二次なりきり掲示板
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- ・Seize the day『 中文 』
- 日時: 2015/10/23 08:00
- 名前: 寝退 ◆HyWhrnhVWU (ID: KVMT5Kt8)
【 prologue 】
時は中世、舞台はとある国の城塞都市。
希望を手にした者達は光へと続く門を開いた。しかしそれは結果として多くの人々を巻き込み苦しめる事になる。
『お前達が人間として生きる事を望まなければ、私達は人間として生き続ける事が出来たのに。』
ある者は隠された真実に一人涙を流し、白衣を脱ぎ捨てると決死の思いで拡声器を手にした。
真実を知った民衆達は悩み考え続ける事を余儀無くされ、多くの人々は未だ答えを求め続けている。
—— —— —— —— —— …
閲覧ありがとうございます。寝退と申します。初めましての方も日頃お世話になっている方も宜しくお願いします。当スレは城塞都市内の極秘研究施設で生み出された能力者達とそれに関わる人間達の、戦闘・恋愛・日常、割と何でもアリなスレとなっております。
今回は完全な中文スレとさせていただきます。その他の部分での変更もありますので、世界観やルールに一度目を通してから登録書を記入して頂けますよう宜しくお願いします。
世界観 >>1
ルール >>2
募集枠 >>3
登録書 >>4
【 参加者一覧 】>>5
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- Re: 【中文 / 再建】Seize the day【募集中】 ( No.231 )
- 日時: 2015/08/03 21:49
- 名前: 時谷 空 ◆AdKeSZp7eg (ID: 0ZzzaL.w)
>>230
「あぁ!別に失礼だとは感じなくていいの!おじさんそういうの性に合わないだけだし…。
でも、かっこいいなんて嬉しいねぇ…。」
すみませんと謝るキリルにくしゃと破顔し笑みをみせる。そんなに気を使わなくていいのに、と思いながらもすぐに酒臭いと俯くキリルにロイは自分の服を嗅いでみたが嗅覚が鈍っているのか気付かずにいた。
悪いな、もう少しで楽にしてやるからもう少し我慢してな?とだけ声をかけキリルが指し示す薬の場所へと移動をし目当ての解熱剤を取り出す。
その間に散らかしたものを片付け始めるキリルの腕を掴み半ば無理やりに止めさせてコップにたっぷりの水道水を注ぐ。止めさせなければ倒れるまで片付けを止めないだろうから、と無理をする事をわかっていての制止だった。中途半端な状態では仕方ない、朝アンネリーゼにでも頼もうと自身で片付ける気は更々無いようだった。
少し掴んでいただけなのに異常な熱さの腕にロイは慌ててキリルの髪を掻き分けおでこに手を当てる。その熱さに慌てて手を離せば驚きながらもキリルの肩を抱き直す。
「おま、あっちぃなキリル!ほら、部屋に行こう?」
辛そうなキリルを見やり歩けるか?と気遣いながらゆっくりと歩きはじめる。
- 【中文 / 再建】Seize the day【募集中】 ( No.232 )
- 日時: 2015/08/03 22:08
- 名前: JESSICA (ID: 3L0NyJ0C)
「……別に大丈夫ですよ、これぐらい」
物を片づけていたはずが腕を掴まれてそれも制止され、幾分非難がましい表情でロイを眺めたが、相手の慌てぶりに自分も驚いてしまい、弱々しくそういうことしかできなかった。逃れようにもその力がないこともあって、申し訳なさそうにロイに体を預け、ほぼもたれかかっているような状態だった。
この熱が引いたらすぐに片づけに行こう、絶対この人は後片付けなんてやらないんだろうから、悪くすれば誰かに掃除を押し付けるかもしれないから。頭の隅で不躾な事を思いながら、現状はロイに支えてもらわないと歩けないような状態だった。フラフラとした足取りで、元々から不安定な足を引きずる歩き方も相まってその歩みはかなり遅いものになっていた。今のこの現状や自分自身の全ての憤りが鈍くなった思考回路を支配し、思わず舌打ちが漏れ、首を折って俯く。熱でなくても倒れそうだ。
「……すみません、迷惑ばかりかけて」
やっとで絞り出した声は今にも泣き出しそうなほど弱々しくて細かった。どうせなら聞こえなければいいような自分の弱い部分をすべて収縮した様な泣きごとにキリル自身には聞こえていた。情けない、とそう思えばますます自分自身が嫌になり、ロイに申し訳なくなる。
- Re: ( No.233 )
- 日時: 2015/08/03 22:47
- 名前: 寝退 ◆HyWhrnhVWU (ID: FGcintdM)
>>218
お久し振りです!此方こそスレ主なのに不在気味で大変申し訳ありません。
中文スレという事もありますし各々のペースで楽しんでいただければと思っているので全然大丈夫ですので…!むしろ、ありがとうございます!
