雑談掲示板
- みんなでつくる短編集【SS投稿交流所】
- 日時: 2022/06/30 06:43
- 名前: ヨモツカミ (ID: HJg.2TAk)
再始動予定につき調整中!
注意書き多くてきもいね、もっと気楽に書ける場にするから待っててくれ!
略してみんつく。題名の通り、みんなでSSを書いて投稿しよう! というスレです。SSの練習、作者同士の交流を目的とした場所になっております。投稿された作品に積極的に感想を言い合いましょう。稚拙な感想だから、と遠慮する必要はありません。思ったことを伝えてあげることが大切です。
優劣を競う場所ではありません。自分が上手くないと思うそこのあなたこそ、参加してみてほしい。この場で練習をしてみて、他の参加者様にアドバイスを求めてみてはいかがです? お互いに切磋琢磨しながら作品投稿が楽しめると素敵ですね。
自分はそれなりに書けると思ってるあなたは、いつもの自分と違う作風に挑戦してみるのも楽しいかもしれませんね。または、自分の持ち味をもっと伸ばすのも良いでしょう。みんつくに参加することで、新たな自分を見つけるキッカケになるといいなと思います。
読み専の方も大歓迎です。気に入った作品があれば積極的にコメントを残していただけるとスレが盛り上がります。当然、誹謗中傷や批判など、人が見て傷付く書き込みはNGです。常に思いやりの精神を持って書き込みましょう。
*作品の投稿は最低限ルールを守ってお願いします。
↓↓
・お題は毎月3つ出題します。投稿期間、文字数の制限はありません。ただし、お題に沿ってないSSの投稿はやめてください。そういうのは削除依頼を出します。
文字数について、制限はありませんがどんなに短くても140字くらい、長くても20000文字(4レス分)以内を目安にして下さい。守ってないから削除依頼、とかはしません。
・二次創作は禁止。ですが、ご自身の一次創作の番外編とかIfストーリーのようなものの投稿はOK。これを機に自創作の宣伝をするのもありですね。でも毎回自創作にまつわる作品を書くのは駄目です。たまにはいつもと違う作品を書きましょう。
・投稿するときは、作品タイトル、使用したお題について記載して下さい。作品について、内容やジャンルについての制限はありません。
小説カキコの「書き方・ルール」に従ったものであればなんでもカモン。小説カキコはそもそも全年齢なので、R18ぽい作品を投稿された場合には削除をお願いすることもあります。
また、人からコメントを貰いたくない人は、そのことを記載しておくこと。アドバイスや意見が欲しい人も同じように意思表示してください。ヨモツカミが積極的にコメントを残します(※毎回誰にでもそう出来るわけではないので期待しすぎないでください)
・ここに投稿した自分の作品を自分の短編集や他の小説投稿サイト等に投稿するのは全然OKですが、その場合は「ヨモツカミ主催のみんなでつくる短編集にて投稿したもの」と記載して頂けると嬉しいです。そういうの無しに投稿したのを見つけたときは、グチグチ言わせていただくのでご了承ください。
・荒らしについて。参加者様の作品を貶したり、馬鹿にしたり、みんつくにあまりにも関係のない書き込みをした場合、その他普通にアホなことをしたら荒らしと見なします。そういうのはただの痛々しいかまってちゃんです。私が対応しますので、皆さんは荒らしを見つけたら鼻で笑って、深く関わらずにヨモツカミに報告して下さい。
・同じお題でいくつも投稿することは、まあ3つくらいまでならいいと思います。1ヶ月に3つお題を用意するので、全制覇して頂いても構いません。
