雑談掲示板
- 私室
- 日時: 2018/11/17 20:05
- 名前: ダモクレイトス ◆MGHRd/ALSk (ID: 3zeF8rO.)
*当スレは、自分語りや資料掲載を中心にしていきたいと思います。結構、知ってる人がそういうことやってるので、触発されました! 雑談掲示板のスレなので、雑談も勿論可能です!
まずは、おはようございます。こんにちわ、こんばんわ♪ 始めましての方も、私を知っている方も気軽に——とは言っても上記内容を護って——お声をかけてくださいね。
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最近サボっていたのでもう少し増やす ( No.97 )
- 日時: 2018/01/21 14:48
- 名前: ダモクレイトス ◆MGHRd/ALSk (ID: .vot37S.)
唐突ですが私、生物学が好きです。その中で特に無脊椎動物……その中の節足動物の類が好きです。ポケモンなんかも虫統一パ縛りとかやってます。
ということで、今回は虫、節足動物についてです!
*節足動物とは
動物界最大の分類群で、昆虫類、甲殻類、クモ類、ムカデ類など、外骨格と関節を持つグループである。種多様性は非常に高く、陸・海・空・土中・寄生などあらゆる場所に進出して様々な生態系と深く関わり、現生種は約110万種と名前を持つ全動物種の85%以上を占める。なお、いわゆる「虫」の範疇に入る動物は当動物門のものが多い。
*外部形態
節足動物の多様性は高く、分類によって様々な外見を持つ。体の表面はクチクラ(キチン質とタンパク質等)でできた外骨格でおおわれる。成長に伴い体のサイズが大きくなるときには、脱皮により古い外骨格は脱ぎ捨てられ、新しい外骨格が形成される。体は体節の繰り返し構造、つまり体節制をとり、体の表面を被う外骨格も体節単位になっている。各体節からは、それぞれ一対の関節肢と呼ばれる付属肢が出ている。
関節肢も体と同様に外骨格で覆われ、途中に関節がある。関節肢は分類によって歩脚・遊泳脚・鋏・鎌・顎・触角・鰓など様々な功能に応じて色んな形に特化する。 関節肢は基本的に内肢と外肢をもつ二叉型が基本であるが、現生節足動物の中にこの特徴を明瞭に保留するのは甲殻類だけで、ほとんどの分類群は内肢しか見られない単枝型である。また、絶滅した三葉虫とマーレラの歩脚は全て二叉型である。
体節の間は関節状に可動であることが多い。ただし、複数体節の融合や分化など、いわゆる異規体節制がある程度以上発達し、例えば頭部や頭胸部はそれぞれの群で独特の複数体節が融合(合体節)してできたものであり、顎や触角などは頭部に含まれる体節の付属肢に由来する。こうして種類によって体節のうちの特定のものが組み合わされてひとつづきの外骨格で覆われる場合が多く見られ、外観上あるいは機能上の単位を構成する。例えば、体を頭部、胸部、腹部の3部、または頭胸部、腹部の2部に分けて呼ぶ場合があり、これは節足動物の各分類群ごとの特徴として用いられる。
*内部構造
多くの左右相称動物と同様、節足動物は体腔を持ち、消化管は体の前後に貫通し、いわゆる口と肛門という2つ開け口を持つ。体節に貫通する紐状の心臓と中枢神経はそれぞれ体の背面と腹面に付く。
循環系は開放血管系であり、細胞外液、リンパ液や血液という区別は存在せず、リンパ液と血液の役割を兼ねている血リンパが心臓と組織の間隙(血体腔)に流れる。心臓の伸縮や体の運動によって血リンパは心臓の動脈から体の静脈と呼吸器などの器官を通り、心門を通じて再び心臓に戻る。リンパ液の中に免疫系に関わる血球がある。
神経系として、1対の神経索が体の前後に走り、体節に合わせて分節し、左右の連絡でつながるはしご形神経系がある。頭部や頭胸部の脳も体節と共に数対の神経節が融合した結果で、そこから食道を囲んで食道神経環は体の神経節に繋がる。クモ綱や昆虫の様に体節の融合が強く、神経が集中してはしご形が不明瞭な場合も少なくない。
*感覚
節足動物は様々の方法を通じて周りの環境を感知する。体表は常に剛毛(感覚毛)をもち、種によっては触覚・振動・音・水流や気流・温度・匂いや味・化学物質など視力以外の感覚を持つ。 鋏角類以外の節足動物は頭部に触角という関節肢をもち、ほとんどの場合は重要な感覚器官である。触角のない鋏角類の中でも、ウデムシやサソリモドキの様に一部の歩脚が特化して感覚器官として使うことがある。
他にも昆虫の口器にある顎肢は嗅覚や味覚に関わり、サソリの櫛状板・ヒヨケムシのラケット器官・一部の昆虫と甲殻類の後端にある尾毛も感覚器官であり、コオロギやキリギリスの前足・バッタの胸部と腹部の間に両側・カマキリの後胸部腹面には聴覚に関わる特殊な器官を持つ。
*眼
節足動物は、単眼(ocelli)と複眼(compound eye)という2つの種類の眼を持ことが基本形と思われる。分類によって両方を備え、片方しか持たず、複眼の単眼化、稀に視力が失う種類もある。また、単眼の中に元々単眼だったものは背単眼、複眼から退化したものは側単眼と呼ばれる。
複眼は図形認識能力を備え、多数の個眼という構成単位からモザイク画の様な視覚を産生する。単眼は主に明暗を感知する功能を持つだが、一部のクモの単眼は図形認識能力を持ち、中でもハエトリグモの視力は非常に発達し、内部の網膜は自由に動かすことができる。
六足類と甲殻類は基本的に単眼と複眼を両方備え;多足類は背単眼を持たず、中にゲジは複眼、他のものは複眼由来の側単眼を持ち;鋏角類の中にカブトガニ綱は単眼と複眼を両方備え、クモ綱は複眼を持たず、背単眼と側単眼(中眼と側眼)を混在し、或いは片方のみを持つ。また、カンブリア紀の古生物から始め、三葉虫類や節足動物と思われるアノマロカリス類も発達の複眼を持つ。
一旦区切ります
Re: 風死の書庫 ( No.98 )
- 日時: 2018/01/21 14:54
- 名前: ダモクレイトス ◆MGHRd/ALSk (ID: .vot37S.)