>>219
目を覚ました時、そこは知らない場所だった。
リオは幼い頃から施設で育ち、外の世界に出てからも安定した生活等手に入る訳も無く、居場所を定める事も出来ずに一人転々としながら自分の生存理由を探し続けた。
あの施設を思わせる程に広く、しかし対極的な温かみのあるその部屋には高級家具が並び、常に清潔に保たれているようで埃一つ見当たらなかった。
その部屋はリオにとって別世界の様に感じられた。もしかしたら自分はまだ目が覚めていないのか、と……そんな事を思わせる程に。
まだ痛む身体に鞭を打って上半身を起こし、廊下の向こうからこの部屋へと近付く足音に気付いたリオは咄嗟に立ち上がると扉の直ぐ横へと移動した。そして扉が開かれると同時に部屋に足を踏み入れようとしていた執事長の喉元を掴むと、その手に若干の力を加えながら目を見開いて相手を睨み付ける。
「動けば殺す、……目的は何だ?」
そう低い声で囁くと相手は動きを止め、じわりと汗を滲ませながらただ視線だけをリオへ向けた。その瞳に映る自分があまりにも滑稽に思えて、一人小さく笑う。
この僕を助けて治療したというのなら、その目であの数字を見て、そして気付いている筈だ。なのに何故僕は生かされている。拘束しようともせずに、何故そんな無防備な状態でこの部屋に立ち入ろうとするのか。
あの施設で飼われていた者以外、世界の全ては敵であった筈だ。なのに、どうして。
そんな疑問を抱くリオの言葉に対する執事長の返答はあまりにも信じ難いものだった。そんな愚かな人間が居るものかと苦笑し、そして否定するように首を振る。
しかし、リオは何度問い詰めても同じ内容しか話そうとしない執事長の首から手を離すと「もう良い」と一言そう呟いて、慌てて走り去るその相手の後ろ姿を見ようともせずにベッドへと戻り倒れ込んだ。
——……そんな馬鹿な話があるか、僕はもう終わりにしたかったのに。
そう心の中で悪態を付きながら再び毛布の中に潜り込むと、意識を失っていた時に暗闇の中で聞いた声が、再び頭の中に響く。
『貴方は助けたことを迷惑と言うかしら?』
アレはその少女の声だったのか。……そんなの迷惑に決まってるじゃないか。
漸く全てから解放されると、そう思っていたのに。どうせまた僕達は出会うのだから、今度こそシリルに全てを話して、弟として受け入れてもらえたら良い、と。……そんな夢を見ていたのに。
まだ痛む箇所はあるが、自己治癒能力も異常と言える程に引き上げられているリオは身体が正常な動きをするか確認しつつ、大きく開け放たれた窓へと視線を移し、そこから逃げ出そうかと思案する。
しかし再びこちらへと近付いて来る気配を感じてその場に留まったのは、リオがそうしたいと思ったわけでもなければそうするべきだと感じた訳でもなく、言ってしまえば只の気紛れだった。
どうせ終わるはずだったのだから、もう逃げる必要も無い。そんな気がしてしまったのだ。
(全く何も問題ありません!状況を把握してからの方がスムーズかと、少し時間を進めさせていただきました。)
- Re: 【中文 / 再建】Seize the day【募集中】 ( No.234 )
- 日時: 2015/08/04 00:15
- 名前: 時谷 空 ◆AdKeSZp7eg (ID: 0ZzzaL.w)
>>222
大丈夫だと弱々しく放たれる言葉と裏腹にもたれ掛かるように身体を預けるキリルは何か違う事を考えているようで、しかし普段から片付けをしないロイがこの惨状を気にしているという事に気づく事は無いのだろう。
覚束無い足取りでゆっくりと前へと足を出す程の状態にこれは抱き上げて部屋まで連れてった方が早そうだと思案するも夜中とはいえど他の研究員がいないわけではなくそれを見られたらきっとキリルは今以上に研究員らと関わらなくなるだろう…ぼんやりそんな事を考えていると泣き出しそうな声ですみませんとかすかな声が聞こえた。
