二次なりきり掲示板

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

・Seize the day『 中文 』
日時: 2015/10/23 08:00
名前: 寝退 ◆HyWhrnhVWU (ID: KVMT5Kt8)





【 prologue 】


時は中世、舞台はとある国の城塞都市。
希望を手にした者達は光へと続く門を開いた。しかしそれは結果として多くの人々を巻き込み苦しめる事になる。

『お前達が人間として生きる事を望まなければ、私達は人間として生き続ける事が出来たのに。』

ある者は隠された真実に一人涙を流し、白衣を脱ぎ捨てると決死の思いで拡声器を手にした。
真実を知った民衆達は悩み考え続ける事を余儀無くされ、多くの人々は未だ答えを求め続けている。




—— —— —— —— —— …




閲覧ありがとうございます。寝退と申します。初めましての方も日頃お世話になっている方も宜しくお願いします。当スレは城塞都市内の極秘研究施設で生み出された能力者達とそれに関わる人間達の、戦闘・恋愛・日常、割と何でもアリなスレとなっております。
今回は完全な中文スレとさせていただきます。その他の部分での変更もありますので、世界観やルールに一度目を通してから登録書を記入して頂けますよう宜しくお願いします。



 世界観 >>1
 ルール >>2
 募集枠 >>3
 登録書 >>4



【 参加者一覧 】>>5





Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29



Re: 【中文 / 再建】Seize the day【募集中】 ( No.201 )
日時: 2015/07/18 18:40
名前: フレア (ID: 6tDnREag)

「あら、早く見つかりましたわ」

驚いたように目を開けば、肩に乗った猫___もとい、探していたイデアルのことをらじっと見つめる。意思疎通、というわけではないが、過ごす時間が長ければなんとなくわかるようになるのだ。なんとなくだけれど。

どれぐらいそうしたかはわからない。視線を外してポケットからクッキーを取り出せば手に平に載せた。普段あげている手作りの猫用クッキーだ。

「首輪がありませんね...どこかで引っ掛けて落としてしまったのかしら」

クッキーを食べるイデアルを撫でながら微笑む姿は、年相応の女の子とは言えなかった。大人びた笑みやまとう雰囲気が、他の人とは違うのだと思わせていてなんとも言えない。

ニコラスさんはお昼寝の途中だったんですよね?視線を向けて首を傾げれば、邪魔をしてしまい申し訳ありませんと言って頭を少し下げる。

Re: 【中文 / 再建】Seize the day【募集中】 ( No.202 )
日時: 2015/07/18 19:37
名前: 鯨 (ID: FZws4pft)


ニコラスは猫が肩から飛び降りるとふぁと小さなあくびを零した。中途半端に寝たせいで余計眠くなったような気すらする。
クッキーを食べる猫をちらりと横目に見て、ニコラスは自分より猫の方がいい食生活してるじゃねぇかと眉をしかめた。ニコラスは食事に頓着しない質なので朝昼晩の全ての食事をフランスパンを齧ることで過ごしている。クッキーなどもう何年も食べていない事か。最後に食べたのは…。

などと取り止めもないことを考えていたら、セレーナに謝られた。ニコラスはひょいと肩をすくめて見せる。

「かまわねぇよ。これがセレーナ嬢でなけりゃ、俺はその場で説教食らってたかもしれねぇかんな」

事実見つかったのかウィルフレッドやテオドールなら確実に何か言われただろう。いや、テオドールの場合はじっと見つめてくるだけだろうか。
ニコラスは言ってクッキーを咀嚼する猫の頭を優しく撫でた。猫は嫌いではない。余計な事をお喋りしないから。

「それよかセレーナ嬢。あんたこんなトコに居て大丈夫か?
お世辞にも治安がイイとは言えん場所だ。今頃お城じゃ使用人や兄上が血眼になって探してるだろうぜ」

Re: 【中文 / 再建】Seize the day【募集中】 ( No.203 )
日時: 2015/07/18 19:57
名前: フレア (ID: 6tDnREag)

「説教なんて、お兄様しかしてくれませんの」

少し寂しいですわ、なんて言えばひょいとイデアルを抱き上げて膝の上に載せた。すぐに丸まって寝てしまうのだから、この子もかなり怠惰だ。

なびく髪を抑えて陽の光の心地よさに目を細めれば、横に座っているテオドールから一番聞きたくない言葉が聞こえてきた。
そうなのだ、大丈夫ではないのだ。今は兄ともケンカしているので、いつものように嘘も通じないであろう。それに余計兄を怒らせてしまうかもしれない。それは、いやだ。兄に嫌われるのなんて死も同然だ。

「なんとかなるでしょう。今はみんな忙しいようですし、私がいなくなったところで気づきもしないはずですよ」

ふふっと笑えば、先ほどの思考を振り払うようにイデアルを撫でる。
兄が私のことを嫌うはずはない。確証はないけれど、そんな気がする。というかそう思っていないと今にも叫び出してしまいそうなのだ。

