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- 【中・長文】Survivors【募集継続中】
- 日時: 2017/12/03 05:44
- 名前: 間宵蛾 ◆d.b5UMeNLA (ID: YaQzuwJ5)
平和で、退屈で、つまらない日々が一変した日。
人が人ではなくなり、襲い来るようになった日。
生き残る道を、真剣に模索しなければならなくなったあの日。
僕らは、生存者となる為に戦わなければならなくなった。
――――
初めましての方は初めまして。
間宵蛾と申します。
ゾンビ物ですが、ホラー要素よりサバイバル要素の方がよっぽど強いかもしれません。
このスレッドはフィクションです。
実在する人物、団体、事件等とは一切関係ありません。
>>1 参加者一覧
>>2 決まりごと(ご熟読ください)
>>3 舞台設定等
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- Re: 【中・長文】Survivors【始動】 ( No.117 )
- 日時: 2017/09/09 02:30
- 名前: 間宵蛾 ◆d.b5UMeNLA (ID: VTrHJ6VV)
【1日目/10:12、(香取 梨香)】
待合所に入ると、梨香は「戦利品」を長椅子の上に並べた。
アルミ製の伸縮式警棒が一つ、金属製の手錠が一つ、そして回転式拳銃が二つ。
「警棒は二本あったけど、もう一本は歪んじゃって使いもんになんなかったから、これだけにしたよ。悪いけど私がもらうね。手錠も一つは駄目だった。取り敢えずあんたにあげる」
警棒を自分へ、手錠を渚の方へ寄せながら、今度は拳銃に視線を向ける。
黒光りする短い銃身が特徴的なそれは、それぞれニューナンブM60とS&W M37という別々の拳銃であったが、使用弾薬は同じようだし、見た目もよく似ており、そもそも二つの銃の違いすら梨香には分からなかった。
取り敢えず、ニューナンブM60を渚の方へ寄せ、S&W M37を自分の制服のポケットに入れる。
「流石に拳銃は初めて触るから、使い方とかよく分かんないや。とりま撃つ時以外は引き金に指かけないようにしとけばいいんじゃないかな」
- Re: 【中・長文】Survivors【始動】 ( No.118 )
- 日時: 2017/09/14 22:02
- 名前: Hama=guri (ID: SqYHSRj5)
仕事で自宅を離れていたので、遅れてしまいました。申し訳ありません。
【1日目/10:13、(御薬袋 渚)】
渚は、『私が持つよりどう考えてもその方がいい』と、警棒を香取が持つことに対して異論はなかった。
けれど、手錠と拳銃が自分の方へ寄せられたのを見ると、柄にもなく異論を言いそうになった。だが、すんでのところでそれを飲み込む。
香取に頼りっぱなしでは駄目だ。自身も香取の役に立つようにしなければと、渚は息をのんで映画でしか見た事の無い拳銃に手を伸ばした。
渚には拳銃の知識などほとんどない。自分が手を伸ばした拳銃の名前がニューナンブだという事はもちろん知らないし、安全装置の存在すら理解していない。かろうじて知っているのは、引き金を引くと弾が出るということだけ。
『とりま撃つ時以外は引き金に指かけないようにしとけばいいんじゃないかな』
という香取の言葉もあって、渚は『間違っても引き金に手が触れないように』と思ったらしくニューナンブの短いバレルを恐る恐る掴んで、香取と同じように自身の制服のポケットへ入れた。
ただでさえ渚の口数は多い方ではない。それに加え、凶器と言える物を手にしているという緊張感が、渚の口数をさらに減らしていた。
- Re: 【中・長文】Survivors【始動】 ( No.119 )
- 日時: 2017/09/14 22:29
- 名前: 間宵蛾 ◆d.b5UMeNLA (ID: hlGm2rkG)
いえいえ
【1日目/10:14、(香取 梨香)】
「……まぁ、使うことがないことを願ってるよ」
口数の少なさと面持ちから渚の緊張を読み取ったのか、映画っぽく冗談を吹いてみる。
冗談とは言っても、言葉の意味としては本心だ。
梨香とて実包の発砲音を直接聞いたことはないが、銃の発砲は非常に大きな音が出ることくらいは知っている。
その大きな音は確実に異常者を呼び寄せるだろうし、何よりこの銃がその大きな音を響かせている時、その撃った本人は隙だらけだ。