視線をキリルへ移せば俯きその表情を見せまいとしていた。そりゃそうか、誰も泣き顔なんざ見られたくないよなぁ。そう思いながら今彼に大丈夫だと告げるのは酷だろうか。言葉には出さずに柔らかな髪をくしゃりと撫でまるで大丈夫だとでも言いたげな態度でキリルの歩幅に合わせて歩く。
しかしそれではキリルの部屋へと着く頃には朝を迎えそうだと苦笑しながら先程頭の中で取り下げた事を口にした。
「抱っこと、おんぶどっちがいい?」
断る、という選択肢は敢えて出さずに二択で迫る。突拍子もなく呟けば支えていた手を離しキリルの前へと移動し目線を合わすように少し屈んでそう問い掛けた。
>>233
青年が意識を取り戻しました!そう知らせを受けて様子を見に行くと自身の部屋を出たイヴだったが、先程暴力を受けたと執事長に面会を反対される。
その制止を振り切り彼の部屋の前へと辿り着く。ドキドキと心音が上がる中ノックをし、返事が返ってくるとは思っていなかったため、普段はする事はないのだが、返事を待たずにその扉を開けた。
「気がついた?もう動けるくらいには元気なのね」
部屋の中に大人しくとどまっている脱走者の青年を見て少し躊躇いがちに青年へと近付く。先程大の大人を抵抗もさせずに締めあげた力は16歳の少女には畏怖の対象ともなり初めて対面する『脱走者』に少しだけ殺されるのではないか、という恐怖も芽生えた。その見た目はとても普通の人間と変わらずだからこそ、その力に怯えるように身体を震わせた。
警戒するような青年を前に落ち着かせるため一度深く深呼吸をし、目の前の青年と目を合わせる。
「私はイヴ。貴方の名前は…?」
恐怖心を抱くも彼への興味の方が打ち勝ってしまい、恐る恐る名前を尋ねる。その間も一歩ずつ青年へと近づけばベッドの側まで来ていることに気づく。
歳が近いように思える見た目にイヴは親近感がわき、先程まで少しだけ震えていた身体もすっかり治まっていた。
(何かと不慣れなものですみません、助かります…!場面切り替わりで短めですみません。)
- 【中文 / 再建】Seize the day【募集中】 ( No.235 )
- 日時: 2015/08/04 01:07
- 名前: JESSICA (ID: 3L0NyJ0C)
「……っ」
ロイの手に頭を撫でられるのは予想にしていなかったことだった。不意の事で思わず目線をあげそうになったが、寸前のところで動きを止める。子どものころからこういうことには慣れていない、ましてやこの歳でそんな事をされるとも思っていなかったため、戸惑いは隠せなかった。きっと自分は今間の抜けたような顔になっているのだろう。
ロイはよたよたと歩く自分の歩幅に合わせて歩いてくれている。実際このペースで歩いていけばかなり時間がかかるのは目に見えている。此処は付き合ってもらう訳にはいかないとロイの助けを借りずに自分一人ででも行くべきだろう。彼は今まで外に出ていたのだ、その疲れもたまっている。こうやって体調を崩したのも自分の管理ができていないためだ、いつまでも付き合わせるわけにはいかない。
どのようにして言えばロイはそれを容認してくれるだろうか。歩くペースを出来るだけ上げようと努力しながら少ない語彙力の中から必死にその言葉を探していた時、ふと支えられていた力がなくなり、思わずふらついた。
そして聞こえた短い単語の意味を、今ではすぐに理解できた。一瞬でかかった非難の声——といっても、弱々しいものではあったが——をあげるまえに、既に力をなくしていた体は膝から地面につき、顔を強打する前に腕が何とか冷気を帯びた床についていた。
選択肢に否定の言葉がなかったのは、きっとロイが、自分が否定する事を考えてやった事だろう。深々とため息をついたキリルは、仕方がないよな、と諦めに似た笑みを微かに浮かべていた。
「……ロイさんが、運びやすい方で良いですよ……」
- Re: ( No.236 )