続きです。
*運動
関節は柔らかい膜で繋がり、2つの関節の外骨格内側に付着する筋肉で運動する。胴体の関節は様々な方向で湾曲できることが多いが、関節肢の関節はほとんど1対の蝶番に固定されて一つの平面上でしか動かない。そのため節足動物の関節肢、特に基部は多数の節に分かれて様々な動きに対応する。また、外骨格は体の内側へ延長し、いわゆる内突起(apodeme)で筋肉に付着面を提供することも多い。例えばカニの鋏の中では可動指の関節に繋がり、大量の筋肉が付着する板状の内突起が見られる。
また、体中のリンパ液の水圧を変えて関節肢を動かすこともある。この様な特徴はクモ綱に多く見られ、原始的な運動方法と思われる。
*呼吸
節足動物は様々な生息環境に進出し、それに応じて多様な呼吸様式を持つ。主なパターンとして陸生のものは気管や書肺、水生のものは鰓。稀に呼吸器官を持たず、体表でガス交換を行う種類もある。
六脚類は主に陸生で発達な気管を持ち、胸部と腹部のそれぞれの節に一対の気門を持つ。水生昆虫の中に一部の幼虫は水中で呼吸するための鰓を持つ。
多足類は全て陸上性で、六脚類と似たような気管と気門で呼吸する。
鋏角類のうち水生のカブトガニ綱は腹部附属肢である書鰓で呼吸し、陸生のクモ綱は主に書鰓由来の書肺で呼吸するが、気管と気門を通じて行う分類群も少なくない。水生のウミグモ綱は呼吸器官を持たず、体表で直接的にガス交換を行う。
甲殻類と三葉虫類は二叉型付属肢のうち外肢の部分が鰓となって水中に呼吸する。甲殻類のうち陸生のワラジムシ亜目は腹肢にある白体(偽気管)で呼吸する。
*繁殖と発育
求愛行動・交尾或いは交接・メイトガード・護卵など、節足動物は分類によって様々な繁殖行動を持つ。原則として有性生殖を行う卵生動物であるが、サソリやアブラムシなどから単為生殖・卵胎生の例も知られる。
成長に伴い古い外骨格の下で新しい外骨格を形成し、脱皮を通じて古い外骨格から抜け出して成長する。新しい外骨格は柔らかく、固くなるのも時間が掛かり、脱皮直後の節足動物は無防備である。そのため節足動物の脱皮は常に隠れ場所で行うことが多い。中でも古い外骨格を摂食して栄養を回収する種類や、一部のクモは脱皮直後のメスを狙って交接することが知られる。
節足動物の幼生は基本的に成体と似たような外見を持つだが、甲殻類のノープリウス幼生や昆虫の幼虫など、成長の過程で著しく形態が変化する変態を行う分類群も少なくない。昆虫の成虫になる脱皮は羽化と呼ばれる。多足類は成体になるまで脱皮に伴って体節と脚の対数を増やす。
*起源
節足動物がどのような祖先から生まれて来たかについては、定説がない。 以前は、前口動物であること、体節制を持つことなどの共通点から、環形動物に近縁であると考えられ、体節動物としてまとめられた。しかし現在では、環形動物はトロコフォア幼生を共有する軟体動物と類縁があると考えられており(冠輪動物)、体節制という共通点は収斂進化の結果と思われる。
側節足動物(Parathropoda)という便宜的なまとめをされたこともある舌形動物、有爪動物、緩歩動物との類縁関係を含め、この3つの動物門がヘッケル派の系統樹では前口動物の上の方に置かれるのが普通であった。しかし、分岐分類学による検討や分子遺伝学による情報から、舌形動物はウオジラミに近縁の節足動物だと解明され、緩歩動物も他の動物門より節足動物に近縁とも思われ、側節足動物は多系統となり、否定された。
現在は、節足動物・有爪動物・緩歩動物の類縁関係が定説となり、まとめて汎節足動物(Panarthropoda)になる。これらは更に線形動物に加えて脱皮動物というグループになる。
アノマロカリスをはじめとして、カンブリア紀の化石からは、節足動物であるとも思われるものの、現在の分類では所属場所が見あたらないものがかなりある。現存しない分類群が複数存在したものと考えられている。
*分類
現生の節足動物は、鋏角亜門(クモ綱、カブトガニなど)・多足亜門(ムカデ、ヤスデなど)・甲殻亜門(甲殻類)・六脚亜門(昆虫など)という4つの亜門に分類されている。化石種まで範囲を広げれば、三葉虫(三葉虫形亜門)という過去の大グループや幾つの分類が明らかになっていない種も存在した。
特に注目されるのは、頭部の構造である。頭部は口を含む体節と、その前にある、触角を含む体節、それに口の後ろにある、付属肢を持つ体節のうち、一部のものが口の回りの付属肢、つまり顎や鋏角など口器を作ることでできるものである。この部分の構造から、以下の3つのパターンがある。
甲殻類:触角2対・顎3対
六脚類と多足類:触角1対・顎3対
鋏角類:鋏角1対
系統について、かつては上記のような特徴に従って多足類と六脚類は近縁とされてきた。しかし、分子遺伝学的情報は多足類と六脚類の直接の関連を支持せず、むしろ六脚類は側系統である甲殻類から分岐したという結果が出ている。また、節足動物全体の中ではウミグモ類の位置が問題となっている。鋏角類に含めるのが従来の判断であるが、これをそれ以外の節足動物全部と対置すべきとの説もある。
*下位分類
*汎甲殻類の中に、六脚亜門以外の全ての分類群が側系統の甲殻亜門のものである。
†(亜門、綱和名なし) Marrellomorpha - マーレラ
†三葉虫形亜門 Trilobitomorpha †三葉虫形綱 Trilobitoidea
†三葉虫綱 Trilobita - 三葉虫
鋏角亜門 Chelicerata クモ綱 (蛛形綱)Arachnida - クモ、サソリ、ダニ等
カブトガニ綱 (節口綱、剣尾綱)Merostomata - カブトガニ、†ウミサソリ
ウミグモ綱 (皆脚綱)Pycnogonida - ウミグモ
多足亜門 Myriapoda ムカデ綱(唇脚綱)Chilopoda - ムカデ
ヤスデ綱(倍脚綱)Diplopoda - ヤスデ
エダヒゲムシ綱(少脚綱、ヤスデモドキ綱)Pauropoda - エダヒゲムシ
コムカデ綱(結合綱、祖形綱)Symphyla - コムカデ
甲殻亜門 Crustacea 貝形虫綱 Ostracoda- 貝虫
(綱なし)ヒゲエビ亜綱 Mystacocarida
イクチオストラカ綱 Icthyostraca - ウオジラミ、シタムシ(舌形動物)
鰓脚綱 Branchiopoda - アルテミア、カブトエビ、ミジンコ等
(綱和名なし) Hexanauplia - フジツボ、カイアシ等
軟甲綱 Malacostraca - シャコ、カニ、エビ、オキアミ、ダンゴムシ等
ムカデエビ綱 Remipedia
カシラエビ綱 Cephalocarida
六脚亜門 Hexapoda 内顎綱 Entognatha - トビムシ、コムシ、カマアシムシ
昆虫綱(外顎綱) Insecta - 昆虫
Re: 風死の書庫 ( No.100 )
- 日時: 2018/01/23 06:43
- 名前: 俄モチ1089CP (ID: H9k/KT76)
どうも、お邪魔いたします。
なんだか懐かしいお名前をタイトルにお見かけして……。
衝動的に入ってみたくなりました。
そして覗いてみると専門的な言葉の羅列が………!
生物学がお好きとはすごいですね。
世の中の生物はいろいろ分類されますが、
人間以外の当の動物自身はそんなことも露知らず生きているのかな、と何となく思いました。
これからちょくちょく覗きに来てもよろしいでしょうか。
戦車道とか絶対イヤだなぁ…… ( No.101 )
- 日時: 2018/02/03 14:12
- 名前: ダモクレイトス ◆MGHRd/ALSk (ID: fC8iRnno)
*偽りない本音です。戦車が女の子の嗜みとかヤバイですよね……
まぁ、とりあえず、戦車のゲームを始めたので。理由がどんどん適当になってる? 知識を得ることに理由なんているのかい?
>>100 我モチ様
おっ、レス番号、きれいな数字ですね♪
私こそ、貴方のHN懐かしいですよ?
ははは、スクロールに時間がかかるせせこましいというか、空気の重い空間ですねぇ……カビ臭い地下の巨大図書館みたいな感じが少し、立ち込めているような?
