二次なりきり掲示板
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- 【一時期】『 トロイメライの隠し場所 』【閉鎖】
- 日時： 2015/11/06 14:57
- 名前： 佐鳥 （ID: zflF3NFd）
- 参照： ありがちだと知っていても、それでも俺はやりたいんじゃ。
お知らせ ⇒ >>406
新組織できました ⇒ >>407
真夜中の路地裏に、僕と君の二人きり。
あまりに大量で吸い取りきれなかった血液を思わず吐き出しては、ぐったりとして心臓を動かさなくなった君の顔をもう一度見つめた。だらんと垂れる頭を支える首には、二つの穴が目玉の様に開いていた。そこからどろどろ、紅い液が。それを見ても何も思わなくなってしまったのは、僕が本当に怪物になってしまったという証だろう。それを怖がることすらなくなった。
顔に飛び散った人間の血をべろりと舐めとる。
本当にくだらない。生者にも死者にも成りきれず、その狭間に存在しては世間に隠れることもなく、殺/戮を繰り返す。それしかできず生と死の瀬戸際に在り続ける闇の眷属。異端の一族。
そんな僕らを人々は、悪魔とか、“吸血鬼”だとか呼んでいた。
そう呼ばれるたびに、僕はいつも御伽噺を思い出す。
或る奇跡の十字架の話
————吸血鬼の弱点ともよばれる其れの中で、唯一、彼らに味方する十字架
————ここではない海の向こうの錬金術師が生み出した、魔法の十字架
それを手に入れる吸血鬼は、雨水であれ聖水であれどその体に受け入れ、杭を打ち付ける前に跳ね除ける屈強な心臓を手に入れ、月だけではなく朝日をも制することができるだろう。
もしも手に入れたなら、僕は昼を生きる存在になれるのだろうか。
もしも手に入れたなら、あの子に会いに行けるかな。
もしも手に入れたなら、僕等は——僕は幸せになれるのだろうか。
奇跡の十字架、その名を人呼んでトロイメライ
（ ……残念だけど、それが欲しいのは君だけじゃない ）
（ 探せ、この国の隅々まで！ 君が自由を手にしたいなら！ ）
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『 キャラ募集中でございます 』
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>>1 『 ご挨拶 』
>>2 『 世界観 』
>>3 『 募集枠 』
>>407 『 募集枠2 』
>>4 『 参加者様 』
>>5 『 登録証 』 ←（容姿の欄に追記しました）
>>6 『 規則 』（※必読。更新することがあります）
>>7 『 スポット 』
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- Re: 【じわじわと】『 トロイメライの隠し場所 』【イベントの】 ( No.359 )
- 日時： 2015/09/25 15:48
- 名前： 寝退 ◆HyWhrnhVWU （ID: mXDJajPZ）
>>265
【長らくお待たせしてしまいましてすみませんでした！リアルの状況も落ち着いたので、千田様が大丈夫なようでしたらそろそろ再開出来ればと考えているのですが……！二キャラ動かす事になってしまうかと思うので、お暇が出来次第のスタートでも全然大丈夫です！】
- Re: 【じわじわと】『 トロイメライの隠し場所 』【イベントの】 ( No.360 )
- 日時： 2015/09/25 17:00
- 名前： フレア （ID: nLPrrFyW）
>>358【赤月本部/ヴェノーレ=ファルファッラ】
（あんまり、怯えさせないでくれないかな...）
小幅のことなんてこれっぽっちも気にしていないヴェノは、ヒッというような声を出して去っていく同僚の後ろ姿を見てため息をつく。