- 日時: 2015/08/04 06:34
- 名前: 寝退 ◆HyWhrnhVWU (ID: FGcintdM)
>>234
怠そうにベッドの上で胡坐をかいて座っていたリオは、ノック音が響く前にその気配の在る方向へと視線を向けた。大きく開け放たれた扉。その向こうから現れた少女を見てリオは驚いたように小さく目を見開いた。ただでさえ華奢なその身体は痩せ細っており、そのせいか肌の色も異常なまでに白く感じられた。
何処か儚い印象を与えるその少女は、躊躇いがちにリオを見て一度視線を落としてから静かに口を開く。
『気がついた?もう動けるくらいには元気なのね』
聞き覚えのあるその声に、リオは苦笑して視線を落とす。ああ、やっぱりこの子だったのか。こんなに小さくて頼りない人間の手によって僕は生かされたのか、と。
その容姿を見る限りでは到底信じられなかったが、確かに人一倍の度胸は秘めているようだ。あの執事長が先程の事を主に報告しない訳が無い。それを聞いた上でノックの返事も待たずに部屋の扉を開け、この空間に足を踏み入れ、更に躊躇いながらも自分から声を掛けて来たのだから。
僕が怖くないの?と、そう問い掛けてみようかと顔を上げたリオだったが、イヴと目が合った瞬間にその口を噤んでしまった。まさか、こんなにも真っ直ぐ見詰められているとは思っていなかったのだ。その身体を小さく震わせながらも再び口を開いたその少女から新たな問いが投げ掛けられる。すると、その声に反応するようにリオは一瞬全ての動きを止めた。明らかに動揺した様子で目を見開き、それから険しい表情を浮かべると、落ち着かなさそうに視線を泳がせる。
——……名前。僕の名前は何だっけ。ああ、そうだ、リオだ。けれど僕はもう、
「……リオだよ。リオ=シェルホーン……」
名乗る直前に咄嗟に顔を俯かせたリオは、その瞳を大きく見開いて床を見詰めたままベッドのシーツを強く握り締めて唇を噛み締めていた。リオが何かに対してここまで強い恐怖を抱いたのは初めてだった。失いたくない、そう思うモノなんて何も持っていなかった筈だった。
気付けば兄と同じ姓を名乗っていた。名前を尋ねてきた彼女に答えようと、そう思っての発言ではない。ただ、自分に言い聞かせるように。自分の中の叫びに応えるように。僕はまだ一人ではない、またシリルと再会する以前の僕に戻ってしまうなんて、そんなの。
「……っ、やっぱりあの時……終わってしまえば良かったんだ、」
それは微かな声だった。顔を歪ませながらその声を発した本人は口に出すつもりは無く、しかし抑え切れずに外に吐き出された悲痛な叫び。その声が少女の耳に届いてしまったのかは分からなかったが、イヴはもうリオの直ぐ近くまで歩み寄って来ていた。
(いえいえ!私もこういうパターンは初めてなので…!過去編もイヴさんの可愛さ全開で、ロイさん並みにセクハラを仕掛けたい衝動に駆られております…w)
- Re: 【中文 / 再建】Seize the day【募集中】 ( No.237 )
- 日時: 2015/08/04 23:34
- 名前: 時谷 空 ◆AdKeSZp7eg (ID: 0ZzzaL.w)
>>235
やはり、と言わんばかりに声にならない声がロイを拒否していた。しかし頭で拒否しようとも身体は素直に助けを求めているようにも思えた。
崩れ落ちるキリルを突然の事で助けることが出来ずにいたがなんとか自身で最悪の事態を避けることが出来たようだ。
仕方が無いと言いたげなため息に苦笑するが次の瞬間に初めて彼の笑みを見た気がした。
それは呆れ笑いのようにも見えたがロイははにかむ程度でも笑みを見せてくれたことの方が嬉しく、
「そうやって笑うと可愛いのなぁ。」
普段から何でも可愛いと思う事はあっても言葉に出すことはなかった。女性には常日頃から口癖のように言ってしまうのだが、男相手に出た言葉は初めてに等しい程だった。