・ここは皆さんの交流を目的としたスレですが、作品や小説に関係のない雑談などをすると他の人の邪魔になるので、別のスレでやってください。
・お題のリクエストみたいなのも受け付けております。「こんなお題にしたら素敵なのでは」的なのを書き込んでくださった中でヨモツカミが気に入ったものは来月のお題、もしくは特別追加お題として使用させていただきます。お題のリクエストをするときは、その熱意も一緒に書き込んでくださるとヨモツカミが気に入りやすいです。
・みんつくで出題されたお題に沿った作品をここには投稿せずに別のスレで投稿するのはやめましょう。折角私が考えたお題なのにここで交流してくださらなかったら嫌な気分になります。
・お題が3つ書いてあるやつは三題噺です。そのうちのひとつだけピックアップして書くとかは違うので。違うので!💢
その他
ルールを読んでもわからないことは気軽にヨモツカミに相談してください。
*みんつく第1回
①毒
②「雨が降っていてくれて良かった」
③花、童話、苦い
*みんつく第2回
④寂しい夏
⑤「人って死んだら星になるんだよ」
⑥鈴、泡、青色
*みんつく第3回
⑦海洋生物
⑧「なにも、見えないんだ」
⑨狂気、激情、刃
*みんつく第4回
⑩逃げる
⑪「明日の月は綺麗でしょうね」
⑫彼岸花、神社、夕暮れ
*みんつく第5回
⑬アンドロイド
⑭「殺してやりたいくらいだ」
⑮窓、紅葉、友情
*みんつく第6回
⑯文化祭
⑰「笑ってしまうほど普通の人間だった」
⑱愛せばよかった、約束、心臓
*みんつく第7回
⑲きす
⑳「愛されたいと願うことは、罪ですか」
㉑嫉妬、鏡、縄
*目次
人:タイトル(お題)>>
Thimさん:小夜啼鳥と(お題③)>>181-182
むうさん:ビターチョコとコーヒー(お題⑲)>>183
心さん:君に贈る(お題⑭)>>184
黒狐さん:神の微笑みを、たらふく。(お題⑳)>>195
よもつかみ:燃えて灰になる(お題⑱)>>196
むうさん:宇宙人が1匹。(お題⑳)>>200
*第1回参加者まとめ
>>55
*第2回参加者まとめ
>>107
*第3回参加者まとめ
>>131
*第4回参加者まとめ
>>153
*第5回参加者まとめ
>>162
*第6回参加者まとめ
>>175
*第7回参加者まとめ
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Re: みんなでつくる短編集【SS投稿交流所】 ( No.64 )
- 日時: 2020/07/06 00:18
- 名前: 祥 (ID: aGPxbw5E)
「粘着質な独り言(または懺悔、反省文、ラブレター)」
使用お題:4番「寂しい夏」
***
温暖湿潤気候の影響か、ジェット気流の合流地帯である影響か。日に日に蒸し暑さが増している。まだ梅雨も明けず、なんとなく塞いだ気分になる。帰宅すると、エアコンも電気もつけずに座り込む。いつも通りの雑然とした部屋でひとり、身に着けていたペンダントのトップを握った。これは、すべての始まりであるあなたの作品をイメージしたものだ。
普段はペンダントなんていう拘束具じみたものは身につけないのだが、あなたとの繋がりを少しでも感じられるならいい。今日はあなたに縛られていたい。だって今日は特別な日だから。
——どうか、届きますように——
祈るような気持ちで暗闇の中、スマートフォンの画面を開く。目には悪いが、今日という日に相応しい。
私は字書きだ。まだまだ上手ではないが、少しずつ作品の質が上がってきたように思う。ただ、中学生だった頃の夢は叶わないままだ。だからせめて、と随分前から、今日は短いエッセイをアップロードしようと思っていた。