Re: 【中文 / 再建】Seize the day【募集中】 ( No.204 )
日時: 2015/07/18 21:09
名前: 鯨 (ID: FZws4pft)


「なんだ、叱って欲しいのか?
そんならニコおじさんが叱ってやろう。…危ねえからこんな治安の悪りぃとこウロチョロしなさんな」

ニコラスはそこでニヤリと笑って親指と人差し指で円を作り、人差し指をピンと伸ばしてびしりと軽くセレーナの額を小突いた。近所の子どもたちに纏わり付かれるとニコラスはいつもこうして彼らの額を軽く小突く。子どもたちはきゃっきゃと喜ぶが、姫君はどうだろうか。

「はは、ビックリしたか?
こーゆーのが庶民流のお説教ってもんだぜ、セレーナ嬢。今までこんなことされた事ねーだろ?」

ニコラスはけたけた笑って、謝るようにポンポンとセレーナの頭を撫でた。それは親が子にするような気楽さを持っていた。
続いたセレーナの言葉にニコラスは意外そうに首を傾げる。

「そうか?普通は姫さんがいなくなったら気付くもんだろ」

そこでニコラスは嫌な考えにたどり着く。もし、もしもニコラスがここでセレーナと別れた後に彼女に何かあったらあのシスコン王子は必ず妹の痕跡を辿ってニコラスに会ったことを嗅ぎつけるであろう。
そうなったらニコラスはどんな目にあうか分からない。
喧嘩で負ける気はないが、相手は一応なりとも権力者だ。ペンは剣よりも強しと言わしめる時代に、王子の怒りを買うことが何を意味するかを理解できないわけではない。

「……セレーナ嬢。帰りは城まで送ろう」

長いものには巻かれる主義のニコラスは爽やかに微笑んだのだった。

Re: 【中文 / 再建】Seize the day【募集中】 ( No.205 )
日時: 2015/07/18 22:24
名前: フレア (ID: 6tDnREag)

「...っ?え、あ、はい。あ、ありませんけど...」

いきなりの痛みに思わず目をぱちくりさせ、一瞬気が抜けてしまった。なにせ兄以外にこういうことをする人はいなかったのだ、驚くのも無理はないと思う。

ニコラスの言葉に返事するのと同じぐらいの時に頭を撫でられて、思わずセレーナは上ずった声を出してしまう。今日は初めてなことでいっぱいで、頭がついていかなくなってしまう。
普通、と言ってもいいのかはわからないが、私にこうやって接してくれる人は兄以外にいなかった。みんな敬い、謙遜し、3歩ぐらい後ろを歩いてついてくる。そんな感じだったのだ。

「....へ、あ、ええ。ありがとうございます、ニコラス」

しっかりしないと、そう思い回らなくなりそうだった頭にエンジンをかけていつものセレーナ姫を作る。化けの皮が剥がれそうになって焦るというのは今みたいなことを言うんだろう。

Re: 【中文 / 再建】Seize the day【募集中】 ( No.206 )
日時: 2015/07/19 11:03
名前: 鯨 (ID: FZws4pft)


ぱちくりと見開いたセレーナの瞳が馬鹿でかくてニコラスは若干仰け反る。ビー玉みたいな目玉はニコラスの切れ長の瞳とは似ても似つかない。
一般的には可愛いと評されるのであろうセレーナの美貌に残念ながらニコラスは全く興味がない。彼が愛する女性はただ一人、今は亡き奥方だけだからだ。だからこそこんなにも気安くできるのだけれど。

「ま、平和維持が騎士団の仕事だからな。気にすんな」

お礼を言うセレーナにニコラスは片手を上げて応えると、口をもごつかせて胸ポケットに手を突っ込むと棒キャンディーを引っ張り出して口に突っ込んだ。禁煙してからというもののどうも口さみしくていけない。
解決策として棒キャンディーをくわえることにしたのだが糖尿にならないかが心配である。

「あぁ〜……年感じるわぁ」

昔のやんちゃしていた時代にはまさか自分がこんなに健康に頭を悩ますだなんて予想だにしていなかった。これが年を取るということならば、少しばかり悲しい。
ニコラスはバキバキに凝り固まった体をほぐすようにして関節を鳴らすと、重い腰を上げて立ち上がった。

Re: 【中文 / 再建】Seize the day【募集中】 ( No.207 )
日時: 2015/07/19 11:12
名前: フレア (ID: 6tDnREag)

「サボっていた人がよく言いますね」

おかしそうに笑って言えば、イデアルを抱き上げて自分も立ち上がった。イデアルはぴょんとセレーナの肩にのり、嬉しそうにニャーニャー鳴いている。先ほど惹かれたハンカチを綺麗に畳んで、自分のポケットにしまったセレーナは、フードを深くかぶり直す。