やりやすい様にとの許しを得たのでちょうど目の前に倒れ込んでいる青年の脇に手を入れコップを落とさない程度に力を込め、ぐっと抱き上げる。軽々と持ち上がる身体にロイは顔を顰める。この青年はタバコの吸いすぎできちんとした食事は摂っているのだろうか?普段研究に没頭するキリルの姿を見る事はあまりなく、ロイも他人のことは言える程きちんとしているわけではないが、キリルの食生活が心配になりだし今回の熱も食生活の乱れがあるのではと沈思する。
「熱下がったらメシでも行くかー…」
キリルに振動をなるべく与えないようにかつ、足早にキリルの部屋に向かいながらポツリと投げ掛ける。提案として口に出しているものの、ロイの中では既に決定事項であるからして、この問い掛けはほぼ無駄に等しい。
しかし突然誘われても困惑するだろうしという事で事前周知をしただけだった。
そうこうしているうちに彼の部屋に到着しベッドへとゆっくり降ろす。
「ほら、部屋ついたぞー。大丈夫か?薬飲めるかー?」
こぼさないように持っていたコップと薬を手渡しキリルの横に腰掛けた。
>>236
リオと名乗る青年はどこか不安そうで、それが何を意味しているのかイヴにはわからなかった。しかし何かに苦しんでいるような様子にイヴはベッドへと上がり強くシーツを掴むリオの手を優しく包む。
「何も、怖いことはしないよ…」
俯き唇を噛み締めるリオにイヴはただ狼狽える。聞いてはいけないことだったのだろうか…?しかし名乗った彼はリオという一人の人間の存在を確かにさせた。そこに在るはずの存在なのに彼は今ここにいないようなとても遠くにいてまるで何処か殻に閉じこもっているような気がしてイヴは今一度存在を確かめる様にリオの手を力を込めて握る。
彼は何故そんなに悲しい事を言うのだろうか、
「終わらせていい命なんて、無いよ……。貴方が、死んだら、貴方の大切な人はきっととても傷つく……」
ポツリと返事をするように出たそれはリオに向けての言葉ではあるもののイヴ自身に向けての言葉でもあった。幼い頃に母を亡くし毎日泣き明かしたあの頃に一度だけ自身で命を絶とうとした事があり、その時に言われた言葉だった。それが今イヴには痛い程理解出来、目の前で幼い頃のイヴ自身を見ているようでじわりと涙ぐんでしまう。もちろん泣きたいのは私ではなく彼の方なのだろうがその気持ちが何処か少しでもわかるからだろうか。
「もし、もしも、貴方にそんな相手がいないというのなら私がなったげる!貴方が居なくなっていい、なんてことないようにしてあげる!だから、終わらせていい、なんて………言わないで」
初めてあった青年なのに、どこか目が離せなくなるのは何故だろうか。気付けばボロボロとこぼれ落ちた涙はシーツを湿らせていた。初対面の人相手に何をここまで感情移入してしまっているのだ、と隠すように勢い良く俯き、ちょっと待って!と乱暴に涙を拭う。
落ち着いた頃に顔を上げ、涙のあとを隠すようにベッドを降り窓際へと移動をすれば窓を開け放つ。
舞い込んでくる風で頬を冷やしゆっくりとリオへ向き直り再び視線を外さずに真っ直ぐと見つめた。
(ロイ並のセクハラwwリオくんにセクハラされる前にセクハラしちゃいました←)
- 【中文 / 再建】Seize the day【募集中】 ( No.238 )
- 日時: 2015/08/05 10:50
- 名前: JESSICA (ID: 3L0NyJ0C)
可愛い、とそんな単語が聞こえた気がした。もはや普段通りに物事を理解する事が出来なくなっている頭でもその言葉は聞こえており、普段の彼を思い出しながら、まぁ普通どおりだなとさえ一瞬思ってしまった。間をおいてふと思い出したのは、今の言葉は恐らく自分に掛けられたものだろうという言うことだった。
「……っ何を言ってるんですか」