えぇ、生物好きです。宇宙学とか歴史学とか、兵器、神話なども興味がありますね。まぁ、小説のネタとして興味があるというものも多いですが。
何事にも興味をもつことって大事だと思うのです。
そうですねぇ。動物の視点、立ってみたいものです。目の作りもそれぞれ違いますから、本当に世界が違って見えるでしょうねぇ……
例えば、昆虫とかになったら、本当に儚い命を体験することになりそうですし、とか(苦笑
――――――――――――――――――――――――――――――
*戦車とは
戦線を突破することなどを目的とする高い戦闘力を持った装甲戦闘車両である。一般に攻撃力として敵戦車を破壊できる強力な火砲を搭載した旋回砲塔を装備し、防御力として大口径火砲をもってしても容易に破壊されない装甲を備え、履帯による高い不整地走破能力を持っている。
*概要
戦車は戦う車の総称ではなく、自走砲や装甲車などとは区別される。しかし、何をもって戦車と定義するかは曖昧な部分もあり、また時代や国、地域によって変化する。21世紀初頭現在では大まかに分けると。
1.(駆動について)走行装置が無限軌道(履帯、キャタピラ)であること
2.(防御について)戦線を突破できるだけの防御力を持つ。具体的にはあらゆる方向からの小銃弾に耐え、正面は対戦車兵器に耐え得る。
3.(攻撃について)戦車をはじめとする敵装甲戦闘車両を待ち伏せでなく積極的に砲撃し、撃破できること
4.(武装について)全周旋回可能かつ全面を装甲化した砲塔を有すること
5.(歴史的補足として)固有武装を用いて、あらゆる敵陸上部隊と直接的かつ持続的な戦闘を行えること。一般に戦車砲を収納した全周砲塔を持つ。
などが挙げられる。
ただ上記の条件にあてはまらなくても、保有する側が戦車と呼べば戦車扱いされる可能性もある歩兵戦闘車や自走砲の多くも上記に該当するが、戦車とは異なった兵器である。直射射撃によって敵の保有する(ほぼ)すべての装甲車輌を撃破するように設計された兵器であることも、上の条件に加えられるかもしれない。
*名称
英語: Tank(タンク)イギリスで作られた世界最初の戦車は、当初「水運搬車(Water Carrier)」という秘匿名称が付けられていた。イギリスでは委員会をその頭文字で呼ぶ風習があり、戦車開発のために委員会が設置されたが「W.C.(便所)委員会」では都合が悪かった。そこで「T.S.(Tank Supply=水槽供給)委員会」と呼ぶことにした。 これにより戦車は「タンク」と呼ばれるようになり、のちに正式名称になった。この語源については「戦車を前線に輸送する際に偽装として『ロシア向け水タンク』と呼称した」など諸説あるものの、以後戦車一般の名称として定着した。
日本語: 戦車(せんしゃ)もともと戦車という言葉は、中国同様に漢文中の戦車を意味していたが、日本史上ではほとんど使われたことが無い兵器だった。近代戦車については1917年(大正6年)の陸軍省調査書において『近迫戦に専用する「タンク」と称するものあり』と記され、1918年(大正7年)に日本陸軍へ導入された当初は英語のtankをそのまま音写して「タンク」あるいは装甲車と呼んでいたが、程なくして戦車と呼ばれるようになった。
はっきりとした時期は定かでないが、1922年(大正11年)発行の論文中に戦車の訳語が登場する。また陸軍の会合の席上である大尉が思いつきで戦車と呼ぶのはどうかと提案したところ、その場の皆の賛同を得て受けいれられたという話もある。1925年(大正14年)陸軍歩兵学校制作の「歩兵操典草案」では兵卒向けの心得の中で戦車という語を用いつつ「一般にタンクと称する」と説明し、一般向けの冊子と思われる「学校案内」においても同様な表現を用いている。
第二次世界大戦後に発足した自衛隊は当初、戦車という軍事用語を忌避して「特車」と呼称していたが、1962年(昭和37年)1月からは「戦車」と呼ばれるようになった。
中国語: 坦克(タンク)一方、 中国語では「戰車」は古代戦車を意味する。近代戦車は tank を音写して「坦克」と呼んでいる。ただし、台湾では日本語と同様に「戰車」と呼んでいる。
朝鮮語: 전차(チョンチャ/南)または땅크(タンク/北)大韓民国では、日本語と同様に古代戦車・近代戦車ともに「전차(戰車)」の語を用いるが、緊圧茶(磚茶)や電車(電気機関車)も同じ表記である。外来語として英語の tank を音写した語の表記は탱크(テンク)である。
北朝鮮では、ロシア語の танк を音写した「땅크」と呼ぶ。
ドイツ語: Panzer(パンツァー)ドイツ語では Panzerkampfwagen(装甲・戦闘・車輌)の略称として Panzer(パンツァー)が一般的である。英語上ではPanzerは「ドイツの戦車」全般を意味する語として取り入れられている。元来ドイツ語でPanzer は装甲という意味で、英語の Armour / Armor と同様に、かつては中世騎士などが身につけた金属製の甲冑・鎧を意味し、Panzergrenadier(装甲擲弾兵)などはこちらの用法から来ている。
現代ではPanzerは装甲戦闘車両(戦車)の意味で使われる事が多いので、旧来の鎧はRüstungと呼んで区別されることが増えた。但し、日本語では装甲戦闘車輌としてのPanzerでも、例えばPanzerdivisionは「戦車師団」ではなく「装甲師団」や「機甲師団」と訳される。
また、パンツァーファウストのように原語をそのまま音写するのが一般的な言葉もある。現代のドイツ軍でもパンツァーファウストの名前を受け継いだ後継兵器を使用しており、そのうちパンツァーファウスト3を日本の自衛隊が110mm個人携帯対戦車弾として採用している。
そのため日本の公文書中にもパンツァーファウストの文字を見て取れる。
ヘブライ語: טנק(タンク)ヘブライ語では近代戦車のことを、英語の「Tank」をヘブライ文字に置き換えた「טנק」(タンク)と表記する。なお古代戦車(チャリオット)は「מרכבה」(メルカバ)と呼ばれ、イスラエルの主力戦車の名称ともなっている。
フランス語: Char de combat(シャール・ド・コンバ)フランス語では戦車のことを「Char」(シャール)と呼ぶが、もともとこの語は古代戦車(チャリオット)を指す名称であるため、近代戦車を指す際には「Char de combat」(シャール・ド・コンバ、直訳で「戦闘戦車」)と表記される。「char de bataille」(シャール・ド・バタイユ)や「char d'assaut」(シャール・ダッソー)とも表記される。
イタリア語: Carro armato(カルロ・アルマート)直訳で「装甲車輌」。単に「Carro」(カルロ)とも。
ロシア語: Танк(タンク)英語の「Tank」をキリル文字に置き換えたもの。
*制式名称と愛称
戦車の名称は、兵器としての制式名称と、軍や兵士達によって付けられた愛称とに大別される。愛称については配備国により慣例が見られる。アメリカは軍人の名前から(もともとは供与元のイギリス軍による命名則)、ドイツは動物の名前、ソ連・ロシアの対空戦車は河川名にちなんでいる。イギリスの巡航 (Cruiser) 戦車や主力戦車では「C」で始まる単語が付けられている。日本は旧軍では皇紀、自衛隊では西暦からきた制式名で呼ばれ、前者の場合、カテゴリーや開発順を表す秘匿名称(例・チハ…チ=中戦車のハ=いろは順の三番目)もつけられていた。
