二次なりきり掲示板
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- ・Seize the day『 中文 』
- 日時: 2015/10/23 08:00
- 名前: 寝退 ◆HyWhrnhVWU (ID: KVMT5Kt8)
【 prologue 】
時は中世、舞台はとある国の城塞都市。
希望を手にした者達は光へと続く門を開いた。しかしそれは結果として多くの人々を巻き込み苦しめる事になる。
『お前達が人間として生きる事を望まなければ、私達は人間として生き続ける事が出来たのに。』
ある者は隠された真実に一人涙を流し、白衣を脱ぎ捨てると決死の思いで拡声器を手にした。
真実を知った民衆達は悩み考え続ける事を余儀無くされ、多くの人々は未だ答えを求め続けている。
—— —— —— —— —— …
閲覧ありがとうございます。寝退と申します。初めましての方も日頃お世話になっている方も宜しくお願いします。当スレは城塞都市内の極秘研究施設で生み出された能力者達とそれに関わる人間達の、戦闘・恋愛・日常、割と何でもアリなスレとなっております。
今回は完全な中文スレとさせていただきます。その他の部分での変更もありますので、世界観やルールに一度目を通してから登録書を記入して頂けますよう宜しくお願いします。
世界観 >>1
ルール >>2
募集枠 >>3
登録書 >>4
【 参加者一覧 】>>5
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- Re: 【中文 / 再建】Seize the day【募集中】 ( No.41 )
- 日時: 2015/05/18 22:21
- 名前: 寝退 ◆HyWhrnhVWU (ID: hqDEfpDX)
>>39
姫スタートで研究員が集うか、研究員三人が研究施設に集まった所で姫が施設に顔を出す感じだと流れがスムーズかと思うのですが、どちらが良いでしょうか?
フレア様のやりやすい方で構いません!
>>38-40
皆様ありがとうございます!
研究員スタートならアンネリーゼ→キリル→ロイ→セレーナの順番で、姫スタートの場合はセレーナを先頭に持って来た状態でお願い致します。
- Re: 【中文 / 再建】Seize the day【募集中】 ( No.42 )
- 日時: 2015/05/18 22:24
- 名前: フレア (ID: w8qbVVkg)
では、皆様からでよろしいでしょうか?
出だし分というのはあまり得意ではないため...よろしくお願いします!
- Re: 【中文 / 再建】Seize the day【募集中】 ( No.43 )
- 日時: 2015/05/18 23:04
- 名前: 寝退 ◆HyWhrnhVWU (ID: hqDEfpDX)
- 参照: では開幕します。鈍りまくっていますが宜しくお願い致します……
【 アンネリーゼ=クランツ / 城内 / 礼拝堂から地下の研究施設へ 】
目を閉じて想い出していたのは一年前のこと。それは自分にとって掛け替えのない大切な記憶で、あの日を境に自分の在り方も自分を取り巻く環境も随分と変わった。その変化に対して少なくとも自分の中では、良い方向へ向く事が出来たと思っている。
礼拝堂で祈りを捧げ終えたアンネリーゼは、ステンドグラス越しに差し込む虹色の光を眺めて柔らかく微笑む。そのまま光を受けて緋色の輝きを放つ瞳を少しだけ見開くと、自分を見下ろすマリア像に向かって小さく口を開いた。
「何処に居ようとも光は平等に与えられるのですね……」
その呟きは静寂の中へ溶け込むようにして消えて行く。視線を落として何処か寂し気な笑みを浮かべたアンネリーゼは礼拝堂を出ると、そのまま地下の研究施設へと続く階段を目指して足早に歩き始めた。
この閉ざされた空間の中であったとしても、外と変わらず得られるものは多く有る筈だ。しかしそこに目を向けられる程に心に余裕を持って日々を過ごすことの出来る人間は、この国にはもう……
そんな事を考えながら階段を下りて研究施設へと足を踏み入れると、アンネリーゼはその光景に唖然とした様子で固まってしまった。
いつも雑用を押し付けられている彼女は、数時間前に毎日の習慣となっている施設内の大掃除を終わらせた筈なのだ。しかし綺麗に整っていた筈のその空間で、何やら謎の爆発が生じたらしい。割れた実験器具、歪んだ机に飛散した液体……一体此処で何の実験が行われたと言うのか。それは本当に能力者となってしまった人間達を救う為のものなのだろうか。
アンネリーゼは自分の頬を軽く引っ張り、これが現実である事を確かめながら周囲を見回すも、そこに居た研究員達は彼女の存在に気付いた瞬間にバサバサと書類や私物を掻き集めて施設を後にしてしまった。
「だ、誰が……どうして、何故こんな事に……」
その場に一人取り残されたアンネリーゼは一瞬酷く落ち込んだ様子で俯いたが、漸く自分の頬から手を離すと、自分の顔を叩き気合を入れて「やるしかない」などと一人ブツブツ呟きながら慣れた手付きでガラスの欠片を拾い始めた。
- 【中文 / 再建】Seize the day【募集中】 ( No.44 )
- 日時: 2015/05/22 19:27
- 名前: JESSICA (ID: qJIEpq4P)
- 参照: http://うわああ短くてすみません! 落ちます!