自分が言うのもなんだが、後ろにいる男は高身長で目つきも悪い。そしていい性格をしているためにこうやって先ほどから怯えては逃げられていくのだ、自身もよくあることなどで注意することなんて出来ないけれど。
そしてそれを面白いと思っているのであろうこの男と若干似ているために、何かを言えばブーメランのように帰ってきそうで面倒くさかった。無駄な勝負はしない主義だ。
ヴェノの質問とは言えない口調の言葉に嘲笑混じりの返答を返した上脇、それに突っかかっていくほどヴェノも幼くはなかったが、続いて言われた言葉と表情にまた手を握りしめることとなる。
「ならテキトーに行かせてもらいますね。ていうか、別に怒ってませんケド？バカなこと言わないでクダサーイ」
ケラケラと笑うが声は冷たい。この男は何を考えているのだろうか、愛想がいいのか悪いのかわからないし、礼儀があるのかないのかもわからない。先ほど自分と似てると評した、それに間違いはないがこうも思ったのだ、「中途半端な性格」だと。自分にだけかもしれない、それはなんだか面白くない。
以前ちらりと見かけた時の上脇の表情は、今とは違って柔らかかったと思う。その時の記憶が美化されただけかもしれないし、単なる先入観だったのかもしれないけれど。それでもあの時、上脇に僅かながらの興味を惹かれたのは認めなければならない。自分と同じぐらいの身長、その立場、醸し出す雰囲気になんだか心を惹かれた。今とは違う意味で、だけど。
「で、上脇さんは僕を怒らせたいんですか？あんたがそれで暇が潰れるっていうなら、考えもいいですけどね」
【こちらこそ、よろしくお願いいたします。】
- Re: 【じわじわと】『 トロイメライの隠し場所 』【イベントの】 ( No.361 )
- 日時： 2015/09/25 18:01
- 名前： 霧時雨 （ID: rE1CEdls）
>>357 【深夜の公園/三宮裕次郎】
「ええ。しかし、私とて、集団の一員です。ですから、誰の命令も無い今なら、貴方を逃がしてもなんら問題はありませぬよ。
しかし、私が正式に命令を下され、部下に命令を下さなければならない立場になった時は……」
カチャ、と紳士服の懐から銀の弾丸が装填された拳銃を出し、相手に向ける。
「……容赦なく、貴方たちの敵となりましょう。ですから、再三話しているのですよ。
これは情けでもあり、無駄な殺しをしたくないが故、でもありますがねぇ。」
そして引き金に指を掛け、一切の迷い無く撃つ。弾丸は雨乃宮の顔、そのスレスレを射抜き、夜空に消える。
同時に赤月の応援部隊が到着し、各々の武器を抜く。
「さて、それでは吸血鬼さん……覚悟はできましたかな？今度は、外しませんぞ。」
拳銃を、相手の額に向け、にこやかに微笑みながらも殺気を放つ。
- :【じわじわと】『 トロイメライの隠し場所 』【イベントの】 ( No.362 )
- 日時： 2015/09/25 19:15
- 名前： 千田 （ID: floOW.c4）
- 参照： 後程絡み文を投稿いたします！
>>356
【Dietrich様有難うございます！宜しくお願いします！】
>>359
【寝退様お帰りなさいませ！！再開を楽しみにしておりましたので是非ともお願いします。最後は>>234だったと思うのでお暇な時にでも返信してくださると嬉しいです！】
- Re: 【じわじわと】『 トロイメライの隠し場所 』【イベントの】 ( No.363 )
- 日時： 2015/09/26 11:08
- 名前： フレア （ID: nLPrrFyW）
>>361【深夜の公園/雨乃宮】
「ふーん、そりァ大層なこッて」
自分が聞いたにもかかわらず興味なさそうな反応をすれば、向けられた銃口を見て笑う。それで俺が殺せるものか、そんな感じだ。すれすれの位置に放たれた弾丸も、それと同時に来て武器を抜いて構える赤月の隊員たちも、今の雨乃宮からしたら「ちっぽけな人間」にすぎない。