音や光での威嚇効果は相手がまともな判断力を持った人間や動物だから期待出来るのであって、異常者相手にはその弾丸の威力以外には何も期待しようがない。
なにより、銃は練習しないと当たらないのは少し考えれば分かることだが、練習しようにも弾丸は二人合わせても10発しかないのだ。
「取り敢えず歩こう。警察署か、平坂の方の交番か。パトはあんなんなってたけど……流石に警察署とかは大丈夫でしょ」
警察署なら大丈夫というのはあくまでただの楽観に過ぎなかったが、何をするにも何らかの目標が必要だとは思った。
何の目的もなく動き回ったのでは余計に消耗だけして、異常者の仲間入りとなってしまう。
- Re: 【中・長文】Survivors【始動】 ( No.120 )
- 日時: 2017/09/17 14:07
- 名前: Hama=guri (ID: SqYHSRj5)
【1日目/10:15、(御薬袋 渚)】
香取の言い方や言葉から、自身を気遣ってくれている事は渚にも伝わっていた。
そんな香取の心遣いに感謝したが、渚は相変わらずそれを伝えることはできない。
「……うん、うん。」
けれどそんな感謝の気持ちを込めて、そんな香取の足を引っ張らない事を誓って、渚は二回頷いた。
端からみれば表情に変化は見られないかもしれないが、注意深く見れば渚の表情から過度な強張りは抜けていた。
- Re: 【中・長文】Survivors【始動】 ( No.121 )
- 日時: 2017/09/17 16:34
- 名前: 間宵蛾 ◆d.b5UMeNLA (ID: e0B5Iq0M)
【1日目/10:16、(香取 梨香)】
渚の、頼りなくもはっきりした返事に、梨香は微笑んで立ち上がった。
警棒を制服の内ポケットに入れ、槍を持って歩き出す。
今はトラックに遮られて見えないが、この道路は本来街を見晴らせる。
梨香は警察署の建物は直接見えたかな、と思いつつトラックの横を通り抜け、街を見晴らせる場所に出て――
――見なきゃ良かった。
心底そう思った。
普段なら爽やかな風の吹き抜ける道路脇だが、この時ばかりは妙に不快な風が吹いていた。
高校前から見下ろした市街地は、いつもの風景ではなかった。
至るところで黒煙が上がり、いくらか赤い光が建物の壁に反射しているのも見える。
活発に移動しながら動いている光もあれば、静止したままチカチカと動いている光もある。
何より、よく耳を澄ませると、風に乗ってサイレンの音が微かに聞こえてきた。
警察署の方からも黒煙が上がっている。
この場所からでは警察署なのか警察署の近くの何かなのかは分からないが、梨香の思考をマイナスに振り切るには十分だった。
もしかして、世界中がこんなことになっているのだろうか。
学校内だけではなく、街中がこんなことになっていることは先刻覚悟していたが、実際に目の当たりにするとそんなことを考えてしまう。
「……いや、沈んでてもしゃーなし、行かないと……」
無意識にガードレールに預けていた体を引き離し、軽く自分の頬を叩いて気をしっかりさせる。
まずは歩こう。
警察署まで行けばきっとなんとかなると信じて。
梨香は渚の手を引き、道路脇を歩き出した。
- Re: 【中・長文】Survivors【始動】 ( No.122 )
- 日時: 2017/09/23 19:47
- 名前: Hama=guri (ID: SqYHSRj5)
【1日目/10:18、(御薬袋 渚)】
香取の背中を追いかけて、渚も街が見張らせる場所へと出た。
その瞬間に眼下に広がる光景を、目を背けたくなるような惨状を、理解してしまう。
目にするまでは、心のどこかでどこかで希望を抱いていた。『こんなことになっているのは、学校とその周りだけかもしれない』と。けれどそんな希望的観測は目の前の惨状によって無残に、いとも容易く壊されてしまった。
せっかく抜けた強張りが、また渚の顔に差す。救いを求めて無意識に香取の方へ視線を向けた。
渚は人付き合いを避けてきたため、表情から感情を読み取る事は得意ではない。けれど、そんな渚でも、香取が不安を感じているように思えた。
「大丈夫、だよ」
自分を引いてくれている香取の手を、渚はキュッと握った。
「私には、足が、あるよ。おとりになって、敵を引き付けることが、できる。」
無論自身の無い渚の事だ。自身の能力を自画自賛するような言葉を本心でそう言っている訳ではない。それどころか、自身も不安に押し潰されてしまいそうですらあった。
「香取さんには、知恵と、鍵を開けたりできる凄い技術がある、よ。」
