった初等部の女の子が確かにいた。それは本当に夜顔だったのか?誰かがいたずらで花を黒く塗りつぶしただけでは?疑問は尽きないけど、今となっては何も証明できない。ただ言えることは、小さな女の子が一人亡くなったってことと、それ以降この占いは一切禁止されたこと」

これにはさすがの了子も茶々を入れることができず、不気味な雰囲気を紛らわせるかのように伊悠の方へ小さく身を寄せた。
夏至が近づいてきたとはいえ、外は徐々に夕闇に移行する頃合い。蛍光灯が神経質に明滅を繰り返している。
重い沈黙が垂れた後、栞子は場の静寂をたっぷり楽しんだと見え、再び口を開いた。もういいよぅ、と了子は口パクで抗議したが、無視された。

「次に、やってはならないこと…禁忌について。一つ、ヨルガオ様を馬鹿にしてはいけません」
「ええっ……あ、あたし、乙女チックとか言っちゃったけど、これセーフ?」

その質問はやはり軽く無視される。

「二つ、その存在について虚偽を教えてはいけません。…もし私の身に何か起こった時は、今日伝えたことは嘘が紛れていたってことね」

栞子は軽く片目をつぶった。

「最後に、四人以上に教えてはいけません。以上。……少し不思議ね。不幸の手紙にしても、貞子さんが出る某小説にしても、情報の受け渡しに人数ノルマはあるけど。それを制限するなんてあまり聞かないもの」

そして、三つ目の答えについて。

「最後、出没スポットと目撃証言。やっぱりお化けって暗くてじめっとしたところが好きなのかなあ。旧校舎とか裏庭とかによく出るって。でも、ヨルガオ様ってセーラー服着た美少女らしいじゃない。夜津花の女子生徒と見分けつくのかなあって、私は疑問に思うんだけどね。
ま、この件に関して言えば、実際に目撃したと言い張る人に直接聞いてみる方が早いわ。…って訳で、はいこれ」

栞子はどこからか一枚のプリントを取り出し、二人に手渡した。
それは、図書延滞の督促状、だった。宛名は「影井 実 殿」となっている。
すっかり普段の穏やかで優しそうな風情を取り戻した栞子は、悪びれない調子でお願いをした。

「ヨルガオ様を見た人というのは、オカルト同好会の影井君で、今は部活動の真っ最中。
部室は生物実験準備室にいるから、話のついでにその督促状を渡しておいてくれない?本をぶんどってくれたらなおのことヨシ」

【行動選択肢
A:了子と二人で取り立てに行く
B:取り立ては了子に任せ、図書室で情報収集
C:これ以外、伊悠さんがしたいこと】

情報まとめ:
・出没スポット、目撃証言
→旧校舎周辺、裏庭(夜顔の群生地)。目撃者はオカルト同好会、影井とのこと。

・禁忌
→①ヨルガオ様を愚弄する②嘘を教える③(一度に)四人以上に教える

・おまじない
→夜顔の蕾を摘み、その夜のうちに開けば願いが叶う。萎めば叶わぬ。黒い花弁だった時には死が訪れる。

Re: 放課後オカルティカ ( No.37 )
日時: 2018/06/17 23:47
名前: 宝治 ◆wpAuSLRmwo (ID: iihmFlhR)

>>35
【カフェテリア】

>「あの人達・・・・両親については、気にしなくていい。ばあちゃんは、なにか知ってるかもしれないけど。俺と違って、多少の親戚付き合い位あっただろうし。」
「そっか……」

令太はしばし口を噤む。
メロンパンとソーダは既に完食した後。テーブルの上の残骸が場の空虚を主張していた。
いくら洞察力が低い者でも、礼とその両親の間になんらかの確執があったことは今までの流れで察することができよう。
極端なまでの人間嫌いも理由はこれだ。傍目から見てもこのままでいいはずがなく、このまま行けば学園での孤立は目に見えている。それが本当に礼の望む静寂なのだろうか。

「礼はばあちゃんは好きなんだな。なんか親のこと話す時とえらい表情違うもん。どんな人なのか教えてよ。
ちなみにうちのばあちゃんはよー、ザ・大阪のオバチャンって感じでうるさいぜ~。ぜってー礼が苦手なタイプだなありゃ」