自分よりも短い時間を生きる人間、儚い命の灯火が今ここで自分の手によって消されようとしている。滑稽な話だ、昔は自分もそちらの立場だったのだから。
ふぅ、と息を吐いて目を瞑ればば、右手を横に突き出して目を開く。ギラリと青色の瞳は妖しく光り、突き出した手には黒魔術によって構築された死神の大鎌。時間があれば銃で十分だったのだが、なにせ霜乃のケーキを買いに行かなければならないから時間が惜しい。そのための判断だった。
「かかッてこいよ、坊主ども。俺が相手してやらァ」
鼻で笑う、その表情に怯えなどない。少し身をかがめて鎌を構える、その動作は滑らかで。不敵に笑うその表情、ギラギラと光る目、まるで猛禽類の様だと言われたのはそう昔ではない。
- Re: 【じわじわと】『 トロイメライの隠し場所 』 ( No.364 )
- 日時： 2015/09/26 06:42
- 名前： 佐鳥 （ID: LuHX0g2z）
- 参照： ※進行できずに申し訳ないです；；
>>343
【どこかへ向かう道の途中/真谷才蔵】
（あ……）
他人のことになるとかなり神経が鈍重な才蔵が裏葉の浮かべた笑顔が作り笑いだと気付けたのはどうしてだろう。先程から度々彼女が、大よそ裏が無いと思われる素直な笑顔を才蔵に対して見せてくれているせいだろうか。それはやわやわとして優しく心地よい熱を帯び、どんなに荒んだ心さえも洗ってくれるような笑みだったからか。
ぎこちなく言葉を紡ぐ彼女の異変に才蔵は一瞬呼吸を持って行かれる。——いいや、呼吸なんて今の才蔵には必要が無いしそもそも自動的に行われないものとなったのだが、何か今自分が言った一言で裏葉に良くない影響を与えたんじゃないかと、そう思った。
才蔵はそんな裏葉を固まったように見ていた。そんな彼女になんと声を掛けたらいいのかわからない。謝った方がいいのか、もっと元気付けになるようなことを言うべきなのか、考えていても才蔵にはわからず、ただ「あー、えーっと……」なんて時間稼ぎをしながら狼狽えるしかできないでいる。
どんよりと徐々に空気が重たくなるのを情けなくもどうにかすることが出来ないでいると、それをどうにかしたのは裏葉の方だ。
裏葉の出した答えは、まるで宝物のようにきらきらとした輝きを持っていた。それを見つけた子供のように才蔵はわあ、と声をこぼして目を輝かせ、口許は自然と嬉しそうに笑っていた。素直でシンプルで、甘さとは違う優しさのある言葉はどんな偉い人の名言よりもかっこよくて、素晴らしい。
「褒められるのはうれしい、か……うん。そうだね、そうだね！ 裏葉ちゃんみたいな大人がたっくさん増えればきっと世界は平和になるのにね！」
ぐいっと親指を立てて才蔵はにっかりと歯を見せて笑う。こんな優しい人だけの世界が在るとしたら、今の世界を捨ててその世界へ行こう。そうだ、真谷の一族も連れて。ああでも、当主は今の場所から離れることを拒むかな。吾らの渇望のトロイメライだっていまだ見つかっていないのだから。
「まあね！ ……って裏葉ちゃんこら！ 何その意外だなーみたいな反応！ おれは男気ある男なんだからね！」
幼さの有り余る顔立ちで威張っても、そこには威厳の欠片も無い。才蔵自身も本気で怒っているわけではないのだ。ただ、好きな人が望む言葉も恥ずかしがって言えないような軟弱(というのは才蔵自身の偏見)と間違えられるのは少し納得いかないのだ。
しかしそのあと自分が言った一言に裏葉が急にむせたのを見ると、その様子に才蔵は「あははは！ 裏葉ちゃんむせた！」なんてこれまた悪気なく笑った。彼女がなぜ今のタイミングで咽たのかについては見当がつかず、たまたま喉に何か突っかかりがあったのかと思ったが、裏葉は答えにくそうに続けた。その答えに才蔵は、吃驚して「なんで！」と半ば不満そうに食いついた。