そう言う渚の顔には強張りだけではなく、緊張も前面に出ていた。
言葉が途切れ途切れになっている事から、誰であってもその緊張が伝わってしまうだろう。
けれど、そんな不安に押し潰されそうでも――
「大丈夫。大丈夫だよ。私たち、なら、きっと安全な所まで逃げられる、よ」
渚は、香取の足手まといにはならないと、決めたのだ。
- Re: 【中・長文】Survivors【始動】 ( No.123 )
- 日時: 2017/09/24 06:18
- 名前: 間宵蛾 ◆d.b5UMeNLA (ID: mx7/95Ob)
【1日目/10:19、(香取 梨香)】
渚の言葉に、梨香は思わず足を止め振り向いた。
たどたどしい言葉と、緊張して強張った表情は、頼りないには頼りないが、その瞳に強い意志を感じる。
梨香は渚の言葉が終わるまで、振り向いたまま立ち尽くしていた。
そして、はたと気付いたように、繋いだ手にぎゅっと力がこもる。
「……渚、」
バタバタと数機のヘリコプターが真上を通過していく。
それも緑色の塗装を施された、陸上自衛隊のUH-1Jヘリコプターの編隊であり、異常事態を窺わせたが、梨香はそんなこととっくに知っていると言わんばかりに無視した。
ただ、その音で梨香の声はかき消され、一言の短い言葉だったが渚には聞き取れなかった。
梨香も恐らく伝わっていないであろうと気付いたが、敢えて言い直すようなことはせず、また振り返って歩き出す。
「さ、行くよ! 兎に角今は警察署に向かおう」
- Re: 【中・長文】Survivors【始動】 ( No.124 )
- 日時: 2017/09/25 22:55
- 名前: Hama=guri (ID: SqYHSRj5)
【1日目/10:20、(御薬袋 渚)】
頭上を、何機ものヘリが飛んでいくのがわかった。
けれど、渚は視線を香取から外すことが出来なかった。自分の言った事が果たして少しでも香取の力になれたか――いや、むしろマイナスになってしまっていないかが、気になって。
香取が、口を動かした。けれど頭上を飛ぶヘリの音に遮られその声は渚の耳まで届かない。
訊き返そうかとも思ったが、そのすぐ後に聞こえた香取の言葉でその気も無くなった。
なんとなく、そう、何の確信も根拠も無いが、今度の香取の声は何となく沈んでいないように思えたから。
「うん!」
渚にはそれが嬉しくって、この先も乗り越えられるような気がして、幾分か表情を明るいものにさせて香取の背中に向かって力強く頷いた。
- Re: 【中・長文】Survivors【始動】 ( No.125 )
- 日時: 2017/09/30 20:34
- 名前: 間宵蛾 ◆d.b5UMeNLA (ID: IC1MRLrj)
【1日目/10:40、(香取 梨香)】
「……あのさ、足痛くない?」
無言のまま先行していた梨香が前方の様子を窺いながらふとそう言ったのは、約20分かけて高校の丘を下った頃だった。
もう少し歩けば市街地に完全に入るが、いくらか見た限りでは、大通りは何かが燃えていたり自動車が突っ込んでいたり、その合間を縫うように普通の人々が逃げ惑い、異常者がそれを追い掛けていたりと、目を覆いたくなるような大惨事が繰り広げられている。
丘を下るにつれて悲鳴や怒声、挙句聞き慣れない機械音や銃声まで聞こえ始めていた。
しかし、梨香はそれに今更怖気付いてこんなことを言い出したのではない。
本当に足が痛くなってきたのだ。
理由は実に簡単だった。
「まあ、こんな靴じゃ仕方ないっちゃ仕方ないけど……」
四方津高校の上履きは典型的な「学校の屋内シューズ」だ。
梨香も渚も、靴を履き替える余裕などなかったのでそのまま外まで履いてきてしまった。
当然このシューズは屋外のアスファルトや泥の上を歩くことは想定されておらず、底も一般的な運動靴に比べて薄い。
短い距離ならまだしもそれなりに長い距離を歩くには体力の余計な消耗を誘うだろうし、走ったりするのは短距離でもきつい。
それを丘を下るまでの約500メートル、アスファルトの上を色々警戒しながら、音を立てないように早足で来たのだ。
梨香が痛みを訴えるのも当然といえば当然のことだった。
- Re: 【中・長文】Survivors【募集継続中】 ( No.126 )
- 日時: 2018/06/26 08:27
- 名前: 間宵蛾 ◆d.b5UMeNLA (ID: IC1MRLrj)
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