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あわいをうつろう小舟に揺られ [いちいち・指名制][〆]
日時: 2021/03/15 17:35
名前: 心 ◆sjk4CWI3ws (ID: cl9811yw)

 あなたが今いる世界とは別の世界があったとしたら。あなたはそれを信じますか? 妄言だと吐き捨てますか? ふふ、それをあなたが信じるか信じないかは、ここではさほど重要ではありません。
 何故って、ここであなたはそれを目にすることができるのですから。
 あちら側をご覧なさい。燃え盛る火が見えませんか? あれは地獄の世界。死者が裁かれ、罰を与えられる場所です。
 上を見上げてみてください、空を抜けていく光が見えるでしょうか。あれは天界への階段です。裁かれ、天国行きの名誉を得た死者たちが登っていくのです。
 ───ああ、ここですか。ここは……あわい、狭間、谷間。たくさんの呼び方をされますが、我々は『あわいの川』と呼んでいます。三途の川とよく間違われますけれど、ここは三途の川ではありません。それはまた別の場所にあります。あなたが死ぬことはない、安心してください。

 あなたがここに居られる時間はどれくらいあるでしょう? もしよろしければ、その時間を頂けませんか? 暇で暇で仕方がないのです、お話し相手になっていただけませんか────
 
 
 ━━━━━━━━━━━━━━━
 
 こんにちは、心です。久しぶりになりきりに復帰したので、ロルを練習する場所が欲しいなと思いまして、建てさせていただきました。
 ただ話すだけ、本当にそれだけのなりきりです。どうぞゆったり、よろしくお願いします。
 
 ━━━━━━━━━━━━━━━
 
[注意事項]

・いちいち、つまりは1対1のスレです。他の方と絡むのはやめてください。 

・ロルを練習する場所だったり、そうではなかったり。
  
・キャラクターリセットについて
 →もちろんそのまま続行してもまったく問題はありません。
 →ですが、ただひたすら喋るだけなので、途中で飽きてきたり話題が尽きてきたりすることもあると思います。その時はキャラリセしたい旨を申し出ていただければ、こちらでエンディングを回します。
 →その後他の船頭を指名して、再び語り合うこともできます。

・独断と偏見により、参加をお断りする場合がありますが、ご承知おきください。
 
・参加者さま一覧の下のアンカーは最新の返信です。
  
・3L可
 →ただひたすら喋るだけなので、恋愛ができるかというのは微妙ですが。
 
・也の掛け持ちについては検討中です。やりたい方いたらお声掛けください。また、おひとり様一名のみの指名でお願いします(船頭を複数指名することは出来ないということ)。
 
・私もたくさん返せる訳ではないので、4名様までで一旦締め切らせていただきます。
 
*注意事項いっぱい書いちゃって申し訳ない。分かんねーよ! ってところがあったら遠慮なくお聞き下さい。
 

[参加者さま]
 
・シャード・ナイト☪︎*。 様(>>5)
 >>58
・ヨモツカミ様(>>8)
 >>53
・紫月様(>>13)
 >>58
・日馬様(>>39)
 >>49


[説明とか諸々(>>1-4)]

・世界観   >>1
・船頭(男) >>2
 →ひとり追加しました(01/24)
・船頭(女) >>3
 →ひとり追加しました(1/1)
・キャラシ  >>4
 →軽い追記あり(01/24)

返信はのんびり気味になっています。一週間に一回は必ず返すはず。ゆっくり進行やで!