「年が年……!? 何言ってんの、裏葉ちゃんまだ超若いじゃん。超女の子じゃん。夢見る頃過ぎるの早くない!?」
見たところ裏葉は丁度才蔵と歳の近そうなまだまだ若い女の子だ。いや、女の子と言えどそれでも二十台だが、それも二十台になってまだ何年も経っていない感じ。それなのに年が年とは、これも時折垣間見せいていたどこか自虐的な性格のせいでそういう価値観をしているのかと才蔵は本気で動揺する。結婚と言うワードにすら才蔵は「早すぎじゃない!?」と忙しない。
そう感じるのは吸血鬼としての時間を過ごしている故の感覚麻痺かもしれないけれど、そうとは思わず才蔵は言った。
「まだ人生始まったばかりなのにおばあちゃんみたいなこと言うのやめようよぉ！ そんなんじゃマジでおばあちゃんになった時に……えーと、超おばあちゃんになってるよ！」
自分の体は年を取ることは無くなってしまったから、年老いたという感覚を得ることは無い。そんな元人間が言うのも奇妙な話だが、まだ彼女は若い。そんな今は大抵のことを諦めることなく楽しむべきではないのかと、そう伝えたかった。しかし語彙が足りなかった。
かあっと赤くなる頬。誤魔化すように笑った顔。それはなんとなく、ただなんとなくだけど、“リン君”に対してのそれが大きな意味のあるある種の情のように見える。
なんだか不思議だ。それが解ってしまった途端に、心が渇く様な感覚を得る。
目を覗き込まれ、才蔵は相手と目を合わせる。
下手な真似をして死んだりなんてしなければ、才蔵は100年も200年も生きながらえるだろう。それを知らない裏葉は何の屈託もなく「幼馴染になろう」なんて言うのだ。それは別にどうでもいい。だって狩りに才蔵が200年も生きたとしても、裏葉の今の言葉になんの間違いもない。尚且つそれが才蔵にとって嬉しさを感じさせるものであり、同時におもしろそうだった。
そして何よりも、この裏葉という優しい人間を才蔵が好んでいるから、リン君と裏葉の空間に自分の席ができたような気がしてなんだか嬉しかったから。才蔵はまた宝物を見つけてこう言った。
「うん、なるよ！ 幼馴染になる！！」
- 『 トロイメライの隠し場所 』 ( No.365 )
- 日時： 2015/09/26 07:40
- 名前： 佐鳥 （ID: LuHX0g2z）
>>346
【橘花小路/小田島八千代】
遠目にもその人が日本人の平均身長よりもはるかに背の高い人物であることが解った。この闇夜の中でも八千代がその人を視界にとらえることが出来たのはきっとそのせいか。
相手は何故か解らないが、少し気まずそうだった。それを大して気にはしない。八千代は目を細めてそれに対して返事を返した。——はい、こんばんは。と西の都の訛りで言った。
「そうですねえ、確かに今宵は良き夜とは言い難いかもしれませんが、私は嫌いでは御座いません」
目の前の男性の髪を、続いて八千代の髪を順々に揺らして吹き抜ける生ぬるい風。おまけに夜空は晴れではないから、彼がそう言うのは無理であるとは思わない。しかし、この生ぬるい空気も月を隠す雲の浮かぶ夜空だって、八千代は風情があって好きだった。月を見上げるとまた、灰色の雲が白い月の上を覆っていた。それを見上げ、愛しそうに微笑む。
「気になること？ はい、何で御座いましょう」
ゆっくりゆったりと、そして白々しく。
困惑した様子は顔には出さないが、心当たりならもちろんある。ついさっき八千代は食事を済ませて来たばかりなのだ。この道を戻っていけばきっとあの人の死体が転がっているはずだった。こんな狭い道ならばきっと通る人間は少ないだろうし、隠さなくても問題ないかと思ったが、そういう訳ではなかったらしい。
八千代は殺されるのかもしれないと思った。近頃では吸血鬼を狩る人間が夜中に出回っていると言う噂もそう言えばある。もしも先ほどの食事を見られていたのだとしたら。
もしも、それでなにか自分の身に危険が迫るようであれば、あまり得意ではないけれど生き延びるためにも自分は戦わねばならないだろう。