「……あー」
ふと、小さく、しかし絶望を多様にはらんだため息が施設内で聞こえる。
周りにほかの研究者がいないのを不思議に思いながら、ふと一人ガラスを拾っているアンネリーゼの姿に目がとまる。此処からの距離では目の焦点がうまく合わずに像がぼやけているが、恐らく見習いとしてここに来た研究員だろう。数回見かけたことはあるが詳しい情報は皆無の状態だ。
「……何がどうやったらこうなるんだよ」
ちらりと眼の端に施設を後にする研究員が映り、一瞬他の研究員同様この場を立ち去ろうとしたが、しかしこの状態で彼女を放っておくのもなんだか後味が悪いものだ。偶然用事があって久々に地面に足を着いたついで、そして自分の中に何故か存在する綺麗好きな性分が背中を押し、重たい足は動いた。
いつもどおりに裸足だったこと、周りにガラスが飛び散っていることもあり、かなり慎重に足を進めるその速度はかなり遅く、右足は機能していないと言ってもいいほど邪魔そうに引きずられていた。
そのまま、無言でアンネリーゼの横にかがみ込んだキリルは横を見ようともしないまま、素早くその場に散らかったものをかき集め始める。できるのならこのまま無言でこの場を元以上に綺麗にして帰りたい。そんなことを思っていると自然に表情は険しくなり、雰囲気もとげとげしいものとなった。
- Re: 【中文 / 再建】Seize the day【募集中】 ( No.45 )
- 日時: 2015/05/19 00:43
- 名前: 時谷 空 ◆AdKeSZp7eg (ID: o6x1qd73)
>>43>>44
陶器類が勢い良く弾けた爆発音にロイは身体をビクつかせ飛び起きる。
顔に載せていた雑誌を片手に騒動の起きた方へと足を進めると何やらアンネリーゼとキリルがガラスの破片を素手で拾い集めている。
後ろからその様子を伺いながらもそーっと近づけばロイは悪戯を思いついたのか広角を上げる。そのまま慎重に二人の後ろまで行き、両手を広げそのまま懸命に掃除をするアンネリーゼとキリルのお尻にそっと触れ撫で上げる。
「よう、おはようさん二人共。
それにしても、熱烈なモーニングコールだな、アン」
親しみを込め愛称で彼女の名を呼べば振り向く彼女は今にも抗議の声を上げそうだった。その表情に満足したのか「まぁまて」と制止し、自室へを戻る。
珍しく綺麗に掃除された部屋はロイにとっては物の位置がわからずあちらこちらと荷物を引き出して床へと投げ捨てていく。
「お、あったあった」
目当ての物を発見し、嬉々として二つのうち一つをキリル「履いとかねぇとアブねェぞー。」と自身の予備のスリッパを投げ渡し、もう一つは朝の挨拶を済ませたアンネリーゼに箒を渡す。
「んじゃ、あとヨロシク〜」
やる気が無いのかすぐに振り返り手をひらひらと振り自室へ帰ろうとするがカツンと地下室へ近づいてくる足音にロイは一瞬だけ固まる。
この爆発はアンネリーゼではない他の研究員の誰かだと。そしてその犯人は此処に戻ってくるはずがなく、また女性の靴のヒール音ということで、瞬時にその相手を察知し手を顎にやる。
一撫でし、まだこの長さなら誤魔化せると納得させるように頷き、髪の毛を切るのは今更無理なもので手櫛で髪をかきあげながら不清潔感のないように身なりを整えこちらに向かってくる人物を迎える準備をする。
(しょっぱなからセクハラ親父ですみません;;)
- Re: 【中文 / 再建】Seize the day【募集中】 ( No.46 )
- 日時: 2015/05/19 04:49
- 名前: フレア (ID: w8qbVVkg)
>>43>>44>>45
研究室に向かう間に聞こえてきた爆発音に、セレーナは苦笑しか浮かべられなかった。
まだ全然研究者が集まっていない状況、設備も充実しているとは言いにくいと思う。その辺は研究者でないセレーナは全くもってわからないのだからあまり口が出せるわけではないことは重々承知しているのだが、状況を見ていればなんとなく察しがついていた。