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Re: あわいをうつろう小舟に揺られ [いちいち・指名制/募集開始] ( No.30 )
日時: 2021/01/04 17:36
名前: ヨモツカミ (ID: /XK1VBbn)

>>27心ちゃん
(もちろん時間があるとき、返信したいときに返してくれれば私も同じように返したいときに返すから。気にしないでいいよ)

 音羽の声に、はっとして顔を上げる。やばい、なんか下げぽよな発言をしてしまったのかもしれない。
 彼女の自嘲するような、歪んだ笑み。それを見た瞬間に、そぷらはなんとなく気づいてしまった。
 ──ああ、この人。自分のこと嫌いなんだ。

「えと……駄目だって思うから駄目なんじゃね? そーゆーマイナスしこーってゆーの? 良くないって! ほら、今さっき、音羽なりにウチの気持ち考えてなんか言おうとしてくれたりさ? ウチのこと傷付けないようにって、してくれたんだし。音羽は良いやつだよ!」

 身振り手振りで伝えて、笑いかける。
 その苦痛を知っている。だから、せめてもの慰めになれ、と言葉を送った。それで傷が癒えるわけでもないことはわかっていたが、応急処置程度に……なってくれたなら、嬉しい。
 でも、見ず知らずの人間にかけられた言葉なんて、尚更虚しく響くかもしれない。なにも知りもしないくせに、とか。他人のあなたに何がわかるというの、と。だから今のそぷらの行動は、疎ましく思われるかもしれない。そういう気持ちを知っているくせに、それでもそぷらは音羽の心に寄り添いたいと思ってしまった。
 だって。
 彼女のことは何も知らないけれど。“それ”がどれだけの痛みを持って心を蝕み続けるものなのか。凍てついた棘が、心臓を貫くような感覚を。よく知っているから。

Re: あわいをうつろう小舟に揺られ [いちいち・指名制/募集開始] ( No.31 )
日時: 2021/01/06 21:30
名前: 心 ◆sjk4CWI3ws (ID: cl9811yw)

>>28/シャード・ナイト☪︎*。꙳ 様

「は……?」
 
目の前の彼女が何かをこらえるような表情をしていて、首を傾げ。
 
「……泣きたい時は、泣いていいのでは? 少なくとも、私の周りの人間はそうだった。泣きたい時に泣いて、笑いたい時に笑っていた……私はそう思うが」
 
自分も若干泣きそうな顔をしていることに気付かぬままそう言って。

━━━━━━━━━━━━━━

>>29/紫月様
(/ありがとうございます! ではこのまま恋愛ルート突っ込みましょうかよろしくお願いしまs( )
 
 自分がそれを否定すると、また顔を俯けられてしまい。フォローの言葉ひとつ発されないものだから、墓穴を掘ってしまったと自分も顔を手で覆う。
 
「……いや……オレむり……きみと目が合うだけで心臓が飛び出しそうなんだもん……っ」
そう言われて小首を傾げられ、その動作にふわりと頬を染める。

「えっ……!? その、え!?」
両手を忙しなく動かしながら、あまりにも動揺を隠せずにいた。よく紅葉や理歌が争っていたではないか、論理的な理由やら一目惚れやら、と。それは。
 
「それ……恋というやつ……ではないんですか……わっすみません取り消します、違うんですごめんなさい! 隆良さんみたいな素敵なひと、私じゃ釣り合いませんし……ッ!? 何言ってるんだろ私、すみません!」
 
それはきっと独りよがりだ、と一瞬頭が冷える。だが自分が無意識に続けてしまった言葉が、さらに墓穴を掘ってしまったことに気付いて。耳まで赤くなってがっくりと俯いた。
 
━━━━━━━━━━━━━━

>>30/よもつかみさま
 (/ありがとうございます、返せる時は返しますので……)
 
「えと……駄目だって思うから駄目なんじゃね? そーゆーマイナスしこーってゆーの? 良くないって! ほら、今さっき、音羽なりにウチの気持ち考えてなんか言おうとしてくれたりさ? ウチのこと傷付けないようにって、してくれたんだし。音羽は良いやつだよ!」
 