数日前に書いて何度も確認した文を呼び起こし、更に今日という日に似合う文章に変える。
「『懺悔でも反省文でもラブレターでもある、私の愛の話。かなり気持ち悪いはずだ。どうかいらしてくれた皆様がご不快になりませんように。そう願いながら、この文章を打っている』」
前置きはこれで良いだろうか。あなたに見られる可能性を考えると、とても不安になる。すうっと一吸、はぁと一呼。暴れるような鼓動を沈める。
覚悟を決めて、投稿ボタンを押した。
*
「粘着質な独り言」
これから書くのは私の独り言であり、「あなた」へ宛てたものでもある。だから、懺悔でも反省文でもラブレターでもある、私の愛の話。かなり気持ち悪いはずだ。どうかいらして下さった皆様がご不快になりませんように。そう願いながら、この文章を打っている。どうか、あなたに届きますように。
私はずっと、あなたに憧れていた。大好きだった。あなたに、いつか認めてもらうことが夢だった。けれども、それはもう叶わなくなった。否、きっと可能性はゼロではない。しかし、奇跡が起こらない限りは無理だろう。だってあなたは——
今となっては、あの日々は幸せな幻だったのではないかと思うことがある。でも、ちゃんと現実だったという証拠がある。それはデータとして。少し心許ないけれども、確かに存在する。
作品が好きだった。繊細で厳しくて、でも優しくて、美しかった。次に、人柄に惹かれた。交流を深めるうちにいつしか、あなたの人柄を全てわかった気になっていたのだ。こうなるともう、あなたの虜だ。私はあなたの狂信者と化した。あなたにとっては、厄介な存在だったのかもしれない。
あなたからのお返事が嬉しかった。小さな共通点が嬉しかった。話ができる、それだけで嬉しかった。ある世界の創造主。ある意味での神と只人が同じ次元で話している。私なんて有象無象の読者の一人でしかないのに、である。それが不思議で、夢のようだった。けれども、だからこそ未熟な自分の物語をあなたの目に触れる場所に置くのを躊躇った。
何度目だろう。私は今日もあなたのことを想う。今日でもう五年になる。今年はあの日と曜日も同じなのだ。私は忘れない、忘れられるはずがない。あの頃の熱量、愛、世界の全てはあなたに支配されていた。例えあなたがどんなに私を拒んだとしても、私は強烈な愛の衝動をあなたに向けただろう。好きだ好きだといい続け、燥ぎ、きっとあなたの負担の一因となったはずだ。今ならわかる。あの頃の私はどこか可笑しかった。常軌を逸した何かがあった。狂気に似た何かが——
わかっている。私は昔から変わっていない。否、少し大人になったし前ほどの燥いだ愛を即座に文章化することはない。けれども、本質的には全く変わっていない。あの日以来、あなた以外の好きにも出会ったのだけれど、本質は粘着質で熱狂的な見苦しい巨大感情のカタマリだ。もう笑ってしまうくらいに、今も昔も変わらない。変われない私をよそに、あなたはもう変わっているのだろうか。
ああ、今年も夏が来る。私からあなたを奪った、憎い夏の入り口だ。あなたのいない、五回目の寂しい夏。あの中学生の私は、もういない。けれども、あなたを好きだった人の一人として、今も好きな人として、あの日を今も恨めしく思う。そう、未練がましくこんな痛々しい文を綴るくらいには。
*
画面が更新された。簡単に投稿できてしまった、と唖然とする。もう何回も投稿しているはずなのに。緊張と、こんなことをインターネットの海に流してしまった自分に対する嫌悪感が湧き上がる。