カツンカツンとヒールの音を鳴らしながら、少し癖っ毛な髪をなびかせて早足で研究室に向かう。ドレスが足にまとわりついて動きにくい、そう呟けば一瞬だけ裾を切ってしまおうかなんて考えが脳裏をよぎった。___切れば兄に怒られるからすぐに脳内で危険信号を出したのだが___
「...っと、はいりますねぇ〜」
研究室の扉に手をかければ、一応そう言って開けた。ギギギッと音がしたのにはこの際目をつぶろう。そう思っていたが、さすがに中の景色を見ればそうも言っていられなくなる。一言で言えば悲惨だった、中の荒れ具合は。
研究者三名の顔を見れば、こんにちは〜と言って柔らかな笑みを浮かべる。いつでも、セレーナは兄以外の前では笑顔を心がけていた。それが姫としての自分の表情だとわかっているからだ。
「また失敗して爆発ですかぁ?」
何度目ですかねぇ、なんてつぶやきは飲み込んで、代わりに労わるようにお疲れ様です〜と声をかけた
- Re: 【中文 / 再建】Seize the day【募集中】 ( No.47 )
- 日時: 2015/05/19 08:26
- 名前: 寝退 ◆HyWhrnhVWU (ID: UsVfFHTT)
- 参照: ロイさんの扱い申し訳ない…w 素敵キャラに囲まれて本体歓喜です←
>>44-46
黙々とガラスの破片を拾い集めながら取り敢えず一箇所に集めてはいるものの、集めた破片をどうしようか……と行動し始めてから考えている自分に対し、考えるよりも先に行動してしまう悪い癖がまた出てしまったとアンネリーゼは深く溜息を付いた。
それと同時に突然現れた一人の研究員が片足を引き摺りながらもこちらに歩み寄り、顔を向けるどころか視線さえ向けようとせずにそのままゆっくりと屈み込む。
「あの、キリルさん……ですよね?」
すぐ隣に居る筈なのにまるで聞こえていないような素振りを見せるその人物は、そのままガラスを集め始める。アンネリーゼは少し驚いたように目を丸くしてキリルを見詰め、そして小さく微笑んだ。
研究員として施設に置いてもらえる事が決まったその日のうちに、アンネリーゼは研究員全員の顔と名前をその頭にしっかりと叩き込んでいた。見習いという身分の自分が立派な研究者の人達に対して粗相をする訳には行かないと、そう思っての事だったのだが……案外この施設にはマイペースで自己管理も出来ないような研究員も多くアンネリーゼは此処へ来てから暫くの間もやもやとした違和感を抱えていた。
「えっと、お気遣いありがとうございます。でも、手を怪我したら実験をする際に支障が出るかもしれませんし、その……」
そこで言葉を止めたアンネリーゼはちらりとその足を見遣る。目の前にいる彼は、あろうことか裸足のままでこの細かいガラスの欠片が散っている危険地帯に足を踏み入れてしまっているのだ。
その事について言及しようかとも思ったのだが、キリルの事はこれまでに数回程見掛けているものの今と全く同じ状態の彼しか目にしたことが無く、いつも裸足でふらりと現れてはいつの間にかその姿を消してしまう。
挨拶をしようと近付けば足早に去ってしまう彼は恐らく自分の領域に踏み込まれたくないのだろうと、アンネリーゼはそう思っていた。
そんな相手の習慣について口を出すべきではない。彼はこうして並んでガラスを拾い集めている今も「関わらないでくれ」とでも言いたげな様子で俯き、刺々しいオーラを放っている。
「とっ、とにかく、ここは私が引き受けますので、キリルさんはどうか自分のお仕事を……ひっ!」
何とかキリルに気分を害すことなくこの場から退いてもらおうと先程よりも少し大きな声を発したアンネリーゼだったが、再び途中で言葉を切り小さな悲鳴を上げると、酷く動揺した様子で体をビクッと跳ねさせた。
人の気配なんて感じなかったのに、と慌てて背後を振り返れば、頭の中に浮かんでいたその人物が自分を見下ろし満足気で下品な笑みを浮かべている。