また少し気まずそうに彼は言葉をつないでいった。
その内容の意外さに、八千代は思わず目を見開くことになる。呆気にとられて八千代は黙って相手の顔を見た。
如何にもその通り、彼の言うとおり八千代は人間の血液なくして生きていけない哀れな物の怪だ。しかしそれを知りながらも目の前の男は自分を見逃すと言うのだろうか。
それとも、この口ぶりや吸血鬼と察しても何でも無いような振る舞いから察するに、この男もまた自分の同種か。
「見られておりましたか。——貴方様の仰る通り、私は人間の血液なくして生きられない吸血鬼で御座います。人の人通りの少ないこの小路であれば問題ないかと安心しきっておりましたが……お見苦しいものを見せてしまい、申し訳ございません」
申し訳なさ気に一礼すると、八千代はもう一度、少し上に或る相手の顔を見上げた。
「つかぬ事をお聞きしますが、そう言う貴方様は吸血鬼で御座いますか？」
- トロイメライの隠し場所 ( No.366 )
- 日時： 2015/09/26 07:59
- 名前： 佐鳥 （ID: LuHX0g2z）
>>千田様
【私も千田さん好きですよ((( ところで私ヤンデレも好きなんですよ(( 是非是非その属性を存分に生かしてくだされば嬉しいです。(主に私が) 本編で出会えることを願って^^】
>>フレア様
【>>330のキャラクターについて検討させていただいたのですが、すみません。やはり喫茶店の設定の所でどうしても躓いてしまいますので、そこを修正していただくか、無理であれば今回は申し訳ありませんがＮＧか、あるいは保留と言う形をとらせていただければと思います。本当に申し訳ありません；；】
【追記：他のＰＬ様とのやり取り中に横から申し訳ございませんが「色気を漂わせる〜」等の描写は自画自賛ロールに含まれますのでご注意くださいませ】
- Re: 【じわじわと】『 トロイメライの隠し場所 』【イベントの】 ( No.367 )
- 日時： 2015/09/26 11:05
- 名前： フレア （ID: nLPrrFyW）
- 参照： http://穴があったら入りたい
【いえ、私が変な設定を書いたばかりに佐鳥様のお時間を取らせて申し訳ないですっ...。では、今回は没ということでよろしいでしょうか？私もなりきることができるかいささか不安なため（苦笑）
も、申し訳ありません！長らく小説版にいてその時の癖が抜け切っていないみたいで...以後注意します。本当に申し訳ありません。】
- Re: 【じわじわと】『 トロイメライの隠し場所 』【イベントの】 ( No.368 )
- 日時： 2015/09/26 11:21
- 名前： 霧時雨 （ID: rE1CEdls）
>>363 【深夜の公園/三宮裕次郎】
「それは残念ですな……なれば、我々も成すべき事を、成すまで。
……では、参りましょう。敵対象を発見、すぐさま駆逐活動に移りますぞ。」
コン、と赤月の一人が発煙筒と閃光弾を投げ、それを合図に裕次郎と残りの二人も動き出す。
さて、困った事になったと思いながら、煙にまぎれながら裕次郎は仕込み杖を開く。美しく鈍く光る、人目で業物と分かるそれを抜き、煙の中から様子を伺う。
現在の戦力は一対四。数で見ればこちらが有利だが、数など戦略や純粋な力で覆される。だからこそ、既に更なる応援を呼んでおいた。相手が一騎の将なら、こちらは。
「十の兵、百の兵で……圧倒的に、呑み込みましょうぞ。赤月、３・６・０！」
意味の分からないように、それぞれ暗号を使い指示を出す。自身は仕込み杖を抜刀したまま、煙の中から突出。
二人の赤月は援護射撃を行い、煙の中から外に出て、遠距離から射撃を行う。
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