自分でも信じられないような強い声が口から洩れたが、言い終わらないうちに自分の体はロイに軽々と抱きあげられてしまっていた。抱っこにしろおんぶにしろ、あの選択肢はどちらとも最悪の状態を作り出すものだったが、この状態ではまともに自分の顔が見られるという点を失念してしまっていた。熱と羞恥が相まってどんどん熱くなる顔を何とか腕で隠すが、いっそこのまま意識を失ってしまいたいとも心の底で思っていた。
もちろんこの夜中でも、数は少ないだろうが活動している研究者はいるだろう。その一人でもここを通れば自分は終わりである。誰も通らないように、通ったとしてもこれが自分であると誰も悟らないようにと必死で息をころしていたが、誰かがこの光景を見ていればすぐに自分であると分かる自信も、同じように思えていた。
しかし、抱きあげられて気分が幾分かよくなったのは明白だった。こんなことに慣れていないため、普段と同じほどの高さ、もしかしたらそれ以上かもしれない周りの景色に思わずロイの服を握りしめる。顔を見られたくない一心で体を丸め、目をきつく閉じていたため、自分の服に染み付いた煙草のにおいとロイの酒のにおいが頭の中を充満していた。そんな中で発せられたロイの言葉をキリルが聞けるはずもなく、何か聞こえたぐらいの勢いと、多分自分に何かを聞いているとの推測だけで、小さく頷いていた。
自分の部屋につき、ベッドに下ろされて初めて深々と息を吐いた。此処までよく来れたな、と羞恥に悶えそうになりながらも、何とか上半身を起こしてありがとうございます、と呟きながらコップを受け取り、薬を何とか飲み込んだ。水が異様においしく感じて最後まで飲み干すと、小さく息を吐いて改めてロイにお礼を述べ、頭を下げた。
「……もう大丈夫だと思うので、ロイさんも早く休んで下さい」
薬を飲んだからとはいえすぐに熱は下がらないだろうが、これ以上相手をつき合わせる事も出来なかった。最大限の声と作り笑いで相手を安心させるようにそう言った。
- Re: ( No.239 )
- 日時: 2015/08/06 10:35
- 名前: 寝退 ◆HyWhrnhVWU (ID: MXjP8emX)
>>237
『何も、怖いことはしないよ…』
二人きりの空間に響くその少女の声は、直ぐ近くから聞こえた。彼女から放たれるその声は、いつも耳障りだと感じてしまう程に不愉快な言葉を連れて来る。僕のような存在が、こんな対象を相手に恐怖心を抱くとでも思っているのだろうか。
イヴが優しく包み込むようにして重ねて来たその手を、彼女の次の言葉を聞くと同時に振り払い、リオは漸くイヴの姿をその瞳に映した。漆黒の瞳の奥、リオの中で渦巻くその感情は殺意にも似た負の感情だった。身体に重く圧し掛かってくるこの感情を声に出せたなら、言葉に表す事が出来たのならば、この息苦しさは無くなるのだろうか。彼女の言葉は何度も僕に残酷な現実を思い起こさせる。この状況を面白がっているのか。こんな僕を見て滑稽だと笑うつもりなんだろうか。
「大切な人なんて、」
それ以上言葉を続ける事は出来なかった。それは今の僕にとって何が何でも否定したいと、そう感じてしまう現実だったから。何て無様なんだ。こんな事ならずっと一人で生き続けた方が数倍マシだったんじゃないか。
不意に視線を落としたリオは無表情のまま、本当に静かに一筋の涙を流した。やっぱりこの世界に逃げ場なんて無い。普通に生きる事さえ許されず、普通の人間達から見れば抹消されるべき存在なのだ。それは何年……いや、この先何十年という時が流れても変わらない現実だ。
——……僕はただ、もう一度笑いたかっただけだ。
リオは苦笑しながら、空間を共有している彼女の存在を思い出したかのようにイヴへと視線を移す。イヴは大きな瞳に涙を浮かべながらリオを真っ直ぐに見詰めていて、そのまま溢れ出した大粒の涙にリオは一瞬怪訝な表情を浮かべたが、不思議な事にそこに嫌悪感は存在しなかった。
「……あ、そう。なれるモンならなってみなよ」