歴史は略 ( No.102 )
- 日時: 2018/02/03 14:18
- 名前: ダモクレイトス ◆MGHRd/ALSk (ID: fC8iRnno)
続きです。
*将来
各国の技術開発・研究などから、戦車は将来的に以下のような発展をみせると予想されている。
第2世代主力戦車の主砲である105ミリロイヤル・オードナンス L7主砲火力の強化については、ドイツのラインメタル社などが140mm砲を開発しており、「第4世代主力戦車」の主武装になると期待している。ただし140mm級の砲を純粋に搭載すると、反動を抑えるのに必要な重量は70トンから80トンに達すると想像され、現在の技術で取り扱える重量限界を超えてしまう。
その為、ラインメタル社では反動低減のための研究が進行中である。砲弾の大きさ及び重量も同時に増加することで、砲への装填や戦車への搭載が人力で行うには戦車兵に対して過度の負担になると考えられる。前者については自動装填装置の採用で解決できると思われるが、後者は砲側給弾車といった新たな機械的搭載装置の必要性が検討される。更に、砲弾の大型化で携行弾数が少なくなる可能性があり、これを解決するためには砲弾そのものを改良する必要があると考えられる。
既にドイツではレオパルト2の強化案として同140mm砲の搭載テストを行ったが採用は見送られ、現在は120mm径のままで砲身長の延長や弾薬の改良などによる火力強化を図っており、他国もこれに追従する動きを見せている。なお10式戦車では、主砲の反動を計算して圧力を調整し反動を吸収するアクティブ・サスペンションの導入により44トンの車体に120mm砲の搭載を実現しており、今後同様の手法で重量を抑えつつ140mm級主砲を搭載した車輌が出現する可能性も考えられる。
主砲の新技術として液体装薬も期待されたが、実用化にはまだ遠い。また、リニアモーターの原理で弾体を磁気の力で加速して打ち出す静電砲(リニアガン/コイルガン)や、ローレンツ力を利用した電磁投射砲(レールガン)も、まだ実験の域を出ていない。防護防護性能の向上では、被弾する可能性が最も高い砲塔の露暴面積を縮小する努力が払われている。
これまでも、主砲の操作に関わる乗員を車体側の固定座席に座らせることで砲塔を小さくした無人砲塔戦車や、自動装填・遠隔操作の頭上砲 (Overhead Gun) をほとんど無装甲で搭載した無砲塔戦車が構想された。これらのうち、無人砲塔はロシアのT-14アルマータにおいて実現している。主砲を操作する乗員を砲塔リングより下の砲塔バスケット内に配置して砲塔を小型化する低姿勢砲塔(Low Profile Turret:LPT)については、ヨルダン陸軍の主力戦車「アルフセイン」(輸出されたチャレンジャー1)の最新改良型に、南アフリカの企業と共同開発した「ファルコン2」砲塔を搭載した事が発表され、今後の運用が注目されているほか、装甲車ではM1128 ストライカーMGSで先んじて実用化されている。
即応弾の搭載場所は、ファルコン2が主砲の後方、MGSは砲塔バスケット内である。電磁装甲も、未来技術であり実用化の目処はたっていない。 アクティブ防護システム装甲の強化に代わる新しいタイプの防御方法も模索されている。そのひとつに、対戦車ミサイルなどの接近をレーダーやセンサー類で探知し、自動的にジャミングで無力化したり飛翔体やミサイルで迎撃するアクティブ防護システム(Active Protection System:APS)がある。ソ連・ロシアは既に1980年代に一部で導入しており、最近ではイスラエルのラファエル社の開発したトロフィーAPSのメルカバMk.4への採用が公表され、欧米でも同種のシステムの開発・採用を進めている。一方で、探知用のレーダー波で自らの位置を暴露してしまうことや地上は空中や海上に比べて干渉要素が多くレーダー探知が有効に機能しにくいこと、ミサイルを迎撃するための反撃に、戦車付近に展開している随伴する歩兵を巻き込む恐れがある。
重量現在の西側各国の主力戦車の重量は55-65トン程度ある。重量は装甲や防護力に直結している一方で自走可能な航続移動距離や速度、燃費などとトレードオフの関係にある。これ以上の重量増加は戦車の行動力を著しく損なう上、貨車やトランスポーターによる輸送、橋梁など架空構築物上の移動における重量制限、あるいは被害・故障車輌の回収などの点で困難になってしまう。
陸上自衛隊の90式戦車は50トンだが、長距離輸送を考えた場合、大型のタンクトランスポーター(戦車輸送車輌)や大型RO-RO船が不足しており、北海道以外での平時における運用が難しいとされている。対抗兵器対戦車ヘリコプターの出現や対戦車ミサイルが猛威をふるったことにより、一時は「戦車不要論」も唱えられていたが、湾岸戦争・イラク戦争は戦車が依然として陸上戦の主役であることを見せつけた。
ヘリは機動性と攻撃力は優れているため攻撃的運用には適しても、飛行時間に制限があり装甲も脆弱で飛行安定性も悪く直撃でなくても近接での爆発による圧力で墜落する可能性も高いので、敵の攻撃を受けてもなお留まる防御/制圧的な運用には適していないという偏った能力を備えるためである。戦車は攻守両面でバランスが良いとしてその有用性が認められ、「戦車不要論」は勢いを失っている。
情報の即時共有化複数の戦闘車両や戦闘用航空機、艦船や兵員1人1人までもが情報技術の利用によって互いの情報を共有し、戦闘現場での状況が実時間で上級司令部にまで届き、逆に上級司令部の命令が遅れることなく戦闘現場まで届けられ、戦闘現場内においても相互の情報連結によって意思疎通が行えるようにする。こういった情報共有の能力を持った戦闘部隊はその戦闘力を何倍にも高められるという考え方がある。戦車でいえば、攻撃力より機動性を優先して、複数の戦闘車両を互いに連携させる事で、敵部隊に対してより柔軟に対応できるとするものである。
ロボット化陸上兵器のロボット化は技術的ハードルが大きく自動運転車と平行して研究が進められている。現在でも決まったルートを偵察する動作は可能であるが、航空機に比べメリットが少ないため実用化されていない。遠隔操作遠隔操作の無人戦車も研究は1920年代から行われており長山号など試作機が開発されたが、電波妨害の問題もあり実用化はされていない。
アメリカ軍はArmed Robotic Vehicle (ARV) として、試作車両の製作と実験にまでこぎつけている。また無人車両を有人車両からコントロールするロボット僚車などの研究が行われている。低強度紛争への対応近年、戦車に新たに求められているのが、低強度紛争(Low Intensity Conflict:LIC)への対応能力である。テロリストやゲリラの対戦車兵器に対する防御と、それを駆逐制圧する火器システムを備えた騎兵車輌としての能力も同時に求められており、この事がさらに開発を困難な物にしている。
逆に、冷戦終結により戦車同士が撃ち合う従来の戦車戦の機会自体が失われつつあり、こうした時勢を反映して、今後の陸軍戦力の整備のあり方として、戦車と歩兵戦闘車や装甲車にヘリコプターなどを密接に統合運用する、近代的な諸兵科連合戦術に対応した戦車が求められている。機動砲各国の軍事費削減や緊急展開能力への要求から、アメリカ軍のストライカー装甲車の様に装輪装甲車を導入する例がある(Stridsfordon 90やASCOD歩兵戦闘車など装軌装甲車をベースにしたものもある)。