ひとしきり笑った後。

「さてと、一息ついたとこで、まだ寮に帰るまで時間は残ってるし次のアクションに移りますかね。
なんにせよまだ連中も礼を狙ってるだろうし、ウザイかもしれねえけど今日ぐらいボディガードさせろよな」

冗談めかしてパチリとウィンクしてから、令太は席を立ちあがる。

【次の選択肢から2つ、やりたいことを選んで下さい】

行動選択肢:
a:祖母へ連絡する(どんな手段で(電話?メール?)、何を話すか)
b:剣道部へ入部希望を提出する(体育館へ移動する)
c:オカルト同好会を調査する(どんな手段で、何を調べるか)
d:宗教研究会を調査する(    〃    )
e:占術愛好会を調査する(    〃    )
f:その他(他にしたいことがあればどうぞ)

Re: 【再募集】放課後オカルティカ ( No.38 )
日時: 2018/06/24 11:22
名前: 銀色の気まぐれ者 ◆MMJVxNkRYU (ID: 1866/WgC)

【fでお願いします。祖母へ連絡し、剣道部へ入部希望を提出しに行く、という感じで・・・・。だめなら修正します。】

>>37

表情が違う、と指摘され、「そうか・・・・?」なんて小声でつぶやきつつ、質問に淡々と答えていく。その声は冷静だが、祖母が好きなのは目に見えており、両親の事を話すときとの違いはいくつも見つかるだろう。声、表情、仕草、内容。

「駄菓子屋によくいそうな・・・・優しいおばあちゃん、って感じかな。孫に甘くて、子供好きの。小学生の頃は、よくゲームを買ってもらってたよ。昔のレトロなやつから、最近発売されてる人気のやつまで。だからうちにはゲームが溢れてる。暇さえあればゲームばっかりやってたな。」

ゲームの事を話す際、すこし表情が緩む。ただ、先程の言葉には嘘が紛れている。”暇さえあればゲームをやっていた。”ではなく、”暇さえあれば勉強をやっていた。”だ。ゲームは勉強の合間にこっそりと、という事が多かった。彼にとって、一般的な家庭の子供は、勉強ばかりではなく、ゲームもやっているのだろう、という認識だからだ。”一般的ではない”そう主張したとしても、なんの得にもならない。

「次のアクション・・・・か。」

立ち上がった鞍内を見て、ここじゃ人が多すぎる、と思い祖母へ連絡する。スマホをとりだし、ラインで「週末クラスメイト呼ぶから。お菓子買って帰るよ。」と打ち込み、送信。その後ポケットに無造作につっこまれた入部希望の紙を持ち、鞍内に「行くぞ。」と声をかけ、体育館へ向かった。向かう途中に、先程のラインの話をだす。

「鞍内。週末用事はあるか?ないんだったらうちに来てくれ。情報の共有と、作戦会議、だ。あと携帯あるか?ラインを交換しといた方が良い。連絡手段があるとやりやすい。学校じゃ誰かに聞かれる恐れがあるし、うちの方が過ごしやすい。」

一通り話し終わると、祖母に送信する前に用事があるか聞けばよかった、などとすこし後悔する。

Re: 【再募集】放課後オカルティカ ( No.39 )
日時: 2018/06/23 00:26
名前: 荏原 ◆vAdZgoO6.Y (ID: 2rTFGput)

>>36

>「……うーん、内容は普通だし、紙の劣化具合もフェイクとは思えない。貴重な歴史資料ね。もう少し時間をくれたらもっと分かることがあるかもしれないけど。預ける気はある?」
「(預けるか、どうか……なんなんだろうこの気持ちは。ざわつく……?)」

 便箋を受け取り少々の時間をかけて読んだ彼女は、伊悠とほとんど同じ結論を出した。それに異論はない。そして栞子は伊悠よりも知識量が多い、そう伊悠は思っている。
 預けて、もっと詳しく調べてもらう。というのは紛れもなく良案であった。だというのに、どうしてか手紙を渡してしまうのをためらった。
 いよいよオカルトチックになってきた案件の証拠を誰かに預ける、というのが数々の本─ミステリーやホラー系統──を読んできたからこそ、その後の展開を邪推してしまったのかもしれない。

「(……持っておくべき? いやでも)」

 そう考えた後に、伊悠はチラリと了子の方を見やる。こちらがどんな答えを出すのかどうか案じていたのか、彼女と目が合った。彼女にとってもこの手紙は大事な物証であるはずだ。