 そぷらが掛けてくれたその言葉。その語調が、どことなく自分を庇うような、気遣うようなものであることに気付く。は、とため息を吐き出した。また自分を盾にするような発言をしてしまった、と自己嫌悪の念が沸きあがる。
 そぷらはマイナス思考は良くないと言うし、笑いかけてもくれる。その優しさを無碍むげにする訳にはいかないから、無理やりにでも気持ちを切り替えようと努めた。
 がしがしと髪をかき回しつつも、彼女の笑みに応えるようにはっきりと笑って、柔らかな口調で言う。
 
「ありがとう、そぷらは優しいヤツだな。得てして第三者からの言葉というのは、どこか無責任で薄っぺらいと思いがちだけれど……きみはそういう感じがしない気がするな。これはわたしの思い込みかもしれないけど」
 
 言葉を切って、視線を川の向こうへ投げた。ふっと顎に手を添えて一転、どこか無機質な、淡々とした口調で話し始める。
 
「そう、わたしの名前の話をしようか。わたしの本当の名は、天音あまねという……天の音、と書いてな。しくも、きみと同じだ……そしてこの名が、嫌いなことも。わたしはきみに共感していたのかもしれない。何も関係の無い、第三者とは思えなかった」

Re: あわいをうつろう小舟に揺られ [いちいち・指名制/募集開始] ( No.32 )
日時: 2021/01/07 02:15
名前: ヨモツカミ (ID: GC8OxdMB)

>>31 とりまやり取りすごく楽しいし、気長にのんびり進めていきましょ。私の返信が早かったとしても焦らなくていいからねー。
***

「そう、わたしの名前の話をしようか。わたしの本当の名は、天音あまねという……天の音、と書いてな。奇くしくも、きみと同じだ……そしてこの名が、嫌いなことも。わたしはきみに共感していたのかもしれない。何も関係の無い、第三者とは思えなかった」

 無表情に告げられた言葉に、そぷらは目を丸くした。
 名前なんて、記号でしかない。そぷら自身がそう考えていたとしても、名前を与える存在というのは、願いや意味、沢山の想いを込めて名を与えるものだ。だから自分の名を嫌悪すること。それは、名を与えてくれた存在を否定することに繋がる。
 だとするなら、音羽は自分の名を嫌悪した挙句、偽名まで使っていた。名付けた人を嫌い、自分自身も嫌い、その新しい名で生きるという選択をした。──その行動が、どれほどの痛みを伴うものなのか、そぷらには想像もつかない。
 あまね。そぷらが呼び間違えられる響きナンバーワンで、そぷらからすれば、自分の名があまねという普通の読みならどれだけ良かっただろう、とさえ思ってしまうものだ。つまり、そぷらからすれば少し羨ましささえ抱く名前なのだが、彼女はそうでないらしい。

「ホント、運命感じちゃうねー! 名前の字が一緒なのに、ウチら全然似てないんだから、めっちゃワロたンゴ! それ聞いたら、ウチも音羽……えーとあまね? どっちで呼べばいいんだろ、まあなんか、他人って感じしなくなっちゃったわ」

 ヘラヘラするのはやめる。
 ずっと同じ体勢をしていたせいで、痺れはじめた足を組み替えて、真剣な顔で訊ねる。

「ね、聞いてもいい? なんで名前、嫌いなん?」

Re: あわいをうつろう小舟に揺られ [いちいち・指名制/募集開始] ( No.33 )
日時: 2021/01/07 16:19
名前: シャード・ナイト☪︎*。꙳ (ID: 0bK5qw/.)

>>31

「…何で、アンタまで泣きそうになってんのさ」

頬を涙が伝う
あぁ、駄目だ…
泣かないって、決めたのにさ

Re: あわいをうつろう小舟に揺られ [いちいち・指名制/募集開始] ( No.34 )
日時: 2021/01/07 18:34
名前: 紫月 ◆GKjqe9uLRc (ID: w1UoqX1L)