これらは本質的には戦車を代替するものではないが、76 - 105mm砲クラスの低反動砲を搭載した機動砲 (MGS) は戦車の様に火砲を搭載していることから、装輪戦車のように報道されることがある。ストライカー装甲車のMGS仕様やイタリアのチェンタウロ戦闘偵察車などがあるが、他にも各国で多くの車両の開発・配備が進められており、日本の防衛省も16式機動戦闘車と呼ばれる105mm砲搭載装甲車の配備を進めている。
経済的に主力戦車を導入できない国がその代替として機動砲を導入する場合や、空輸での利便性が評価されて導入が進む場合が多いが、装輪装甲車が対戦車用に備える火力としては、軽量・無反動で射程が長く破壊力も大きい対戦車ミサイルの方が有効であり、機動砲はむしろ陣地破壊や狙撃手の掃討といった、高価なミサイルを使っていては費用対効果の悪い任務にも対応できる多用途性が求められている(さらにミサイルやロケットランチャーは最低攻撃距離が長く、発射までに時間を要する為に即応性が悪く突発的遭遇戦には向かない)。
装甲防御力が圧倒的に不足している事から真っ向な対戦車戦は望めず戦車の完全な代替には成り得ないという意見が強いが、相手が旧世代の戦車しか配備していない国、または戦車を所有しないゲリラやテロリストの様な非正規勢力である様な場合はその限りでは無いともされ、今後の推移が注目される。とはいえ、RPGのような近接対戦車兵器は途上国でもよく普及しており、ストライカー装甲車では戦車のような歩兵の盾としての役目は果たせない(イラク戦争におけるストライカーはRPGへの対策からカゴ状の追加装甲を取り付けることを強いられている)。
さらにタイヤでは射撃時の安定性が大きく劣るため、精度が悪く、射撃後の揺動が長時間つづく欠点がある(さらに走破性も悪く、長時間停車していると空気が抜けてしまう)。結局のところ機動砲は火力支援のための自走砲であって、戦車の代用とはなりえないのである。
3レスで〆たいお年頃 ( No.103 )
- 日時: 2018/02/04 07:26
- 名前: ダモクレイトス ◆MGHRd/ALSk (ID: sWxtpW9E)
続きです(色々、略
*兵器産業における戦車
*工業製品
現代の戦車は開発・製造に高度な専門技術と産業基盤が要求される工業製品である。強力なエンジンと走行装置、特殊な複合装甲とそれを支えるための強固な構造体、高い加工精度を要する戦車砲と砲弾、それを正確に操る精密な火器管制用の光学電子機器と情報処理装置、通信機器、そして乗員を護る空調換気装置。こうした数多くの要素の1つでも欠けていれば優秀な戦車は産み出せない。自国のみで近代的な戦車を開発し生産まで行えるのは先進工業国に限られているが、21世紀に入ってからは、戦車は1両の陸上車両単体での戦闘能力だけでなく複数の同種・異種の車両や航空機、人工衛星とも連携した戦闘が求められるようになっており、先進工業国の中でもさらに限られた数ヶ国だけが開発と生産を行っているのが現状である。
そのために戦車配備を欲しながらも工業力に乏しい国は他国から戦車を購入せざるを得ず、戦車生産国はこういった国々へ輸出することによって経済的利益や量産効果による調達価格の低減と共に、軍事・政治的影響力の確保を図ろうとする。兵器メーカーが仕入れ専用の車輌開発を行う場合もある。
発展途上国においては旧式戦車であっても貴重な戦力であり、半ば放棄されたようなスクラップでも火力支援用途で投入されることが多い。これらの戦車は原型を留めないほど改修されて現地で使用されており、砲塔を地面に埋めてトーチカ代わりにしたり、トラックやトレーラーに砲塔を移植するなど強引な改造をされる例が後を絶たない。これら戦車のスクラップも発展途上国では価値ある中古商品として取引され続けており、退役した戦車をこれらの国々に売り払う軍も少なくない。
*近代化改修
現代型の最新戦車は、鋼鉄の塊であると同時に高度情報機器や精密機器の塊でもあるため高価であり、ある程度の数を購入するにはかなりの軍事予算を必要とする。
東西冷戦期には、ヨーロッパで対峙していた東側と西側の陣営各国だけでなく世界中の多くの国々が陸上戦闘での主戦力となる戦車を100輌単位から1,000輌単位で保有していたが、冷戦終結後は脅威の減少に伴う軍事費の削減によって、徐々に旧式化する大量の保有戦車を次世代型の新たな戦車に置き換えるだけの予算は与えられなくなった。
先進国の軍隊が限られた軍事予算を有効利用するには、それまで、アフリカ諸国のような軍事予算の限られた国の軍隊が、旧式化した先進国の中古の陸上兵器を小さな改修によって実用的な兵器として購入していたように、先進各国が保有している多くの戦車に対して、車体はそのままに追加の装甲や最新電子装置などの付加や交換による能力向上と寿命延長措置が計られることも行われている。こういった改修は「近代化改修」と呼ばれる。
*戦車相当の戦闘車両の開発
多くの国では近代化改修などにより旧型戦車の延命処置をおこなうなどして戦車を保有し続けているが、冷戦の終結により大規模戦争の可能性は小さくなっており、低脅威度地域紛争への派兵にともなう新たな戦闘車両への要求が大きくなっている。ソマリアの戦訓やイラク戦争の戦果は装甲車や歩兵戦闘車の有用性を示すものであった。戦闘車両の主敵は敵の戦闘車両ではなくなりつつあり、RPGや路肩爆弾などへの防護が求められるようになっている。また決戦兵器としてではなく歩兵支援兵器として輸送に適し小型軽量、高速走行できる軍用車両の必要性が高まり、従来とは異なった兵器体系の模索が開始された。
それまでにも戦車以外の中軽量級の戦闘車両の開発では、モジュール化やコンポーネントの共用化によって開発、生産、運用といった面での経費節減と運用効率向上を図ることがあったが、これらの戦闘車両ファミリーに戦車類似、又は戦車相当の車両を含めて作れないか検討され開発が進められている。
こういった戦車類似車両を含む新たな戦闘車両体系は、いずれも味方側との無線ネットワークを使って情報化された高度に有機的な運用方法を想定しているため、戦闘車両単体での購入では能力は発揮できず、導入時には戦闘ファミリー全体の保有が求められる。このような戦闘車両が海外へ輸出販売される場合には、兵器技術の拡散という負の側面もあるが、兵器メーカーでは広範な兵器システムの売り込みが図れ、輸出国では購入国への軍事的影響力がこれまでの単体兵器以上に大きくなると考えられる。
*対戦車戦闘
戦車は戦闘車両だけではなく、対戦車兵器を使う歩兵や航空機とも戦う必要がある。戦車は厚い装甲により防御力は高いが、開口部が極端に少ないため視界は狭く死角が多い。また外部音も遮蔽され一層周囲警戒が困難であるが、逆に戦車の走行音は大きいため関知されやすい。一方で歩兵は地形に潜んで、戦車に近接戦闘を挑むことが容易であり、航空機は察知・反撃しにくい上空から攻撃することができる。