おはよう、と自分に声を掛けるこの男は恐らく先程の爆発で目を覚ましたのだろう。この研究所には所謂変わり者と言えるような人間が多く、ロイもその内の一人ではあるのだが、他人と関わり合おうとしない研究員が多い中で自分を愛称で呼んでくれる彼には助けられている部分もある。しかし、会う度に繰り出されるこのセクハラ攻撃はアンネリーゼにとってどうにも許し難いものだ。
おはようございます、と挨拶を返して相手を睨み付けながら立ち上がり、文句の一つでも言ってやろうかと意気込んで口を開けば、そこから言葉を発する前に「まぁ待て」と制止されてしまった。
そのまま背を向けるロイ。呆気に取られてその場に突っ立っていたアンネリーゼに対して次に彼が取った行動は、素手で割れたガラスに触れていた彼女に箒を渡すという一見優しそうに見える行為。しかし「あとヨロシク〜」と呑気にその場を立ち去ろうとするロイに片付けを手伝う気は毛頭無いのだろう。
複雑な思いでその後ろ姿を見詰めるアンネリーゼだったが、ロイがキリルにスリッパを投げ渡してくれたことに対しては素直に感心していた。
ありがとうございます、と苦笑しながら深々とお辞儀をする。そして顔を上げると、遠ざかっていると思っていたその背中は先程と変わらない距離にあった。
不思議そうに目を見開いたアンネリーゼは、髭や髪を触り何やら不可解な行動を取るロイの後ろ姿をぼんやりと眺めていたが、不意に開かれた扉の方に目を向ければ、いつもよりぱっちりと開かれていた目を更に丸くこれでもかという程に大きく見開き、動揺を隠せない様子で無駄に声を張り上げる。
「せっ、セレーナ様!」
その体を硬直させて数秒固まっていたアンネリーゼは、突然ハッとした様子でロイを振り返り何やら一人険しい表情で頷く。
「こんな汚い人に……いや、汚い所に近付いては駄目です!セレーナ様が汚れてしまいます……!」
慌てて捲し立てるようにそう言うも、セレーナから投げ掛けられた問いにその表情は再び凍り付いてしまう。美しい笑みを浮かべているセレーナだが「また」失敗したのかとそう問い掛ける彼女は本当は自分たちに失望しているのではないか……と、いつも微笑みが絶えない筈のアンネリーゼの顔がみるみる青ざめていく。
「あの、これはその、申し訳ありません……!」
勢い良く頭を下げて謝罪の言葉を述べるアンネリーゼは強く目を瞑り、この状況に対して一体どう対処するべきかと、混乱する頭の中で的外れな自問自答を繰り返していた。
- 【中文 / 再建】Seize the day【募集中】 ( No.48 )
- 日時: 2015/05/19 19:49
- 名前: JESSICA (ID: qJIEpq4P)
- 参照: http://済みませんリハビリ中で……。上手く書けないです。
>>45-47
「……じゃぁ君はここを一人で処理できるんですか? アンネリーゼンさん」
一人ガラスの破片を拾いながら何かとぶつぶつため息をついているアンネリーゼを置いて行けというのは無理な話だった。ついいつもの調子で皮肉をこめた声色を不満そうに吐きながら、表情を険しくしている中で元々からネコ目であるキリルの目は鋭くなっていた。
それにこれはおそらく彼女の失敗ではないだろう。ちょうど彼女がこの部屋に入っていく姿を見ていたためにそれを確信していた彼は、遠目といえども新人ということで噂になっていたアンネリーゼを少しは気にしており、その性格を言動などで察していた。
新人にこんなことをさせるのがこの研究所の人間だったのか。微かな苛立ちが沸き起こり、それが顔や態度に出てしまっているのも加えて、彼の態度は刺を増していた。
「……それに、この歳になってガラスで手を切ったりなんかしませんよ、子どもじゃあるまいし」
目の前に垂れてくる髪を掻きあげながら、ぶつぶつとそんなことを呟く。自分は、アンネリーゼの今までの自分に対する行動を無碍にしてしまっている。遠くから声をかけられたがその時も逃げるように立ち去ってしまっていた。しかし、その中でキリルのことを心配してくれるアンネリーゼの言葉が彼にとってはむず痒い。女性慣れしていないこともあり、彼はアンネリーゼの小さな微笑から自分の名前を呼ぶ声、しぐさなどにいちいち顔を赤くしてしまっており、それを見せないためにもっと深く俯いてしまう始末で、口元でこぼれてくる言葉はアンネリーゼに届いてはいないだろう。