>>31/心さん
 このまま恋愛ルート直行ですね!!((←

_

 「えっ……!? その、え!?」
溢した一言にふわりと顔を染めて動揺し始める実鈴を目の前にして隆良は眉を犬のように下げて頬を真っ赤にしてしまう。

 「それ……恋というやつ……ではないんですか……わっすみません取り消します、違うんですごめんなさい! 隆良さんみたいな素敵なひと、私じゃ釣り合いませんし……ッ!? 何言ってるんだろ私、すみません!」
ぺらぺらと焦って言う実鈴にとうとう耐えきれなくなったように顔を俯かせ、自分のこの鳴りやまない胸を抑えるように胸倉に手を添える。
実鈴の言ったようにこれは恋なのだろうか、いや、間違いなく……一目惚れと言う恋だろうと隆良は想ってしまう。
「……実鈴ちゃん、オレ、そんなに凄い人間じゃないし。実鈴ちゃんみたいな良い子、勿体無いくらいだよ、オレにとっては」
上目遣いに言って今度は了承も得ずにその華奢な手をとって握って。

Re: あわいをうつろう小舟に揺られ [いちいち・指名制/募集開始] ( No.35 )
日時: 2021/01/11 17:41
名前: 心 ◆sjk4CWI3ws (ID: cl9811yw)

>>32/よもつかみさま
 (/よかった、のんびり進行でお願いします……)
 
「ホント、運命感じちゃうねー! 名前の字が一緒なのに、ウチら全然似てないんだから、めっちゃワロたンゴ! それ聞いたら、ウチも音羽……えーとあまね? どっちで呼べばいいんだろ、まあなんか、他人って感じしなくなっちゃったわ」
 
 そう言って、ふと真剣な顔になったそぷらの問いかけに、音羽は黙って耳を傾ける。
 
「ね、聞いてもいい? なんで名前、嫌いなん?」
 
 問われれば、す、と目を細め。答えるのを躊躇うように、幾度か口を開閉させた。覚悟というほど重大なものは必要ないけれども、なんとはなしに答えるのもきっと違う。

「音羽と呼んでくれると助かる。そう……わたしの名前は、産まれる前から決まっていたらしくてね」
 
 真剣な声の中に、どこか嘲笑うようなトーンが混ざる。
 
「天界という世界が、この空の上にある。俗に言う天国というやつだ」
 
 そう言いながらも、視線はそぷらの方へ固定したままで。手を下ろして、小舟の縁を握りしめる。するりと銀髪に指を絡めて、シニカルな語調を強めて言葉を続けた。
 
「わたしはそれなりに位の高い貴族の、ようやく産まれた一人娘でね……『天音しかいない』『天音は特別だ』とか散々言われてきたわけだよ。誰と友人であっても、どんな夢を持とうとも、わたしは親にとって特別だから許されるって信じていた……そんなことはなかったのにね。わたしと彼らでは、どうやら『特別』の意味が違ったらしい」
 
 つ、と口元を釣りあげた。それと同時に力を抜いて、灯篭をそぷらの向こうに透かし見る。
 
「長々と話してしまったな……つまりね、わたしは天界も親も、ひいてはそれを意味している名前も大嫌いというわけだ。……それに見合う、それを誇れない私が悪いのかもしれないけれど」

──────────

>>33/シャード・ナイト☪︎*。꙳ 様

「…何で、アンタまで泣きそうになってんのさ」
 
静かに彼女の頬を伝う涙を見つめながら、自分も目頭へ手を触れる。
熱かった。
それで、自分が泣きそうになっていることを悟る。
 
「思い出してしまっただけです。私が彼らに執着していると言った方が正しいか」

──────────

>>34/紫月様
(/わあい! よろしくお願いします!)
 