無気力となった私はそのまま何もせず、ブラウザ画面を閉じた。ぴったり閉じていたカーテンを開くと、いつもの街が目に映る。夕闇は色を濃くし、対比するような街の煌々とした灯りが眩しい。
——この空の下で繋がっている、そう信じるしかない——
本当はわかっている。届くだなんて、思い上がりか、そうでなければ都合の良い妄想だ。けれども、私の心の大部分は未だにあなたのものなのだ。これはあなたのことを好きになった日から、きっと何ひとつ変わっていない。
私は祈る。どうか、あなたが私以上に幸せでありますように。そして願わくば、あなたに届きますように、と。
***
Re: みんなでつくる短編集【SS投稿交流所】 ( No.65 )
- 日時: 2020/07/05 23:54
- 名前: 祥 (ID: aGPxbw5E)
感想が下手なためあまり多くは書けませんが、感想を書こうとしているという意思表示はしておきます。
ヨモツカミさん
ご感想ありがとうございました。優しい気持ちになりたいなあと思い、書いた話でした。少しずつ時間を重ね、気持ちも重ねていく関係が好きなので、あのような話となりました。どんな関係と言い表すことの難しい二人の関係が私には眩しく、愛しいのです。
心さん
No.37「オレと君」拝読しました。
私の解釈では「オレ」はスマホとなりました。そう決めて改めて読むと、イメージや行動やに対しての「オレ」の表現が面白いなあと思いました。
千葉里絵さん
No.61「永遠の婚約を」拝読しました。
切ないですね。タイトルを見る限り、彼女はこのあとも生きていく選択をとるのでしょうか。童話ベースながらも現実的で、「私」の賢さを凌駕する現実の残酷さがとても心に残りました。
Re: みんなでつくる短編集【SS投稿交流所】 ( No.66 )
- 日時: 2020/07/08 07:43
- 名前: 心◆sjk4CWI3ws (ID: HLOK10zo)
追記:宵はく書いてる方の名前はライターですが、先に投稿したもの(永遠に後輩。)が心名義ですので表記は心でお願いしますすみません。こちらのミスです(汗)
お題⑤ 「人って死んだら星になるんだよ。」
タイトル 「星を造るひと」
「なあ、お前知ってるか?」
「何をだ?」
師匠が珍しく酒場に飲みに行くと言うから、そのキーパーとしてついてきたオレは早々に暇を持て余していた。大体そうなのだ、あの人は老体のクセによく飲む。会計はオレが払うことになる。だったら着いてこなければいいのだが、酔い潰れた師匠を迎えにくるのが普通にだるい。困ったものだ。
ちょっとロマンチストな同業者、シオンはオレにそう問いかけてきた。会うと何故か常に絡んでくる奴だ。
「人はさ、死んだら星になるんだってな。」
「死んだら……星になる?」
オウム返しにそのまま問い返してしまった。スツールに座るオレの目の前に、シオンは椅子を引き寄せて座る。カウンター席で酒を飲んでる師匠に目を向ければ、まだまだ終わりそうな雰囲気ではなかった。
「そそ。この間殺した女が言ってたの、死の間際ってやつに。『星になって貴方を見てるから』、ってさ。それってそういうことだろ?」
やたらと声真似が上手い。でも、話の内容はバカバカしくてオレは明後日の方向を向きつつ生返事を返した。
「ふーん?」
「お前絶対本気にしてないなおい!」
ムッとした顔を向けてきたシオンへ、ひらひらと手を振りつつオレは笑った。
「半分くらいはしてるよ。まあ……オレたちには無縁みたいなものだろう?」
オレがそう言った途端、シオンがすっと真顔に戻った。まずいことを言った、という自覚は無かった。当然だからだ。手を血に染めるオレたちに、そんな死後が望めるはずもないだろう?