戦車は登場した当初から歩兵の手榴弾や地雷による肉薄攻撃を受けてきたが、個人携行が可能な対戦車ロケットや対戦車ミサイルによって離れた位置から戦車への攻撃が可能になると、戦車兵や同行の歩兵は徒歩によって周囲警戒する必要に迫られた。そこで戦車の側は単独で進撃するのではなく視界の広い歩兵を随伴させ、警戒と火器による牽制・制圧で対戦車戦闘を困難にさせる。一方で対戦車攻撃を仕掛ける側は、随伴歩兵を無力化してから戦車を攻撃しようとする。
最新の戦車はモニターやセンサー類を充実することで不利を補おうとしているが十分とは言えず、随伴歩兵を必要としつづけている。歩兵が戦車の装甲に直接同乗するタンクデサントは歩兵の視野の広さと戦車の機動力を得られる反面、むき出しの歩兵は危険であり推奨される戦法とは言えない。RWSは周囲を監視するセンサーと対空攻撃を両立できる装置であるが、高価で装置自体の防御力は低いため万全とは言えない。
また戦車は大きく重いことから交通路には制限があり、防御側はこれを利用して対戦車壕や対戦車用バリケード、対戦車地雷等の障害物によって自由な移動を阻害する。戦車は車体の大きさから停止した状態では的になるため、走行不能な状態に陥った戦車は乗員が逃げるか味方の救出を待つ以外に手立てがない。
*市街戦
市街戦は視界の狭さと通行の制限という二つの弱点から特に苦手としているが、歩兵の盾や強力な火力援護手段として戦車が必要されていることに違いは無く、非対称戦争対策として市街地向けの改修が行われている。また設計段階から市街戦を考慮した戦車も登場している。
M1エイブラムスは既存の車両に取り付ける市街戦対処用キットの開発を進めている。
レオパルト2の市街戦対応型『レオパルト2PSO』は、対戦車ロケットや地雷対策の増加装甲、デモ隊の排除や威嚇のため非殺傷兵器やサーチライト、バリケードの撤去にも使用できるドーザーブレード、モザイク状の都市迷彩を採用している。逆に射程距離は重視されないため、主砲を55口径から前期型で使われていた射程の短い44口径に戻し、代わりに遠隔操作式の銃架に多彩な小火器を装備できるようにしている。
都市部ではビルなど高所が多く、ここからのロケット弾で撃破される危険がある。
*空襲
陸戦を主目的とする戦車にとって上空を高速で移動する航空機は対応が難しく、第二次世界大戦の中期から対地攻撃機が対戦車攻撃に導入され多くの成果を上げた。特にダイブブレーキを備えた急降下爆撃機は狙いを定めやすく、戦車側は直撃しないようにジグザグに動く、急停止・急発進するなど回避行動を取っていたが効果が薄かった。対策として大規模な戦車部隊には対空戦車が随伴することもあった。相手の空襲を受ける可能性がある場合は、高射部隊の援護が必要不可欠である。
戦車の上部装甲は概して薄く作られるため、正面であれば十分に耐えられる20mm~30mmの機関砲であっても貫通される可能性がある。このため第二次世界大戦後期には30mmクラスの機関砲を装備して対戦車攻撃機へと転用されたJu 87Gのような急降下爆撃機の改造型が登場している。
空中を自由に動き回る攻撃ヘリコプターは固定翼機以上の脅威であり、停止・横移動・前後進により適切な距離を保ったまま機関砲や対戦車ミサイルなどで一方的に戦車を撃破することが可能である。戦車側はヘリコプターの射程に入った場合、スモークで視界を遮りつつ遮蔽物の影に隠れる以外には手がなかったが、戦車が主に活動する平地では車体を隠す場所が少なく、スモークも拡散するまでその場に滞空して待つことが可能であるなど、戦車とは本質的に相性が悪い。そのため戦車を運用する側は、歩兵の持つ地対空ミサイルや対空攻撃の可能な機関砲、また専門の高射部隊との協調によってヘリコプターの接近を阻止する必要がある。
現代では対戦車攻撃はヘリコプターが主流であるが、アメリカ軍のA-10は戦車や装甲車への攻撃を主任務としており、30mmガトリング砲や空対地ミサイルなど多彩な武装を装備している。
この他にも攻撃能力を有する無人航空機など新たな脅威も出現している。
現代ではミサイルなどを利用した空からの対地攻撃により敵戦闘車両を破壊した後、地上部隊を展開させる戦術が基本であり、制空権の確保は戦闘車両の大規模展開の前提である。
*歩兵
第二次世界大戦中に成形炸薬によるモンロー効果を利用した物が登場すると吸着地雷から対戦車手榴弾・銃砲利用の対戦車擲弾と続き、やがて個人携行可能な対戦車ロケット弾、対戦車無反動砲、携帯式対戦車用擲弾発射器(パンツァーファウスト)が登場した。またロケットランチャーと組み合わせたものはバズーカとして知られる。これら小型軽量の対戦車兵器は比較的安価で使用法も単純である事から対戦車兵器の主流となった。また第二次世界大戦後になると誘導装置を備えた対戦車ミサイルが開発された。
1970年代には、この対戦車ミサイルにより歩兵の対戦車戦闘力が大きく強化された。第四次中東戦争中の1973年10月8日に発生したエジプト軍第二歩兵師団とイスラエル軍第190機甲旅団の戦闘では、エジプト軍がRPG-7やAT-3「サガー」を大量に装備して迎え撃った。随伴歩兵を伴っていなかったイスラエル軍戦車は対戦車攻撃を満足に防げず、約120輌の戦車うち100輌近くが約4分間で撃破された。
このような携帯式の対戦車兵器の発達が、ゲリラやテロリストなど重装備を持たない武装勢力に対戦車攻撃能力を与えたため、いわゆる低強度紛争(LIC=Low Intensity Conflict)を増長させる要因となった。例えばソ連製のRPG-7は簡単な作りで途上国でも複写生産できるため、紛争地帯で多く使用されている。
これらの武器は戦車や戦闘車両に限らず、防御された陣地や兵士に向けて直接発射されることも多く、仮に戦場に全く戦車の姿がなくとも、歩兵部隊にとって強力な火力投射手段として多用される。
――――――――――――――――――――――――――――
これにて終了です。
Re: 風死の書庫 ( No.104 )
- 日時: 2018/02/04 07:54
- 名前: 織原姫奈 (ID: my0gvS4Y)
なるほど(物理型理系脳)(軽くオーバーヒート)
まず風死さんってのを初知り...3年前居たときから知ってる人やーん
軽く辞書越えの知識量情報量も納得
なんか見たことあるとは思ってたのだよ...今と名前違ったけど
あと >>0 の「"我"モチ」の人遍消えてるよーななにかを感じましたまる
Re: 風死の書庫 ( No.105 )
- 日時: 2018/02/04 15:40
- 名前: ダモクレイトス ◆MGHRd/ALSk (ID: sWxtpW9E)
>>104 織原姫奈様
おぉ、こんなところにまでおこしくださり、ありがとうございます!
まぁ、このスレに載っている知識はほぼ全て、ウィキとかからの引用ですけどね。まぁ、記事はちゃんと読むようにしているんですが、まだまだ足りないと思います。知識を売りにするには……まぁ、売りにしていませんが(苦笑
私ってそんなに特徴ある人なのでしょうか? うーん、成長していないようで悲しいですね。
*あと >>0 の「"我"モチ」の人遍消えてるよーななにかを感じましたまる
ご指摘ありがとうございました! 修正させてもらいました。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ちょっと息抜き。ここって、お硬い情報記事を適当に掲載しまくる感じのスレって思われてますよね? 違います。それは、ノー! このスレは私の……なんだ?