 自分の放った言葉で、またしても隆良が顔を赤くして俯いてしまい。申し訳なさが羞恥に勝り、またしても俯いた。
 
「……実鈴ちゃん、オレ、そんなに凄い人間じゃないし。実鈴ちゃんみたいな良い子、勿体無いくらいだよ、オレにとっては」
 そう言われて手を取られれば、彼の手から伝わってくる温度にどぎまぎしつつも、口を開閉させて。それでも手を離さないのはきっと嫌悪していない証拠である。僅かに彼の手を握り返しながら、慣れてきたのか小さく笑って言う。
 
「そう言っていただけると……嬉しい、です。その、隆良さんのこと、もっと知りたいかな……なんて。すごくお兄ちゃんっぽいから、お兄さんだったりするんですか?」

Re: あわいをうつろう小舟に揺られ [いちいち・指名制/募集開始] ( No.36 )
日時: 2021/01/11 17:46
名前: シャード・ナイト☪︎*。꙳ (ID: 0bK5qw/.)

>>35

「…アンタにも、大切な人が居たんだな」

涙を拭い、そう言った

Re: あわいをうつろう小舟に揺られ [いちいち・指名制/募集開始] ( No.37 )
日時: 2021/01/12 05:59
名前: ヨモツカミ (ID: FBVqmVan)

>>35心ちゃん
あまり頭使わずできて、TRPGのタイマンシナリオみたいな雰囲気で楽しめるのが好きで、早く返したい! と、眠くて頭回らない状態で書いたので(寝ろ)なんか変だったらごめん!

***

 答えづらそうに口を開閉させた彼女を見て、やはり聞くべきじゃなかったか、と後悔するそぷら。ごめん、言わなくていいよ。そう口にする前に、音羽の真剣な声が降ってくる。

「音羽と呼んでくれると助かる。そう……わたしの名前は、産まれる前から決まっていたらしくてね」
 
 薄く笑うような声色。それが自虐的な笑いであることくらい、すぐに分かった。
 
「天界という世界が、この空の上にある。俗に言う天国というやつだ」

 ここは三途の川ではないらしいが、天国は本当にある、というのか。なるほど。
 突飛な話でありながら、そぷらがすんなり受け入れられたのは、音羽がその類の冗談を言うタイプには見えなかったからだ。

「わたしはそれなりに位の高い貴族の、ようやく産まれた一人娘でね……『天音しかいない』『天音は特別だ』とか散々言われてきたわけだよ。誰と友人であっても、どんな夢を持とうとも、わたしは親にとって特別だから許されるって信じていた……そんなことはなかったのにね。わたしと彼らでは、どうやら『特別』の意味が違ったらしい」

 そぷらは音羽の一挙一動から目を離さないよう、じっと見つめ続けた。表情の動きは殆ど無いように見えるが、その息遣いも、視線の動きも、すべて意味がある。翳る瞳と、吊り上がる口角。いつの間に強ばっていたのか、緩りと彼女の体が脱力するのもわかった。

「長々と話してしまったな……つまりね、わたしは天界も親も、ひいてはそれを意味している名前も大嫌いというわけだ。……それに見合う、それを誇れない私が悪いのかもしれないけれど」

 天音という響きが羨ましいとか。一瞬だってそう考えた事実に、自分のことが嫌になる。

「音羽は、悪くないよ。……悪くない」

 何かを嫌うことは、幸福なことではない。親を好きでいられないことなんて、幸せなはずがない。故郷が好きじゃないなんて、きっと辛いことだ。想像と憶測でしかないにしても、そぷらの考えはそんなに外れてないだろう。
 陰った瞳や、睫毛の微動。皮肉を孕んで吐き出された言葉、声色。そこに隠されている、苦しみや、切なさは色濃く滲んで、隠せてなんていない。
 きっと、私が想像するよりずっと辛かったのではないだろうか。そぷらは音羽の感情を想像して、不意に悲しくなって、泣き出しそうになる。それを必死にこらえて笑ったから、変な顔になっているかもしれない。