しかし、やはりこんなところに素足で入ってきたのはあまりにも安易な考えだったらしい。このままではこの場を動くこともできそうにないだろう、次にどのように行動するべきかと一瞬手元の動きを止めた時だった。
後ろに気配がしたと思った瞬間には遅く、男は普段感じることのがないだろう部分に何かが触った感触があった。とっさに立ち上がると目の前には悪戯を仕掛けて満足そうな子供のような笑みを口元に浮かべたロイがおり、唐突のことで自分の口から悲鳴が漏れなかったのに安心する。
「……俺は男なんですけど」
やるんだったら若い女性にでもやっていてください、とぼそぼそと呟きながら赤面した顔を懸命に隠す。ロイはこの研究所の中でもキリルが尊敬する人物で、普段のやる気の無さの中でよく自分の仕事をこなしていると日ごろから感心していた。そんな相手に強い物言いができる訳もなく、ふと指先に熱い感覚が広がり、見てみると小さなガラスの破片が指先に刺さり、血が流れだしていた。
思わず舌打ちが漏れるがこれをアンネリーゼやロイに悟られないようにととりあえず指先を伝っている血をなめとり、手を背後に回す。此処にロイが来てくれたことが何よりの幸いで、彼もアンネリーゼ一人に此処の片づけをさせるような人ではないだろうと淡い期待を抱く。ロイが投げてくれたスリッパを驚いて眺めるが、ありがとうございます、と辛うじて相手が聞こえるであろう音量の言葉を投げかけると、スリッパを履いて気配を消し、その場を後にしようとした。
しかしそれはアンネリーゼの驚きの声に阻止されてしまう。その名前を聞けばこの研究所に所属している人間は振り返らざるを得ないだろう。
セレーナの穏やかな微笑とその言葉にアンネリーゼはあたふたとしている様子であった。この失敗は彼女には関係はないんだがな、と頭の隅で思いながらどうやら彼女はロイのことも気にしているらしいと思わず苦笑を洩らす。とりあえず何か言われたとしてもアンネリーゼの弁護には役に立つかもしれないと、仕方なくセレーナに背を向けていた体制を整え、後ろに腕を組んだ状態でその場に居座ることにした。
- Re: 【中文 / 再建】Seize the day【募集中】 ( No.49 )
- 日時: 2015/05/19 23:49
- 名前: 時谷 空 ◆AdKeSZp7eg (ID: o6x1qd73)
- 参照: http://汚い人…本望ですw
>>46-48
尻を撫で上げられた若い男女の可愛らしい反応に、ロイはわはははと笑い両手を臀部を揉むような仕草で指を何度か曲げ、「今日も元気だな!」と下品な笑みを浮かべ独自の見解で二人の健康チェックでも行っているかのようにセクハラを誤魔化す。
そしてすぐさま、はいりますねぇ〜と聞こえ開き具合の悪い扉を見やる。お疲れ様です〜と研究室に足を踏み入れた女性に先程とは180度変わりロイは紳士的な笑みで扉を開けるセレーナを補助しながら研究所へと招き入れる。そしてそのまま比較的綺麗な方へとその女性・セレーナを誘導する。
「驚かせてしまいましたかな、姫」
誰が何をしていたのかは把握しないが、失敗という単語にロイは一瞬だけ唇を引くつかせ、すぐに口角を上げ直し
「はは、『失敗は成功の基』ってね。まぁそんな落胆しないでください。私共も悔しい思いをしております。」
それに、と付け加え
「研究者は失敗すればするほど燃え上がるかわりモンですからね」
彼なんか寝ずに実験し続けるほど没頭しておりますしねえ。とキリルにちらりと視線を移すがすぐにセレーナへと戻し、彼女の瞳を真っ直ぐ見つめる。
だから成功するまで気長にお待ちいただければ…と胸に手を当てセレーナに深々とお辞儀をした。それは普段のロイからは考えられない態度で、いわゆる外面、というものだった。それは仲間内から見れば気持ちの悪いものかもしれないが王族の前だ、これくらいは当然だろうと気にもとめずにいた。