「ハンカチは洗ってお返しいたしますね。大丈夫です、ニコラスはまだまだ現役で働けますよ」

ふふっと微笑み、だから頑張ってくださいね?と意地悪そうに言う。はたから見れば親子のようだが、実際は姫と騎士団員だ。

イデアルがフードをついていたうさ耳にじゃれているのを可愛く思いながら、セレーナはゆったりとした歩みで城に向かう。あまり、戻りたくはない。というか兄に会いたくない。久しぶりの喧嘩で、どうしたらいいのかわからないのだ。

Re: 【中文 / 再建】Seize the day【募集中】 ( No.208 )
日時: 2015/07/19 18:15
名前: 鯨 (ID: FZws4pft)


「別に洗わなくていいのに、律儀なお姫さんだねぇ。ま、洗ってくれるっていうなら任せるよ。ありがとさん」

ニコラスはセレーナの言葉にことりと首を横に傾けた。このお姫様は礼儀がなっているのかなっていないのかイマイチよく分からない。
身のこなしは確かに洗練された王族のそれだが、かなり年上にあたるニコラスを呼び捨てにすることや、先ほどの言葉からみるにどうも子供っぽい所がちらほら見受けられる。

セレーナも姫君に敬語を使わないニコラスに礼儀がどうのと言われたくはないだろうが、彼女の兄であるウィルフレッドはニコラスの事を敬称つきで呼んでいたはずだ。別に年下に呼びつけにされたくらいで腹を立てるほど狭量ではないけれど、この洗練された姫君が年上を呼びつけにすることは少しばかり違和感があった。

それに先ほどの彼女の「誰も心配する人なんていない」という言葉はまるっきり拗ねた小さな子どものようだった。
まぁ、いかに姫君といえど十八なのだから子供っぽいのが普通かもしれないけれど。

「何だいセレーナ嬢。ひどく億劫そうな顔してるじゃねぇか。兄上と喧嘩でもしたか?」

なんて、兄貴も相当なシスコンだが妹も極度のブラコンであることを知っているニコラスは冗談のつもりでけたけた笑いながらセレーナにそう言った。

Re: 【中文 / 再建】Seize the day【募集中】 ( No.209 )
日時: 2015/07/19 22:28
名前: フレア (ID: 6tDnREag)

「って、申し訳ありません、ニコラスさん。なかなか癖が抜けないものでして...」

ハッとしたように顔を上げれば、口元を軽く押さえてそういう。癖が抜けない、それは年上の人を呼び捨てにしてしまうことだ。今では知る人は少ないが、幼少期、セレーナは一ヶ月という短い間だけ荒れに荒れまくっていた。物を壊し、悪戯をし、年上への礼儀を気にしない。今では黒歴史となっていることをたくさんしていて、その中の一つである呼び捨てが今でも出てしまうのだ。

先ほども注意されたばかりなのに...兄との喧嘩の前に話していた会話を思い出してため息をつけば、ニコラスからの言葉に肩を揺らす。

「わ...わかり、ますか?」

目を大きく開いて、不安そうに瞳を揺らす。少しだけ素が出るが、今のセレーナにはそんなところにまで気を回して入り余裕はなかった。あまり、喧嘩しているのをバレるのはよろしくない。なんとなくだけど、直感がそう言っているのだ。

揺れる瞳はじっとニコラスを見つめており、怯えるようなその表情はいつものセレーナとはまた違ったものだった。

Re: 【中文 / 再建】Seize the day【募集中】 ( No.210 )
日時: 2015/07/20 18:49
名前: 鯨 (ID: FZws4pft)


ニコラスは予想外の反応に若干目を見開いた。がり、と口の中の飴に歯をたててみる。少しだけ砕けた飴のかけらがニコラスの舌に当たって強い葡萄の味を感じさせた。ニコラスは少しばかり戸惑って何度か頭の後ろをかくと苦笑をこぼした。

「分かるっつーか、適当に言っただけだったんだが…もしかしてビンゴか?」

不安そうなその瞳は嘘をついているようには見えず、余計な事を言ってしまったかもしれないとニコラスはほぞをかんだ。面倒ごとは好きではないのだ。
しかしこの兄妹が喧嘩をするなんて一体何があったというのだろう。

「そんな喧嘩如きでこの世の終わりみてぇな顔する事ないだろうよ。
兄妹喧嘩なんて戦争より日常的に起こってるのが常だぜ。まさかあんたら二人して喧嘩すんのが初めてだなんて言わないだろ?」

だとしたら相当頭の痛い話だが、いかに仲のいい兄妹といえども生まれてこの方喧嘩をしたことのない兄妹などいないだろう。まぁニコラスには兄妹がいないから詳しい事は断言できないけれども。


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29