「あ。いや……ごめんご! その、天界とか、貴族? とか、よくわかってないくせに、こういうこと簡単に言うのも良くないよね! まーでも、『特別』って言われてたのに、意味が違ったとか、親も親じゃね? やっぱ音羽は悪くないっしょ。夢を持つのだって、友達選ぶのだってさ、例えば職業選択で魔法使い選ぶか武闘家選ぶかくらい違うし、友達だって、フレンドは強いやつがいいし、姫プしてくるやつより盾プしてくれる人とフレンドになりたいし。まあほら、その辺子供の自由じゃん。子供は親の道具じゃねえってのってカンジ? ポケモンとトレーナーの関係じゃねえんだから、ジムバッジ全部持ってようが無かろうが言う事なんて聞く必要ないっていうかって、あ……そっか、貴族ってそういう自由、ないものなんだっけ……」

 歴史の授業で習った貴族というものは、戦略結婚とか、王位の継承とか、難しいことは知らないが、自由がきくものではなかったらしい。もし音羽もそれと同じような環境で育ったのなら、親が悪いとか言ってられないのだ。何故なら、そういう世界なのだから。
 名前だってそうだ。ルイなんとかとか、名前がどれだけ大きな意味を持つものだったか。貴族として生まれるというのは、そぷらのような生まれとは全く違うものなのだろう。生きている世界が、あまりにも違うから。
 そうであれば、何も抗うことができない。強い運命の流れの中、世間は音羽が悪いということにするのだろう。
 だとするなら。音羽の心は誰が救うのだろう。
 堪えていた涙が、ポロポロとそぷらの頬を滑り落ちて行く。彼女の顔を見たまま、そぷらはどうすればいいかわからなくなった。

Re: あわいをうつろう小舟に揺られ [いちいち・指名制/募集開始] ( No.38 )
日時: 2021/01/12 17:02
名前: 紫月 ◆GKjqe9uLRc (ID: w1UoqX1L)

>>35/心さん
 こちらこそ、宜しくお願いします! 実鈴ちゃんかわゆい、ぐへh(((殴

_

 またしても俯いてしまう実鈴に隆良は一旦落ち着かせようと胸を押さえる。

 口を金魚のように開閉する実鈴にきゅんと胸の優しい高鳴りを、まさに少女漫画のヒロインのようなそんな効果音がついてくるような感情が滝のように流れて来て何て可愛いんだろうと素直に思い。
掴んでしまった手が振り払われないことに嬉しさと安堵を覚え、にま、と口元が緩む感じがする。

 そんな時、ふに、と僅かに握り返される力に眼を見開いて、顔を上げれば小さく笑う実鈴が目の前には居て隆良は笑ってくれていると、自分に微笑みかけてくれたと。嫌われてはいないと実感しうるっと涙ぐみそうになっていれば、

 「そう言っていただけると……嬉しい、です。その、隆良さんのこと、もっと知りたいかな……なんて。すごくお兄ちゃんっぽいから、お兄さんだったりするんですか?」

 ずばり! と言い当てられたことに照れ臭く思いながら「嗚呼、うん! 四人兄弟の長男……でバスケ部の部長やってたからかなぁ?」笑って言って見せて。
実鈴の手を離れたくはないと言っているかのように強く、けれども包み込むように優しく程良い力で握っていて。

Re: あわいをうつろう小舟に揺られ [いちいち・指名制][3/5] ( No.39 )
日時: 2021/01/14 22:33
名前: 日馬 (ID: SG60l.ki)

(/こんにちは!ずっと参加したいと思っていたのですが中々キャラが書ききれず、此度漸く出来上がりました!ちょっとモデルにしたキャラがいて、バレないかな~バレそうだな~とちょっと心配ですが!
 おかしなところや、駄目な所があったら教えてください!前にファンタジー系から来ても構わない~的な奴をお見掛けした気がしたので作ったのですが、巨体なので小舟にちゃんと乗れるか、乗れても沈まないかが不安です!)