「そうだけどよ。お前もーちょっと夢見ねえの?」
「さあ。」
夢を見る、という表現がよくわからなかったオレは、適当な返事を返して立ち上がる。
「ほんと現実的なヤツ。リアリスト、っての?」
「知るかよ。」
□ △ □
オレは酒場から帰ってきて、師匠の家の庭に座り込んだ。考え事とか、昼寝とか。庭の中心辺りに生えてる木の下が、オレは好きだ。空が見えるように倒れ込んで、星を見上げる。いつも葉が落ちているのだが、今は夏だ。昼間は暑苦しく晴れ渡っていたから、夜空も星が瞬き続けていた。掃き溜めの如く溜まる星、模様を作って輝く星。
死ぬと星になると言うなら、オレたちは星を造っているという事だ。それは、つまりオレたちが人の役に立ってるってことなのか? 星明かりは誰かを照らし得るのか? どうやら深夜というのは、どうしようも無いことを考えたがるらしい。背中から、ボロボロの石畳の硬さが伝わってくる。
こんな、こんなことで。己の行為を正当化していいわけなんてない。
そう思って、オレは手を伸ばす。
【意外とリアリストなトワイさんとシオンの話。外伝スレの方にも載せます。】
Re: みんなでつくる短編集【SS投稿交流所】 ( No.67 )
- 日時: 2020/07/06 09:05
- 名前: 切札勝鈴 (ID: FGJX5dNs)
はじめまして
コメライでカードゲームモノを書いております勝鈴です
わたしも参加してよいですか?
Re: みんなでつくる短編集【SS投稿交流所】 ( No.68 )
- 日時: 2020/07/06 19:52
- 名前: ヨモツカミ (ID: 33O798Us)
>>切札勝鈴さん
はじめまして。特に参加の許可などはありませんので、ルールは守りつつ、お好きなタイミングでSSの投稿をなさって下さい。
Re: みんなでつくる短編集【SS投稿交流所】 ( No.69 )
- 日時: 2020/07/06 20:15
- 名前: ヨモツカミ (ID: 33O798Us)
参加してくださった方、ありがとうございます。
またちょこちょこ感想を書かせて頂きます。良ければ返信いただけると喜びますよ。
>>57心ちゃん
別に冒頭の引用? みたいなのはありだと思います。商業目的のなんかをしているわけじゃないし。
後輩が入ってこないから、先輩になれなかった部活。それの終わり。夏の暑さと哀愁を感じる文が好みでした。
>>58卯さん
和風ファンタジーみがあって素敵だ。双子の生け贄を捧げるみたいな、閉ざされた村とかの文化好きですね。二人だからこそ、想いあってさいごを迎えたって感じも良かったです。
平仮名と漢字の使い分けがいい具合のバランスで、惹かれる文章でした。
>>59待雪草さん
星座のお話だから、途中で出てきた馬も星座かなにかなんでしょうね。さそり座が出ると逃げる、オリオン座のことでしょうか。そんな話をどっかで聞いた気がします。
>>60むうさん
側にいてくれという強いメッセージを感じる……。妹は亡くなっても側にいますよねきっと。不慮の事故で突然大切な人を失うという、悲しい話でしたが、どこか前向きなメッセージ性を感じて素敵だなと思います。
今回はこの辺で。他の人宛にもまだ書きます!
Re: みんなでつくる短編集【SS投稿交流所】 ( No.70 )
- 日時: 2020/07/06 20:25
- 名前: 待雪草◆U9PZuyjpOk (ID: SXPbqPcw)
そうです!
アンタレス(さそり座)から逃げる→リゲル、ベテル(オリオン座)
近所のお馬さん→さそり座の隣の射手座のケンタウロス
です!
小さい頃から星座が大好きで、このお題を見た瞬間、“これだぁ!”ってなりました(笑)
ちょっとこのキャラを使ってダークファンタジーで執筆始めようかな………?