あぁ、私の遊び場です。適当にほしいと思った情報を手元においてたら、何か膨大な量になったのです。というか、結局脳○なので、あれ長い割に楽なんです。あの長さで3レスくらい掲載するのに、20分かかりません。みなさんもお手軽なのでやってry 正直、割と生温い目で見られてそうです。まぁ、自分のためなんで良いですけど。
誰からもよく見られたいなんて願望も、ないですしね。まぁ、できれば格好いいとか上品とか見られたいという感情はあるので、最低限のマナーや言葉遣い、教養などは身につけれるよう努力はしているつもりですが。そこまで完璧というわけでもないし、本物の知識を完全にマスターするつもりもあまりないです(苦笑
ぐだぐだしてんなぁ、この文章。まぁ、一言で纏めちゃえば、ここただの秘密基地みたいなものです。気ままに勝手に欲しい記事ダラダラそのまま掲載したり、日々の感じたことを書いたり、日記載せたり、たまには小説やポエム載せたり……みたいな雑多な場所です。
ちなみに主は、独り語りは嫌いではないですが、少し寂しがりやのきらいがあります。優しい方々、時々構ってもらえるとうれしいです。まぁ、偏りのある半端な知識スレですが、有用活用してくれる人なんていたりしたら、少しいや、かなり嬉しかったりします。自己満足の塊のスレですが……ね。
結構書き込んだと思うんだが、これ文字数どれくらいだろう? 雑談板って文字数表示ないんですよね。ちょっと違うところ(カキコ内の掲示板)で調べてみたら1000文字いってなかったです。1000は少し超えているだろうとか思っていたのですが。吃驚です……自分の感覚の鈍さに。
と、駄弁りはこの辺にして。本題に入ります。はい、この人、本題に入るまでに1000文字超える予定だったみたいです(笑) はい、ここまで前置きです。
今回は去年やったゲームの感想でも書こうと思います。誰が興味あるかとか関係ないです。書きたいだけです。まぁ、どうせ、1レスで終わる量じゃないので、1つのゲーム1レスって感じで書いていきたいと思います。さて、一番バッターなににしましょうかね? 誰に聞いているのか……私の中には二人の人格がありますから仕方ありませんね。
ということで、最初の感想は「ロゼと黄昏の古城」というゲームです。
ロゼと黄昏の古城は2016年4月下旬にPSVitaより、日本一ソフトウェアからリリースされたソフトです。流行り神や夜廻シリーズなど、雰囲気のあるホラーゲームが主体な印象があります。ディスガイアシリーズとか、意外と色々なもの作っているんですけどね。
あとは今年の夏にNintendo Switch版イースⅧ(ファルコム作品)を手がけるみたいで、そこ気になります。まぁ、イースⅧはvita版でプレイ済みですが。話が脱線しました(笑)
ジャンルとしては探索系アクションゲームみたいですね。
大筋としては、“時”が失われ、ありとあらゆるものが静止した古城――その地下牢で、少女は目を覚ました。見知らぬ場所にたったひとり、背には呪いの茨を宿した忌まわしい姿で。出口を求め彷徨い歩いていると、やがて大きくてまんまるな巨人と出会う。共に助け合いながら古城からの脱出を図るふたり。城の奥深くへと進むにつれて謎は解き明かされ、やがては事態の真相と茨にまつわる真実が浮き彫りになっていく。という感じですかね。時が失われたというのは、どういうことなのかとか巨人とか色々気になるでしょうけど、そのへんはネタバレになるので伏せます。いや、すでにネタバレですけど(苦笑
アクションと銘打っていますが、探索要素もふんだんです。基本的には世界観はキャラクタの口頭などでは語られず(時が静止しているのだから、そりゃぁ、人々は喋れません。はい、この時点で主人公である少女が普通じゃないですね。というか1人で目覚めた時点でね)
まぁ、わかると思いますが、世界観的には中世ファンタジーです。この世界の人や物は基本的に赤いのですが、何かの影響で、その色を抜かれ、静止した状態にあるのです。命を失った状態とも言えますかね。まぁ、ごちゃごちゃ話すとネタバレになってしまうし、私も考察しきれていないのであまり話しませんが。色を抜かれた状態で動けなくなっている存在たちに、紅の色(生命の色とも言いかえられる)を与え、動かせるようにしたりして進んでいく、探索というよりは謎解きの要素のあるアクションですね。基本的に敵は出ててはきますが、巨人で直接あやめることはできませんし、もちろんロゼちゃん(主人公の名前)も倒す手段はありません。敵の倒し方も何かのギミックを使うとかで、時には重しにしたりするために利用したりもします。
まぁ、べらべら言ってますが、巨人と彼女を状況に合わせて操作して謎をときながら進むスタイルですね。血の記憶というものを読み取ったり、書物を読んだりして、少しずつ世界の情報を得たり、その存在たちの終焉や生活を見ていく。情報開示のされ方はそんなところです。
セリフは基本的には書物にしかなくて、大体は雰囲気や行動から読み取っていくことになる。想像力をフルに掻き立てていく感じで、思考も鋭敏になりますね。個人的には古城の退廃的な雰囲気と、それに対して、主人公の血という鮮烈なイメージが上手く対比されていて素敵だなと思います。
アクションとしての難易度は、バッドエンド後……トゥルーエンドを目指すストーリーあたりからは、結構要求レベルがシビアになってきますね。ロゼちゃんすぐご臨終しちゃうか弱い女の子(まぁ、普通、本当のところ、格ゲ―とかRPGのキャラの強度が異常ry)なので、ちゃんと状況を見極めてエスコートしながらいかないとね。ちなみに巨人さんは無口なナイスガイ(この作品で直接セリフが合ったキャラはいない)で止まっているときも堂々とした感じなんですが(嘘)、ロゼちゃん女の子座りで可愛いです。でも、その石造りの床冷たくない?
あっ、話がいやそれてないですね。まぁ、こんな感じで気楽な様子でプレイしてましたね。時々、ここどうやって進むんだよとかうだうだしたりしながら(苦笑
絵画のし掛けとかリフトの使い方とか……苦労したかな。プレイ時間的にはトゥルーエンドまで含めても25時間程度。お手軽ですのでおすすめですね。
正直、詰まったときは自害してやり直すとか、どうしてもロゼちゃんの命の華を散らせて(血を捧げて)進まないといけない場所があったりして……なんというか、○んでるロゼちゃんも可愛いってなる感じです(照
最後は少しほっこりする感じで……また良かったですね。
あまり感想として言えることがない。ネタバレできないと……
個人的には75点くらいの満足感ですかね。少しやりごたえのある難易度と、設定を全て明け透けにしていかない考えさせられるスタイル。退廃的な世界観。ロゼちゃん可愛い(ここ大事)。良作だと思います。ただ、ノーヒントすぎる部分や、セーブの面倒さなどありますけどね。
とりあえず、退廃的な世界観とか、吸血鬼とか好きな人はおすすめですかね。
こんな感じで1回目の感想を終わらせてもらいます。
Re: 風死の書庫 ( No.106 )
- 日時: 2018/02/04 21:28
- 名前: 俄モチ1089CP (ID: 9eWsU86M)
>>101 ダモクレイトス様
図らずもキリのいい番号を頂いていたとは……うれしい限りです。
地下深くにある秘蔵の図書館…って何かカッコいいです。
何か資料に困ったときはここを覗けば困らなさそうな場所ですね(笑)
仰るとおり、興味ある事柄を増やすというのはとても大事ですよね。
自分も宇宙のお話などには興味があります。
といっても専門的な数字が入るような物理的な解説には付いていけませぬが(汗)
魂をごっそり入れ替えることが出来たら……
もう体験という言葉ではひとくくりにできない壮絶な「ナニカ」が見えてきそうですね……。
その血液は歴史を語る ( No.107 )
- 日時: 2018/02/07 21:14
- 名前: ダモクレイトス ◆MGHRd/ALSk (ID: P.sMOHfc)
>>106 俄モチ様
まぁ、私は100とかのような整然とした感じの数字、本当はそれほど好きじゃないのですけどね。
意図して踏んだのだとしたら……ですが、意図せず踏むってのはなにか持ってる感じしますよね。誰かしらが必ずすることではあるような気もしますが。
あ、別に格好をつけているとかそういうつもりはないのですけどね。
ははは、そうしてもらえるよう、資料を充実させたいところですね。これではいささか少なすぎますし……掘り下げも足りないですし。まぁ、用途はそれじゃないのですが……