 ──まて、そもそもこれの決定権が私にあるのはおかしいのではないか。

「(了子に任せよう。持ち主は了子)」

 投げたわけではない。そもそも伊悠は知識があっても決断力が特別すばらしいわけではない。だから、だからこそ探偵倶楽部部長である了子に任せたのだ。
 彼女の持ち味はなんといってもその行動、発想力だ。証拠を集め、順序立てて考えていく伊悠とは違い、階段飛ばしの要領で駆け抜けていく。

 ……当然、何度も転んではいるが。
 今回の問題は何といっても不気味、不思議だ。こんな時こそ、理屈を立てて進む伊悠よりかは了子の方がいいだろう。
 伊悠は確かに、そう思ったのだ。
 
 とりあえず、全部の答えが決まってから返そう。
 ひとまず……残りの話を聞いてから。そう思い伊悠は続きを促した。
 

* * * 

 
 答えを聞き終えた。中々に有意義……有意義だっただろうか。おまじないなどは小学生が読むホラー本によくあるものだった。
 願掛けという女の子らしい明るい面と、失敗すれば死んでしまう。
 そして真実はその詳細は不明で、ただ死んだという事実だけが残っている。
 こういうのは得てして、2つのうわさが複合して出来上がるものだ。蕾を取って咲けば恋の願いが叶う。なんてありがちなもの、そこに黒い花が不吉。死を呼ぶと言うものが合わさった。
 
 そう、考えたかった。

 二つ目、禁忌の存在がどうしても邪魔をする。

>「次に、やってはならないこと…禁忌について。一つ、ヨルガオ様を馬鹿にしてはいけません」
>「二つ、その存在について虚偽を教えてはいけません。…もし私の身に何か起こった時は、今日伝えたことは嘘が紛れていたってことね」
>「最後に、四人以上に教えてはいけません。以上。……少し不思議ね。不幸の手紙にしても、貞子さんが出る某小説にしても、情報の受け渡しに人数ノルマはあるけど。それを制限するなんてあまり聞かないもの」

 馬鹿にしてはいけない。これはありがちだ。最悪名前を出しただけ、呪われた人に触れただけで伝播する、なんて展開もよくある。
 虚偽の禁止、は少々意外だったがこれも上記の派生としてはありうる。嘘を吐くというのはヨルガオ様を馬鹿にする、という事にもつながろう。

「(情報を渡すものの制限……)」

 じわり、と一瞬自分の首が絞められたように伊悠は感じた。彼女が調べて辿り着いた、つまり教えてくれた過去の人たちはその制限に引っかかっていなかったのだろうか。それとも、この禁忌を知らずに人数オーバーしてしまったのではないだろうか。
 教えるというのはどこまでを含むのか。
 不安、焦燥、ヨルガオ様は存在しない噂話という認識。それが彼女にはいつしか超常現象を「確かに」起こすモノとして移り変わっていく。
 今まで噂話だと断じて栓をしていた恐怖心が湧き上がってくる。

 同時に、彼女の知的好奇心が刺激された。

「(……もっと調べたいな。図書室にいてもこれ以上は見つからなそうだし。虚偽の禁止があるなら情報収集も楽だよね)」

 怖いから知る。伊悠にとっては至極当然の思考であった。

>「最後、出没スポットと目撃証言。やっぱりお化けって暗くてじめっとしたところが好きなのかなあ。旧校舎とか裏庭とかによく出るって。でも、ヨルガオ様ってセーラー服着た美少女らしいじゃない。夜津花の女子生徒と見分けつくのかなあって、私は疑問に思うんだけどね。
ま、この件に関して言えば、実際に目撃したと言い張る人に直接聞いてみる方が早いわ。…って訳で、はいこれ」

 ついに出た目撃証言。しかし美少女というのは初耳だったと伊悠は物ふける。
 どうやら、その目撃者の情報ももっているようだ。これはどんどん話が進みそうだぞ、表情には出さず心の中で小躍りする。
 やはり手紙などは栞子に任せ、新しい情報を探しにいくべきだろう。
 そう思っていた伊悠を、ある名前が止める。

>「ヨルガオ様を見た人というのは、オカルト同好会の影井君で、今は部活動の真っ最中。
部室は生物実験準備室にいるから、話のついでにその督促状を渡しておいてくれない?本をぶんどってくれたらなおのことヨシ」
「(オカルト同好会……)」