後ろから汚い人、と自分を表現するアンネリーゼにロイは苦笑しながらも、的確だと妙に納得する。そしてその発言をしたアンネリーゼを次はどのようにからかおうかと興味は明後日の方向へ向かっていた。
がしかし、放置気味になってしまったセレーナに咳払いをし、
「アンネリーゼのいうように、ここは貴女様の美しい身体が汚れてしまいますよ。
それにこのような場所に来てはお兄様にお叱りを受けるのでは…?」
眉根を下げむさ苦しい場所で良いのか、また妹を溺愛する兄・ウィルフレッドのことを考えていた。王子に姫がこのような場所に来たことが知られれば何かしらの罰は必至だろう、と…。それは彼女が叱責されるのではないか、というものと研究所、もしくはここにいる若き優秀な研究者・研究者見習いが咎められるのではないかとロイは心配そうに困ったような笑みを浮かべた。
- Re: 【中文 / 再建】Seize the day【募集中】 ( No.50 )
- 日時: 2015/05/20 00:25
- 名前: フレア (ID: KwETyrai)
- 参照: http://うまく汲み取れなくすいません...
「そんな汚いところだなんて...それに私は、失望しているわけではありませんよ〜?」
一番最初に聞こえてきた自身の名前を呼ぶ声の方を向けば、まくしたてるように言うアンネリーゼに穏やかな笑みを浮かべながらそう言った。別に攻めているわけではないし、言葉足らずだった自分がいけなかったのもわかっている。「また失敗して爆発ですかぁ?片付けはきちんと自分たちでしないと」だったのだが、めんどくさいので途中でやめてしまったのだ。
そんなことを考えている間に頭を下げた彼女に困ったように笑い、安心させるように「失敗してなんぼですしね?」と言う。
「だから顔を上げてください。下ばかり向くのは良くないですよ?
それに失敗したのはアンネリーゼではないのでしょうう?なら貴女がら謝ることなんてありませんよ。」
アンネリーゼを元気付けるようにそう言った後、視線を自身の一番近くにいるロイに向けた。彼のいつもの言動は聞いているのでため息しか出なかったが、それを飲み込めば
「ありがとうございます、ロイ。少し驚きましたが、あなたの言うように失敗は成功のもとなので責めたりするつもりはありませんよ。」
だからあなたも頭をおあげなさい?と言うセレーナはやはり姫で、言葉遣いがアンネリーゼに向けるものよりも硬い。それは異性ということもあるのだろう。ゆったりとした動作でアンネリーゼの近くにいき、その足元にまだ散らばっていたガラスの破片を片付け始める。
「汚れても構いませんよ。皆ここで毎日研究をしているのに、私達だけ王室で過ごしているわけにはいきません。お兄様のお叱りは...なんとかなります、大丈夫です。」
最後の方は自分に言い聞かせるように言って、ロイの方を向けばその困ったような笑みに微笑み返した。汚れようと、怪我をしようと、研究者たちがしている苦労に比べれば気にもならない。自分たちだけ王室で気楽に暮らしているなんて、セレーナからしたら考えられないことであった。
「そしてキリル...あまり無理をしては本末転倒ですからね?十分な休みも取らなくてはダメですよ?没頭するのはいいことですけれど」
拾ったガラスをゴミ箱に捨てれば、キリルの方を見て少し顔をしかめてそう叱る。怒っている、というよりは心配しているのだろう。すぐにしかめた顔は困ったような笑みに変わり、ガラスの破片で傷ついていない左手でポケットから淡い桜色のハンカチを取り出した。
「怪我をしたのならきちんと言いなさい。わかりましたね?」
普段はおっとりしているセレーナだが、洞察力などには優れている。二人が聞こえないぐらいの距離まで近づけば、コソコソっとそう言ってハンカチを渡す。ほのかに香る甘い匂いは、多分セレーナが愛用している香水やコロンの類だろう。キツくない匂いは、彼女が動くたびに部屋の中に広がっていった。
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