「う、うぅ、うううう……! 傷つけるやつ、許さない。邪魔するやつ、おれが、倒す。倒す……!!」
「ぅ……うぅ? もとの、世界? い、いやだ。おれ、戻りたくない。あっち、痛い事、ばかり。こっち、辛い事、何もない。楽しい。嬉しい。おれ、ここに、ずっといたい!」

・名前:アルプトラオム
・年齢:20歳以上
・性別:男

・性格:寡黙だが、普段は争いごとを嫌いのんびりと空を見上げているのが趣味なおっとりした青年。なのだが戦闘時には兵器として使われてきた部分が現れ、化け物と呼ばれるにふさわしい荒々しい性格になる。また教育はまともに受けてないので、舌ったらずな喋り方だったり難しい事は考えられない等、子どもの様な所があるが、だからこそ何かを知る事に喜びを感じている。
・容姿:全身を白い大きな鱗のようなもので覆われていて、顔はおろか皮膚もまともに見えないほど。かろうじて空のように青い瞳だけが鱗の隙間から見える。髪は伸び放題でケアもしていないのでゴワゴワぼさぼさした毛が臍まで生えているのだが、白髪なのでちょっと同化してしまっている。ケアをすればふわふわモフモフする。身長は250cm以上はあり、体格もがっしりしているので立っているだけで威圧感がある。
 服装は動きやすさを重要視して赤いぼろきれのような腰巻きしかしていない。また暴走した時の為に首に一つ、両手の二の腕・手首に一つずつ、両足の太もも・ふくらはぎ・足首に一つずつ太い手錠足枷がついていて、ダメ押しに腹から腰にかけてある大きな拘束具がついている。元の世界では全部にぶっとい鎖がついていたのだが『あわいの川』にくる時にちょん切られたのか、一部の残骸だけがついてきた。

・備考:一人称おれ、二人称おまえ。
戦争への兵器化の為、赤子の時から人体実験を受け人ならざる力を手に入れてしまった。その戦闘力から敵味方どちらからも恐れられ『悪夢』と言う意味の名で呼ばれ、元の名前は忘れ去られた。人ならざる力や外見は薬によるものなので、薬を投与されずに過ごしていくうち徐々に人の形に戻っていく。ただしそれは人によって何年何十年とかかるものだし、彼の場合長年薬に侵され続けたので人外じみた部分が多少マシになるだけで力や見目が人間のものに戻ることはない。

・指名:凛歌
・地雷:特にないです!

・開始文:
 アルプトラオムにとって、深夜とは唯一心休まる時であった。
 朝早くから訓練訓練訓練。昼からはその訓練の成果を示すがごとく、人を傷つける。自分が傷つけてきた人々の恐怖と、嫌悪に歪む眼差し。アルプトラオムはそれら全てを鮮明に覚えていた。
 命じられて人を傷つけを繰り返す日々。他の奴らは身も心も化け物になり果ててしまったが、誰よりも化け物らしい力を持っていたアルプトラオムは皮肉なことに、どうしても心までは化け物には成り切れなかった。脳裏に刻みつけられた自分を化け物だとなじる言葉と憎悪する瞳が。何よりも、人を傷つけ血を浴びる度に軋む彼の心が、彼が化け物になることを許さなかった。

「…………」

 今日も彼は目の前にある、彼の片手の半分より小さな窓から外を眺めていた。雑草が風に揺れ、その先に何もないのか少しだけ星空が見える。時折動物が過ぎ去るが、窓から手は出せないし、それの名前も知らないからただぼんやり見つめるしかない。だがその小さな世界を見つめる時だけは現実を忘れられた。
 だから今日もいつものようにただ外を眺めていた。しかし、いつもとは決定的に違う事が起こった。

「……?」

 眩しい。
 もう朝が来たのか、と思ったけど外はまだ暗い。何事か、と周囲を見渡すと

「……!?」

 なんと、足元が光り輝いている。まるでここに太陽の光を集めたかのような強い光に、さすがのアルプトラオムも目を瞑ってしまった。

「う、うううぅ……なん、だ……?」

 そして、ようやく光も収まったと思い瞼を押し上げたアルプトラオムの目に飛び込んできたのは――


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