Re: みんなでつくる短編集【SS投稿交流所】 ( No.71 )
- 日時: 2020/07/07 14:49
- 名前: 卯 (ID: LF6OwY2I)
>>69 ヨモツカミ様
まず、読んでくださりありがとうございます。
泡という単語を見て思いついたのが、「水中に入っていってそのまま……」なシチュエーションでした。シチュエーションから連想して青色のシーンを。
鈴の方は、鈴……なら和だ! という思いつきのままああなりました。
この話ではとりあえず男の子同士の設定でいきましたが、同性同士の重い感情を描写できれば満足だったので、女の子同士でもうぇるかむだったわけです。男の子もそうだけど、女の子も尊いので次は女の子のお話書きたいな……。
前の月のお題で素敵なものがありましたので、使わせていただきたいなと思っています。でも書けるかな。書ければいいな。
ひらがな、好きなのです。わざとひらがなにしてなんとなくエモな雰囲気にしたりするのが好きです。えもーしょなるらぶ。
なので、そういっていただけて嬉しいです。ありがとうございます。
他の方の作品の感想も投稿できればいいな、と思いながら失礼いたします。
Re: みんなでつくる短編集【SS投稿交流所】 ( No.72 )
- 日時: 2020/07/07 15:43
- 名前: むう (ID: RKSdH1KM)
ささやかですがコメント返信と、感想を送らせていただきます。
>>69
ヨモツカミさん、素敵な感想をありがとうございました。
ああいうお話はずっと書いてみたかったので、書けてよかったです。
七月のお題制覇目指して、また投稿しますね。
>>59 待雪草ちゃん
最初読んだときは、「あれ? なんかこの登場人物…んん?」みたいな感じだったんだけど、
最後の一行で「持ってかれた~」って感じで衝撃が走りました。
最後の描写で正体を明かす構成がお見事!
>>57 心ちゃん
流石…と言うべきでしょうか。言葉の使い方とか主人公の気持ちの描写が素敵ですね。
主人公の『私』の気持ちに共感しました。
やっぱり人が入って来ないと寂しいし、人と一緒にいると楽しいもんね。
その悲しさがはっきりと表されていて、引き込まれました。
Re: みんなでつくる短編集【SS投稿交流所】 ( No.73 )
- 日時: 2020/07/07 17:04
- 名前: ヨモツカミ (ID: P2KlADJo)
海に還す音になる
(お題⑥)
その水族館に来た家族連れは、何組も頭を悩ませた。普通に水生生物を見て回っていたはずが、途中で子供が姿を消すのだ。
「鈴の音に誘われたの」
たった一人、行方不明になってから三日後に見つかった少女は、ぬいぐるみを撫でながらそう語った。
子供にだけ聞こえる音がするのだという。
最初にリンリンリン、と三回。可愛らしい音に振り向くと、そこには水のドレスを着こなした小さな手の平サイズ女の子がいるのだとか。
あなたはだあれ。訊ねれば、代わりに響く鈴の音。どうやらそれが、その女の子の声なのだろう。だんだんそれが、こっちへおいでとでも言っているように聞こえる。
導かれた子供は、そのまま帰ってこなくなるらしい。もう一日に何回も迷子のアナウンスを流したが、子どもたちが帰ることはなく。
なのに、行方不明になって三日経ったある日突然、その少女だけが帰ってきた。
どこにいたのかと訊ねられると、それはそれは楽しい経験をしたと笑って答える。
知らない子どもたちが混ざって、真っ青な水槽の中を元気に駆け巡ったのだと。喋るとコポリと泡を吐くだけで、声にならない。だからお互いが何を言っているかは理解できなかったが、その幻想の中では最早言葉も必要なかったという。
少女が帰ってきたのは、お母さんに預けたままのぬいぐるみのことを思い出したから。イルカちゃんのぬいぐるみ。お土産売り場で買ってもらった、大切なやつ。あれがないと寂しいもの。だから、道を引き返した。
でもそうしたら、もう三日も経っていたらしい。
出会った大人たちがみんな血相を変えて少女を保護した。何が起こったのかわからない彼女は、ただぬいぐるみを探していただけで。