あの時、彼女の真剣な訴えに対して、口をついて出た言葉は随分素っ気無いものだった。自分もすぐに立ち上がって扉の方へと足を進め、驚いた様に此方の様子を窺うイヴに「お前の涙が染み付いたシーツで寝ろって?」と呆れた様に笑いながら冷たい言葉を投げ掛けた。
思えばあの頃の自分は本当に酷かったなぁ……とリオは自嘲するように笑い、イヴを直視出来ずに再び快晴の空へと視線を戻す。
「……あー、その。イヴもさ、やっぱ変わったよね」
そして自分の事には触れようとはせずに、そんな言葉を投げて横目でイヴの様子を窺う。けれど、こうやって思い返せば本当に彼女も変わったと、そう思ったのも事実だった。二人を包む暖かな風はあの時窓から吹き込んできたそれととても良く似ていたが、状況は随分変わったものだ、とリオは穏やかな微笑みを浮かべた。
【頑張って尖らせました…!とりあえず出会い編だとこの辺りまでかな、と思い現実?に戻してみましたが、空さんが続けたいようであれば引き続き過去編へと引き返しても問題ありませんので!セクハラ大歓迎です←】
- Re: 【中文 / 再建】Seize the day【募集中】 ( No.240 )
- 日時: 2015/08/07 14:11
- 名前: 時谷 空 ◆AdKeSZp7eg (ID: 0ZzzaL.w)
>>238
コップを渡すなり勢いよく飲み始めたキリルは余程喉が渇いていたらしく、すぐ様たっぷりと注いでいたはずの水は消えていた。
そして少し落ち着いたのかもう大丈夫だから休めと、自信の体調よりもこちらを気遣うキリルにロイは困ったように苦笑いを浮かべた。
「キリルは少し他人に頼ることを覚えようなー?」
そうは言えどゆっくりしたい時にこうも他人に邪魔されてはそちらの方が落ち着かないか、と頬を掻きながら頷きキリルの柔らかな髪を優しく撫でる。
「まぁ、何かあったらすぐに言うんだぞ?」
ちゃんとあったかくして寝るように、といつまでもこちらに気を遣い笑みを浮かべるキリルに背を向けて手をひらりと上げて振りながら。薬の効果もすぐには出なくても副作用で睡眠効果も出てくるし、心配はしてもキリルは立派な大人で過度に心配しすぎても失礼になるだろうか、今更ながらそんなことを考えていた。
そんなことを思っているうちにすぐに扉の前まで来ていたロイはぶつかりそうになる扉に驚きながら一歩後退る。
あぁ、と思い出した様に間の抜けた声を上げキリルへと顔だけを向ける。
「おやすみ」
それだけを口にしゆっくりと扉を開けキリルの部屋の出口へと繋がる扉を開けて外へ出た。
(流れ的に離脱しましたが大丈夫でしたでしょうか?)
>>239
変わったよね、という言葉にイヴは顔を綻ばせ、イヴも、に含まれるリオ自身も以前とは違うという現実が嬉しくてたまらなかった。
「そうでしょ?成長して大人っぽくなったでしょ!?」
そう冗談でおどけて帽子が飛ばないように抑えながらくるりと一回転して自身の姿をリオに見せる。
くすくすと笑いながら並木道をゆっくりと進む。
思い出したかのように、あ!と声を上げて少しだけ考える素振りを見せながら視線は前を見つめていた。
「…あの頃のリオは昔の私を見ているようで、なんだか放っておけなくて、迷惑かな、って思いながらも一緒にいた。でも、今はそうは思わないの。一緒にいれて良かったと、そう思えるんだぁ」
リオも同じ気持ちだと嬉しいな、そう願うのはやはりあの頃から自分が変わったからだろうか。
「……一緒にいてくれて、ありがと……」
小さな声で呟けば普段真面目な話をあまりしないからか、照れくさくなり鍔で顔を隠すように帽子を目深に被りスタスタと先を進み歩いていく。
(尖リオくんに悶えすぎて仕事中に変な声を出してしまい同僚に心配されましたwwごちそうさまです…!)
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