専門的な数字が入るような物理的な解説に関しては、私もそこまで……ですね。数学というより数字自体が少し苦手です。まぁ、科学の分野は結局、深くなるにつれて数学と親密になっていくのですよね……苦手苦手といって敬遠していた数学、最近少し勉強しなおしてます(苦笑
…………その恐怖を体験して、人間の精神は持つのだろうか、とか、そもそも動物の神経を共有しているのなら痛みで終焉を迎えるのではないかとか。
――――――――――――――――――――――――――――
*血液とは:動物の体内を巡る主要な体液で、全身の細胞に栄養分や酸素を運搬し、二酸化炭素や老廃物を運び出すための媒体である。
*概説
血液は、生体内で細胞が生きてゆく上で必要不可欠な媒質であり、性状や分量などは恒常性が保たれるように働く[1]。ヒトの血液量は体重のおよそ 1/13(男性で約8%、女性で約7%)である。例として、体重 70 kg の男性の場合、約 5kg が血液の重さとなる。
動物一般について言えば、血液は体液とほぼ同意である。血液の流れを血流もしくは血行という。血液が管状の構造の中を流れている脊椎動物においては、この管を血管という[1]。体液を体内で流通させるしくみがある場合、これを「血管系」あるいは「循環器系」という。血管系には開放血管系と閉鎖血管系がある。ヒトをはじめとする脊椎動物は閉鎖血管系であり、特に外傷などが無い限り、血液は血管の内部のみを流れる。血管の外には組織液があり、液体成分と一部の血球は血管の壁を越えて出入りする。血管の周囲にある細胞は、組織液に浸っていると考えてよい。甲殻類や昆虫など[1]開放血管系の動物および循環器系のない動物においては血液は血管外にも流れ出すので、血液と組織液の区別はなく、体液はすべて血液と見なして良い。
*主な役割・機能
ボーアの原論文を元にした説明。酸素に富み、二酸化炭素の少ない肺(酸素分圧100mmHG、二酸化炭素分圧5mmHg程度)ではヘモグロビンの酸素飽和度はほぼ100%になる。赤血球はそのまま酸素の少ない組織(例えば酸素分圧30mmHg、図の赤線)に行くが、もしも二酸化炭素が無い環境だと持っている酸素の内18%程度しか放出できないが、組織内に二酸化炭素(40mmHg)があると約50%、二酸化炭素(80mmHg)があると約70%もの酸素を放出することが出来る呼吸(血液ガス、すなわち酸素および二酸化炭素の運搬)
血液は肺胞(酸素分圧100mmHg程度)の毛細血管を0.75秒ほどで通過する間に、ほぼ平衡に達し動脈血の酸素分圧も約100mmHgとなる。肺で酸素を取り込んだ血液は血液循環で末梢組織に循環するが、体組織の細胞周囲の酸素分圧は20~30mmHgであり動脈血と酸素分圧に差があることと、組織液内で発生している二酸化炭素を赤血球内に取り込み炭酸脱水酵素が炭酸に変換することによる酸性化でボーア効果が起きることによって、酸素が血液から組織液に移る。
こうして酸素が体組織に運ばれている。酸素を運び終えた静脈血の酸素分圧は、40mmHg程度である。血液は一般的な液体に比べると、同じ酸素分圧でもはるかに多くの酸素を含んでいる。これは赤血球内に高密度で存在する血色素ヘモグロビンが酸素と結合することによる。栄養(糖、脂質、アミノ酸、タンパク質等のエネルギー基質)の運搬
各種ホルモンなど作用物質の運搬(全身の情報・指令伝達)
*防御
外傷に対しては血小板の凝集や血液凝固因子によるフィブリン塊を形成し止血や傷を塞ぐ作用を起こす。細菌への免疫機能発露や異物に対する抗体生成も行う。体温調整
*排出
組織で産生された代謝老廃物を肺、腎臓・肝臓・皮膚・腸管などの器官に運搬する。代謝産物運搬
体内に分布する化学受容器、圧受容器に適合刺激を与える。体内の酸と塩基の平衡を維持してpHを調節する
水分代謝を調整し、血圧や組織液の浸透圧などをコントロールする。
*組成・成分
ヒトの血液成分(Enzyklopädie 1979から)
*成分
血液100cm3
あたりの量(mg)
赤血球100g
あたりの量(mg)
水 81000 63000
ヘモグロビン 15000 33000
総タンパク質 19000 35000
総脂質 560 600
中性脂肪 135 95
リン脂質 245 350
総コレステロール 175
グリコーゲン 5
ブドウ糖 90 75
非タンパク質窒素 30
尿素 15
クレアチン 3.9 8
クレアチニン 0.9 1.8
RNA 64
ナトリウム 190 42
カリウム 190 370
カルシウム 7 2
マグネシウム 3.8 6.2
鉄 48 100
塩素 290 270
非有機態リン 2.5 4
総リン数 35 66
重炭酸塩 220
血球成分(細胞性成分、血液細胞)と血小板、これらを浮遊させる血漿成分(液性成分)からなり、その比率は およそ40~45:60~55である[4]。また、血球成分(血液細胞)は重量比で赤血球96%、白血球3%、血小板1%で構成される。血漿成分は水分90%、血漿蛋白質7%、そのほか微量の脂肪、糖、無機塩類で構成される
*血の色
色はヒトを含む脊椎動物の場合、赤く見える。これは赤血球に含まれるヘモグロビン(鉄を含むタンパク質)という色素に由来する。ヘモグロビンは多くの無脊椎動物においても血液中の酸素運搬に寄与する。ゴカイやミミズ等の環形動物の血液も赤いが、これはヘモグロビンと同じく鉄系ではあるがエリスロクルオリンという成分による。ただし、補欠分子族や機能面で大きな差異が無い為、これもヘモグロビンの一種と取り扱うことができる。
無脊椎動物である頭足類または軟体動物やカニ・エビなど甲殻類は銅系タンパク質のヘモシアニン(血青素)のために青みがかっていたり、ホヤなどではバナジウムを含むポルフィリン化合物のヘモバナジン(バナドクロム、バナドヘモクロモーゲン、ヘモバナジウム)のため緑色に見えるものなど多数の血色素が存在し、同じような色であっても異なる色素成分によることも多い。また、呼吸色素の種類により、酸素の運搬能力(効率)も異なる。
*造血
哺乳類の場合、血球(血液細胞)はいずれも骨髄で造血幹細胞から分化・成熟したものである(造血の場は哺乳類と鳥類では主に骨髄、魚類では主に腎臓、両生類では脾臓である。爬虫類は種によってさまざまである])。健康人では未熟な細胞は骨髄から血液内に移動することは出来ず、血液内には赤血球、白血球、血小板のみが存在する。
●ヒトの血液物性や成分は以下の値となる。
比重 男1.055~1.063 女1.052~1.060
赤血球数 男500万/mm3 女450万/mm3
白血球数 5000~8000/mm3
血小板 20~50万/mm3
ヘマトクリット値 男42% 女37%
血漿タンパク質 7% (うちアルブミン56%)
pH 7.4
この他、各種イオンや有機酸、グルコース、脂質、尿素などを含む
血液を抗凝固剤と共に遠沈管に入れて遠心分離すると、血液中の細胞成分が底の方に移動するが、大部分が暗赤色の赤血球部分で、赤血球部分と上澄みの間に白血球部分ができる。
*赤血球
*様々な脊椎動物の赤血球細胞の比較
中央がやや凹んだ直径約7.5μm、厚さ約1~2μmの円盤状で、ヘモグロビン量が体積の1/3に相当する。酸素の運搬を担い、細胞核やミトコンドリアを持たない。膜は弾性に優れて容易に変形できるため、毛細血管など細いところも通りやすい。
赤血球は成人男子で430万~570万/mm3、女子で380万~500万。全身細胞の1/3に相当する。全血液中容量中の赤血球容量の割合をヘマトクリットという。正常値は成人男性約45%、女性約40%であり、貧血時に下がり、脱水症状になると上がる。
ヘモグロビンは酸素と結びつくと鮮やかな紅色となり、分離すると暗い赤色になる。これがそれぞれ動脈血と静脈血の色を特徴づける。仮にヘモグロビンが血漿中に溶けた状態にあると、血液は粘度が非常に高く、流れにくくなる。また、ヘモグロビンそのものもすぐに分解され、酸素を運搬できなくなる。
*白血球
形態や染色性から顆粒球(好中球、好酸球、好塩基球)、単球、リンパ球の5種に分類できる細胞種の集合体で、細胞核を持つ。殺菌作用を持ち、免疫機能にも作用する。血中の数は5000~9000/mm3であり、好中球が全体の50~70%、次いでリンパ球が約30%、単球が約5%である[15]。
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