 その単語はあまりいいものではない。なにせ本だけを堪能したい伊悠、彼女の図書委員としての仕事量を増やしてくれている存在だからだ。大量にオカルト関連の本のリクエスト票を提出してきて、肝心の本を入荷すると大体延滞する。
 委員会の仕事を増やせば、それだけ伊悠の至福の時間が減る。宿敵だ。
 正直言って会いになど行きたくはない。だが、ここまで情報を教えてもらって。仕事中だったであろう栞子を引っ張り出してきてしまった。
 受けねば不義理だということは流石にわかる。

「……」
 
 コクリと頷き、催促状を受け取った。しょうがあるまい、幸いにして了子もいるのだから彼女のパワーに任せ、商法と本を奪ってきてしまおう。行動の指針を固めた直後に、ある可能性がよぎる。

 ──ヨルガオ様からの手紙なんて持っていると知ったら、どう反応するだろうか

「……手紙、渡そ」

 伊悠は自分の直感を信じた



【預ける/預けない の選択をお願いします】→預ける、ただし写真を撮っておく。
【行動選択肢
A:了子と二人で取り立てに行く
B:取り立ては了子に任せ、図書室で情報収集
C:これ以外、伊悠さんがしたいこと】→A

【大変遅くなり申し訳ございませんでした。お納めください】

Re: 放課後オカルティカ ( No.40 )
日時: 2018/06/24 22:39
名前: 宝治  ◆wpAuSLRmwo (ID: iihmFlhR)

>>38 【カフェテリア/a+b→祖母へ連絡&剣道部へ入部届を出す】

>「鞍内。週末用事はあるか?ないんだったらうちに来てくれ。情報の共有と、作戦会議、だ。――」
「いいのかよ、嬉しいぜ。ぜひ礼のばあちゃん紹介してくれよ。土産とか持ってかなきゃなんねえかな…購買でなんか買うか」

礼が初めて見せた友好的な言葉に令太は嬉しさを隠せない。出会った直後の、他者からの干渉を一切受け付けない態度からしてみれば大きな進展である。
(案外、根は明るくていいやつなのかもしれねえな。よし、気長に付き合うとするか)

>「あと携帯あるか?ラインを交換しといた方が良い。連絡手段があるとやりやすい。――」
「……ほい、交換っと。なんかあったらいつでも連絡くれよ。あ、でも雨汲市ここってド田舎だから電波超悪くてよ、時々つながらないから注意だぜ」

【礼&令太、ID交換/祖母への連絡→返信待ち】

カフェテリアで情報交換を果たした二人は次に、礼のかねてからの希望である「剣道部への入部」を果たすべく、体育館へ向かうのだった。

【カフェテリア→体育館へ移動】

「着いたぜ。礼、ここが体育館な」

体育館。大きな観音扉は常時解放されており、その奥からは学生達の掛け声やボールの跳ねる音が絶え間なく聞こえてくる。エントランスには、大小雑多に上靴が敷き詰められて足の踏み場がないほどだ。

「さすがに今は色んな部活でごった返してら。剣道部はたしか二階で練習してっけど、正面からだと結構遠いし邪魔になる。あと人見知りの礼にゃ、ちときつい。……裏手にある階段から行こうぜ」

というわけで、玄関から中には入らず建物の側面に伸びる道を進むこととした。ついた先は俗にいう体育館裏だ。
人通りが少なく日陰のせいでひやりと冷たい場所だった。

Re: 放課後オカルティカ ( No.41 )
日時: 2018/06/24 22:45
名前: 宝治  ◆wpAuSLRmwo (ID: iihmFlhR)

【新規参加者様】

PC5 葉山梨乃

君は垣戸了子の親友であり、探偵倶楽部の心強い協力者だ。
とある放課後、体育館の裏手でサックスの個人練習をしていた君は、
知人である鞍内令太と、噂の転校生・白銀礼が連れ立って体育館裏へ向かう場面を目撃する。
また何か、非日常な出来事が起こる。興味が沸いた君は彼らにコンタクトを取ることにした。

【ようやっと参加者さん同士が合流が可能になりました。このシーンは以降、(梨乃さん→令太→礼君→…)の順で回していきたいと思います。】

【追記:×トランペット→〇サックス……
どっちも花形楽器だから素で間違えたった…】


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