他の子どもたちはいつまでも帰ってこなかった。水の中の泡沫のように、消えてしまった。
それはまるで、ハーメルンの笛吹き男が子どもたちを隠してしまったみたいだ、と誰もが思った。
謎の鈴の音。水の妖精が、悪戯に子供達を攫ってしまったのだろう。
少女にはまた、リンリンリンと、耳鳴りのように鈴の音が聞こえる事があるらしい。執着の強い水の妖精が、彼女を呼んでいるのだろう。
まだあなたを諦めてはいない、と。
少女はそれが怖くて耳を塞ぐのに、鈴の音が鳴り止まない。リンリンリン。お母さんと過ごしていても、ご飯を食べていても、お風呂に入っていても、付き纏うみたいに鈴の音が響いた。
等々耐えられなくなった少女は、鈴の音が何処から聞こえるのかを探し始めた。リンリン、リン。こっちだよ、こっち。囁くような声が、呼んでいる。
こうなったら、音の元凶を捕まえて、もう煩くしないように懲らしめてしまおう。そう思った少女は、鈴の音を追いかけて、家を飛び出した。
リン、リンリン。近い。そこにいるのね、と少女は音だけを頼りに進んで、そして、
甲高い悲鳴が上がる。
弾かれたように少女が振り向いたとき、もう遅かった。
少女が立っていたのは、横断歩道。あ、と思う間もなく、信号の通りに走っていた車が少女に衝突して、鈍い音が響く。
リンリン。遠のく意識の向こうで、青藍の中を泡が舞っている景色が映る。海の中で、少女と同じ年くらいの子供達が楽しそうにはしゃいでる声が聞こえた。
目が覚めると、病室のベッドに寝かされていて、母親が傍らで両目に涙を貯めていた。少女は奇跡的に助かったらしい。
鈴の音はまだ傍らで聞こえている。まだわたしに付き纏うつもりなのか、と少女はベッドを殴りつけた。それでも音は消えない。
おかしくなりそうだと思った。
やがて月日が経って交通事故の怪我も回復し、少女は退院した。
鈴の音は消えなかったが、少女もそれをいちいち気にすることはなくなって、そして彼女は小学校に上がった。友達と話しているとき、授業を受けているとき、微かに遠くで鈴の音は鳴り続ける。呼ばれているのだ。だけど彼女は根気よく無視し続けた。
そうして何年がすると、音がしなくなっていたのだ。しかし代わりに、おかしな夢をよく見るようになった。
──深海にいる。
そうわかるのは、口を開くと透明のあぶくがコポリと音を立てるから。それと、青く透き通った光が差している。周りに生き物はいないけれど、ここは幼い頃に一度連れて行かれたあの空間に似ていると気付く。水の妖精が鈴の音で誘って、沢山の子供達が迷い込んだ、あの不思議な場所。
自分の体を見下ろすと、腕がおかしいことをすぐに悟った。黒くて長い、うねうねした蛸の足みたいになっている。自分は蛸になってしまったのだろうか。わからないが、自分をよく観察するごとに、自分が人間とはかけ離れたものになっていることがわかって、怖くなる。うねうねと長い触手は何本も生えていて、表面をよく見ると鋭い歯のようなものがギザギザと並んでいる。
そして、そんなことは気にならなくなるほどに少女は酷い空腹感を覚えていた。
──食べたい。今すぐに何か。なんでもいいから食べないと死んでしまいそう。
そう思っていると、丁度何人かの幼い子どもたちが楽しげにこちらに近づいてくるのが見えた。
少女は咄嗟に触手を伸ばして、子供の一人を捕まえて、喉元に食らいついた。喉の乾きが癒やされて、肉の味が口いっぱいに広がる。
──ああ、なんて美味しいんだろう。
もっと。もっとと、触手を伸ばした。子どもたちは怯えて逃げることはない。むしろどうしてか、楽しそうにこちらに向かってくるのだ。こんなに都合のいい獲物はいないだろう。嬉しい。少女は喜んで子供達を貪り食う。
リン、リリン。
そのとき、あの鈴の音が聞こえた。
何処から。
自分自身からだ。
どうしてだろう、と少しだけ思考して、そんなものも酷い空腹感が覆い尽くしていく。
今はただ、食べよう。お腹が満たされるまで。
***
ちょっとホラーテイストにまとめてみました。
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